英雄を問う。   作:ただねこ

2 / 5
ちなみに勾人は入試1位です。


戦闘訓練①

「似合ってるじゃないか少年少女!これから戦闘訓練について説明するから、よく聞けよ!」

 

 オールマイト。この世界なら誰もが知る、絶対的なヒーロー。その人気は、強さは計り知れない。

 

「先生!ここは入試の演習場ですが、また市街地演習を行うのでしょうか!?」

「いいや、今日はもう2歩踏み込む!屋内での対人戦闘訓練さ!」

 

 敵大事は、主に屋外で見られる。去年デビューしたMt.レディなんかは特に。ただ、統計で見れば屋内の方が、凶悪敵の出現率は高い。

 

(だからこそ、屋内戦闘)

 

 正直なところ、雄英に来てまだ数日。妖刀の制御方なんてまだ見つけられてもいないのに、対人戦闘訓練なんてできるものか……。

 

「あ、そうそう。今回コンビを組んでもらうんだけど、1チームだけトリオになる!そのトリオは……曽我少年と戦ってもらうよ!」

「……は?」

 

 ……妥当な判断だな。

 

「……!!」

 

 爆豪がもの凄い形相でこっちを睨んでくる……入試1位ってのも相まって、敵意が半端じゃないな。

 

「っと、クジだ!引いてくれよ!」

「……先生、この★マークは……?」

「それがトリオマークさ!耳郎少女、上鳴少年、砂藤少年はラスト!」

「よ、よろしく」

「おう、よろしくな!」

「なあ、個性何ができんだ?俺は──」

 

……賑やかだね。あと爆豪と轟が睨んでくるな。お前らペアとの話し合いしろよ。俺はペアいないけど。

 

 

・・・・・

 

 

「なあ、俺たち3人だけどさ……」

「ああ、曽我が入試1位らしいよ。でも……」

「勝てる気しねー」

「風体から違えよな。なんかこう……禍々しいというか」

「ちょっとだけヴィランっぽいところはあるよな」

「あと、絶対強い」

 

 3人で組むことになって、今は対戦相手の曽我について話し合っている。

 

「多分曽我の個性は、腰に差してる刀なんだよ」

「じゃあ刀を操るとか増やすとか?」

「もしくは、刀から何かしら出せるとか」

「惜しいところまで行ってるな、3人共」

「うっひゃあ!!?」

「うぐっ」

「あ、ごめん」

「いや……いい。急に話しかけて悪かったな」

 

 曽我の声にびっくりしてジャック挿しちゃった。

 

 

・・・・・

 

 

「俺の個性は"妖刀"だ。端的に言えば、刀を通じて生命力を奪い還元する」

「……それ言って良いの?」

「オールマイトから言えと言われてな。こうでもしないと死人が出る」

「死っ……」

 

 上鳴が上擦った声を出す。無理もない。戦闘訓練だというのに、下手をすれば死人が出るような個性、それも刀。

 

「怯えるのは悪くない。時には撤退も意義のある行動だ」

「……曽我」

「……?」

「俺たち、勝つぜ」

 

 ……死ぬかもしれないという忠告をしたというのに。こいつらは笑ってる。砂藤も、耳郎も、怯えていた上鳴も。……ああ、口角が上がるのを感じる。応えてやりたい。こいつらの全力に。

 

「やってみろ」

 

 気のいい返事と共に、視線は戦闘中の緑谷と爆豪に向く。

 

「ストップだ爆豪少年!!殺す気か──」

 

『当たんなきゃ死なねェよ!!』

 

「ちょ、流石にアレはヤバいって!」

「緑谷死ぬぞ!」

 

「『(クモ)』」

 

「「「……!?」」」

 

『ンだこれ、動けねェ……!?』

『なっ……!?』

 

「……曽我少年」

「爆豪、それ撃ってたら1人死んだぞ」

 

 動けない爆豪は、口だけを動かして怒り散らす。

 

『当たんなきゃ死なねェんだよ!!』

 

「それ以前に学生に向けて撃つなって言ってんだバカ。……お前はセンス良いのに焦りすぎなんだよ。もっと視野広くしろ。ヒーローは敵を殺さない」

 

『黙れ刀』

 

「……爆豪少年、それ撃ったら失格で負けにするからね。曽我少年もありがとう。それ解いてね。私たちも動けないから」

「了解」

 

 ……結局、訓練は爆豪が負けた。ボロボロなのは緑谷だけど。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。