「とりあえずフレ申請飛ばしとくわ」
「分かった」
サンラクからのフレンド申請に応えてサンラクとフレンドになった。こうして当初の目的だった合流もできたわけなのだが……。
「で?これからどうするんだルシッド?とりあえず合流するとしか決めてなかったが」
「どうするも何もまずは服を着てくれ。サンラクの近くにいると俺も変態の仲間として扱われるだろ」
先程からサンラクと一緒にいるせいで注目の的になっている、もちろん悪い方のな。
「それもそうだな……じゃあ防具屋に案内してくれ。どうせどこに何があるか大体把握してるだろ?」
「ああ……俺もさっさとこの場から移動したいから早く行こう」
ということで俺が初めてセカンディルに来たときに利用した防具屋にサンラクを連れてきた。
「いらっしゃいませ。あなたは……少し前にいらっしゃった開拓者様ですね。やはり防具がご入り用でしたか?」
「いや、エリア攻略で困ったことは無かったし今金欠だから防具は大丈夫。だけどまぁ……防具ってより服が必要なやつを連れてきた」
「それは一体……いえ失礼しましたいくつかお持ちします」
サンラクの姿を見て俺が言ってることを理解したのか店員はすぐに店の奥の方へ入っていった。
「お前NPCにまで気を使わせるなよ」
「実際着るもの無いんだからどうしようもないだろ……」
「いやそうだけど……さっきもここに来るまで他のプレイヤー達に白い目で見られたしさぁ……これだけの人数がプレイしてるんだから晒しスレ的なものに晒されるんじゃないか?……はっ⁉やっぱりお前に露出狂的な趣味があってそれが狙いで……⁉」
「はっ倒すぞ⁉」
そんな感じでサンラクとワーギャーやっていると……。
「お待たせいたしました」
「ほら、店員さんが服持ってきてくれたぞ。さっさと選んで服を着ろ」
「わかったっての……じゃあ一番安いこの隔て刃の皮服一式で」
この配色……マッドフロッグか。
「……流石に別個体だよな」
「ん?何が?」
「いやなんでも。性能気にしない所からして、お前も防御力は捨てた感じ?」
「聞いて驚け、貫禄のVIT3だぞ」
「えぇ……俺も防御力捨てたつもりだったけど流石にそこまでじゃないわ。装甲ペラペラすぎない?」
「まぁまだビルドの方向性決まってないし、伸ばそうと思えばこれから伸ばせるからな」
そう言いながらサンラクは装備を変更しようとしたが……
「それに素のVITが低かろうと装備で補え……うわぁ……」
「サンラク?」
「見ろよこの頭装備」
サンラクが持っている頭装備を見てみると、目出し帽みたいなマスク。
「……それ装備してみなよ」
「いや……覆面にあんまり良い思い出無いんだが」
「そういやフェアクソのラスボスって覆面海パンが最適解なんだっけ?」
「あれ下手に装備すると逆に難易度上がるからな」
「聞き忘れてたんだけど結末の程は……?」
「もう3分間ボッコボコよ。初手顔面ドロップキックでフェアカスが錐もみ回転しながらブッ飛んで行ったの爽快だった……」
「うっわマジで羨ましいなそれ。フェアクソクリアしたくなってくるわ……でもまだ一週間拘束されてるし、ストーリー中盤だからかなり先に……うーむ」
「やっぱり既プレイ勢は最後の3分間の魅力には抗えないか……。もしクリアできたらどうするんだ?」
「初手は顔面に飛び膝蹴りかます。制作陣がフェアカスのキャラクリにこだわってるのはなんとなく分かってるからそっち方面への恨みも込めて顔面集中狙いするわ」
「……お前って結構性格悪いよな」
「お互い様でしょ、今更何言ってんだよ」
フェアクソ談義に花を咲かしていた俺たちだが、そこにストップをかけたのは店員NPC。
「お話中に割り込んで申し訳ありませんが、他に何かご入用のものはないでしょうか?」
「俺は連れてきただけだから何もないけど……サンラク、丁度いいしインベントリ整理したら?」
「そうだな。買取を頼む」
「承りました」
「基本的に皮とか防具に使えそうな素材は要らないんだが全部買い取れるか?」
「そうなると……これらの素材を二万マーニでいかがでしょう?」
「じゃあそれで」
二万……俺の方が多いな。
「なんでお前勝ち誇った顔してんの?」
「買い取り金額俺の方が一万マーニ多かったなと思って」
「はぁ?」
サンラクのインベントリ整理を終わらして防具屋から退店したあと、俺たちは他の施設へ移動していた。
「結局さっきの頭装備は使わないのか?」
「これつけたらどう考えても不審者じゃねぇか。嫌に決まってるだろ」
でも今のサンラクの容姿的には……
「今の見た目も変な鳥頭だし大して変わらないんじゃないか?」
「別に俺見た目とか気にしないタイプだから……まぁ変えなくていいだろ」
コイツさては結構鳥頭気に入ってるな?
「まぁ見た目を重要視しないって所は共感できるし……それより次に行く施設なんだが、武器屋だよな?」
「そうだな、初期装備だとちょっと心許無いし、
「じゃあ俺が使った武器屋に行くか。そこ行くなら場所的に多分こっちの路地裏から向かった方が……」
そう言って路地裏の方へ向かおうとした瞬間──
「キュイ」
「なっ⁉」
「キュキュキュイ!」
俺が驚いたのもつかの間、その兎は路地裏の奥の方へ走っていった。
「サンラク!お前も見たよな⁉」
「ああ!」
「とりあえず追うぞ!」
狭い路地裏でなんとか捉え続けている兎の背中をサンラクと一緒に追う。
「速いなアイツ……!てかあれってヴォーパルバニーだよな⁉おいルシッド!このゲームって街中にモンスター出現すんのか⁉」
「そんな仕様は聞いたことが無い!あのヴォーパルバニーはエリアに出現するやつとは違ってちゃんと服着てるし多分なんかのイベント!」
「まぁなんにせよ、見失うわけにはいかないわな‼全力で行くぞオラァ‼」
そう言ってサンラクは更にスピードを上げた。
「俺よりレベル低いはずなのになんでそんな速いんだよ……!」
置いてかれるわけにはいかない……!こうなったらさっき習得したスキルで!
「俺も飛ばすぞ!アクセル‼」
これでAGIに補正が入る!待てやオラァァァ‼
……しばらく兎を追い続けていたが、少し広めの空間に出るとヴォーパルバニーがいきなり立ち止まった。
「お前俺よりレベル低いよな?スキル込みでようやく追いつけるってどんだけAGIにステ突っ込んだんだよ」
「跳梁跋扈の森で得たステータスptの大半をSTMとAGIにつぎ込んだからな。そんなことより、この状況どう思う?」
ヴォーパルバニーは追いついて来た俺たちを攻撃することなく様子を伺っている。
「まぁ明らかに戦闘っていう雰囲気じゃないし、コイツから敵意は感じられない。多分大丈夫だと思うけど……」
マッドフロッグのような温厚なモンスターと考えられるが、一応慎重にヴォーパルバニーに近づいて行くと……
「キュ!キュキュ!」
「ユニークシナリオ?」
「ルシッド、こっちにも多分同じやつが出てきたぞ」
とりあえず何かイベントを引き当てたことだけは分かるが……。
「俺ゲーム内容について何も調べてないんだけどユニークシナリオについて何か知ってたりする?」
「軽くゲームの概要見ただけだから分からん」
「まぁクソゲーマーならそりゃそうか」
「いやそれ関係ねぇだろ」
「どうする?いきなり発生したイベントだけど予定変更するか?」
「おいおい態々聞くかそれ?ゲーマーならこの状況……行くに決まってんだろ?」
「それもそうだな。っていうことで答えはYESだ」
サンラクと同時に出てきたウィンドウに『はい』で答えると……。
「キュ!キュキュゥ!!」
ヴォーパルバニーは何か巻物のようなものを取り出した。
「巻物?スクロールか?」
そういえばゲームシステムとかもまだ把握してないな。とそんなことを考えた瞬間───
「キュ!キュキュイ!!」
ヴォーパルバニーがスクロールを使った瞬間壁に魔法陣が現れ、その魔法陣が光ったかと思えばそこには扉が出現していた。そしてヴォーパルバニーは扉の側まで行くとこちらにお辞儀をした。
「『ようこそ』とでも言ってるんじゃないか?」
「兎の国ツアーって名前からしてもそうっぽいな」
兎に導かれて国へ……不思議の国のアリスみたいな感じか?
「…………」
「こっち見てどうしたんだ?」
「んーなんでも?先行くぞ〜」
そうして俺は扉の先へ一歩踏み出す。
「何も見えないな……」
足の感覚だけを頼りに進んでいくと少しずつ視界が戻ってくる。視覚以外にも、喧騒が聞こえくる。この感覚は……あれだ。最初にファステイアに降り立った時と同じ感じだ。
「キュキュ!」
「キュイ」
「キュキュイ!」
何か喧騒が少しおかしいけど……。
ようやく視界が元に戻ってきたので周りを見渡す。
「おぉ……毛玉しかいねぇ……」
『
なんだか面白そうな所に来たなこれ。
アンケートある程度集まったし、そろそろ決めなきゃと思っていたのでお伝えします。
ヒロイン決めたぜ!
誰かはタグ見れば分かります。
この組み合わせが良きと思った。それだけだ……
設定とかお話どんどん練っているのでお待ちくだせぇ。
オリ主と原作キャラのカプ無理って人はすまない……