閃光少女編完結。
『
一つ考えていた事がある。それは皆の魔法のことだ。
テラスは、目的、『皆の死を阻止する』事において、不可思議な力、魔法を把握しておくのは重要なことだろうと判断した。
いま判明しているのは、メルルとハンナとシェリーの魔法、それぞれ回復と浮遊と怪力という魔法だった。
わからないのはそれ以外の全員。これは非常にマズイ。仮に殺人事件などが行われる際、それのトリックに、魔法が使われる可能性は非常に高い。例えば私の様な、トリックになんら使えない魔法もある為、一概には言えないが...知っておけば、それが抑止に繋がる可能性すらある。
とりあえず、教えて貰うことが難しそうなのはマーゴなどだろうか。あの妖艶な雰囲気は爪を隠す鷹そのものだ。だが、その他の人間に教えて貰うことは出来るかもしれない。
「まずはノアからいくか」
そう言うと、テラスは城ヶ崎ノアの檻房に向かった。
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テラスはノアの檻房に辿り着いた。
そうするとノアの魔法の概要はすぐにわかった。
檻房に書いてあった絵がぐにゃりと歪み動き出したのだ。それは、まるで馬の様にも見えたしクジラのようにも見える、なんとも不思議な絵だった。
「...ひゃあ!な、なんだテラスちゃんかぁ...」
ノアは体を震わせるとテラスを見たことに胸を撫で下ろしている。
「なんかあったの?」
「それがね...」
ノアが語ったのは、ノアが好き勝手に部屋をスプレーで赤く染め上げたら、夏目アンアンが倒れたこと。それをヒロに怒られたりこと、今もこっそり描いていることを伝えてもらった。
「なるほどね。人に害がでるならそれはダメだろう。まだ、その絵描きができる所は見つかっていないの?」
「うん...」
「それじゃ、一緒に探しにいこうか」
「いいの!?」
そう言って、最終的には隠された部屋を見つける。
そこをノアのアトリエとした。
「ここなら大丈夫なんじゃないかな?」
「うん!ありがとう。テラスちゃん!」
「そう言えば、キミの魔法は具体的になんなのさ?」
「んー、ノアの魔法はねぇ、液体を操る事が出来るんだよぉ」
「そう。それはすごい魔法だ。それじゃあ楽しんでね」
そう言い、去ろうとするテラスの足をノアは止める。
「うん!そう言えば、テラスの趣味はなにー?」
「私の趣味か...それは...なんだろうな」
テラスは足を止め、顎に手をあて考えるが、記憶の中に答えはなかった。記憶喪失をする前であればなにかあったかもしれないが、今の自分にはなにもない。
しかし、答えないわけにもいかない。ここは無難な答えでいいだろう。テラスは自身の知識の中でかなりのキャパを占めてる物を趣味とした。
「小説を読む事...かな」
「へー、そう言えば、アンアンちゃんも小説が好きって言ってたよ!」
「そう。教えてくれてサンキュー」
ノアはえへへと頭を掻いたあと、ノアはその場にあったキャンパスを持ち上げる。
「ん?なにこれ...」
ノアが見つけたのはどうやら、キャンパスに隠されたとある資料の様だった。
「...なんそれ?」
「ノア要らないからあげるねー」
「自分が要らない物を他人にあげるな...とは、一概には言えないか。はぁ...」
そう言って、テラスにその資料は渡った。それを読んだテラスは...
「...っ、なに?」
(これは...かなり大きな手がかりじゃないか?)
そう、テラスは思った。
その概要はこうだった。
『大魔女が行った研究記録』。
____
テラスは次の標的を探す。
ナノカはどこにいるかわからない。アリサも同様だ。よって...
「えーっと、おじさんになんの用かなー?テラスちゃん?」
「いや、趣味を教えて欲しいと思ってね」
「え!おじさんの趣味なんて...ここだと、ホラー映画を見る事かなぁ...」
テラスは会話に失敗したなと思う。ならばと、直線的に行くことにした。
「そう。単刀直入に言うとキミの魔法を教えて欲しい」
「え!そ、それは...ご、ごめん...」
「でしょうねぇ」
テラスはそう言うと夕食に向かった。魔法を教えてくれないのはもちろん予想通りだ。元からダメ元である。この環境下で自らの手札を積極的に晒すバカはいない...いや、何人かいたわ。
通り際にナノカと出会った。
「貴女、私のリボンを知らない?」
「知らないねぇ。おばけなんていないさ、寝ぼけた人が見間違えたのさー」
「...そう」
テラスがファントムトークを用いるとナノカは興味を無くした様に去っていった。
「計画通り...!!」
これこそ、テラスの必殺技、ファントムトーク。それは漫画や小説、アニメの引用を行うことで相手をケムに巻くという技である。
そんなアホな事を考えている時、
ふと、ナノカから手が自身に向けて伸びる。
テラスはその手の理由がわからなかったが、わからないなりに不自然な事をしようとしているのはわかった。よってナノカの手に触れないようにしながらナノカを組み伏せる。
「やんちゃなことはするもんじゃないぜボーイ」
「...わたしはガールよ」
「んで、どういうこと?なんか不自然に触ろうとするもんだから組み伏せちゃったけど」
「...私の魔法の発動条件は相手を手で触れる事。そうすると、稀に相手の過去が見える」
ナノカは組み伏せられながらも冷静に言い返す。
「なるほど、じゃあ触っていいよ」
「貴女、正気?」
「私が実際正気かは置いといて、その魔法が本当なら、私は自身の過去をしれるかもしれない。記憶喪失だからね、私。その魔法があれば、秘密に辿り着けるかも」
そういうテラスに、ナノカは素直に手を当てた。
「...っ、これは...」
「お、何か見つかった?」
「...特におかしな過去は見えなかったわ...でも貴女、相当奇特な人物ね...」
「あ、そうなの。期待して損したわ。あと、私がおかしいんじゃなくて、周りがおかしいんだよっ」
「...そういうところよ」
そんなこんなで、テラスは夕食を食べに行く。その背を見送りながら、ナノカは思う。
(この過去は...テラスは、一体、どう言う人物なの?)
ナノカは過去をまさぐったテラスのことを、良くわからないと称した。
(なぜ、イジメられているの?強力な魔法を、技術を使える貴女が...)
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「やあ、ヒロ」
「テラスか...何のようだ?」
夕食後、テラスはヒロに掛け合った。
「いやー姉さん。頼みたい事がありましてね、げへへ」
「...何のようだ?私はすべき事があるんだ。悪いが、テラスとは言えさっさとしてくれ」
「本当にさっさとしていいの?」
「頼み次第だが」
「魔法教えて⭐︎」
「...無理だ」
「ちっ、邪悪な魔女め」
「...」
「もういい、消えろ!ぶっ飛ばされんうちにな」
「...」
「あ、あれ?ヒロさーん?黙っちゃってどうしたの?」
「何故...」
「ん?」
「お前に、ユキが救えた?」
「はぁ?ユキって誰よその女」
「...いや、悪い。忘れてくれ。今の君にいっても意味はない。それと、中学時代についてはエマにでも聞いてくれ。申し訳ないが、私の口からは話したくない」
そう言うと、ヒロは去っていく。
その姿を見てテラスは、「流石に実直すぎたかなぁ」と頭をかかえたのであった。
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そうやって、マーゴと、なんとかアリサを回った時だった。2人は当然答えてくれないだろうと、テラスはダメ元でいたのだが...
「魔法、【発火】ってマジかー」
「ちっ、なんだよ?不満か?」
「いいや全然。それにしてもなんで私に魔法を教えたりしたの?」
「そんなの気まぐれだ」
「嘘だ!...ってね。うーん、本当の事を言うと、今日の朝食、りんごが半かけらあっただろう?それがわたしだと気づいてのお礼かと思ってるけど」
「...あれはお前だったのか...通りでいつもよりなんか量が多いと思ったぜ」
「あれ?もしかして気づいてなかった?私のピッコロさんに気づいたお礼じゃないの?」
「...」
「...」
テラスは呆れた目でアリサを見て、沈黙する。その沈黙に対し、アリサは大きな舌打ちと共に話した。
「...本当のことを言うと、シェリーを救ったお前への礼みたいなもんだ。テラス、おめえはシェリーを助け、そして叱っていた。そこには愛があったはずだ...それを見せてもらった礼みてえなもんだ...」
「...え、それだけ?と言うか、それが理由...?」
「...」
テラスは気づく、アリサは随分と利他的な人間である...と。それと同時に、変わった子だなぁとテラスは思った。
「アリサ、キミ、詐欺とかに引っかかるタイプじゃない?」
「...うっせえよ」
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テラスは医務室を訪れていた。
「やあ、体調は戻ったかい、アンアン」
『なんの用だ?』
スケッチブックに書き込まれた文字は、どこかめんどくさそうにかかれていた。
「いや、もう全ての場所を捜査し終わったから今度は聞き込み調査をしていてね。なにかこの牢屋敷で知った珍しいこととか知っていたら教えてほしい」
『そんなものはない。帰れ』
「私もそうしたいのはやまやまなんだけどねぇ。ほんと、これ以上探せる所がなくてねえ。まいっちゃうよねぇ。タハー」
『帰れ』
その文字は鋭く書かれていた。
その様子にテラスは内心ため息をつくと、話をする。
「そう言えばノアが、アンアンが小説が好きって言ってたのを思い出すよ。どういう系統が好きなの?」
テラスがそう言うと、アンアンは大きなため息をついてから話してくれた。
『...私が好きな作品はーーー』
「あー、その作品か。私も知ってるよ。あの作品の特徴は話の展開の仕方がとても斬新な所でーーー」
二人は話し合う。そして、最終的に、
「また来てもいいかい?」
『まあ...いいぞ』
「サンキュー!」
帰り際にテラスは思う...
(アンアンも大分渋いな...これは長期戦になってでもなるはやで判明させるべきか)
そうして、テラスは医務室に何度も入り浸ることになる。
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翌る日、悲鳴が聞こえた。
テラスは飛び起き、そして頭の中が寝起きだと言うのにサッと目覚めたことに気づく。
そんな事はどうでもいいと、テラスは檻房を飛び出した。
起きてしまったか。だが、起きるはずはないと、テラスは内心そう思っていた。
テラスはすぐに悲鳴の元に駆けつけた。
そこで見たものは、自身の楽観を壊すモノ、そのものだった。
そこにあったもの、それは城ヶ崎ノアの死体であった。
その死体はどこか幻想的と感じる程綺麗に死んでおり、その事からテラスは瞬時にこの事件は何らかの魔法が使われて犯行が行われたと感じた。
近くにいたエマは顔を青ざめさせ、アンアンはガクブルと震えていた。辿り着いたレイアはそそくさと死体に近づき触れようとする。
「やめろ!」
テラスの一喝に、死体に触れようとしたレイアがびくりと震える。
「死体には触れない様にしろ!近くにも寄るな。証拠がなくなるかもしれない」
テラスがそう言うと、レイアは渋々と言った風に手を引いた。
タイミングを見計らったように、ゴクチョーからの通達が入った。
『はぁ......報せが入りました。痛ましい殺人事件が発生した様ですね。あの、皆さんら今すぐラウンジに集合してください。従わなければ看守が連行しちゃうので.......』
少女達はラウンジに向かった。
魔女図鑑:
【名前】閃テラス
【趣味】小説を読むことが趣味らしい。知識としては国語の題材などから、著名な作品、そしてネット小説まで幅広くカバーしている。
【明文化】センエースでは足して4になる数字は特別なシンボルナンバーとして扱われる。今作では、4の倍数の数字でサブタイトルの規則性が変化する。
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