シャングリラ・フロンティア~神ゲー観察録~   作:グラシズ

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採掘するのが大変?兎の手でも借りましょう

「確かこの辺に……」

 

ガララッ

 

ヴォーパルバニーが攻撃してくる前に急いで瓦礫をどかし、光ったものが見えた所を探す。

 

「やっぱりあった……!」

 

・灰色鉄鉱

灰色の鉄鉱石。特殊な効果こそないものの様々な用途に加工することができる。

 

「しかも二つもドロップしてる」

 

鉱石ってのは石柱という採掘ポイントで採掘、ようするに破壊をすると鉱石アイテムがドロップする。

 

「……その破壊は何由来でもOKってことか!」

 

「キィィィ‼」

 

「おっと呆けてる場合じゃない」

 

身体をよじり、回避する。

 

相変わらず脳天にしか攻撃してこないし狙っていけるか……?

 

「やってみるしかないか!こっちだ兎!ついて来い‼」

 

「キュイ!キィッ!」

 

「よいしょっと!」

 

ヴォーパルバニーの攻撃を捌きながら泥沼を移動し、石柱の近くへ移動する。沼地にある採掘ポイントは数が多くそこまで距離があるわけじゃないが、泥沼を移動するのが遅くて時間がかかるし、その間はほぼ無防備だから油断はできない。

 

「おし到着!キツイけど狙ってくるところが分かっていれば対処はできるかなっと」

 

俺は石柱の側に寄り、ヴォーパルバニーが攻撃してくるのを待つ。

 

「キィィィ‼」

 

よし来た‼

 

「採掘お願いしまぁぁぁす‼」

 

先程と同じように攻撃を避ける。すると……

 

ズガァァァァン‼

 

空振った攻撃によって俺の後ろにある石柱が破壊される。それを確認したあと、ヴォーパルバニーの攻撃後の隙を捉え……

 

「はいありがとうございました‼シールドバァァァァッシュ‼」

 

ヴォーパルバニーを吹っ飛ばし、俺はその隙に瓦礫の中から鉱石を回収する。

 

「よっしゃまた灰色鉄鉱ゲットォ‼自分でカンカンするより全然効率良いわこれ!」

 

「よしじゃあ次ィ‼」

 

「キィィ‼」

 

ズガァァァァァン‼

 

「ハイじゃんじゃーん‼」

 

「キィッ‼キィィィ‼」

 

ドガァァァァァン‼

 

鉱石アイテムザックザクでたまんねぇぜ‼なんかテンション上がってきたぁぁぁ‼

 

「キィィィィ‼」

 

あっヤベッこれ当たる。

 

「ふんぬ‼」

 

ブリッジで回避‼

 

「っとと……ふぃ〜ちょっと今のは肝が冷えた……。鉱石回収に夢中になりすぎた……」

 

それに大量ドロップでちょっとテンションがおかしくなってたわ。ちょっと落ち着こう。

 

この方法は攻撃箇所や相手の動きが分かってるとはいえ、移動や石柱破壊後の回収の間ずっと脳天をカチ割られる危険があるので急がないといけない。だがスタミナという行動制限もあるので塩梅が難しい。

 

「でもこんな効率が良い採掘方法わかったら難しかろうがやるしかないよなぁ……。んー作戦とか無し!気合で全攻撃捌く‼」

 

ちなみに今思ったんだがさっきのチャットでムカついたのでサンラクにはこの採掘方法絶対教えん‼

 

「さっさと次だ兎‼」

 

「キィッ‼キュイッ‼キィィィィ‼」

 

ヴォーパルバニー君も思ってもみなかった天職が見つかって大喜びだね!

え?攻撃捌かれまくって挙句の上に採掘に利用されててキレてるようにしか見えない?

利用されるような温い攻撃しかしてこない方が悪いんじゃないかなぁ……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後何度もヴォーパルバニーに石柱を粉砕してもらった成果。

 

・灰色鉄鉱 数十個 多分武具作成には十分なほど集まった

 

・藍泥鉱 五個 特に使う予定はないので資金の足しにする

 

・沼棺の化石 一個 ようやく出てきたレアドロップっぽい鉱石。名前カッコよ

 

・銀色鉄鉱 三個 灰色鉄鉱の上位互換かと思ったら違うらしく、確かに比較的レアではあるがどちらかというと性質が違うやつ。武具作成に使うと「魔力強靭」という効果がつくらしい。

 

インベントリを圧迫し始めたのか、動きが遅くなってきたしそろそろ切り上げ時かなぁ。

 

「ずっとお前を使い続けるのもちょっと可哀そうになってきた……」

 

もうこいつ疲れすぎて動きがトロくなってきてるし。プレイヤーならちょっと休めば全快するけどそこはプレイヤーとモンスターの違いか。

 

「疲れてるところ申し訳ないけどもう終わらせようか」

 

どれくらい戦闘(採掘)してたんだ?一時間はいってないと思うが……。

 

「キィッ!」

 

長時間攻撃を捌き続けて慣れて来たのでもう危なげもなく対処できるようになった。

 

「あと長時間同じ個体と戦い続けることで気付けることもあるんだよな」

 

驚くことにモンスターであるこいつらにもちゃんと個性がある。ヴォーパルバニーとかはエリアごとに武器や服装は変わるが、同じエリアの個体間にも差がある。例えばそう……

 

「上段で攻撃するときは毎回太陽を背にしてるんだよなコイツ」

 

この行動は他のヴォーパルバニーには見られなかった。太陽光のせいで見えづらく、攻撃を対処しずらいことが多かったが偶然じゃなかったようだ。思考ルーチンが全個体で異なるのか?やっぱりこのゲームやってることおかしいだろ。

 

「キィィ!」

 

「見えずらいんだよ……!シールドバッシュ‼」

 

カァァァァン‼

 

盾と盾がぶつかり合って大きな金属音が響くが先ほどまでとは違い、拮抗しない。

 

「やっぱり疲れてきたか?膂力負けしてるぞ?」

 

思い切り押し弾き、作った隙を見逃さずスキルを叩き込む。

 

「袈裟切り‼」

 

手ごたえからしてまだだ。

 

「スク―ピアス‼」

 

スキルをクリティカルで二発叩き込み、ヴォーパルバニーはポリゴンとなって消えた。

 

「まぁ色々採掘では助けられたけどリストラってことで。すまんな」

 

いやーヴォーパルバニーのおかげで鉱石アイテム潤ったわ〜。

 

「っと忘れちゃいけないドロップアイテm……」

 

『致命の小盾(ヴォーパルシールド)』

 

……ん?

 

落ちている赤い盾を装備して致命の包丁(ヴォーパルチョッパー)と一緒に構える。

 

「……おんなじゔぉーぱる?」

 

「…………ヨッシャァァァ!!!」

 

「一発ドロップマジか!?アイツ(一方的に辞めさせられたけど)退職届代わりにとんでもないもん置いていきやがった‼この流れだとまたヴォーパルバニー乱獲しなきゃいけないかと薄々思ってたけど杞憂だったわ‼」

 

流石にまた何時間もヴォーパルバニーを求めてエリアを彷徨うなんてしたくないからな。

 

「鉱石アイテムがメインの探索だったけど一番の成果はこれかもしれん」

 

・致命の小盾(ヴォーパルシールド)

ヴォーパルバニーが持つ小盾。それは強者から己の身を守る弱者の盾である。打撃武器として振るうことも可能。

『弱者と侮ること無かれ、彼らは常に機を伺っている』

効果

戦闘対象が自身よりレベルが高い場合、クリティカルで防御した際のダメージ軽減率上昇及び一定時間自身のクリティカル威力上昇

 

「レベルやクリティカルとかの条件は多いけど、相変わらず使い勝手が良さそうなシリーズだな。これは普段使い確定だな」

 

「ていうかまだドロップ品があるな」

 

・ヴォーパルバニーの長靴(装備不可)

ヴォーパルバニーが装備していた長靴。これを装備すると泥沼に足が取られなくなる。材料や仕組みは不明となっており、不思議な技術が使われている。

 

「確かに泥沼対策できる装備羨ましいとか言ったけどさ……」

 

サイズが兎専用なんよ。入らないって。ちゃんと装備不可って表記されてるし。

 

「まぁドロップしたってことは何かしら使い道あるだろ」

 

そうしてドロップ品をすべて回収し、俺は辺りを見回す。

 

「結構荒らしちゃったなぁ……。ここら辺の採掘ポイントもう残ってないな。瓦礫の山しかない」

 

集中していて気づかなかったとはいえ、ゲームマナー的に良くないことをしてしまったな。

 

「それにしてももう夕暮れ時か。流石に切り上げて街戻るか」

 

夕日がきれいだ。クオリティが高いゲームはこういう風景も楽しめるから良いんだよな。そんなことを思いながら進んでいく……が、瓦礫の山の一つが俺の目を引いた。

 

「……なんか光った?」

 

しかも最初に見つけた灰色鉄鉱のようなただの金属光沢じゃない。

 

「急ぎつつもちゃんと回収し忘れないようにしたはずなんだけどな」

 

瓦礫をどかしながら光の発生源を探す。

 

「一瞬だったから大体の位置しかわからない……これか?」

 

あれ?これ俺がさっき手に入れた沼棺の化石と同じものじゃ……。

 

その鉱石を瓦礫の中から取り出してそれに夕(・)日(・)が当たった瞬間……

 

「うわ!?なんだこれ!?」

 

さっきまで淀んだ色だったはずなのに、今は透き通った青空のような色をしており、キラキラと光っている。

 

「夕日が当たっているからか?」

 

その鉱石の向きを変えると今度は夜空に満天の星が輝いていると錯覚してしまいそうになるほどきれいな色と輝きへ。

 

「光の当たり方が違うとはいえこんなに変わるものか?」

 

・変質した沼棺の化石

見た目が変わってしまうほど大きな力を封じ込めている沼棺の化石。その力を蘇らせるには通常の沼棺の化石とは比べ物にならないほどの実力を鍛える者と携える者に求める。

 

「どちらかといえば宝石っぽい見た目だけど……」

 

「詳しいことは専門家に聞くしかないな」

 

セカンディルへレッツゴーホーム!




なんでヴォーパルバニーに採掘してもらうとドロップが良くなるのかというと単純に一度に破壊できる規模が大きいのとLUCのステータスが関係してるんですよね。
シャンフロのモンスターにもちゃんとステータスがあるので(小説版ワンコ初遭遇時やエムルがパーティーに加入するときにLUCの表記あり)プレイヤーとモンスターでのLUCの処理はあまり変わらなそうだなーと思い、この二次創作だとこの描写をしました。原作だとどうなってるんだろうそこらへん。
普通にレベルが上がってLUCが伸びたらプレイヤーの手で採集した方が効率が良いだろうけども現在のルシッドはLUCがザコなのでモンスターにやってもらったほうがドロップがいいです。
LUC20とか乱数の女神が鼻で笑うレベルなんじゃないですかね……?

今の所ヒロインいません!筆者の文章力で書くのが不安だからです!まだ設定練りきってないから今なら間に合うけど…

  • そのままでもいいよ
  • そんなの関係ねぇ!書け!
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