自殺をしようとしていた少年の、報われない物語 作:asbgao
いいですね? ここから先を読むって言う事はそれ相応の覚悟決めた、もしくはそういう癖の人だけですね?
もしもそうでないなら今すぐこのページを閉じてください。
……いいですね?
では、本編どうぞ……
美和に告白されてから7ヶ月が経ったクリスマスの日
今日は美和に誘われてショッピングセンターに来ていた。
今は美和を待っている。
家を出る時に「一緒に行こうよ!」と言われたが、7ヶ月前に美和に言われたように「こう言うのは待ち合わせするからいいんだったんじゃないのか?」と返した。
「しつこいですよ。私、人を待ってるんで」
スマホでニュースを見ていると、左からそんな声が聞こえた。
ナンパかぁと思いつつ声の方を向くと、そこには小柄な金髪の少女、美和…… と少し背の高い黒髪の少女がいた。
美和たちは三人の男に囲まれており、嫌ですオーラを出していた。
「すみません。これ、うちの連れなんで」
俺は美和と隣の少女の肩に手を置いてその男に言った。
「あ、あぁ? はぁ、だったら彼女連れてどっかいけ」
「あ、こっち彼女でこっち妹なんですけど」
そう言うと、美和と少女は一瞬驚いた様な顔をした。
「……い、妹の人付き合いに口出すなよ…… シスコンかお前は?」
「シスコンだがなにか問題でも?」
俺が真顔で返すとナンパ男三人は顔を引き吊らせて帰っていった。
「まったく…… 美和は自分の美貌を認識しろって……」
「先輩のせいで自信無くなってるんですけどぉ?」
俺たちが言い合っていると、横から声がした。
「あなたが噂のあの榛斗先輩ですか?」
「そうだけど。そっちは?」
「葉菜です。多分、美和から聞いた事あると思います」
葉菜……
「あぁ、あの彼氏マウントの」
「美和そんな風に私の事説明してたの!?」
そうすると美和が「えへへ…… ごめんね?」と言った。
「て言うかさ、お前って彼氏持ちだろ? クリスマスこそデートした方がいいでしょ」
俺が聞くと葉菜は「その事なんだけどね?」と続ける。
「3ヶ月前に別れたの」
「えっ!?」
「だから赤城先輩、私今フリーですよ? 私と美和でハーレム作っちゃいませんか?」
「多分作らんわ」
「「多分?」」
一日中遊んだ俺たちは、20時36分、三人で公園にいる。
「今日はいっぱい遊んだね!」
美和が言う。
「そうですね! これでクリぼっち回避成功です!」
「なんだそりゃ」
葉菜の言葉に俺が笑う。
「……そろそろ帰るか。時間も時間だし」
「そうですね。では、さようなら」
俺は帰ろうとする葉菜の腕を掴んだ。
「馬鹿、こんな時間に女子を一人で帰させれるかよ。美和もいいな?」
「うん。先輩が他の女の子に手出さないか見ておくから」
「俺はまだお前んじゃねえよ」
俺が言うと、美和がニヤニヤしながら言ってきた。
「そっかぁ~、"まだ"、かぁ~」
「……はっ!? そそそそ、それは言葉の綾って言うか!?」
「先輩動揺しすぎ」
「……いちゃつくなら帰ってからにしてくれない?」
「そうだよ帰ろうか!」
俺は葉菜の助け船に便乗する事にした。
葉菜を家へ送り返し、帰路へ付いた俺たち。
信号が赤になった。
「今日は楽しかったねぇ~」
「まだ言うか? まあ楽しかったのは事実だが」
その時、俺の中で今だ! と感じた。
「……その、美和。こ、これ、やるよ」
俺は薄めの箱を差し出した。
「これは?」
「……あ、開けたら分かる……」
そう言うと、美和は箱の梱包を剥ぎ、蓋を外した。
「……腕時計?」
そこにはピンク色の腕時計があった。
「……時間確認する時…… いつも鞄からスマホ取り出してるの見て…… 大変そうだったから……」
言い訳をする様に続けた。
「え、あ、ありがと」
美和は頬を赤くして嬉しそうに言った。
「あと…… 腕時計のプレゼント、意味……」
「ずっとそばにいたい、末永く付き合いたい。……美和、俺と付き合ってください!」
「……言うのが遅いよ。まったく」
顔を上げると、そこには顔を真っ赤にして恥ずかしそうな、でも溢れる様な笑顔を浮かべた美和がいた。
「もちろん! こちらこそお願いします!」
「……ッ! 美和ぁ!」
俺は美和に抱き付いた。
「! ちょっと、ここ人前……」
「やばいちょっと腰抜けたかも……」
付き合えた嬉しさに腰が抜けてしまった。
「えぇ? あそこでちょっと休憩する?」
「……そうする」
俺たちは近くにあった街路樹の植木に座った。
「帰ったら一緒にケーキ食べよ?」
突然美和が言ってきた。
「買ってあるのか?」
「うん! クリスマスケーキ、ホールで」
「ホールかぁ、食べきれるかな?」
しばらくして、下半身にもちゃんと力が入る様になった頃、俺は周りを見ていた。
三人手を繋いでいる親子。
四人の集団で歩いている女子高校生。
今にもキスをしそうなアツアツのカップル。
一人ポツンと立っている震えているおっさん……
すると、そのおっさんは俺たち…… 正確には美和をめがけて走ってきた。
「お前も一緒に死にやがれええぇぇ!!!」
「美和ぁ!!」
俺は美和の前に出た。
腹に異物が入った感覚がする。
音は聞こえない。いや、脳がそれを聞くのを拒絶しているだけかもしれない。
俺は反射的にそのおっさんの顔面を殴る。
「ぐふぇ」
「榛斗先輩!」
後ろから今にも泣き出しそうな声が聞こえる。
「み、わ……」
「わ、私、ど、きゅ、救急車呼ぶね!?」
美和が電話で何かを話しているがあまり聞こえない。
遅れて、痛みを感じた。
「っぐぅ!?」
俺はその場に倒れた。と同時に意識を手放した……
「…………」
目が覚めると目の前には白いタイルと眩しく光蛍光灯があった。
腕を上げてみる。
自分の腕……
今度はツネってみる。
痛い……
脈を計ってみる。
……微かにだが、動いている。
「ここは……?」
たしか俺は、クリスマスの夜、帰っている時に不審者に刺されて……
「ッ!?」
俺は飛び起きて腹部を確認した。
……ごわついた感触はあるが、それ以外に違和感は無い。
そうすると、部屋の扉が開いた。
「……君か…… あの赤城榛斗君かい?」
そこにはやつれた様な男性が立っていた。
「あ、すまないね。私は三島和俊。美和の父親さ」
その男性は三島和俊。美和の父親……
「み、美和は…… どこですか……?」
「……今は、聞かない方がいい……」
和俊はあからさまに気を落として返した。
「それと、ありがとう。美和と仲良くしてくれて。美和はな、君に出会ってから、これまでに無いくらい楽しそうだったんだ」
和俊は少し嬉しそうに言った。
「っと、起きたから呼びに行かないとな…… ちょっと待っててくれ」
和俊は部屋を出た。
和俊が病院の人を呼び、戻ってきて俺の状況を説明してくれた。
……どうやら俺は、一週間ほど眠っていたらしい。
俺は年越しを独りぼっちで過ごした。
「……それで、美和は…… どこなんですか……」
和俊が呼んできた人の中に美和がいなかった。
「……その事なんですけど……」
看護婦が続けた。
「昨夜、交通事故でお亡くなられました」
「………………は?」
な、何を言っているんだ?
み、美和が死んだ?
い、いや、聞き間違えかもしれない。
「な、なんて言いました…… か?」
「……美和は、昨日、事故で退かれて…… それで……」
和俊が言う。
聞き間違えじゃなかった。
信じられない。これは嘘なんかじゃない、
信じたくない。信じなきゃ駄目なんだ!
でも、それでも……!
「一緒にケーキ食べるんじゃなかったのかよぉ……」
夜、俺は病室を抜け出し、病院の屋上へ来た。
ここの病院は俺が産まれた病院。俺が自殺をする予定だった病院である。
「……」
……ここで飛び降りたら、楽になれるだろうか?
そうすれば、あの世で一緒になれるかもしれない。
年越しも一人じゃなくなる。
食べられなかった、ケーキだって……
俺は無意識に柵を上っていた。
ガチャ
「……え?」
後ろを振り向く。
開けられた扉の前には大和撫子と言う言葉が似合いそうな黒髪ロングの清楚そうな少女がいた。
はぁ、なんで俺はこんなに……
「人とタイミングに恵まれているんだろうなぁ」
自嘲気味に溢したのであった……
閲覧ありがとうございました。
「この物語のせいで夜も寝れなくなたじゃねえか!」とかのコメントはお止めください。前話のあとがきでかいたぞ?
「全然曇ってねえ!」「もっともっと曇らせろ!」などのコメントはどうぞご自由に。あ、活動報告かメッセージでよろしく!
あ、活動報告にこれの感想会みたいなの作りました。
是非感想溢していってね~
最後に訂正や付けたしさせてください。
最初の美和と葉菜に「あ、こっち彼女でこっち妹なんですけど」と言いましたけど、葉菜に彼女、美和に妹って言いました。(美和に彼女って言っても身長差が凄いからね……)
では、またいつか会える事を願って、じゃ