「似合ってるじゃないか少年少女!これから戦闘訓練について説明するから、よく聞けよ!」
オールマイト。この世界なら誰もが知る、絶対的なヒーロー。その人気は、強さは計り知れない。
「先生!ここは入試の演習場ですが、また市街地演習を行うのでしょうか!?」
「いいや、今日はもう2歩踏み込む!屋内での対人戦闘訓練さ!」
敵大事は、主に屋外で見られる。去年デビューしたMt.レディなんかは特に。ただ、統計で見れば屋内の方が、凶悪敵の出現率は高い。
(だからこそ、屋内戦闘)
正直なところ、雄英に来てまだ数日。妖刀の制御方なんてまだ見つけられてもいないのに、対人戦闘訓練なんてできるものか……。
「あ、そうそう。今回コンビを組んでもらうんだけど、1チームだけトリオになる!そのトリオは……曽我少年と戦ってもらうよ!」
「……は?」
……妥当な判断だな。
「……!!」
爆豪がもの凄い形相でこっちを睨んでくる……入試1位ってのも相まって、敵意が半端じゃないな。
「っと、クジだ!引いてくれよ!」
「……先生、この★マークは……?」
「それがトリオマークさ!耳郎少女、上鳴少年、砂藤少年はラスト!」
「よ、よろしく」
「おう、よろしくな!」
「なあ、個性何ができんだ?俺は──」
……賑やかだね。あと爆豪と轟が睨んでくるな。お前らペアとの話し合いしろよ。俺はペアいないけど。
・・・・・
「なあ、俺たち3人だけどさ……」
「ああ、曽我が入試1位らしいよ。でも……」
「勝てる気しねー」
「風体から違えよな。なんかこう……禍々しいというか」
「ちょっとだけヴィランっぽいところはあるよな」
「あと、絶対強い」
3人で組むことになって、今は対戦相手の曽我について話し合っている。
「多分曽我の個性は、腰に差してる刀なんだよ」
「じゃあ刀を操るとか増やすとか?」
「もしくは、刀から何かしら出せるとか」
「惜しいところまで行ってるな、3人共」
「うっひゃあ!!?」
「うぐっ」
「あ、ごめん」
「いや……いい。急に話しかけて悪かったな」
曽我の声にびっくりしてジャック挿しちゃった。
・・・・・
「俺の個性は"妖刀"だ。端的に言えば、刀を通じて生命力を奪い還元する」
「……それ言って良いの?」
「オールマイトから言えと言われてな。こうでもしないと死人が出る」
「死っ……」
上鳴が上擦った声を出す。無理もない。戦闘訓練だというのに、下手をすれば死人が出るような個性、それも刀。
「怯えるのは悪くない。時には撤退も意義のある行動だ」
「……曽我」
「……?」
「俺たち、勝つぜ」
……死ぬかもしれないという忠告をしたというのに。こいつらは笑ってる。砂藤も、耳郎も、怯えていた上鳴も。……ああ、口角が上がるのを感じる。応えてやりたい。こいつらの全力に。
「やってみろ」
気のいい返事と共に、視線は戦闘中の緑谷と爆豪に向く。
「ストップだ爆豪少年!!殺す気か──」
『当たんなきゃ死なねェよ!!』
「ちょ、流石にアレはヤバいって!」
「緑谷死ぬぞ!」
「『
「「「……!?」」」
『ンだこれ、動けねェ……!?』
『なっ……!?』
「……曽我少年」
「爆豪、それ撃ってたら1人死んだぞ」
動けない爆豪は、口だけを動かして怒り散らす。
『当たんなきゃ死なねェんだよ!!』
「それ以前に学生に向けて撃つなって言ってんだバカ。……お前はセンス良いのに焦りすぎなんだよ。もっと視野広くしろ。ヒーローは敵を殺さない」
『黙れ刀』
「……爆豪少年、それ撃ったら失格で負けにするからね。曽我少年もありがとう。それ解いてね。私たちも動けないから」
「了解」
……結局、訓練は爆豪が負けた。ボロボロなのは緑谷だけど。