可愛いね。
立希さんは意外と身長が低い。
いつも頼りになるし、気も大きいし、かっこいいから大きく見える。
だけど、実際のところ身長は156cmくらいって前に言ってたし、話す時はいつも俺が見下ろす感じになる。
なんというか、頼りになるのに小さい立希さんのそのギャップが俺の中でとても可愛くてしょうがない時がある。
「凪、ちょっといい」
「なんですか?」
仕事中に立希さんにバックヤードに呼び出される。普段ならそんなことないんだけど、どうしたんだろうか。
ドアを開けてバックヤードに入ると、背伸びをしながら棚に手を伸ばす立希さんの姿があった。
「……可愛い」
ぴょんぴょん跳ねたり、色々頑張ってはいるけど、一向に届く気配がない。
「これ、とって欲しいんだけど」
そう言って、棚の上を指さす立希さんの傍には壊れた脚立が置かれていた。
「あーなるほど。分かりました」
立希さんに後ろから覆いかぶさるように棚の上に手を伸ばして目的の物を手に取った。
「はい、これで合ってますか?」
「あ、お、お前さ。わざわざ後ろから覆いかぶさらなくても」
あわあわとする立希さんの耳は赤くなっていて、非常に可愛らしかった。
「で、でも。ありがとう……私じゃ取れなかったから」
少し離れたとはいっても、いつもより立希さんとの距離は近い。
そのせいか、俺の顔を見るために、立希さんは顔を少し上げて上目遣いの形で俺にお礼を言った。
あ、ダメだ。
可愛すぎる。
「立希さんはこのままの身長でいてくださいね」
「は?なんで?」
「その方が可愛いので」
このギャップがなくなるのは惜しいというか損失な気がする。
そして、バックヤードの脚立には一生壊れていてほしいと思う。
「バカじゃないの。小さくても不便なだけだから」
いつも通りトゲトゲしい立希さんだけど、さっきの光景を思い出すと口元が自然とにやける。
「……何にやけてるの。ほら、さっさと仕事戻るよ」
カウンターに戻って俺はコーヒーを淹れながら、隣でグラスを洗う立希さんに視線を奪われる。
さっきの上目遣いがあまりにも破壊力がありすぎて脳裏から離れない。
「そういえば、理想のカップルの身長差って10cmから15cmくらいらしいですよ」
「あっそ、だからなに」
興味なさげに軽く受け流しながら、立希さんは洗い終わったグラスを置いた。
「俺って身長170cmくらいなんですよね」
「だからなんだって――」
そこまで言いかけたところで、立希さんは言葉の意味に気がついたみたいだった。
少し固まってから、顔を真っ赤にして俺を見上げる距離までずいっと詰め寄ってきた。
「だから!なに!」
お客さんがちょうどいなかったからか、怒鳴るようにそう言って新しいグラスを手に取って洗い始めた。
……理想の身長差ってのもあながち間違ってないのかもしれない。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
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立希ちゃんの可愛いところもっと色々見つけていきたい所存です( ˇωˇ )