アストレア・ファミリアの盾使い   作:ナカタカナ

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 感想ありがとうございます!!

 感想が私の筆を動かしてくれます。

 そして評価バーも赤く染まっていて感激です。


【迷宮】と【冒険】

 

 オラリオの中心にそびえ立つバベルの塔・・・神会(デナトゥス)が行われる30階よりも更に上、50階にとある女神が棲みついている。

 

 銀髪の髪を持ち、黒く露出の激しい聖衣を纏った女神、そうフレイヤだ。

 

 彼女の視線は一人の子供へ向けられている。

 

 彼女と同じ銀髪を持った、まだ幼い少年の姿・・・身の丈以上の盾を操る騎士。

 

 「美しいわぁ、欲しいわ、あぁ!!」

 

 煽情的な身体を大きく捩じり、頬は紅潮、美しい女神の尊顔は恍惚に溢れている。

 

 「あんな魂見たの初めて!! 歪な器に閉じ込められているというのに、その在り方を曇らせないだなんて!! あぁ、欲しいわ。」

 

 フレイヤには魂の色や形が見えていた。そして、ギャラハッドの魂も同様だ。彼女にはギャラハッドの魂が見たことがない美しさを秘めていることがすぐに分かった。

 

 形は非常に美しい球体。それこそ人工的に作られたのではないかと思うほど、完璧な球体をしていた。フレイヤには、それがかえって歪にも思えた。そして、何より目を惹かれるのはその色だ。

 

 銀色の重く鈍いかと思いきや、目が失明しそうなくらいの輝きを放つ不思議な色。熟練の鍛冶師によって磨かれた剣のような輝き。穢れを知らない清廉潔白の輝き。

 

 「はぁ、はぁ、はぁ」

 

 小さく浅い呼吸が、彼女しかいない部屋で静かに響く。

 

 「必ず手に入れる。」

 

 戦の神の如き眼光を放ち、フレイヤはじっとギャラハッドの方を見つめた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「さぁ、着いたわよ! ここが【ヘファイストス・ファミリア】の店よ。」

 

 昇格(ランクアップ)したギャラハッドはアリーゼたちと共に、バベルの塔の4階層に来ていた。そこには数多くの武具が並ぶ【ヘファイストス・ファミリア】の店がある。

 

 ここに来たのはギャラハッドの装備を新調するためだった。

 

 今まではギルドから借りていた駆け出しの装備を使用していた。だが、昇格(ランクアップ)を果たし、これからは中層へも探索するようになる。

 

 ギルドの駆け出し装備で向かうわけにはいかない。そこでギャラハッドを連れて、バベルの塔へ来ていた。

 

 バベルの塔の4階から8階までが【ヘファイストス・ファミリア】の店となっている。

 

 「短剣が800万ヴァリス!?・・・アリーゼお姉さん、僕こんなの買えないよ。」

 

 「私も買えないわね。でも安心して、大丈夫よ。」

 

 そういってアリーゼは店の更に奥へと進んでいった。

 

 「うぅ~ん、ガルはどんな装備がいい?」

 

 一緒に来ていたノインが尋ねる。ギャラハッドと同じく盾を持つ彼女が装備選びを手伝ってくれるようだ。

 

 「武器はいらないかな・・・体を守る防具が欲しい。」

 

 「そうだな、あの戦いっぷりを見るに、武器はかえって邪魔になるんじゃねぇか。」

 

 一緒にダンジョンに潜ったことのあるライラがそういった。

 

 アリーゼ、ノイン、ライラの三人が、ギャラハッドの装備選びを手伝っていた。

 

 「かといって全身鎧(フル・プレート)はなぁ・・・動きにくいだろうし。」

 

 「今どきは、全身鎧(フル・プレート)の冒険者なんていないもんな。」

 

 ダンジョンでは何が起きるかわからない。とっさの判断、回避が命を繋ぐことも多々ある。それ故に、冒険者たちは動きにくい全身鎧(フル・プレート)ではなく、部分的な鎧を好んで装備していた。

 

 「円卓の騎士っぽくカッコいい鎧がいいと思うわ! バチコン!!」

 

 「はい! アストレア様の眷属らしく格好いい鎧がいいです。」

 

 四人はテナントの更に奥の方へ進んでいく。

 

 「あれ、段々と装備の値段がお手頃になってきた?」

 

 「この辺りは新米の鍛冶師の作品なんかも売ってるの。」

 

 「そうなんですね。」

 

 先ほどまでは短剣一本で300万ヴァリスという超超高価な価格設定だったが、このあたりはロングソード一本で15000ヴァリスというかなりお手頃な価格となっていてた。

 

 「へぇ、これいいわね。」

 

 アリーゼは人型模型に装着された胸当てを見た。

 

 そこには11層から12層に出現するアルマジロ型の怪物(モンスター)ハード・アーマードの表皮を使って作られた胸当てがあった。

 

 「確かにあいつらの身体硬いもんな。これなら確かに動きやすそうだし、いいんじゃねぇか。」

 

 アリーゼが見つけた品に、ライラもうなずいた。

 

 「ハード・アーマードという怪物(モンスター)は見たことがないのでわかりませんが、確かに動きやすそうですね。」

 

 「ガルのステイタス的にも動きを阻害するような重さでもないし。」

 

 ガルの基礎アビリティの評価は耐久:SSSを除いて他全てがSだった。耐久の次に高いのが魔力、そして力だ。

 

 フィンとの手合わせの際に魔法を使ったため、魔力が一気に伸びたが、それまでは力が二番目に高い基礎アビリティだった。そのため、多少重くともギャラハッドの小さな体でも扱える。

 

 「すぐに決める必要もないし、一通り見て回りましょ!」

 

 そして四人は【ヘファイストス・ファミリア】のテナントを見て回った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「新米とはいえ、流石【ヘファイストス・ファミリア】ね。私も欲しくなってきちゃう。」

 

 ノインが呟く。

 

 「そういえば、【ヘファイストス・ファミリア】の団長が代替わりしたらしいわね。」

 

 「あぁ、そういやそんなこと聞いたな。前団長の弟子が新しく団長になったとか。」

 

 「二つ名は【単眼の巨師(キュクロプス)】だったわね。鍛冶師なのにLv.4だとか。」

 

 「アタシらより上じゃねぇか!! とんでもねぇな。」

 

 アリーゼたちが話しているとギャラハッドは急に立ち止まった。

 

 「どうしたのガル? なにかいいの見つけた?」

 

 アリーゼが尋ねた。

 

 「ちょっと見てくる。」

 

 そういってギャラハッドがテナントの奥に向かう。

 

 テナントの奥の奥にある木箱からわずかに顔をのぞかせるくすんだ黒銀色の光。

 

 かなり昔のものなのか、すごい埃をかぶっている。

 

 埃を払いのけてあげると、黒曜石の如き輝きを放つ。その輝きがギャラハッドの目を打ち抜いた。

 

 「あら、とても綺麗な鎧ね。」

 

 アリーゼもギャラハッドが手に取った鎧を見つめてそういった。

 

 「他の装備に比べて古いみたいだが、かなりの業物じゃねぇか?」

 

 「確かに・・・他の装備と比べて仕上がりが圧倒的な気がする。どうしてこんなところに?」

 

 「というか、サイズもガルにピッタリじゃない? これは運命の出会いだわ!!」

 

 ギャラハッドが木箱から装備一式を取り出した。

 

 上半身を包む鎧。ノースリーブ型となっており、動きは阻害しなさそうだ。下半身も全体を覆うのではなく、部分的に構成されており、長時間装着していても不快感はないだろう。

 

 「中層からは【火精霊の護衣(サラマンダー・ウール)】も装着しないといけなくなってくるわ。この鎧ならインナーとして下に着るのも、マントとして羽織るのにもよさそうね。」

 

 「あと騎士っぽいな。」

 

 「それ思った! 店主さんに試着していいか聞いてくる。」

 

 ノインがそういって、このテナントのレジに立っていた老人に声をかける。

 

 「オッケーだって、着ちゃいなよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あっ・・・とっても似合ってるわね!!」

 

 「フィンには負けると思うが、なかなか様になってるじゃねぇか。」

 

 「ガルのために作られたみたいだね! サイズもバッチリ!!」

 

 黒銀の鎧を装備したギャラハッドの姿は姉たちから見て好評だった。

 

 ギャラハッドの銀髪と銀眼が黒銀の鎧とマッチしている。

 

 「うん、動きやすい。重さも感じないし、この鎧いいね。」

 

 「気に入ったなら、それがいいわ!!」

 

 「あぁ、アタシもそれがいいと思うぜ。さっきのハード・アーマードの胸当ても悪くなかったが、それと比べたら完全に、そっちの方が出来もいいんじゃねぇか。」

 

 「なによりサイズ感だね。オーダーメイドしたんじゃないかってくらいのジャストフィット。」

 

 「じゃあ、これにする。製作者は・・・書いてない。」

 

 「えぇ!? なんでかしら不思議ね。」

 

 自身が作った作品には必ず製作者の名を掘る。それが鍛冶師たちの魂だからだ。それなのに名前が彫られていないとは・・・

 

 鎧の代金は10000ヴァリス。かなり古いものだったため、安くなっていた。着られる人間もなかなかいなかったようで、長年眠っていたとのことだ。

 

 ガルの身長は島にいた時より少し成長しているが、それでもまだ150セルチには届いていない。それでも同年代の子供たちと比べるとかなり身長は高い方ではある。

 

 「小人(パルゥム)用の装備じゃ小せぇだろうし、かといって普通の装備じゃ大きかっただろうしな。アストレア様も最悪、オーダーメイドしてもいいっていってくれてたんだがな。」

 

 「なんとか見つかって良かったわね。浮いたお金で【火精霊の護衣(サラマンダー・ウール)】も買えそうね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 星屑の庭へ帰ったギャラハッドは、購入した鎧を着てアストレアたちに見せていた。

 

 「まぁ!! とてもよく似合っているわね。ふふふ、円卓の騎士(彼ら)のような騎士に見えるわ!!」

 

 「よくお似合いですガル。とても良い鎧を見つけましたね。」

 

 「この装備・・・ほんとうに新米の店にあったのか?」

 

 アストレアとリューは大絶賛。輝夜は、鎧の出来の良さに違和感すら覚えていた。第一等級とまではいわないが、確実に自分たちが使っている獲物、第二等級並みの出来の良さである。

 

 「ガルが恰好良すぎてヤバい。」

 

 「え、えぇ、昔読んだ騎士様たちより・・・」

 

 「このまま成長して私たちよりも大きくなったガルに守られるの・・・やばいわ。」

 

 「他の雌が近づかないようにしないと・・・」

 

 イスカ、リャーナ、マリューたちが目をハートにしている。ネーゼだけハートの奥に闇を秘めている。ネーゼは【豊穣の女主人】で以来、ギャラハッドに対しての独占欲が強くなった気がする。

 

 「黒騎士様・・・恰好良い。」

 

 セルティがもじもじと呟く。

 

 「うんうん、とってもよく似合ってるねガルくん!!」

 

 アスタもまた、他の乙女たちと同じく鎧を纏ったガルから視線が離せなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、早速購入した鎧を装備し、ダンジョンへ向っていた。

 

 今日のパーティはギャラハッド、輝夜、セルティの三名。潜る階層は13階層までとしている。

 

 13階層には【放火魔(バスカビル)の別名を持つヘルハウンドが出現する。

 

 そのためギャラハッドは鎧に加えて、【火精霊の護衣(サラマンダー・ウール)】を着用していた。両肩から赤い布が見えている。

 

 「よし、行くとするか。」

 

 輝夜の声と共に、ギャラハッドたちはダンジョンを進んだ。

 

 ボン、ボン、ボン

 

 三体のウォーシャドウが同時に灰に還る。

 

 ギャラハッドだ。昇格(ランクアップ)したことで前回は少し苦戦したウォーシャドウが紙切れのようになっている。

 

 「すごい、体が軽い。」

 

 「飛ばしすぎるなよ。」

 

 輝夜がギャラハッドへ助言する。

 

 「うん、今日は13階層まで潜るんだよね・・・温存していかないと。」

 

 輝夜とセルティはほとんど戦闘に参加せず、ギャラハッドに任せる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あっという間に7階層を越えて、ギャラハッドにとっては初めてとなる8階層へ到達した。

 

 「いいか、いくらLv.2に昇格(ランクアップ)したといっても、お前はダンジョンに関しては初心者だ。油断するなよ。」

 

 「10階層までは出現する怪物(モンスター)は変わらないけど、一度に出てくる怪物(モンスター)が急増するから気を付けて。」

 

 輝夜とセルティの助言にギャラハッドは力強く頷いた。

 

 正規ルートを進んでいると、少し大きな通路に出る。そこにはニードルラビット、ウォーシャドウの群れがいた。数は10を裕に超えている。

 

 「輝夜さん、行きます!!」

 

 「あぁ、行ってこい。」

 

 ギャラハッドの足元が爆ぜた。一歩で5メドルは進む。その勢いを利用し、盾を使って籠手で殴るようにニードルラビットへ打ち付けた。吹き飛ばされたニードルラビットは後ろにいたニードルラビット二体を巻き添えにし、 三体が灰と化す。

 

 ウォーシャドウが三体襲い掛かる。

 

 盾で身を庇いつつ、反対から来るウォーシャドウには鋭い蹴りが突き刺さった。

 

 盾で爪を弾かれたウォーシャドウを放置し、正面から来るウォーシャドウを盾で殴る、はじけ飛ぶ。

 

 まだ爪を弾かれ体制を崩しているウォーシャドウに盾で切り付けた。

 

 「こうしてガルの戦闘をしっかり見るのは初めてだけど・・・」

 

 「ライラたちがいっていたことは、誇張無しだったということか。」

 

 「すごい。こんな戦い方する冒険者、初めて見た。」

 

 輝夜とライラが黒銀の騎士から目を離せない。

 

 盾という攻撃には到底使えない武器を振り回し怪物(モンスター)を次々に灰へ還す。

 

 あっという間に殲滅を終えたギャラハッドは、魔石を回収し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「10階層からはオーク、インプ、バットバットが出現する。」

 

 「そしてなにより、霧の発生で視野が悪くなったり、怪物(モンスター)の大量発生、怪物の宴(モンスター・パーティ)が起こる・・・絶対に気を抜いちゃダメ。」

 

 セルティが小さな子供をあやすかのようにギャラハッドへそういった。

 

 輝夜も周囲への警戒を怠らず、先へ進む。幸い、今は霧が薄く周囲が見やすい。

 

 「オークの一撃も気をつけろよ。力任せの一撃は回避しやすいが、かなりの威力だ。」

 

 「わかった・・・」

 

 盾を握る手に力が入る。

 

 「いたぞ、オークだ。」

 

 「一体しかいないね。ガル頑張って。」

 

 前方15メドル離れた位置にオークが立っている。巨体から放たれる一撃はLv.1の冒険者にとっては即死級。Lv.2の冒険者でも耐久の基礎アビリティが低い者からしたら恐怖を覚える。

 

 「オオオオオオ!!」

 

 ギャラハッドの姿を発見したオークがドシン、ドシンと迫ってきた。

 

 「はあッ!!」

 

 オークが構えるより先にギャラハッドの盾が突き刺さった。

 

 一瞬で灰になる。

 

 「・・・えっ?」

 

 やった本人が呆気に取られている。まさか一撃で灰になるとは思わなかったと。

 

 「・・・は?」

 

 「す、すごい。」

 

 輝夜もセルティも一撃で消し飛ぶとは思っていなかったようで、目を見開いている。輝夜に至っては、本当にどうして?とでもいいたそうにしている。凛々しい副団長の間抜けな表情にセルティは噴き出しそうになった。

 

 「え、えっと、なんか行けそうです。」

 

 「・・・そうみたいどすね。はぁ、この弟様は、どこまでも規格外ということですわね。」

 

 猫かぶりを発動し強制的に表情を作った輝夜がそういった。

 

 「次は一体とも限らない。気を付けてねガル。」

 

 「うん、ありがとうセルティ姉さん。」

 

 オークと戦闘してから30分が経過した。今のところ怪物の宴(モンスター・パーティ)には遭遇していない。

 

 インプが10体ほど現れたが、インプの攻撃はギャラハッドを傷つけることはなかった。全て盾に阻まれオークのように一瞬で灰に還った。

 

 「「「「「「「ーーーーーーー!!」」」」」」」

 

 バットバットの超音波がギャラハッドたちを襲った。

 

 「バットバットだ・・・あそこか。」

 

 片手で耳を抑え、もう一方の手、指を使ってバットバットの位置をギャラハッドへ伝えた。

 

 数は七、決して多くはないが、空を飛びバラバラになっているため攻撃を当てるのは大変そうだ。

 

 「はあッ!!」

 

 盾をライラのブーメランのように投げる。回転しながらバットバット三体を切り付けた。

 

 「よっと、もういっちょ!!」

 

 前回のダンジョン探索で、キラーアントの首を両断したライラの攻撃を参考にし、ひそかに鍛錬していたギャラハッドの努力が実を結んだ。

 

 うまく帰ってきた盾を掴み、勢いを殺さないように自身が回転し、再び投げる。

 

 ボンッ、ボンッ、ボンッ、ボンッ

 

 気持ちがいいくらいに残っていた他の個体を切り付ける。

 

 「盾って、ブーメランなのか。」

 

 「輝夜ちゃん落ち着いて!! 盾は盾だよ。」

 

 頭が痛そうにギャラハッドを見つめる。

 

 「輝夜お姉さん!! 僕やりました!!」

 

 「・・・嬉しそうだし、いいか・・よくやった。」

 

 鍛錬の成果が出て嬉しいギャラハッドが輝夜へ駆け寄った。その嬉しそうな表情に輝夜はキュンとした。ダンジョン内にもあるに関わらず、地上にいるときのように頭を撫でた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 無事11階層へ降りた一行はハード・アーマードたちに囲まれた。

 

 「こいつがハード・アーマード。」

 

 「転がって突進してくるからな。気をつけろ。」

 

 「かなりの速さで転がるから詠唱が必要な魔法で戦うの難しいんだよね。」

 

 すると前で戦っていたギャラハッドを無視し、ハード・アーマードたちはセルティに向って転がる。

 

 「なっ!!」

 

 ギャラハッドは怪物(モンスター)の行動に意表を突かれてしまう。

 

 「ったく、油断するなといったのに。」

 

 「輝夜ちゃん!」

 

 セルティの前に輝夜が立ち、愛刀彼岸花へと手をかけた。

 

 「我が名はギャラハッド・デカトゥリア!!」

 

 ギャラハッドが大声で自身の名を叫ぶ。

 

 「ほう、これがスキルか。」

 

 「すごい! 急に方向を変えて、みんなガルの方へ向かっていった。」

 

 Lv.2になったことで新たに発言したギャラハッドの新たなスキル

 

 【騎士の名乗り】

 

 ・恐怖耐性を獲得。

 ・怪物(モンスター)からのヘイト獲得

 

 これによりハード・アーマードたちの標的はセルティからギャラハッドへ変わった。

 

 咄嗟の名乗りだったにも関わらず、しっかり効果を発揮したようだ。

 

 「ふんッ!!」

 

 転がってきたハード・アーマードを盾で受け止める。フィンの魔法より遥かに軽かったため、顔には余裕がある。

 

 「よいしょっと!!」

 

 盾にぶつかっているハード・アーマードを押しのけ、跳躍。

 

 ギャラハッドが立っていたところへ、残る二体のハード・アーマードが通過した。

 

 押しのけられた個体は、体を起き上がらせギャラハッドを見た。

 

 その瞬間を逃さず、跳躍していたギャラハッドは盾の重みに任せて、押し潰した。

 

 ギュルルルルル。キィィィィィンッ!!

 

 通り過ぎた二体も急停止からの、急旋回で再びギャラハッドへ突っ込む。二体が一列で襲い掛かった。

 

 「はああああああッ!!」

 

 全身の力を乗せた右ストレートを盾で放つ。

 

 前にいたハード・アーマードは玉突きのように後ろの個体とぶつかって二体のハード・アーマードは同時に倒された。

 

 「素早い切り替えだった。油断したことは許してやろう。」

 

 「今のスゴイ良かった!! ガルがいれば、私もリャーナもマリューも詠唱に困らないかも。」

 

 「そうだな・・・私たちもガルが引き付けてくれている間に、個別で撃破も出来るだろう、一撃離脱が重要な大型怪物(モンスター)だったとしても、攻撃に集中できる。」

 

 どうやら自分たちの弟分はかなり頼りになるらしい。ライラたちから聞いていた話よりもずっとずっと、強くなったギャラハッドに輝夜とセルティは頼りがいを感じた。

 

 

 

 





 製作者のわからない鎧・・・一体誰が作ったのでしょうか。

 ガル君の鎧はFGO奏章4で出てきたギャラハッドと同じです。紫のマントが【火精霊の護衣(サラマンダー・ウール)】に変わっているだけです。

 力やスキル的な面ではギャラハッドよりもマシュの方です。グランドオーダーを始めたばかりの我らの後輩です。この先も冒険を重ねて成長していきます。

 輝夜さんがキャラ崩壊を起こしちゃいましたね。必ず、輝夜さんの格好いい姿を描くので許してください。

 次回、【迷宮】と【冒険】Ⅱ
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