ついにギャラハッドくんが島を出ます。
新たな場所での新たな出会いに胸を膨らませて・・・
少年はオラリオへ旅立った。
一年前に家族を全て失ったはずだった少年・・・忌まわしき盾に縛られ、籠の中の小鳥でしかなかった少年は、11人の姉と1柱の女神と出会い家族となった・・・・
「さぁ、そろそろ見えてくるよオラリオが。」
長い船旅を終え、港街メレンから世界の中心、迷宮都市オラリオまで向かう。
海からでもはっきりと見ることができた天高く伸びるバベルの塔。
大穴からあふれ出す
ウラノスの祈祷によって
ダンジョンから海へ進出していた
【古代】と比べると、遥かに
だがしかし、今は暗黒期・・・真に恐ろしいのやはり人類である。
「すごい!!様々な種族の人がいる!!」
島にはヒューマンしかいなかったため、少年は目を輝かせていた。
「最初にあったときと大違いね。目がキラキラしてるわ。」
「年相応でいいじゃねぇか。」
「あまりはしゃぎすぎる。人込みも多い。はぐれたら知らないぞ。」
アリーゼ、ライラ、輝夜の頼れる3人がギャラハッドを囲んでいた。
「いやいや、これだけ目立つ盾持ってたら流石に大丈夫だろう。」
ネーゼが突っ込む。
それもそのはずだ。盾に認められた少年は盾とともに歩んでいる。140㎝ほどの子供が自身の身長よりも少し大きい盾を持っているのだ。
さきほどからすれ違う人々が全員、少年の方を二度見する。
「にしても不思議だねぇ、重たくないんでしょ?」
ノインがギャラハッドに尋ねた。
「うん。重たくないし、雷も落ちてこない。」
「うんうん、これから成長するだろうし身長も伸びるよ。」
「私としては、このかわいいままでもいいけどね。」
「確かに。いや、でも、島で見たガラハッドさん超カッコよかったよね。きっとギャラハッドくんも、あんな風になるはずだから・・・」
「それな!」
マリュー、アスタ、セルティ、リャーナ、イスカの順で話している。
「ふふふ、ひと月しか離れていないのに、オラリオが懐かしいわね。」
アストレアが微笑む。すれ違う老若男女が魅了された。
「夢みたい・・・世界はこんなに広いものなんだね・・・」
ギャラハッドの声が漏れる。
「おっかえりぃいいいい」
オラリオに到着すると、鉛色の髪を持つ活発そうな美少女が走り寄ってきた。
「アーディ!」
「おかえり!リオン!久々のリオンだぁ~」
アーディと呼ばれた鉛色の髪を持つ少女はリューに抱き着いた。
他者との触れ合いを苦手とする妖精のなかでも特に過激な反応を示すリューが何もいわずにそのままにしている。
「私たちが留守の間、何もなかったかしら?」
「うぅん、ちょこちょこ
「ほんとごめんね!でも、また今日から私たちもオラリオの治安維持に貢献するわ!!バチコン。」
アーディ・ヴァルマ 【ガネーシャ・ファミリア】所属Lv.2
神々から授かった名は【
【ガネーシャ・ファミリア】とは、【アストレア・ファミリア】と同じくオラリオの治安維持活動に重きを置いているファミリアである。【アストレア・ファミリア】とは違い、構成する眷属は数多い。冒険者という暴れ者たちを取り押さえることは勿論、暗黒期において
「相変わらず仲いいなお前ら。」
「そうでございますね。」
ライラと輝夜もリューとアーディの姿をみて笑っている。
「それにね、私たちには新しい眷属が増えたの!」
アリーゼがギャラハッドの方に視線を向ける。
「そうそう! 気になっていたの!! その大きな盾! 君が新しい眷属?」
リューから離れて今度はギャラハッドの目の前に立つ。自身より低い少年と目線を合わせるために、しゃがみこんだ。
「ギャ、ギャラハッド・デカトゥリアといいます。【アストレア・ファミリア】の新入りです!」
「うんうん、元気に挨拶できて偉いね。私はアーディ・ヴァルマ。リオンの親友だよ。よろしくね。」
小動物を連想させる笑顔にギャラハッドは照れる。
「おやおや、うちの弟さまはアーディのことがタイプなんでしょうか?」
少し頬が赤くなったギャラハッドの姿を見て輝夜の表情が黒くなる。
「これだけの美女に囲まれてるっていうのに、他派閥の女性に現を抜かすだなんて・・・」
「な、なに!! だめだぞ。ギャラハッドは私たちのなんだからな!」
「くっ、やはりモテ女のアーディなの・・・」
「見て、あの美青年でもいけそうなビジュのくせにたわわに育った胸を・・・」
「嫌ああああ、私たちの弟が取られちゃうなんて。許さない!!」
せっかくやってきた若い燕を逃がさないように必死に威嚇する正義の使者たち。
「みんな、そろそろ遊んでいないで拠点へ戻りましょ。アリーゼはギルドへの報告も必要でしょ。」
「あっ、そうだわ。
「なら、ギャラハッドは、アリーゼと一緒にギルドへ向かってちょうだい。」
アリーゼに連れられギャラハッドはギルドへやってきた。
「ローズただいま!」
「おかえりアリーゼ。あら、その男の子は?」
冒険者カウンターでアリーゼが呼んだ職員はアリーゼと同じく赤い髪を持つ狼人の女性職員ローズ。
「ふふん! 私たちの新しい家族よ!
「冒険者登録って、君何歳?」
「7歳です。」
「7歳って・・・アリーゼあんた本気?」
「えぇ、本気よ。【ロキ・ファミリア】のとこの子も7歳で冒険者登録したでしょ。」
「あの子は例外よ・・・はぁ、分かったわ。それじゃあ先に報告してくれる。」
そしてアリーゼとギャラハッドは面談ボックスへ案内され廃都で起きたことを詳細に報告したのだった。
「ちょっと待って、その子が円卓の騎士の子孫!?」
「えぇ、そうらしいわ。まぁ、そんなの抜きにしても、私たちの大事な家族だけどね。」
そういってギャラハッドの顔を見て笑顔を浮かべる。アリーゼの笑顔を見てギャラハッドもまた温かい気持ちになる。
「そんなとんでもない結果を聞かされても私の独断じゃ・・・ギルド長に報告しても・・・うぅ~。ウラノス様に報告しないといけないわね。」
それほどまでに、あの島で起きた出来事は壮絶だった。
白い白竜・・・三大
「メインの宝も回収出来たわけだもんね・・・」
ローズがギャラハッドの側に立てかけてある盾を見る。
「聞いた話の通りなら、ギャラハッドくん?しか持てないみたいだし。ほんとにどうしようかしら・・・」
「その、盾を調べるならお渡しします。」
「いいの!?」
ストレスマッハになっているローズがいたたまれなくなったのか、ギャラハッドが円卓の盾を差し出す。あれだけ苦労した盾をあっさり引き渡す弟分にアリーゼが戸惑いを隠せない。
「・・・いえ、今日は持って帰ってもらうわ。私がウラノス様に話をしておくから、また後日来てもらえる。流石に、この件を私の独断で動くことはできないわ。」
「わかりました。」
「じゃあ、また来るわね。」
ギルドから拠点へ帰る道中でアリーゼは寄り道を提案した。
「ねぇ、初めてのオラリオ少し見て回らない? 町のパトロールも兼ねてね。」
「いいの?」
「えぇ、もちろんよ! やっぱりいろいろな場所を見ておくことが大事だもん。」
そういってアリーゼはギャラハッドの腕を引っ張りオラリオを回った。
初めて見る外の世界に少年は胸がぎゅっと熱くなる。独りぼっちで暮らした1年が、凍り付いていた少年の心に熱を与える。
「アリーゼお姉さん。」
「どうしたの?」
「
「そんな気にしな・・・」
アリーゼの言葉が止まる。
ギャラハッドが泣いていた。大粒の涙をこれでもかというほど瞳に貯めて、唇を噛みしめ、じっとオラリオの街を見ている。
「これからは、もっといろいろなところを見ましょ! 今は
「うん・・・」
アリーゼがギャラハッドの背中を抱きしめる。
正面から抱きしめなかったのは、少年が男の子ということもあって、泣き顔を見せたくないんだろうという意図を組んだからだ。
悲しいことに、目立つ盾を持つ少年が涙を流し正義の眷属【アストレア・ファミリア】の【
周囲を歩いていた人々の目に止まった。
「フフーン!これオラリオ名物じゃが丸くん! 一緒に食べましょ。」
涙が止まったギャラハッドを連れて商業通りへ移動。屋台でじゃが丸くんを購入しギャラハッドへ渡した。
「いただきます。」
じゃが丸くんに使われている芋自体は、ギャラハッドの生まれた島でも主食扱いされていた。といってもひたすらマッシュしただけのマッシュポテトだが、だからこそ少年は自分の見たことない料理に目を輝かせる。
「ッ!!」
熱々のじゃが丸くんを頬張った。
ほくほくの芋とジューシーな肉汁。ブラックペッパーも入っているのだろうか。舌を伝うピリ辛が芋の甘味を引き立てる。
「どう? おいしい?」
モグモグと高速で咀嚼し首を上下に振って頷いている。
「よかった。ふふ、ゆっくり食べないと喉に詰まるわ。」
ペロリとじゃが丸くんを平らげたギャラハッドは元気が湧いてきた。
「さぁ、再びパトロールに行きましょ!」
そして二人は商業区を探索した。
「あそこはね、人通りが少なくなるから要注意よ! 必ずパトロールのときは通るようにしてるの。」
「あそこのねパン屋の出来立てパンは本当に絶品よ!!」
「あそこのお家はね、小さな女の子と男の子が生まれたばかりなの、だから避難誘導の際には忘れずにね!」
「ふふん、ここを通れば近道なの。
という風にオラリオをパトロールする際の注意点をギャラハッドに叩き込んだ。関係ないものも混ざって入るが、ギャラハッドは改めて、アリーゼの正義に尊敬の念を抱く。
「さて、そろそろ拠点に戻りましょ。」
一通り商業区を回り終わってアリーゼがそういうと・・・
「誰かああああああああああああ」
少し離れたところで男性の叫び声が上がる。
「
声が聞こえたときにはアリーゼは走り出していた。ギャラハッドもアリーゼについていくが、Lv.3とLv.1ではステイタスに差がありすぎるようで離される一方である。
「見つけた。」
アリーゼが声の場所にたどり着くと、三名の
一人は声を上げた男性。もう一人は男性の腕に抱かれた女性。脇腹にナイフが刺さっている。
「へへへ、おとなしくドロップアイテムを置いていれば痛い目をみなかったのに。」
「命がおしかったら、ドロップアイテムと女を置いていきな。」
「女の方は、俺たちが有効活用してやる。」
「そこまでよ!!」
今にも冒険者に襲い掛かろうとしていた構成員にアリーゼが警告する。
「正義の眷属【アストレア・ファミリア】があなたのその行いを許さないわ!!お縄に着きなさいバチコン!」
帯刀していたクリムゾンオーダーを抜き切っ先を構成員に突き付けた。
「ア、アストレア、ファミリア・・・くっ、相手はLv.3だ。引くぞ。」
リーダーらしき男が二人を引き連れて撤退を始める。逃げる先にはギャラハッドがいた。
「ギャー君!!その人たち止めて!!」
アリーゼの声にギャラハッドはすぐ反応した。
スキル【誇り高き正義の盾】が発動し、力と耐久のステイタスが上昇する。
「円卓の盾よ!!」
声を張り上げ少年は盾をリーダーの男に投げつける。
「ガハッ!!」
骨が砕ける音と内臓がつぶれたらしい。口から血を吐いて盾に弾き飛ばされた。
盾が地面に落下するより先に、走り出していたギャラハッドが盾を掴む。地面に突き刺し遠心力を使って、もう一人の構成員の顔を蹴り飛ばす。勢いに乗ったまま、最後の一人の足元を蹴り転がす。無防備になったところをアリーゼが取り押さえた。
騒ぎを聞きつけてやってきた【ガネーシャ・ファミリア】が到着したのはすぐだった。
「ご協力ありがとうございます!!」
象の仮面をつけた人たちがたくさん・・・ギャラハッドは軽いカルチャーショックを受けていた。
「ふふん!大活躍だったわねギャー君。」
「アリーゼさんがあいつらを僕の方に誘導したからだよ。」
「確かにそれもあるけど、3人を無力化したのは完全にあなたの力よ。流石ね!」
「あ、あのね、アリーゼお姉さん。」
「なに?怪我でもしちゃったの?」
「ギャー君呼び、やっぱり恥ずかしいかも・・・ガルって呼んでほしいな。家族からはガルって呼ばれてたから。」
島から離れると思っていなかったギャラハッドはアリーゼに好きに呼んでもらっていたが、いざオラリオに来ると人が多く、ギャー君呼びに、どこか恥ずかしさを感じていたようだ。
「そうだったの!ガル、ガル・・うん!とっても素敵だわ。これからはガルって呼ぶわね。」
「うん!」
途中
「ただいまみんな!」
「おかえりアリーゼ。ギャラハッド。」
出迎えてくれたのはアストレアだ。
「報告と冒険者登録するのにしては時間がかかりすぎてないか?」
アリーゼの声が聞こえたことでライラも顔をだす。
「ガルにオラリオを案内していたの!それでね、ガルったら、
「ガル?」
「ギャー君って呼ばれるのが恥ずかしいみたい。だから家族から呼ばれていたガルって呼んでくれっていわれたのよ。バチコン!!」
「そうなの・・・いいわね。わたしたちもガルって呼んでいいかしら?」
アストレアが笑顔を浮かべた。
「もちろん。アストレア様も、みんなもガルって呼んでください。」
「ってそうじゃなくて、
ライラが突っ込む。
「流石よね。この盾を投げ飛ばして一人を昏倒。すぐに二人目も三人目も無力化しちゃったの。」
「せ、正確にはアリーゼさんが追いついて僕の方に誘導したんです。三人目はアリーゼさんが取り押さえてくれました。」
「それでもすごいわ!! 家族として鼻が高いわ。」
アリーゼがギャラハッドを強く抱きしめた。
「いつまで入り口で突っ立っているおつもりでしょうか?」
そこへ輝夜がやってくる。水浴びをしたあとなのだろうか、彼女の夜空のような黒髪が烏の濡れ羽のように湿っている。鎖骨には水が溜まっており、煽情的な格好をしている。
ギャラハッドは輝夜の姿を見てもとくに変化はない。まだ異性というものの意識が低いのだろうか。それに気づいた輝夜は少し機嫌を損ね、アリーゼを引きはがし、抱き着いた。
「遠慮なく私もガルと呼ばせてもらう。しかし、まだLV.1なのだ。無理はするな。あまり私たちを心配させるな。」
抱き着いてすぐに離れたかと思うと、ギャラハッドの銀色の瞳を覗き込み優しく諭す。
「う、うん、ごめんなさい。」
「だが、街の平和を守ったという点は褒めてやる。流石、私たちの家族だ。これからも私たちとともに街の平和を守ることを心掛けろ。」
「そうだね。輝夜お姉さん。」
ギャラハッドは厳しくも優しい輝夜がどこか母と重なったように感じる。
「さぁ、今日の夕飯はマリューが用意してくれたわ。早く体を洗ってらっしゃい。」
やり取りがひと段落したのを確認し、アストレアが帰ってきた二人にそうすすめた。
浴室には立派な湯舟がこしらえている。石で組まれた湯舟だ。島では川で水浴びしかしてこなかったギャラハッドにとって温かいお湯に浸かるという文化は新鮮だった。
今まではファミリア内に女性しかいなかったといこともあり、浴室は男女分かれているということはない。ギャラハッドはアリーゼが入ってからの入浴となった。
『別に一緒に入ればいいじゃない!!』
『さ、流石にそれは恥ずかしいから・・・』
といってアリーゼと入浴することを断った。
「ふぅ~、疲れが一気に消えていく気がする。」
肩まで湯に浸かり息を漏らす。指先から温まっていく感覚が心地よい。
「まさか本当にオラリオに来れるなんて・・・夢みたい。」
島にはなかったもので溢れているオラリオ。すべてが新鮮で未知で溢れている。
「これからはもっと、お姉さんたちの役に立てるように強くならなきゃ・・・」
「ガルくん! お風呂はどうだった?」
「なかなかだったでしょう。あれだけ広いのはなかなかないんだよねぇ。」
「うんうん、頬っぺたも赤くなってるあたりしっかり温まったんだね。」
「乙女の花園という地獄に、ついに男の子が!!」
「かわいすぎてまじやばい。てか、いい子するぎるし可愛すぎるし、は? 私らの弟分最強か!?」
セルティ、イスカ、ノイン、リャーナ、ネーゼの順で会話が進む。
いや、どれだけ異性に餓えているのだ正義の使者は・・・
「ギャラハッドさん、おかえりなさい。アーディに話を聞きました。早速大活躍だったそうですね。」
リューは見回りから帰ってきたところらしい。装備をつけたままだ。
「リューお姉さん!おかえり。でも、輝夜さんに・・・みんなにも心配かけちゃった。」
「ふふふ、輝夜に何かいわれたようですね。だったら私からいうことは何もありません。それで、わ、私もガルと呼んでもいいでしょうか。」
「もちろんだよ。」
「それではガル。みんながお腹を空かせて待ってます。早く行きましょう。」
「はーい。」
ガルが返事をして歩き出すと、リューはそっとガルの
「リューお姉さん?」
リューが手を握ったことに驚いたギャラハッドが視線をリューに向ける。
「け、怪我してないか確認したかっただけです。その、嫌でしたか?」
「ぜんぜん!早くいこう!!」
リューの白い肌は朱に染まっており目がぐるぐる回っている。その様子を見てギャラハッドは苦笑を浮かべるが、気にせず彼女の手を引いてみんなが待つ部屋へ向かった。
アーディ・・・大好きだよアーディ・・・
【アストレア・ファミリア】の専属アドバイザーはローズさんにしました!!
皆さんはダンまちで誰がお好きですか?
私は、ベルくんは殿堂入りしているので、ヒロイン部門ではティオナが大好きです。
男性キャラ部門ではヴェルフが好きです。大事な場面でしっかり決めてくれる!そんな職人気質の頼れる兄貴分!
神様部門ではヘスティアです!
あいにくとこの作品は原作開始より八年前からスタートしているため、上記のキャラは登場するまでにかなりの時間がかかりそうです・・・
頑張って書けるかな・・・
ギャラハッドくんのヒロインどうしよう・・・
【アストレア・ファミリア】の皆さんでいいですかね。アーディさんもヒロインにしたい・・・
いや、アイシャ姉さんも好きだし・・・くぅ難しい。
感想などお待ちしております。