絶対無敵スパイダーマッ!   作:映画好きのガキ

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2話 ホームメイド

正直に言おう。

僕は今、ワクワクしている。

転生してからずっと探し求めていたファンタジーが降ってわいてきたんだ。

そりゃワクワクするだろ。

 

そしてそれ以上に恐怖している。

スパイダーマンはかっこいいけどなりたいとは思わない。

殴り合いとか怖いし毎作品ボロ雑巾みたいになるし。

 

「ごめん!遅くなった!」

「おはよ。じゃ、行くか」

「うん、おはよう」

 

…必ずと言って良いほど身近な人が死んでるし。

とりあえずペニーだけは死なせたくない。

 

「どうしたの、私の顔に何かついてる?」

「いや、学校終わったらペニーの家の庭で能力の練習しようと思って」

「それいいかも、終わったらすぐね」

「了解」

 

もう完全に遅刻だ。

ペニーもそれを分かっているのか、吹っ切れた顔してゆっくり歩いている。

走るのは疲れるし好都合だね。

 

その時、背筋を何かが走った。

見えたのは少し先の未来。

 

べちゃっ

 

「あっぶな、鳥の糞じゃん」

「よく避けれたね?」

「スパイダーセンスかもしれない」

「便利じゃん」

 

十数分後、僕たちは教室に居た。

あの後何事もなく学校にたどり着いた。

 

「すみません遅刻しました」

「しましたー」

「ペニーさん、珍しいですね。今度から気を付けてください」

「はい、すみませんでした」

「ピーターくん、後で職員室に来なさい」

「なんで俺だけ!?」

「日頃の行いでしょ」

 

そんな、ちょっと生意気なガキを泣かせまくっただけなのに…

そんなことしてるから友達が少ないのかも。

矯正する気はないよ。

先生が授業再開した。じゃ、おやすみ。

 

「あとで起こしてね」

「はいはい」

 

 

 

 

 

「…い……起きて」

「ん…ああ、おはよう」

 

どうやら今日は起こしてくれたようだ。

機嫌がいいのかもしれない、あんなこともあったし。

 

「ほら、早く先生のとこいきなよ」

「今日はそんな事してる場合じゃないだろ。早く帰って実験しないと」

「…わたし知ーらない」

 

めずらしい。

こういうことに目をつむってくれるときは本当に機嫌がいい。

何時もこうだったらいいのに。

知らないことにしてくれるなら早く帰るか。

 

「今すぐ帰ろう、楽しみだ」

「正直私もワクワクしてる、早く行こ」

 

今日はまだ日が落ちる時間でもないのに今日も早足で帰った。

いつもより口数も少なくいつの間にかペニーの家の庭についていた。

ああ、ペニーの家は結構豪邸だ。

ペニーのお父さんが大きな会社の役員だから金は持ってる。

そのせいで忙しくて家にはそんな帰ってこないけど。

 

「じゃ、はじめよっか」

「まずは何から試す?」

「判明してる能力は置いておこう。問題なのはまだ自覚してない方だ」

「それもそっか」

 

そんな事言ってもこれ以上能力があるのかも分からないけど。

色々試してみるか。

 

まずは瞑想。

目を閉じて自分の内側に意識を向ける。

深く、深く、もっと深く。

 

…なんかあるな?

 

これを…表面に引っ張り出す感じで…

 

「わわわっ!ピーターなんか背中から生えてる!」

「えっ」

 

そう言われて目を開けると黒い何かが生えていた。

意識をそちらに向けると自分の手足の様に動かせた。

まさか一発目から引き当てるとは。

 

「なにこれ…」

「…わかんない」

 

黒くて、長くて、節があって、先が爪の様に尖ってる。

もしかしてこれ蜘蛛の足じゃないか?

 

「…蜘蛛の足?」

「ああ、それ僕も思ってた」

 

色以外はアイアンスパイダーについてるスパイダーアームに似ている。

ていうかそっくりだ。

 

「スパイダーアームみたい」

「生体ウェブならぬ生体スパイダーアーム?」

「うまくないよ」

「…はい」

 

とりあえずスパイダーアームは一旦置いとこうか。

次に問題なのは…360度全方向見える事か?

 

「あとついでに目が真っ黒」

「そうなってんのね」

「そっちはどうなってるの?」

「360度全部見える」

 

ついでに五感もすごい。

情報量が多すぎて頭が痛いくらい。

…これ戻せるのか?

お、できた。

 

「マジで人間じゃないな」

「ま、まあリザードよりはましだよ」

「下手な慰めありがとう」

「まったくもって感謝が伝わってこないよ」

 

まあ俺の能力は大体出たかな?

これ以上出されても困るだけだけど。

次はペニーの方が気になる。

 

「次は私かな?」

「ああ、今朝のヤツ以外になんかできる?」

「学校で試したけど五感を覗くのは誰でもできそう」

「おお」

「距離は視界の中ならできるっぽいかな?」

「おお…?」

「後は記憶も覗ける」

「チートじゃねぇ?」

「うるさい蜘蛛成分99.99%」

 

そんな除菌シートみたいな…

ていうかペニーは蜘蛛成分少なすぎじゃないか?

テレパシーなんて、いやテレパシーって言って良いのかわかんないけど。

全然蜘蛛の能力じゃないじゃん。

最初俺に噛んだ時にDNA全部注ぎ込んだ?

 

「…ねえ」

「どうした?」

「スパイダーマン活動…しない?」

「えぇ…」

「ほら、大いなる力にはうんたらからって言うじゃん」

「そんなしたい?ペニーは直接現場に出る事はないでしょ」

「憧れてたんだよね…椅子の人」

 

そっちに憧れるんだ。

ネッドみたいなやつだな。

 

危険だとは思う。

この世界異常に治安悪いし、銃を持ってる犯罪者も出てくるかもしれない。

めっちゃ怖いし戦いとかできるだけしたくない。

まあでも…

 

「やってもいいか」

「そうこなくっちゃ!」

 

こんな力眠らせておくだけじゃもったいないだろ。

持て余すくらいなら世のため人の為使ってやらなくもない。

本音?

楽しそうだから。

 

「とりあえず顔は隠さないとだろ」

「確かあれが家にあったはず。ちょっと取ってくるね!」

「おい、待て…もう行っちまった」

 

数分後、家から出て来たペニーの手にはスパイダーマンのお面があった。

 

「マジで言ってる?」

「大マジ、スーパーヴィランでも出ない限りこれで大丈夫でしょ」

 

お面…といってもしっかりした物ではない。

プラスチック製の祭りに出てる屋台で売ってそうな安っぽいお面だった。

 

「視界も小さいし息もしずらいだろ、その上脆そう」

「でもこれ以外に顔を隠すものなんてないよ?」

「何で無いのさ…確かに顔を隠す機会なんてそうそう無いか」

「視界と呼吸ならそこだけ穴開ければいいし!」

「あー…わかったとりあえずそうしよう」

 

俺の持ち物にも顔を隠せるものなんて心当たり無いし。

仕方ないから今はこれ使うしかないか…

ペニーは既にお面を弄りに行った。

まあ穴を広げるだけだからすぐ戻ってくるだろう。

 

顔はアレで隠すとして、服が制服じゃ台無しだ。

今のうちにバレなさそうな服取ってくるか。

 

自分の家に入り自室のクローゼットをあさる。

ウチは貧乏なので服もそう多くない、何なら少ない。

そこから身体を動かしやすい服となるとさらに少ない。

 

「なんか色以外はホームメイドスーツっぽいかも」

「おーい!ピーター!」

 

おっと呼ばれている。

服をもってペニーの庭に戻った。

 

「はいはい、お面完成?」

「うん!どこ行ってたの?」

「使えそうな服探してた」

 

そう言って持ってきた服を見せる。

赤色の長袖パーカー、青色のジャージズボン。

そして普通の運動靴。

 

「なんか…色だけは寄せて来たね」

「これが僕らのホームメイドスーツさ」

「そう思うと愛着湧いてくるかも」

 

早くもっとちゃんとしたスーツが欲しいな。

問題は…特に無いか?

資金はペニーのが潤沢だし、裁縫技術も大きな障壁にはならないだろう。

そりゃ手を込めればどっちの技術も必要が跳ね上がるけど、そんな高性能なスーツは求めてない。

チクチクしてかゆいのは勘弁してほしいけど。

 

「んで、いつやるんだ?」

「今日の夜」

「…すまん、もう一回言ってくれ」

「今日の、夜」

「随分と行動力があるようで…」

 

実際に行動するのは僕なんだけど。

僕も楽しみにはしてるからいいんだけどさぁ…

流石小学生ってところか?

 

「じゃ、早速着替えて来て!」

「はいはい、覗くなよー」

「ハッ」

 

鼻で笑われたんだが。

最初に捕まえるのはこのヴィランで良いか?

 

「早く行きな―」

 

はあ…

玄関に入り、服を脱いでホームメイドスーツを装着する。

ていうかさっきまで着てた服に穴空いてるんだけど…バレないように隠しとこ。

 

玄関の鏡で確認するとすっごいダサいやつにしか見えない。

ここにペニー改造のお面をかぶると…

 

「ダセえ…」

 

しかたないけどこれで行くしかないか。

玄関を出てペニーの方へ行く。

ペニーはこちらを見て肩を震わせていた。

 

「笑ってんじゃねえ」

「ごめんごめん…っふ」

「もう始めんのか?」

「うん、行こう」

 

その言葉と同時に頭の中から声が聞こえる。

 

『サポートはこっちでするよ、正確に言えば警察無線を盗聴して現場へのナビゲーションかな』

「サンキュー相棒」

『相棒…いい響きだね』

 

スイングはまだできない。

もしかしたらスパイダーセンスの応用で出来るのかもしれないが経験が足りない。

つまり移動手段は徒歩だ、スパイダーマンなのに。

 

『こっちで事件探しておくからパトロールでもしてて』

「OK!さーて事件はどこかなー」

 

既に夜中と言って良い時間帯。

犯罪はそこらじゅうで起こっている。

といってもここら辺は治安がいい方だけどね。

でも、そこら辺の路地裏に入ると。

 

「ちょっと今持ち合わせなくてさ。ちょっと貸してくれない?」

「え、あ、えっと…」

「早くしてくんね?おっさん」

「ひっ」

 

こんな感じでカツアゲ現場に遭遇できる。

ポケモンの草むら的な立ち位置だね。

じゃ、始めるか。

 

「やあ、不良くん達」

「俺らになんか用?コスプレオタクくん」

「おいおい、僕の名前はコスプレオタクくんじゃないよ」

 

手首をヤンキーの方向に向けて手を例の形にする。

 

THWIP!

 

「うおっ!?」

「まず一人ゲット!壁と糸の布団にご案内!」

「…はっ?」

 

もう片方の手首から糸を出す。

 

THWIP!

 

壁に貼り付けて、これで鎮圧完了かな?

 

「僕の名前は、スパイダーマンだ」

『くぅー!かっこいー!!』

(…ペニー、気が抜けるだろ)

『ていうか何その口調、いつもと違いすぎでしょ!』

(スパイダーマンは親愛なる隣人だろ?)

 

足を壁に貼り付けそのまま上る。

少し上がってから一度振り返りカツアゲ被害者に声を掛ける。

 

「じゃあね、今度から路地裏なんかはいらない方がいいよ!」

「あっ、ありがとう!」

 

上に向かって走り出し屋上に出る。

屋上のフェンスに昇り下を見下ろす。

 

『やるき?』

「うん、スイングできないスパイディなんてアームが無いドックオクじゃないか」

『うまくないよ、親愛なる隣人ならジョークもうまくないと』

「…じゃ飛ぶか」

 

前傾姿勢になりビルから落ちる。

 

先のビルを見てその方向に手を伸ばす。

 

手の形を整え、息を整える。

 

「行け」

 

THWIP!!!




主人公を強くしたので敵も強くします。
最低でも死にかけるくらいには強くしたい。

ピーター・パーカー
能力は蜘蛛DNAの活性化。
やらなくても通常のスパイダーマンの能力はある。

スーパーパワーを手に入れて調子乗ってる。
ついでにカノンイベントが待ってる。

ペニー・パーカー
能力は範囲がエグいジーン・グレイ。
体を乗っ取るのはまだ練習が必要だがこのまま成長していけば視界に入るだけで乗っ取れるようになる。

スーパーパワーを手に入れて調子に乗ってる。
こいつにもカノンイベントが待ってる。

カノンイベント
アップを開始してる。

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