このssを投稿し始めて一週間が経過しました。
まさか一週間で、これほど多くの方に読んでもらえるとは思っていなかったです。
本当にありがとうございます。
大学の夏休みが終わり、就活や卒業論文、制作といった課題に追われると思いますが、頑張って投稿していきたいと思います。
【騎士の名乗り】を使ってハード・アーマードを倒してからギャラハッドたちは、11階層にてスキルの効果を試し続けていた。
「我が名はギャラハッド・デカトゥリア!」だけ名乗ると戦闘中の
「我が名はギャラハッド・デカトゥリア!最後の円卓の騎士にして、誇り高い正義の眷属【アストレア・ファミリア】の第13席に座るもの!!」まで声に出すと、周囲にいた
名乗りの長さで効果が変わるという発見があった。
他の部分で切ったりも試したが、最後まで言い切らない限り効果は名前を名乗っただけのときと同じであった。
「だいぶスキルのことも理解できたな。」
「うん、輝夜お姉さんとセルティ姉さんのおかげだよ! ありがとう。」
「気にしないで、ガルのスキルは私たちにとって、とても助かるスキルだから。」
「あぁ、だがガル・・・決して無理するな。私たちだって上級冒険者なんだ。お前だけに負担をかけるつもりはない。」
先ほどはギャラハッドのスキルや戦い方に呆然としていたが、慣れてきたのか輝夜はいつもの頼れるお姉さんに戻っている。
「そうだよ。お姉さんたちだって強いんだからね!! 頼りにしてよね。」
「いつも頼りにしてるよ。じゃあ、12階層に降りようか。」
12階層は先ほどまでと違って、かなり濃い霧に包まれていた。5メドル先も見通せないほどに濃い濃霧だ。
「ガル、気づいているか。」
「うん、囲まれてるね・・・数はわからないけど。」
「囲まれているのを分かっているなら及第点だ。数は4だ・・・落ち着いて対処しろ。」
「うん・・・」
ギャラハッドが盾を構えた。ガンッ!!
重たい一撃が盾を襲った。
攻撃してきたのはオークだ。手には大剣を持っている。
この階層で亡くなった冒険者の持ち物だろう。
「ふんッ!」
跳躍しオークの顔面に盾の一撃をぶちまける。
オークの頭部は潰れたトマトのように弾けた。
「気をつけろ!!」
輝夜の声に反応し、ギャラハッドはバックステップでその場から退避した。
先ほどまでギャラハッドがいた場所には大きな手が振り下ろされていた。
「シルバーバックだ。掴まれたら終わりだと思え。」
「了解!!」
シルバーバック5メドルほどの体長を持つゴリラ型の
「我が名はギャラハッド・デカトゥリア!!」
スキルを発動し、残っていた他の二体の
引き付けられた
シルバーバックの手が自身を掴む直前で、ハード・アーマードと入れ替わる。
シルバーバックに掴まれたハード・アーマードは握りつぶされ事切れた。
その間に、シルバーバックの巨体を上りギャラハッドは脳天に盾を叩きつける。流石に一撃で倒れることはなかった。回し蹴りで顎を蹴り飛ばす。今度こそ、シルバーバックは転倒した。倒れた方向には最後のハード・アーマードがいる。シルバーバックに押しつぶされ灰となった。
「
輝夜が咄嗟に思いついた作戦がうまくいったことに感心している。
転倒しているシルバーバックの首を盾で切断した。
「・・・ふぅ、なんとかうまくいった。」
周囲を囲んでいた
「ガル、まだ大丈夫? そろそろ地上に戻る?」
「ここまでかなりの戦闘を行っているからな。私は十分だと思うぞ。」
「もう少し行ってみようかな。濃霧での戦いに慣れたい。
「そうか、じゃああと少しだけだぞ。13階層に降りるのはやめておこう。」
そしてギャラハッドは12階層に広がる濃霧の中を探索した。
道中で数回オークやハード・アーマードと戦闘したが、シルバーバック並みの
そろそろ地上へ戻ろうとしていたとき、ソイツは現れた。
「インファント・ドラゴンか・・・流石にこれは手伝おう。」
「詠唱の準備するわね。」
「はい、お願いします!!」
インファント・ドラゴン・・・11、12階層にて稀に出現する
Lv.2の冒険者がソロで倒すのには厳しい
「我が名はギャラハッド・デカトゥリア!!」
インファント・ドラゴンの視線がギャラハッドにくぎ付けとなった。
その隙をついて、輝夜がインファイト・ドラゴンへ接近、切り付けた。
赤い鮮血が巨体から噴き出す。それでもインファント・ドラゴンの視線はギャラハッドから離れない。
口元に炎が集まる。ブレスが来る。
ギャラハッドは背後にいるセルティにブレスが来ないように、盾を構えた。
「ガル!!」
ブレスに包まれる弟分の心配をする。
「大丈夫です!! このまま防ぎきります。」
ブレスが続いている間も輝夜が斬りつける。
そしてブレスが収まった。ギャラハッドもセルティも火傷一つ負っていない。
「【
セルティの魔法がインファント・ドラゴンに直撃。輝夜が切り付けた後から、緑雷が飛び出す。
「GYAAAAAAAAAAAA!!」
「決めろガル!!」
輝夜がそういった。
ギャラハッドは盾を振りぬきインファント・ドラゴンの首を殴打した。切断まではいかなくても、骨は粉々になった。ダメージに耐え切れず灰になる。
「やった・・・」
輝夜が呟いた。
「うん、周囲に他の
「流石に疲れた。私も早く拠点で風呂に入りたい。」
こうして、ギャラハッドの二回目のダンジョン探索は幕を閉じた。
「おかえりさなさい。」
星屑の庭に着くと、アストレアが出迎えてくれた。
「怪我はなさそうね、ふふふ、よかったわ。」
「ただいま戻りましたアストレア様。」
「アリーゼたちが風呂に入っているところだから、あなたたちも入ってらっしゃい。」
アストレアがそういうので、輝夜、セルティは浴室へ向かった。
「あら、ガルは行かないの?」
「行きませんよ!!」
不思議そうな顔をしたアストレアがコツンと首を傾げた。かわいい・・・
「じゃあ、私たちも一緒に入っちゃおうかしら。」
「・・・えっ? は、入らないですよ!!」
「いいからいいから、アリーゼたちばっかり、あなたとスキンシップを過ごすものですから、羨ましかったのよ。」
そういってギャラハッドの腕を掴み浴室まで連行する。それでいいのか処女神!!
「あら、アストレア様とガルも一緒に入ってくれるの!?」
「なに!? はっ、な、なんという神々しい我が儘ボディ。抱き着いて撫でてもらいたい。」
「不敬です!! ガ、ガル!? あなたまで入るのですか!!」
「ったく、いっつもいっつも騒ぐなってリオン。」
「風呂の時間くらい落ち着きを持て青二才。」
アストレアとガルが浴室に入るや否、全員の視線が
シミ一つない美しい肌。零れ落ちてしまうのではないかと思うほどたわわと揺れる胸。引き締まった腰、スラリと伸びた脚・・・一つ一つが歴史に名を残す芸術家の作品のようだ・・・いや、それを越えている。
若干一名反応がおかしい人物がいるが、それはネーゼだ。
「ガルったら目閉じちゃって。滑ってこけちゃうよ。」
「でも待って、この歳からアストレア様の女神ボディを見ちゃったら・・・私たちじゃあ満足できないようになるんじゃ・・・」
「やばいわね。」
「激やばだわ!!」
体を洗っていたノインがギャラハッドの心配をする横で、リャーナ、イスカ、マリューの顔が絶望に染まった。
マリューに至っては口調まで崩壊している。
「はぁ、アストレア様・・・綺麗。」
アスタはただただうっとりと、己の主神であるアストレアに夢中だ。ドワーフという種族柄、身長が伸びにくい彼女からしたらアストレアのナイスボディは羨望の的だ。
「ガル、おいで。頑張ったご褒美に私が洗ってあげる。」
そして今がチャンスといわんばかりに、セルティがギャラハッドを自身の前に座らせた。
「あらあらガルったら、ねぇセルティ、私もガルの体を洗ってあげたいんだけど・・・」
「ア、アストレア様!? うぅ、わかりました。じゃあ、頭は私が洗うので体はアストレア様が・・・」
アストレアのお願いにセルティは逆らえなかった。
「ガル、かゆいところない?」
「うん、ないよ・・・」
ひたすら目を閉じて時間が過ぎ去るのを待つ。自分は誇り高き正義の眷属なのだからと・・・
セルティの細い指がギャラハッドの頭部を適度に刺激する。
「暇つぶしに読んだ本に書いてた。こうして洗ってあげると気持ちいいって。」
流石はファミリア内で最も、知識欲に溢れたセルティである。こんなことまで履修済みとは!?
「ねぇ、輝夜・・・今日のダンジョンでガルはどうだった。」
「あぁ、贔屓目を抜いたとしても、かなり頼りになる盾役だった。私とセルティは、ほとんど戦闘に参加しなかったしな。」
「へぇ、輝夜から見てもそうなのね。」
「そりゃフィンの魔法を受け止めたんだ。その変の
相変わらずライラはフィンのことが大好きのようだ。
「シルバーバックと戦闘したときなんかは圧巻だったな。スキルで自身を狙ってくる
「そんなことしたの!?」
「あぁ、それを見てあの子のスキルの汎用性の高さに驚かされた。」
インファイト・ドラゴンのブレスを受け止めたことより、輝夜としてシルバーバックとの戦闘の方が目に焼き付いていた。
「ますます【
「イスカちゃん、目が怖いよ。」
「仕方ないでしょマリュー。というか、正直、私よりリャーナの方がガチ感すごいから。」
リャーナ・リンツ・・・実は彼女がいつも一番ガチ感を出している。モデルのような体型の彼女だが、男性との恋愛関係は今までなかった。魔法都市アルテナで過ごしていたときも魔法の勉強に熱中しており、異性と過ごすことなんかなかったのだ。
魔法都市アルテナを飛び出してアストレアたちと出会うまでもソロで活動しており、異性とは縁のない生活を続けていた・・・
「イ、イスカ!? なにいってるの!!」
手をあたふたさせたリャーナがイスカに詰め寄る。
「いや、だって、いつもガルに対して向ける視線が
「そんな!?」
リャーナが膝から崩れ落ちた。
「ガル背中流すわね。」
「・・・お願いします。」
歯が砕けそうなほど噛みしめてただただギャラハッドは耐えるのだった・・・
ダンジョンへ潜ったあとのギャラハッドのステイタス
Lv.2
力:0 I → 93 I
耐久:0 I → 141 H
器用:0 I → 75 I
敏捷:0 I → 70 I
魔力:0 I → 54 I
スキル
【
・誓いによる行動での経験値上昇
・誓いの丈により効果向上
【誇り高き正義の盾】
・戦闘時、力と耐久のステイタス上昇。発展アビリティ【対魔力】、【耐異常】が発現。
・守護対象の側にいる際、全ステイタス上昇。守護対象の数に乗じて上昇。最大12名
・周囲にいる守護対象の耐久ステイタス上昇。
【騎士の名乗り】
・恐怖耐性を獲得。
・
魔法
【
詠唱
「神名、拝借──この身は正義の席に立つ……
其は全ての罪、全ての罪禍を正す我らが天秤──顕現せよ!」
・魔力障壁展開、あらゆる攻撃を隔絶する。
・発動後一定時間、発動範囲内にいる全てに力、耐久、器用のステイタス大幅上昇。
ステイタストータル上昇値 433・・・
ギャラハッドが二回目のダンジョン探索を過ごした日から三日が経過した。
星屑の庭には来客があった。
「皆さん、あのときは本当にありがとうございました!!」
「私からもお礼を言わせてください。あなたたちがいなかったら、私は天に還っていました。」
「アストレアのとこの子供たち、この度は私の可愛い子供たちがお世話になりました。」
星屑の庭にやってきていたのは、ギャラハッドが初めてダンジョンに潜った日に救った【メドゥーサ・ファミリア】の冒険者と主神メドゥーサだった。
「いえ、気にしないでください。」
「あんときもいったが、今後は
「にしても、アストレア様と同郷の神様のファミリアだったとは。」
メドゥーサとアストレアは同郷であった。天界きっての委員長体質であったアストレアはメドゥーサを武力行使で抑えることもしばしばあったようなのだが、下界に降りてきてからはメドゥーサもロキと同じく丸くなったようだ。
立派な女神として頑張っているらしい。
「ふふふ、メドゥーサが丸くなったようで嬉しいわ。」
「ア、アストレア!! この子たちがいる前で天界にいた頃の話は辞めてください。」
眼帯で目は隠れているものの、その美しい顔が恥ずかしそうにしているのは一目でわかった。
「あのときの
イーナが
「こんなに!?」
「えぇ、命を救っていただきました。これくらは当然です!!」
「あぁ、妹の命を救ってくれた命の恩人だ。しかも、あなたたちはオラリオの平和を守る【アストレア・ファミリア】だ。ダンジョン以外でも
「わかりました。ありがたく頂きます。」
【メドゥーサ・ファミリア】のアイクたちが帰ったあと、ギャラハッドは巡回に出た。
メンバーはアスタ、ノイン、リャーナの四名で巡回している。
「今日は北と南ではなく、オラリオの東と西で分かれて巡回する。」
「私たちが東を担当するから、ガルたちは西をお願いね!!」
ということで、ギャラハッドはこれまで向かうことのなかったオラリオの南西へと足を踏み入れた。
オラリオの南西にはアストレアと遊びに来たマーケットエリア、アモーレ広場といった場所が巡回の主な場所となる。この辺りではスリや窃盗といった軽犯罪が頻発するという。
「この辺にはアストレア様とデート来たんでしょ。」
「アストレア様とデートとか羨ましすぎる。ガル! 今度私ともお出かけしようね!!」
「わ、私ともデートして!! 男女二人で出かけてあーんとかしてみたいんだから!!」
乙女たちはアストレアのことが大好きであった。そしてまた、弟のことも大好きである。二人とデートすることが、しばらくは彼女たちの願望になるだろう。
「それにしても、鎧とっても似合ってるわね。」
アスタがそっとギャラハッドの隣に並び歩く。馬車道側をさり気なく通ってくれる弟が頼もしい。
「そう? ありがとアスタお姉さん。」
「えへへ、ドワーフの私だけど、ガルは、私のことも守ってくれる?」
「当たり前だよ。みんなの盾になるのが、僕の正義なんだから。」
「いーこいーこ!」
若干ギャラハッドの方が身長が高いため、背伸びする形でがギャラハッドの頭を撫でた。
「そこの銀髪のヒューマン!!」
すると突然、ギャラハッドを呼び止める女性の声が聞こえた。
「はい、どうかしましたか?」
声の方を見ると、黒髪に褐色の肌を持つ、長身のふくよかな胸を持った美女が立っていた。服装は輝夜と似ており極東出身なのかと思われる。
「その鎧!! どこで手に入れた!!」
女性はギャラハッドが身に着けている鎧を指差し尋ねた。
「【ヘファイストス・ファミリア】のテナントで買いましたが。」
少し興奮している女性を怪しく思ったノインたちが警戒する。アスタもギャラハッドの少し前に立ち、無意識に女性をギャラハッドに近づけさせないようにしていた。
「おっと、手前は怪しいものじゃないぞ。その鎧の製作者だ!!」
「「「「えっ?」」」」
「そうかそうか、いやぁいつの間にか部屋から消えて、どこへやったものかと思っていたのだが・・・まさか、その鎧を着ている冒険者がいたとは・・・・たまらず声を掛けてしまった。」
黒髪の女性は鍛冶師だった。名は椿・コルブランドといい、なんと【ヘファイストス・ファミリア】の団長を務めるオラリオにおいて最候補の実力を持つ【
「まさか、あの【
「いや、納得したかも。それだけ、この鎧の完成度は他の装備と比べて突出していたもの。」
リャーナは驚愕し、一緒に装備を買いに行ったノインは大きく頷いた。
「いやぁ、手前もまさか着ている者がいるとは思わなんだ。しかも着ている者が、あの人形姫の記録を破った【
どうやらこの鎧は、かつて【
「あのときの悔しさは今でも忘れらない!! まぁ、その経験が手前を【
「そうでしたか・・・お返しした方がよろしいですか?」
ギャラハッドがおずおずと尋ねる。
「いいや、存分に使ってやってくれ!! 手前がまだ未熟だったときの作品だ。今の手前から見ると恥ずかしいばかりだが、当時の手前の全力を込めた思い出の品・・・ぜひとも使い倒してほしい。」
なんと椿の方が頭を下げた。
「そんな!! 頭を上げてください。」
「今後は鎧の修繕なども、手前が引き受けよう。」
まさかの提案にギャラハッド以外の姉たちも目が飛び出す。
「そこまでしていただくわけにはいきません!!」
「いいや、手前が修繕したいのだ。聞くとテナントの奥で埃をかぶっていたという・・・そのようになっていた手前の作品を見つけてくれたお礼だ。感謝する【
この品はフィンに選んでもらえなかった時点で売らないつもりだったらしい。多少手を加えて悔しさを忘れないようにファミリアの倉庫に置いていたのだが、誰かが間違ってテナントへ送ってしまったとのことだ。そのため製作者の名前も彫られていなかったという。
「ガル、ここまでいってくれてるんだからありがたくお願いしときな。」
「そうだよ!」
ノインとアスタがそういった。
「わかりました。椿さん、どうか今後とも僕の鎧についてよろしくお願いします。」
「しかと心得よう。では、手前も今後はお主をガルと呼ばせてもらうぞ。」
「はい!!」
そして二人は力強く握手した。
【メドゥーサ・ファミリア】に所属するアイクとイーナの容姿ですが、Fateシリーズのシンジとサクラと思ってください。
この世界のシンジ君とサクラちゃんは仲の良い兄妹です。えっ?アカイアクア?知らないですねぇ・・・
そして今作、初登場の椿さん!!大好きです!!
まさか鎧の製作者だったとは・・・
フィンに合わせて作ったが、選ばれなかったため手を加え一般的な冒険者の体に合うサイズにしよとしたところ・・・
『くっ、【
そのときの悔しさを忘れないために売らずに保管していたんですねぇ・・・間違ってテナントへ運んだのは【ヘファイストス・ファミリア】の鍛冶師です。あの羽根帽子の神ではないですw