アストレア・ファミリアの盾使い   作:ナカタカナ

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 いつまで毎日投稿できるのだろうか…


【女神】と【女神】Ⅴ

 

 ゴライアスを無事討伐したギャラハッドたちは18階層、【迷宮の楽園(アンダー・リゾート)】にて水浴びをしていた。

 

 「やっぱし、いつ来てもここは綺麗だな。」

 

 ライラが呟く。

 

 「そうねぇ、ほらガルも早くおいで!」

 

 アリーゼが装備を脱ぎ全裸となった状態でガルを手招きした。

 

 「僕はいいです!! そ、そうだ!! 僕見張りしときます!!」

 

 そういってアリーゼたちが水浴びをしている泉の前で座り込んだ。

 

 守り神のように座り込んでしまったギャラハッドを見て、アリーゼたちは無理強いしなくなった。

 

 パシャパシャとギャラハッドの背後で水を掛け合う音が聞こえる。

 

 「ちょっとぉ~!!」

 

 「ほらほら!!」

 

 大変楽しそうな声が聞こえてくる。

 

 ギャラハッドは姉たちの楽しそうな声を聞いて嬉しくなった。

 

 「死ねっポンコツエルフ!!」

 

 「ガはッ!!」

 

 「リオン!?」

 

 た、楽しそうな声が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 水浴びを終えたアリーゼたちはギャラハッドに軽く18階層を案内した。

 

 といっても、【フレイヤ・ファミリア】との戦争遊戯(ウォーゲーム)に備えなければいけないので、本当に軽くだが。

 

 「ここが【リヴィラの街】よ!!」

 

 アリーゼが連れてきたのは、冒険者たちが営むダンジョン内の街。それが【リヴィラの街】だ。

 

 「げっ!! 【アストレア・ファミリア】!!」

 

 眼帯をつけた厳つい顔の冒険者がアリーゼの姿を見るやいないや、建物の中に入った。

 

 「『げっ』とは何よ!!」

 

 怒ったアリーゼたちが眼帯の冒険者のあとに続いていく。

 

 「よ、よう、よく来たな!!」

 

 冷や汗をダラダラと流した眼帯の冒険者がカウンターに立っていた。

 

 「見られてやましいものでもあるのか?」

 

 輝夜が刀に手を掛けながら尋問する。

 

 「め、滅相もないぜ。ハ、ハハハ…っと、そこにいるガキが噂の【正義の盾(シールダー)】か。このおっかねぇ、姉ちゃんたちをどうにかしてくれよ。」

 

 「おっかない姉ちゃん? どこにいるの?」

 

 「よしよし、お前は可愛いな。おい、ボールス! ガルに余計なことを吹き込むな!!」

 

 「ヒイッ!!」 

 

 どうやら眼帯をした男性冒険者の名前はボールスというらしい。【リヴィラの街】を統括している冒険者だという。ダンジョン内ということもあり、ある程度のおいたをしているらしい。

 

 ダンジョン内では需要と供給のバランスが傾く。多少ふっかけた価格であっても、回復薬(ポーション)などの消費アイテムは需要が勝っており、購入される。過去には行き過ぎた価格で販売していたこともあり、【アストレア・ファミリア】に目をつけられた。

 

 故にボールスを始めとした【リヴィラの街】にて店を構える冒険者たちは【アストレア・ファミリア】に怯えているのだ。

 

 「いいかガル、ここでは極力買い物をするな。地上の二倍三倍以上の価格をふっかけてくるのは当たり前だ。」

 

 「うん、極力買わないようにする。」

 

 ギャラハッドからすれば、行き過ぎた価格は良くないとは思うが、地上よりも倍以上の価格で販売するというのはさして悪いようには思わなかった。これもビジネスであると考えている。

 

 「はぁ、すっかり尻に敷かれてるな。」

 

 ボールスがギャラハッドをみてそういった。

 

 「尻に敷かれているか…そうか、まぁ、そろそろレベルは追いつかれると思うがな。」

 

 輝夜がボソッと呟く。

 

 【リヴィラの街】に滞在したのは、時間にして30分もなかった。すぐに地上へ帰りステイタスの更新を行った。

 

 

 

 

 

 

 Lv.2

 

力: 1231 SS → 1435 SSS

 

 耐久: 1383 SSS → 1633 SSS

 

 器用: 1104 SS → 1304 SSS

 

 敏捷: 1124 SS → 1279 SS

 

 魔力: 1221 SS → 1457 SSS

 

 【騎士】:H

 

 スキル

 

 【正義誓盾(アストライアー・オルコス)】

 

 ・誓いによる行動での経験値上昇

 ・誓いの丈により効果向上

 

 【誇り高き正義の盾】

 

 ・戦闘時、力と耐久のステイタス上昇。発展アビリティ【対魔力】、【耐異常】が発現。

 ・守護対象の側にいる際、全ステイタス上昇。守護対象の数に乗じて上昇。最大12名

 ・周囲にいる守護対象の耐久ステイタス上昇。

 

【騎士の名乗り】

 

 ・恐怖耐性を獲得。

 ・怪物(モンスター)からのヘイト獲得

 

 魔法

 

 【いまは願う正義の盾(ロード・アストレア)】

 

 詠唱

 

 「神名、拝借──この身は正義の席に立つ……

 

  其は全ての罪、全ての罪禍を正す我らが天秤──顕現せよ!」

 

 ・魔力障壁展開、あらゆる攻撃を隔絶する。

 ・発動後一定時間、発動範囲内にいる全てに力、耐久、器用のステイタス大幅上昇。

 

【反逆の騎士(モードレッド)】

 

 詠唱

 

 「赤雷よ(クラレント)」

 

 ・速攻魔法

 

 「発展アビリティは【治力】しか出ていないわね。このまま昇格(ランクアップ)させるわ。」

 

 「お願いします。」

 

 

 

 

 

 

 Lv.3

 

力:0 I

 

 耐久:0 I

 

 器用:0 I

 

 敏捷:0 I

 

 魔力:0 I

 

 【騎士】:G

 

【治力】:H

 

 スキル

 

 【正義誓盾(アストライアー・オルコス)】

 

 ・誓いによる行動での経験値上昇

 ・誓いの丈により効果向上

 

 【誇り高き正義の盾】

 

 ・戦闘時、力と耐久のステイタス上昇。発展アビリティ【対魔力】、【耐異常】が発現。

 ・守護対象の側にいる際、全ステイタス上昇。守護対象の数に乗じて上昇。最大12名

 ・周囲にいる守護対象の耐久ステイタス上昇。

 

【騎士の名乗り】

 

 ・恐怖耐性を獲得。

 ・怪物(モンスター)からのヘイト獲得

 

 【時に微笑む正義の盾】

 

 ・対象1名に5分間の絶対防御、オートヒール付与。再使用に10分のチャージが必要。

 魔法

 

 【いまは願う正義の盾(ロード・アストレア)】

 

 詠唱

 

 「神名、拝借──この身は正義の席に立つ……

 

  其は全ての罪、全ての罪禍を正す我らが天秤──顕現せよ!」

 

 ・魔力障壁展開、あらゆる攻撃を隔絶する。

 ・発動後一定時間、発動範囲内にいる全てに力、耐久、器用のステイタス大幅上昇。

 

【反逆の騎士(モードレッド)】

 

 詠唱

 

 「赤雷よ(クラレント)」

 

 ・速攻魔法

 

 

 

 

 

 

 「新しいスキルも発現しているわね。対象1名に5分間の絶対防御、オートヒール付与…強力ね。」

 

 アストレアはステイタスを見て声を漏らす。

 

 「これってガル自身も対象に出来るのかしら?」

 

 「試してみないとわからないわね…ガルやってみて。」

 

 アストレアにいわれ、新しく発現したスキルを自分を対象にして使用してみる。

 

 直後、ギャラハッドの身体は光の膜に覆われた。

 

 「すごい、ダンジョンに潜った疲れが回復していく。」

 

 その様子を見て輝夜が全力のデコピンを放つ。

 

 「ふんッ!!」

 

 ちょっとした風が星屑の庭に発生する。輝夜のデコピンは恐るべき威力を秘めていた。しかし、そんなデコピンもギャラハッドが発動したスキルによって防がれる。

 

 「痛くない?」

 

 「大丈夫です! 自分も対象に出来るみたですね!!」

 

 「ちょっと待て、ガルお前、ダンジョンの疲れも回復するっていったか?」

 

 ライラが目を大きく開けて尋ねた。

 

 「はい、帰ってきたときは、全身がだるかったですけど、今はゴライアスと戦う前くらいの身体の軽さになってます。」

 

 「それって上手く使えば鍛錬をいくらでも行えるってことか!?」

 

 「「「「「「「「「「「「たしかに!!」」」」」」」」」」

 

 ライラの発想はギャラハッドのステイタスを成長させることに大いに発展した。

 

 限界ぎりぎりの鍛錬を続けてステイタスを伸ばし続けていたが、このスキルが発現したことによって、限界ギリギリで回復し、また鍛錬に挑めるということである。

 

 「これはちょっと希望が見えてきたな…」

 

 ライラ参謀があくどい笑みを浮かべる。

 

 「あの女神…うちの可愛い弟分にちょっかい出しやがって、ぜってぇ痛い目みせてやる。」

 

 そういって正義の眷属とは思えない悪い表情を浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 無事、昇格(ランクアップ)を終えたギャラハッドは輝夜と共に鍛錬を行っていた。

 

 「ついに私たちに追いついたな。」

 

 「はい!! だけど、まだ輝夜さんの技には勝てません。」

 

 「当たり前だ!! すぐに追い抜かれてしまったら私は立ち直れないぞ。」

 

 「嘘です! 輝夜お姉さんならすぐに、立ち直って強くなります。」

 

 「ふっ! よくわかっているな!!」

 

 実戦形式でぶつかり合う二人、星屑の庭にある庭というとわかりにくいが、とにかく庭だ。そこで鍛錬をしていた。

 

 「どうした!! 昇格(ランクアップ)したというのに動きが悪いぞ。」

 

 「ごめんなさい!! でも、なんかおかしい…いつもの感覚と全然違う。」

 

 「なに?」

 

 手合わせをしている輝夜は、なんとなくギャラハッドの動きがぎこちないことに目が着いた。疲れているわけでも、怪我をしているというわけでもない。体は絶好調のはずなのに、やはりどこかおかしい。

 

 「…それって短期間での昇格(ランクアップ)が原因で、器と心が一致していないんじゃない?思考が身体に追いついていないのよ!!」

 

 マリューが意見する。

 

 「器と心が一致していない…なるほど、ガルほど短期間での昇格(ランクアップ)を遂げた者がいないから、本当かどうかはわからないが、あり得る。それほどまでに昇格(ランクアップ)の恩恵は大きい。」

 

 輝夜もマリューの意見に納得する。

 

 「じゃあどうすればいい?」

 

 ギャラハッドが尋ねる。

 

 「わからぬ、とにかく動いて慣れるしかない。ここからは私も全力で相手する…ついてこい。」

 

 直後、輝夜の姿が消えた。

 

 「ここだ。」

 

 ガギンッ!!

 

 なんとか反応したギャラハッド。背後に輝夜が立っており居合を放たれる。胴体に触れる寸前で盾を構えたことで事なきを得た。

 

 「今の反応遅れてたらガル死んでたわよ。」

 

 その様子を見ていたリャーナがドン引きしている。

 

 「私たちの弟がそんな軟なわけなかろう。ほらほら次にいくぞ!!」

 

 地面に土煙が舞い上がると姿は消える。空中に火花が散ると鈍い音が響く。それを一生繰り返している。

 

 「はあッ!!」

 

 手合わせを続けておよそ三時間。ついにギャラハッドは輝夜へカウンターを決めた。

 

 「今の動き…」

 

 Lv.2までとは全然違うその動きにギャラハッドは感動を覚えた。

 

 「ようやく器と心が一致したか…」

 

 汗だくの輝夜が刀を鞘に戻す。

 

 「ふぅ、いい汗をかいた。というか、私もステイタス上がっているだろう。」

 

 それほどまでに輝夜も全力を出していた。

 

 技術や駆け引きという点では輝夜に圧倒的な部がある。しかし、それを覆すほどの基礎アビリティのステイタスや、吸収力。今のギャラハッドは既にLv.3の中でも上位手前まで強くなっているだろう。

 

 「輝夜お姉さん、ありがとう!!」

 

 「礼はまだ早い。お前が【猛者】を倒してから受け取ろう。」

 

 「わかった!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヘルメスside

 

 「結局、この文字のことは何もわからないままか…」

 

 廃都があった島から、オラリオへ帰る船の上にてヘルメスは手記を広げたまま空を見上げる。

 

 「ヘルメス兄さん、これ解読できる奴いるの?」

 

 「さぁな、だが、ウラノスなら読めるかもしれない。」

 

 「確かに…にしても、あの子は連れてこなくてよかったの?」

 

 リディスがいうあの子とは、隠し部屋の中央にいたギャラハッド・デカテーセラのことだ。

 

 「あぁ、あの子はあそこに放置しておく方がいい。闇派閥(イヴィルス)が目をつけたらロクでもないことになる。」

 

 「それもそっか。じゃあ私は昼寝でもしようかな…襲っちゃ駄目だよ。」

 

 「あぁ、襲わない襲わない。」

 

 女好きなヘルメスにとって珍しく、この『襲わない』という言葉は本心だった。

 

 ヘルメスにとってリディスは大事な眷属であり、家族であり、妹であった。たとえどんな美少女であっても、リディスに対してだけは女性として見ることは出来なかった。

 

 これは神々の中でも珍しい。神々の中には平気で兄妹で子供を作ったものたちもいる。

 

 「さて、オラリオは今、一体どのようなことになっているのだろうか…」

 

 ヘルメスが見つめる遥か先にはバベルの塔がある。今はまだ見ることは出来ないが、もうすぐ見えるだろう。

 

 回収した古代文字の書かれた手記と本には一体何が書いてあるというのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「やれやれ、ようやく島が静かになった。」

 

 暗い地下に眠る美しい泉。

 

 そこには暗くてよくわからないが人型の何かがいた。

 

 「キャメロットは滅び、騎士たちも死んだ。蘇ることもなければ生まれ変わることもない。だが、イレギュラーは産まれた…」

 

 美しくとも不気味とも取れる声で何かは呟いた。

 

 「まぁいい。私も少しあの器に興味が湧いた。少しは、あの騎士たちと共に見守ってみるのもいいか。」

 

 泉の中央に大きな水柱が産まれる。

 

 そこには遥か遠く離れる迷宮都市オラリオが映る。

 

 「せっかく得た命だ。貴様の思うがままに使うがいい。私もそなたを見守っている。」

 

 人型の何かが見つめる先には、巨大な盾を持つ少年、ギャラハッドが映っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 【フレイヤ・ファミリア】との戦争遊戯(ウォーゲーム)が開催されるまで、あと10日を切った。

 

 急激な昇格(ランクアップ)にて生じた、心と魂のずれも完治し、順調にステイタスを上げていた。

 

 怪我や気力、体力を回復させるスキルを発現させてから、ギャラハッドは朝から晩まで鍛錬鍛錬探索探索鍛錬の日常を送っている。

 

 師匠の輝夜からしても頭のおかしいステイタスの上昇率だ。

 

 ギャラハッドの昇格(ランクアップ)については、既にギルドへ報告している。あまりの速さにローズがひっくり返りそうになった。

 

 「この間、冒険者になったばかりよね、しかも、Lv/2になったのも一か月くらい前でしょ? なんでもうLv.3になってるのよ。【アストレア・ファミリア】は何か危ない薬にでも手を出した?」

 

 「ローズ、いくら貴様とて正義の女神たるアストレア様への侮辱は許さないぞ。」

 

 「流石にこれは疑うわよ!! まぁ、何もしていないことはわかるけど…はぁ、またしばらく家に帰れないわね。」

 

 よく見ると彼女の赤く美しい毛並みがくすんでいる。枝毛も目立つ。

 

 「その、ごめんなさい。」

 

 「あなたが悪くないのはわかってるわよ。あなたも大変ね女神フレイヤに目をつけられるなんて。」

 

 無理やり笑顔を浮かべてギャラハッドの頭を撫でた。

 

 「ローズさん、ご飯はしっかり食べていますか?」

 

 「あんまり食べてないけど、どうしたの? 忙しくて家にも帰れてないし、仕方ないのよ。」

 

 「それはダメです!! 今度からお弁当持ってきます!!」

 

 【アストレア・ファミリア】の担当をしてくれているローズが倒れてしまわないか心配になったギャラハッドは、お弁当を届けることを提案した。

 

 「お弁当って、いいわよ。気にしないで、あなたは【フレイヤ・ファミリア】との戦争遊戯(ウォーゲーム)があるのだから。」

 

 「なら、ガルが戦争遊戯(ウォーゲーム)に勝ってからお弁当を届けるようにしたら。」

 

 一緒に来ていたアリーゼがそういった。

 

 「わかりました!! また一つ負けられない理由が出来ました。」

 

 純粋な少年を前にしてローズは辛い現実を考えていた。

 

 『いくら才能があったとしても、時間が足りないわね…せめてあと1年ほど時間があったら分からなかったかもしれないけど。今のオラリオで最強の冒険者【猛者】との一騎打ちだなんて…』

 

 ローズはギャラハッドが勝つとは考えていなかった。

 

 それも当然だ。相手は都市最強のLv.6の冒険者である。Lv.1がLv.2には絶対に勝てないといわれている中で、Lv.3がLv.6に勝てるはずがないのだから。

 

 ギャラハッドが冒険者登録に来た際は、散々「早死にするよ」としかいわなかったローズだが、なんだかんだ、今ではギャラハッドのことが嫌いではなかった。いや、むしろ好きである。

 

 顔立ちがいいのはもちろんあるが、いつも丁寧に接してくれて、愛想が良いギャラハッドのことが可愛く思っていた。だから、余計に【フレイヤ・ファミリア】との戦争遊戯(ウォーゲーム)が行われると耳にしたときは信じられなかった。

 

 『やっぱり女神フレイヤもあの子に目をつけたか…』と、神々の言葉で例えるならBSSもしくはWSS状態になっていた。

 

 「いっそのこと私がさらって監禁でもしようかしら…」

 

 ローズがハイライトの消えた目でボソッと呟いた。

 

 「ローズさん大丈夫?」

 

 そんなダークサイドに落ちたローズを純粋に心配するギャラハッドが現実へ引き戻した。

 

 「え!! え、えぇ、大丈夫よ。Lv.3になったことは報告しておくわ。じゃあね。」

 

 とまぁ、こんなやり取りがあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「見つけたわ!! グリーンドラゴンよ!!」

 

 「ガル、スキルを使え!!」

 

 「我が名はギャラハッド・デカトゥリア。最後の円卓の騎士にして、正義の眷属【アストレア・ファミリア】の第13席に座る者!!」

 

 ギャラハッドのステイタスを上げるために、【アストレア・ファミリア】は全員で、ダンジョンへ潜っていた。

 

 階層は24層と【迷宮の楽園(アンダー・リゾート)】がある18階層より更に下。19階層から続く【大樹の迷宮】の最終地点である。

 

 そこには宝石樹と呼ばれる宝石の実を宿す木を守るグリーン・ドラゴンがいる。上層においてのインファント・ドラゴンと同じく、中層のボスといわれている怪物(モンスター)だ。

 

 冒険者たちは宝石を取るためにグリーン・ドラゴンを倒すことが基本なのだが、ギャラハッドたちにとっては宝石はおまけであり、グリーン・ドラゴンと戦闘することで獲得する経験値の方が大事だった。

 

 【騎士の名乗り】によりグリーン・ドラゴンの視線はギャラハッドへくぎ付けになる。

 

 「赤雷よ(クラレント)!!」

 

 先に攻撃をしかけたのはギャラハッドだった。Lv.3になったことで火力も大幅にアップした魔法がグリーン・ドラゴンへ突き刺さる。

 

 「GYAAAAAAAA!!」

 

 地面が揺れる叫び声を上げて足をドタバタと動かした。

 

 「よし、ガルいけ!!」

 

 Lv.3になったギャラハッドの一撃はとてつもなく重たかった。基礎アビリティの貯金のおかげか、下手すればLv.4並みの力を宿している。

 

 そんな見た目にそぐわない力を持ったギャラハッドが全力でグリーン・ドラゴンの胴体に盾で殴りつけるとどうなるか・・・

 

 「GU…UUA…AA…」

 

 超ド級の風穴が出来た。

 

 一撃で灰になったグリーン・ドラゴンの姿を見て、アリーゼたちは確かな希望を目にしたのだった。

 

 





 さて久しぶりの登場ヘルメス様、結局、本は解読できなかったんですね。

 そして新たなる不穏な影が…と思いきや、どうやら円卓の騎士たちと同じくギャラハッド君を見守ることにしたようです。

 そしてそして更に!! まさかのローズさんも堕ちていた模様…モテモテだねギャラハッド君!

 次回、【女神】と【女神】Ⅵ、お楽しみに!!
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