寝て起きたら王道テンプレファンタジー世界に転生していたんだが。打ち切りだよこんなもん!!! 作:緑茶美味しい
教会に到着した。国王のお城程までとはいかないが、この教会もかなり立派で大きい建物である。
教会入り口を入ってすぐ右に、女性が立っていた。
「本日はどうなさいました?」
「ああ、こっちの坊主の適性能力を調べにな」
「畏まりました。準備いたしますので少々お待ちください」
「ああ」
そう言うと女性は奥の部屋へ何かを取りに行った。
「どこ行ったの?」
「あー、適性能力を調べるには水晶が必要なんだよ。でもその水晶がかなり高価でな、普段は厳重に保管されている」
「そっか、それを取りに行ったんだね」
「そーゆーこった」
そんなことを話しているうちに女性が戻ってきた。
「お待たせ致しました、それではそちらの…」
「カイトだ」
「カイト様、こちらにいらして下さい」
「あっ、はい!」
「それでは腕を出してくださいね」
「えっ?あっはい…」
腕?なぜ腕なんだ?
そう思っていると女性は小さめの注射器を取り出す。
「エ゜ッ!?」
「どうした坊主」
「ち…血ィ取るの…?」
「おう」
何が『おう』だこのオッサン…!!!血ぃ取るなら先に言っとけよ!!注射苦手なんだよ!!!
「それでは失礼しますねぇ」
内心で愚痴を吐いていると女性がササッと血を取る
「うぅん…やっぱり血ぃ取ったあとはちょっと気分が悪い……」
「あはは…ソレでは適性能力を表示させますね」
女性がそう言うと試験管1本分の血を水晶に流す。
コォォォォッ!!
水晶が光り出す。かなり眩しい…
「こ、これは…!?」
「おお!!コイツは驚いたっ!!!」
「え?何?」
オッサンと女性がかなり驚いている、俺も思わず水晶内に表示されている文字を読む
ーーーーー
アルケンス=カイト
適性能力『特』
かなり『特』適性に特化したニンゲンです。
潜在能力は底しれないでしょう。
ーーーーー
「これって!?」
「ああ、坊主、お前は100万人に一人と言われている『特』適性の持ち主だ、コレはかなりの幸運だぞ!」
「私も『特』適性を持つ人は初めて見ました…」
コレはかなり運が良い!!俺は興奮覚めやらぬ気持ちで帰路に着いた。
ーーーーー
「でもオッサン、『特』適性の持ち主の能力ってどんなんなの?」
「正直『特』適性はズルだ。なにせ作る能力に制限がない。やろうと思えばどんな能力だって作れるだろうな、まぁその人間の力量が不足していると、作れたとして使えないだろうが」
「スゥ~…なるほどね」
能力に制限がない!?!?ズルもズルやんけ!!?
あー、でもオッサンの言葉を考えるならその人間の力量や潜在能力に見合った能力にしないと、システム上作成できても使用はできないのか…
「どんな能力にしよう…」
「焦って考えるなよ、坊主。焦って変な能力にすると一生後悔する。戦技による固有能力は一人につき一つ。これが絶対のルールだ」
「わかった」
まぁゆっくりと強い能力を考えよう…
ーーーーー
さて、というわけで翌日、戦技開発のお時間です。
「とは言っても…どんな戦技にするか」
火力の高い攻撃魔法?
硬い防御をメインに据える?
時間操作とか…?
「うーん…正直俺が戦闘で一番嫌なのは攻撃自体を受けることなんだよなぁ…痛いの嫌いだし」
とは言っても…なぁ
「あっ、そーじゃん!どんな攻撃も当たらなければゼロダメージ!!書き出そう!!」
ーーーーー
(戦技名未定)
どんな攻撃も避ける能力、どんな状況下においても相手の攻撃や害意を持った行動に対して反応し全てを回避する。
ーーーーー
身勝手の〇意的なサムシングかな…
でも能力の内容を決めたからってどうやって身につけるのかが分からん…
一旦オッサンに聞いてみるか。
ーーーーー
「ほう、結構面白い戦技を考えたじゃないか。でもこれだと足し引きが合っていないな」
「足し引き?」
「ああ、いいか?戦技っていうのは足し引きによって成り立っているんだ。その能力によって使用者にもたらされる利と、逆に使用者にもたらされる不利。これを釣り合わせないと能力は作れない。お前のこの能力の場合、攻撃面を全て捨てるか、逆に能力による回避以外の行動を取った場合に対するペナルティが無いと釣り合わん」
「へぇぇ」
なるほど、確かにこの能力を何のリスクもなく手に入れれたらこっちは全て回避して相手は一方的に攻撃を食らうクソゲーが始まってしまう。
そういう所もしっかりしてんだなあ…
「てか、その足し引きを釣り合わせたとして、能力を身につけるにはどうすればいいの?」
「それは簡単だ。能力の名前、内容、メリット、デメリット、ペナルティを書いた紙に魔力を流して言葉に出して、そうして初めて能力がお前に定着する。」
「え、そんな簡単なの?」
「ああ、だから言ったろ?能力を作ること自体は簡単なんだ。問題はそれを十全に扱うための力量と経験をどうやって補うか。これを疎かにすると能力が不発に終わる」
「わかった!!ありがとオッサン!!」
それだけ聞ければ十分だ、俺は家に走って向かう。
「オッサンじゃねぇ!!あと能力定着に使う紙は特別な物だ!!欲しかったら教会に行って貰ってこいよ!!」
「わかったぁ!!!」
ーーーーー
というわけで能力を一晩練りに練って考えてみた。
戦技名
あらゆる障害物や害意を持った行動に反応し、その障害物や行動が起こすであろう結果を回避する。
物理的に避けられない場合は無効化する。
なお、この能力を使用せず回避行動を取った場合、1週間この能力は使用できなくなり、魔力を使った技術も同じく1週間使えなくなる。
攻撃魔法や攻撃そのものに弱体化補正がかかる。
ーーーーー
「こんなもんか、よし!この能力で決まり!!」
俺は昨日の帰りに教会から取ってきた紙に能力の詳細を書き写し、言葉にする。
ちょうど戦技の詳細を言い終わった頃だろうか、脳と心臓に何かが定着したような感覚がした。
「なるほど、コレで能力が定着したと考えてよさそうだな…試すか」
俺はゲンジのオッサンの所に行くことにした。
ーーーーー
「オッサン!!」
「だからオッサンじゃねえ!!お兄さんだ!!…んで?何だ?」
「今から俺と闘ってくれ、本気で!!」
「何だって俺がそんなこと……まさか、出来たのか!?あのバカみたいな戦技!?」
「だから!それを試すんだよ!!」
「ったく!!そうとなれば話は別だ!良いか?俺は今から本気で切り込みに行く!!怪我しても知らねぇからな!!」
「バッチ来いだぜ!!」
ーーーーー
「………」
俺は腰を少し落として両手をわざと低めの位置で広げる。
コレでいい、自然体にならなければ。
「行くぞ」
その言葉と同時にゲンジが木刀で斬りかかる、視えない、流石に歴戦の猛者…疾すぎる。
「疾ッ!!!」
ブンッ!!!
気づいた時にはもう首筋まで木刀が迫る、確実に避けれないだろう。
俺以外なら。
フッ…
「!?…消えた!?どこ行きやがった坊主!!」
「後ろだぞ、オッサン」
「!!……ガチか!?」
様子を見るに、本当にゲンジのオッサンには取らえきれないスピードで回避したみたいだ。
実際自分の感覚的には首元に木刀が迫っていることを認識した瞬間にいつの間にかオッサンの後ろに立っていた。急に景色が変わって驚く所だが、自分自身それを普通のこととして受け入れていた。
「まだまだ本気じゃないだろ?来いよ、オッサン!」
「ナメんなよ!小僧!!」
そんなことを言いながらもゲンジのオッサンは笑っている。
「ハァッ!!」
縦横斜めの斬撃を二連、やはり視えないが感覚で解る。その場から俺が移動する
「…!やっぱり消えやがる!!」
「上だよ、オッサン」
そう、今俺は試合場の近くの古民家の屋根の上に立っていた。
この避けたあとの移動先決められないのか?なんか中二っぽいんだが…
多分コレが能力を十全に扱えていないってことなんだろう。
多分もっと扱えるようになれば移動先も決められると思う。今は能力のオート回避に全てを任せている状態だ。
「クハッ!!バケモノかよ!お前!!」
「失礼だぞ!オッサン!」
俺が殴りかかる。
「うーん、やはり回避はバケモノ級だが攻撃面は素人も素人。避けるだけなら目を閉じていても出来るし当たってもさほど痛くない」
オッサンは分析する。
「やっぱり駄目か!!回避は能力に任せてるけど攻撃面だけは自分の意思だしあと能力によって攻撃全般がマイナスされている…」
「うん、だいたい分かった。止め」
オッサンが言うので模擬戦を終了する。
「えー、総括としてだがな、まず回避。これはそのままで良い、本当は自分で回避先や回避時の行動も決められればいいんだが、それは戦技を使い続けるうちに慣れる。」
「問題は…」
「そう、攻撃面だな。お前は攻撃面がずぶの素人、そんな攻撃じゃあ避けていても相手を倒せない。明日からは戦闘技術の訓練を行うぞ。魔法訓練はしばらく禁止。」
「うす」
やはり攻撃面はダメダメでしたな、コレからもっと時間をかけて一流の攻撃ができるようになりたいと思いましたまる(小並感)
ご覧いただきありがとうございました!
感想お待ちしております!