「俺の扱う力は"妖刀"。道端の小石を蹴るように人が死ぬ力です」
その一言で、会場が静まり返る。いや、ほんの少しの緊張がぴんと張る。妖刀を影から取り出す。
「この花と黒い染みに触れると、人が死ぬ。許可を取って、エクトプラズム先生の『分身』を使います」
普通科の入場口から出て来たエクトプラズム先生が、個性を用いて5体ほどの分身を出す。
そして、黒い染みと花がエクトプラズム先生の分身に伸びて行き──
「まぁ、こんな風に死にます」
悲鳴をあげるようにじわじわと飲み込まれ、養分となった。
「厳密に言えば、生命力の簒奪です。この力は、ヒーローとして扱うには危険すぎる」
だから、殺さないような使い方を考えた。
「俺は極力、この力を使いません。事前にそう決めました。……この力と、俺の戦い方。そして、ヒーロー科と普通科、サポート科、経営科が。雄英に入って数ヶ月の卵が、どのように魅せてくれるのか。それを見届けて欲しい」
もう歓声は聞こえない。
「……改めて宣誓を。俺はこの体育祭で、人を簡単に殺せるような力を持ってもヒーローになれると証明する。敵のような個性でも、社会の"普通"に入れなくても、人の道を外れても、原点があればヒーローになれると」
──目に焼き付けろ、俺たちの踏む英雄への道を。
……一礼する。直後、大歓声が会場を包む。もうA組を「敵の襲撃を凌いだ」金の卵として見る者は、誰1人居ない。
「うおおお!!」
「めっちゃアガるじゃねーか曽我ァ!!」
「燃えてきた……!!」
「負けないよー!」
「やってやるぜB組ぃ!!」
「……っし」
……あの。アオハル好きなのはわかりましたから。だから地上波に放送できないような顔で身体ビクビクさせないでくださいミッドナイト。
「……よし!さーて早速行くわよ第一競技!!」
「雄英ってなんでも早速だね」
「今年の種目は、コレ!」
……障害物競争?
「スタジアム外周約4kmを駆け抜ける競争よ!ほら、さっさと位置につきまくりなさい!……コースを守るなら、何をしても構わないわ」
……?何をしても?別にフライングとか……はダメか流石に。
「スタート!!」
……っ、狭……!!
「なるほど、このゲートの狭さ、スタート位置がゲートからヒーロー科が一番遠くなるこの立ち位置……」
つまりは最初っから……ここで篩にかけられる!
「轟の氷」
それに関しては飛べば良い。
「遊ぼうぜ、轟焦凍」
「暇じゃねえんだ、置いてくぞ」
「意地でも着いて行く。緑谷には宣戦布告した癖に、俺とは遊んでくれないのか?」
「……チッ」
うお、バカデカ氷塊……!
「と──マジか」
入試の0P仮想敵……!?