早速手に入れた鉱石で武具を作成してもらうため、セカンディルに戻ってきた。
「なんかレアっぽい素材も手に入れたし、何が作れるか楽しみだ」
武器屋に入店すると、出迎えてくれたのは初めて訪れた時と同じ鍛冶師と思われる男性。
「いらっしゃい……ん?さっき来た兄ちゃんじゃねぇか。早いお戻りだな?鉱石があまり採れなかったか?」
まぁ普通そう思うだろうけど……
「いいや?豊作だったよ」
インベントリを操作し、ゴトゴトと机を揺らしながら採取した鉱石を全部取り出す。
「……短時間でこれだけ採ってきたことに驚いたが、この中にあまりお目にかかれない沼棺の化石が二つもあるってのも驚きだな。どうやって採掘したんだ?」
「んー避けたり跳んだり?」
「避ける……?」
「まぁ……気にしないでくれ。それよりこれで何が作れるか知りたいってのと、あとこれについて聞きたい」
そう言って俺は
「そりゃあ……沼棺の化石と呼ばれてる鉱石だが……」
「沼棺の化石ではあるらしいけどなんか普通じゃないんだよねこれ」
そう言って俺は窓辺から零れる夕日を当てる。そうすると見つけたときと同じように沼棺の化石はきれいに輝きだした。
「これについて何か知ってたりしないか?」
「異様な性質を見せる沼棺の化石……見るのは初めてだが一度だけ、人づてで聞いたことがある」
鍛冶に携わってる人なら知ってると思ったがやっぱり当たりか。
「……まず沼棺の化石自体についてなんだが、その鉱石はモンスターの一部が長い年月をかけて化石になったものと言われてるんだ。ってなるとモンスターの力を内包していると考えられるんだが……」
「そのモンスターによってはこうなるってことか?」
「おそらくそうだろうな。だが俺が聞いた話の沼棺の化石は日に当てるときれいに輝いたなんてことは言ってなかった。だからどんな力がそれに封じ込められているか分からん。そもそも性質が変わるほどの力を持った沼棺の化石なんて前例が少ないからな」
前例がないから詳細は分からないか……俺もしかしてとんでもないもの採掘しちゃった?
「その話を聞く限り、素材としては上質そうなんだが……武器に使ったらとんでもなく強くなるってことじゃないか?これを素材に武器を作ってほしいんだが」
「任せろ……と言いたいところだが、断らせてもらいたい」
「何か理由が?」
「俺の鍛冶の腕は一流だと自負しているが、扱う素材を見極められずに依頼を引き受けるほど驕っちゃいねぇよ。十中八九失敗するだろうな」
「……この素材って上質っていうよりヤバい代物だったりする?」
「ああ。実際俺が聞いた話では鍛造しようとした奴は失敗して吹き飛んだと聞いた」
ヒエッ……。
「それに宿ってる力が強力な分、危険度が増すのも当然だ。実力不足で依頼を断るなんてことは鍛冶師として不本意だが、命の危険があるからな。何よりこんなに素晴らしい素材をそんなことで無駄にしたくない」
「これ持ってる間に爆発したりしないか?怖くなってきたんだが……」
「眠ってる力を
鍛冶師NPCがそう言うなら大丈夫か?
「そんなに危険なことだと思わずに武器制作を頼んでしまった。すまんな」
「気にすることはねぇよ。それを素材に武器を作りたかったら俺より腕のいい鍛冶師を探すんだな。つっても俺より腕のいい鍛冶師となると探すのに苦労するだろうがなぁ!ガッハッハッハ‼」
ようするにお預けってことかぁ……。こういう序盤で手に入れた物が終盤になってからようやく使えまーすみたいな事よくあるよなぁ。
「じゃあこれ以外の素材で作れるものを頼んでもいいか?」
「もちろんだ。これ以外のもので作れる武具となると……こんなところだろうな」
そうして俺の目の前に一覧が表示される。
「じゃあこれとこれ……あとこれで頼む」
「明日の昼過ぎには作り終えるから取りに来な。素材が特別じゃなくても良質な武具を作り上げてやるよ」
「分かった。ありがとう」
そうして俺は武器屋から退店する。
「装備整えるための必要経費だったから仕方がないとはいえ、素寒貧になってしまった……」
さてどうしたもんかなぁ……。攻略を進めるにしても新しい武器を取りに戻るのめんどいからなぁ。武具ができるまでに時間があるし、ヴォーパルバニー君とエリアで金策でもするかぁ。
ということで四駆八駆の沼荒野にもう一度採掘しに行くためにセカンディルの門から街を出ようとしたところ──
「なっ…何⁉モンスター⁉」
すぐ近くにいた女性プレイヤーがいきなり弓を構え始めた。こんな街の近くでもモンスターって出てくるのか?
「待って待って‼PNがあるからモンスターじゃなくてプレイヤーだよあれ‼」
え?プレイヤーがモンスターと間違えられることあるの?一体どんな見た目してんだよ……。
女性が弓を構えている方向を見るとすごい形相で半裸鳥頭が全力疾走してきている。うわぁこれはモンスターと間違えてもしょうがないわ……。マーニを優先していた場合俺も同じ運命にあったかもしれない変態スタイル……!
「MMOで素顔晒せないから頭装備だけ被るのは分かるけど鳥頭とか……」
…………ん?
なんで今サンラクが頭によぎった?ちょっと待って?なんか嫌な予感してきた。
「まさか……」
遠くにいるので見えずらいが、PNを目を凝らして確認する。
PN:サンラク
「…………マジでぇ?」
え?よく一緒にゲームする知り合いが変態半裸鳥頭で俺を追っかけてきたとかどういう冗談?ちょっと頭痛くなってきた。
「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉ‼」
あの焦り具合……さては蛇の毒食らってHPがギリギリなんだな?そういやアイツ一度も街寄ってないって言ってたし、リスポーン地点更新してないよな?これ死んだらどうなるんだ?
「……これ仕返しチャンスでは?」
俺も鬼ではないので流石に死なせて最初からでーすwwwみたいなことはしないが、俺はまだフェアクソの件について許してないのでちょっと仕返しさせてもらおう。
「多分アイツ切羽詰まりすぎてて俺のことまだ認識してないな」
それなら不意打ちはかけられるはず。素早く門の裏に隠れて待機っと……。
「おーい‼そこのサンラクっていうプレイヤー‼真っすぐ行って白い屋根が宿屋だ‼ベッドで寝ないとリスポーンポイント更新できないから気をつけろよー‼」
初対面でしかもあんな変態ファッションの奴に対して親切なプレイヤーだなぁ……。
「まぁそいつが宿屋に無事にたどり着けるかは分からないけどなぁ……!」
俺今とても悪そうで楽しそうな顔してると思うわ。実際ワクワクしてる。
そろそろ来ると思うのでタイミングを見計らって……
「うおおぉぉぉぁあああ‼サンキュゥゥゥゥ‼」
ここ‼
「フェアクソの恨みィィィィ!!!!」
「どおぉぉぉああああ⁉」
飛び掛かって全体重を使って相手の体勢を崩してからの……
「十字固めじゃオラァァァァ!!!!」
いやー多分正面から行ってたら対処されてたなこれ。完全に不意打ちだったのに反応してたからやっぱりコイツ恐ろしいわ。
「まぁそれでも一度捕まえたらステータスの差はどうにもならんよなぁ?」
「はぁ⁉おま…ルシッド⁉なんでここにいるんだよ⁉」
「セカンディルで集合ってチャットで言ったぞ?」
「集合ってかそっちが一方的に捕まえに来ただけじゃねぇか‼離せ‼」
「離す前にフェアクソの件について話そうかァ……」
「分かった‼分かったから離せマジで‼死ぬ‼毒で死ぬ‼」
「保釈金は謝罪と借り一つだ。それまでは絶対に離さん。毒で死ね……ちなみに毒ダメの仕様と残りHPは?」
「え?10秒に1ダメで残り5……後50秒しか残ってねぇじゃねぇか‼マジで死ぬ‼」
そんな感じでサンラクを十字固めでギリギリと締め上げていると……
「ちょ…何してるんだ⁉その人今毒状態で死にかけてるぞ⁉」
先程の親切な男性プレイヤーが話しかけてきた。
「丁度いい‼コイツを引きはがしてくれ「すみませんコイツとはちょっと因縁的なものがありまして……こんな奴に時間使ってないで彼女さん?へのレクチャーに戻ったらどうですかぁ?」
「え⁉…か…彼女とかじゃないですよ‼」
会話の内容と様子からしてやっぱりそうだよなぁ……?恋心を利用するのは申し訳ないが、邪魔されるわけにはいかないんだよ……!すぐにそういうことを察せるのも人間観察しまくったおかげだオラァ‼
「なんか締める力強くなってきてないか⁉」
「ちょっとフェアクソでの日々を思い出して怒りの力をね……」
「それを俺にぶつけるのはお門違いだろ!」
「そんなことよりそろそろHPやばいんじゃないか?謝ったらどうだ?」
するとサンラクはHPを確認し……
「あーもう……大変誠に申し訳ありませんでした!!!!ハイ言った‼謝罪したからはよ離せ‼」
「それプラス借り一つな。はい開放」
「うおぉぉぉぉぉぉぉ‼」
サンラクの全力ダッシュ再開。なのでついて行く。
「なんでついてくるんだよ‼」
「え?どうせなら毒でくたばるの見てみたいなって……」
「こんな状況にになったのお前のせいだからな‼てかマジで間に合わない‼HPがあと1‼死んじまう‼」
しょうがないなぁ……。
「サンラク、どうせ間に合わないだろうからこっち向いて」
「あ?なん「はいお薬飲みまちょうね~」
「もがぁ⁉」
セカンディルを発つ前に買っておいた解毒薬をサンラクの口にぶち込む。
「なんとなく嘴にぶっ刺したけどあってるよなこれ?ちゃんと飲めてる?」
「…………いきなり嘴の中に突っ込むな‼」
ちゃんと解毒が間に合ったようだ。
「よしこれで合流完了ってことで!」
「お前マジで覚えてろよ……」
お前は借り一つできたこと忘れんなよ?
ようやく合流させられた……
今の所ヒロインいません!筆者の文章力で書くのが不安だからです!まだ設定練りきってないから今なら間に合うけど…
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そのままでもいいよ
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そんなの関係ねぇ!書け!