アストレア・ファミリアの盾使い   作:ナカタカナ

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 感想ありがとうございます!

 ヒロインは今後どうなるかはわかりませんが、ハーレムで行きます。

 今回は戦闘描写に力を入れました。楽しんでいただけると嬉しいです。


【盾の少年】と【迷宮都市】Ⅱ

 

 昨夜の星屑の庭は大変騒がしかった。

 

 『リ、リオンがガルの手を握っている!?』

 

 『なに!? あの潔癖ポンコツエルフが!?』

 

 『おいおいまじかよ…』

 

 『リオンちゃん顔真っ赤。』

 

 『やりやがったな、このムッツリ妖精!!』

 

 『どうしよう顔面偏差値つよつよリオンがガルを婿にするRTA始まった。』

 

 などなど、とてもさわg…賑やかな夕飯となった。

 

 マリューが用意してくれたのはビーフシチューである。久々の肉を口にしたギャラハッドはそれもう大喜びであった。

 

 『島ではずっとご馳走になっていたからね。遠慮せず、いっぱい食べてね。』

 

 自身が作ったビーフシチューを頬張るギャラハッドに癒されるマリューであった。ママリュー…恐るべし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「じゃあ今日から本格的にオラリオの治安維持活動を再開するわ!!」

 

 翌朝、全員が揃いアリーゼが仕切る。

 

 「ガルが増えたおかげで、4人1組で3部隊、3人1組で4部隊編成できるようになった。」

 

 輝夜がそういった。

 

 「ダンジョン探索を行う際は3人1組の4部隊でオラリオの巡回に2部隊、拠点の防衛に1部隊、ダンジョン探索に1部隊で挑む。」

 

 「ダンジョン探索をしない日は、4人1組の3部隊で活動。拠点の防衛に1部隊残して、残りの2部隊で巡回よ!」

 

 今日はダンジョン探索は行わず、オラリオの巡回をメインとするため、部隊の数は3部隊で活動。

 

 アリーゼチーム・・・イスカ、ノイン、リャーナ

 

 輝夜チーム・・・・・ギャラハッド、ライラ、リュー

 

 ネーゼチーム・・・・アスタ、マリュー、セルティ

 

 この3部隊で活動。拠点の防衛にはネーゼチームが就くため、実質4人は休暇のようなものだ。

 

 「私たちはオラリオの南を巡回するわ。」

 

 「では、私たちは北を巡回する。」

 

 「ガルも増えたことだし、それじゃあいつものやるわよ。」

 

 アリーゼの言葉に幾人か顔をしかめる。

 

 「あれやるのかよ…こっ恥ずかしいんだが。」

 

 「安心しろ、私もだ。」

 

 「ライラ、輝夜、真剣にやってください!わ、私は恥ずかしくなんかない…」

 

 特にこの3人の乙女は恥ずかしいらしい。

 

 「使命を果たせ! 天秤を正せ! いつか星となるその日まで!」

 

 「天空を駆けるがごとく、この大地に星の足跡を綴る! 【正義の剣と翼に誓って】!!」

 

 「「「「「「「「「「「【正義の剣と翼に誓って】!!」」」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「にしても目立つなぁ…」

 

 ライラがギャラハッドの持つ円卓の盾を見て声を漏らす。

 

 「大きさが自由自在にできるようになったとはいえ、それでも私の身長より大きいぞ。」

 

 「担い手のガル自身よりも大きいですね。」

 

 昨晩のことだった。ガルが盾の手入れをしていると、盾が光りだした。何事かと思いアストレアまで駆けつけるが、光が収まったあと、そこにあったのは縮小された盾があった。

 

 縮小前は2.5メドルはあった盾も、縮小後は1.5メドルほど。しかし重さは変わらず大きさだけが変わった。

 

 「これでだいぶ使いやすくなった。走りやすいし、投げやすい。」

 

 昨日よりもはるかに持ちやすそうに運んでいるため、周囲の人物の目が飛び出す。

 

 「ガルいっておくが何か起きても独断で動くなよ。」

 

 「大丈夫、輝夜お姉さん。お姉さんの指示を聞いてから動く。」

 

 「ならいい。不意打ちにも気をつけろ。闇派閥(イヴィルス)は何をしてくるかわからない。」

 

 ギャラハッドにそういいながら、輝夜の視線はリューに向けられる。

 

 『お前もだぞポンコツ』

 

 そう告げているのは明らかだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 オラリオの北にはギルドや【ゴブニュ・ファミリア】、【ヘファイストス・ファミリア】のショップが並ぶ。工業地区と商業区がある。

 

 そして【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】が去ったオラリオで新たな二大派閥と称される【ロキ・ファミリア】の拠点、黄昏の館がある。

 

 今のところ輝夜たちが動くような事件は起きていない。

 

 しかし…

 

 「オラリオって世界の中心なんでし…なんか活気がないね。」

 

 「それも仕方ない。暗黒期だ。みんな生きるのに必死なんだ。」

 

 「私は暗黒期以前のオラリオを知りませんが、きっと多くの人が笑顔で過ごしていたはずです。」

 

 「そうでもねぇよ。最強と最凶がいたときだって影は満ちていた。まぁ、今よりは遥かに少ないがな。」

 

 ギャラハッドが昨日は気づかなかったオラリオの面を見る。

 

 ライラは己の出自によるものなのだろうか…

 

 「ガルはオラリオについてどれだけ知っている?」

 

 「正直、あんまりわかってない。島にはここ百年くらい他所から人が来たっていう話がなかったから。【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】が長い間君臨していたってしか知らない。だから、壊滅したって聞いてびっくりした。」

 

 「百年です…かなりの時間ですね。」

 

 「あのハイエルフ様が産まれるより前か…」

 

 ガルの島には書物がかなり少なった。この年頃の子供には大人気の英雄譚もさほどなかったらしい。代わりに円卓の騎士たちの話が主流だったという。

 

 「そういえば、ガルの島に神様はいなかったのか?」

 

 「いなかった。誰も降りてこなかった。だから、僕たちにとっては精霊が神様だった。」

 

 「精霊信仰ね。円卓の騎士の話でも精霊はよく出てくるし。」

 

 「まぁ、精霊様も300年くらい前から姿を見せなくなったって。」

 

 「話を聞けば聞くほど、あの島が異端だと思っちまう。まるであの島だけ【古代】だ。」

 

 「そうですね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後も特に事件は起こらずオラリオの北は暗黒期ながらわずかな平穏で満ちた様子。

 

 そしてギャラハッドは一人の少女と出会った。

 

 「か、輝夜お姉さん!! 血塗れの女の子が!!」

 

 「何!?」

 

 ギャラハッドが声を上げた方を輝夜が見る。

 

 そこにいたのはギャラハッドと同い年くらいの少女。髪は金髪でさぞ美しいであろうが、枝毛が目立つ。まるでダンジョン帰りの冒険者のようだ。顔立ちは神々のように美しい容姿。

 

 「人形姫…」

 

 ライラが声を漏らした。

 

 「お姉さんたち!! 助けないと!!」

 

 ギャラハッドは今にでも飛び出しそうな勢いだが、輝夜にいわれたことをしっかり守り決して、独りで飛び出そうとしなかった。

 

 「あ、あぁ、おそらく返り血だろうが。」

 

 そういって輝夜がギャラハッドを連れて血まみれの少女のもとへ歩み寄った。

 

 「大丈夫!!」

 

 ギャラハッドが盾を放置し声をかけた。

 

 「…あなたは誰?」

 

 「僕はギャラハッド。それよりすごい血だよ! 早く治療しないと。」

 

 ギャラハッドは拠点を出る前に渡された回復薬(ポーション)を取り出す。

 

 「大丈夫。これ怪物(モンスター)の血だから。私の血じゃない。」

 

 「えっ…そうなの?」

 

 「うん。だから大丈夫。さようなら。」

 

 とだけいって少女は血まみれのまま歩みを止めなかった。

 

 「怪物(モンスター)の血っ…」

 

 「あいつは今、オラリオで最も有名な冒険者だ。名はアイズ・ヴァレンシュタイン。七歳で冒険者を初めて1年で昇格(ランクアップ)した世界最速記録保持者(レコード・ホルダー)だ。神々が授けた二つ名は【人形姫】」

 

 呆然と立ち尽くすギャラハッドの側でライラが少女について語る。

 

 「人形姫、近くで見たのは初めてですが、あれほどまで幼い少女が…【ロキ・ファミリア】の眷属。」

 

 リューもアイズを傍でみたのは初めてのようで、少女の背中をじっと見つめる。

 

 「なんて痛々し…」

 

 リューの口から洩れた。

 

 「おいガル、そろそろ行くぞ。」

 

 そういって輝夜が巡回を続けた。

 

 アイズを見送ってから一行は何も遭遇せず拠点へ戻った。

 

 「おかえりなさい、みんな。」

 

 出迎えてくれたのは主神アストレア。

 

 「ただいまもどりました、アストレア様。」

 

 「今日は何も起こんなかったから楽だったぜ。」

 

 「あぁ、つい先日大冒険を終えたところだからな。私も少しホッとしている。」

 

 「無事でよかったわ。ガルもおかえりなさい。」

 

 「はい!ただいまアストレア様。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「たっだいまぁ~」

 

 アリーゼたちもしばらくして帰ってきた。アリーゼたちの方は2件ほど窃盗の対処があったらしいが、みな怪我一つないようだ。

 

 「うぅ~ん、ガルの抱き心地は最高ね!」

 

 そういってアリーゼは拠点についてすぐにギャラハッドを抱きしめる。

 

 「アリーゼちゃん変わって。」

 

 「私らも可愛い弟とスキンシップさせろ。」

 

 「そうだそうだ!団長といえどこの横暴は許さぬ。」

 

 アリーゼチームの三人が抗議し、しぶしぶアリーゼはギャラハッドから離れる。

 

 そしてギャラハッドは三人の乙女に代わる代わる抱きしめられる。

 

 「これこれ。」

 

 「いやぁ~癒されるわ。」

 

 「これだけで今日一日の疲れが吹っ飛ぶね。」

 

 まるで危ない薬物を摂取しているかのように見えるが、安心してほしい。決して彼女たちは怪しい薬物に手を染めたりしない。かわいいかわいい弟分を愛でているだけである。

 

 愛でられている本人も嫌がっていないためアストレアは笑顔を浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ギャラハッドがオラリオに来て一週間が経過した。

 

 初日に闇派閥(イヴィルス)と交戦したが、それ以降の交戦はなく、事件も迷子を見つけて保護するといったものだけだった。嵐の前の静けさとも取れる・・・

 

 肝心のギャラハッドだが、オラリオにも少し慣れたようで、今日は拠点で夕飯を準備している。食材は商業区で購入したものと【デメテル・ファミリア】から購入した野菜たちだ。

 

 ホワイトソースの濃厚な香りとフレッシュなトマトの甘酸っぱい香りが食欲を刺激するグラタンだ。

 

 「ねぇみんな。そろそろガルをダンジョンへ連れて行ってもいいと思うの。」

 

 ギャラハッドが夕飯の準備をしていると、アリーゼが提案した。

 

 「そうね、私もそろそろガルにダンジョンへ潜ってもらってもいい頃だと思っていたの。」

 

 アストレアも賛同する。

 

 「ガルのステイタスから考えて7層までのつもりよ。でも、ガルには早くダンジョンに慣れてもらいたいわ。」

 

 「団長のいうことも一理ある。」

 

 輝夜も賛同した。団長、副団長、主神がこういっているのだから異論を唱えるメンバーはいなかった。

 

 「だから、明日のメンバーは万が一のことを考えて索敵に特化したライラとネーゼがガルについて。」

 

 「しゃーねぇな。」

 

 「了解!」

 

 感と視力に長けたライラと、聴覚、嗅覚に優れた狼人のネーゼがギャラハッドとチームを組む。潜る階層も3階層までなので、魔法を使うほどの怪物(モンスター)も現れないだろう。

 

 「みなさん出来ましたよ!」

 

 話し合いが終わったタイミングで、ギャラハッドが熱々のグラタンを運んできた。

 

 「うわぁとってもいい香り。」

 

 マリューの言葉だ。

 

 「ホワイトソースに、グリーンペッパーと、真っ赤なトマト。彩りも完璧ね。」

 

 お洒落リーダーのイスカが褒める。

 

 「冷めないうちに食べてくださいね。このトマトは熱した方が甘くておいしいってデメテル様に教えてもらいました。」

 

 「うんうん、ガルもすっかり街のみんなに認知されてお姉さんたちは嬉しいよ。」

 

 ノインがスプーンでグラタンを掬いながらつぶやく。

 

 「どうですかアストレア様。」

 

 「えぇ、とってもおいしいわ。ありがとうガル。」

 

 「いえ、お口にあってよかったです。」

 

 「ホッ、ホッ、あつっ…おいしい。」

 

 セルティの口腔から湯気が出る。口元を手で隠しているが、かなりの湯気が出ている。

 

 「明日の朝の分は、ライスを入れてドリアにしてあります。」

 

 「ドリア!! い、今食べたいかも…」

 

 既に器の半分を平らげたアスタの目が輝く。

 

 「ちょっとだけですよ。」

 

 「あっ!ずるいぞアスタ!私も欲しい。」

 

 ネーゼもおかわりを希望した。

 

 結局全員がおかわりを所望したため、明日の朝ご飯は当番のリャーナが作ることになった。

 

 「あら、この味…」

 

 アストレアがドリアの味が食べたことある味だったことに気づく。

 

 「これは島で食べたハーブですか。」

 

 リューが正解を口にした。

 

 「そうです。デメテル様のところで最近栽培されはじめたそうなんです!おすそわけしてもらいました。代わりに、このドリアをデメテル様に献上するんですけど、皆さんがおいしいっていってくれたので安心して渡せます。」

 

 「爽やかな風味がトマトの甘味を引き出して、濃厚なチーズとの相性も抜群だわ。」

 

 リャーナもスプーンを動かす手が止まらないようで先ほどから、ドリアの減りが速い。

 

 「ふふん! 完全に胃袋を掴まれちゃってるわ。」

 

 「今更だ。米か・・・久しぶりに口にしたが、安心する。」

 

 極東出身の輝夜からするとライス、米は馴染み深いものだ。

 

 一方で、ドリアを献上されたデメテルはというと…

 

 「まぁ! 私たちのお野菜とハーブがこんな素敵な料理…」

 

 女神デメテル。豊穣を司る女神で【デメテル・ファミリア】の主神。【デメテル・ファミリア】はオラリオの中で特殊なファミリアである。彼女の派閥は農作業を活動に力をいれている。

 

 【デメテル・ファミリア】がいなければ、オラリオは餓死する人が絶えない。同じく【ニョルズ・ファミリア】という漁業を中心に活動しているファミリアがある。この二つを敵に回すと飢え死にするといってもいい。

 

 「おいしいわ!! アストレアったら、とってもいい子を眷属にしたみたいね。うらやましいわ。」

 

 「デメテル様、そちらの料理は?」

 

 彼女はペルセフォネ。金髪褐色の女性で【デメテル・ファミリア】の団長だ。

 

 「アストレアのところの子がくれたのよ。私たちが作ったトマト、ジャガイモ、ライス、ハーブで作ったドリアよ。とってもおいしいの。」

 

 「そうでしたか。」

 

 鼻歌が聞こえてきそうなほど上機嫌な主神の姿をみてペルセフォネもまた笑顔になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「じゃあ準備はいいかガル。」

 

 翌朝、太陽がまだ完全に顔を出していな早朝。ライラ、ネーゼ、ギャラハッドはバベルの塔を正面にしていた。

 

 「まぁ、なにかあってもアタシらがフォローするから安心しな。」

 

 「そうそう、お姉ちゃんたちがいるから、安心して探索できるから。」

 

 「うん。大丈夫。」

 

 オラリオに到着して8日目の朝…ギャラハッドはダンジョンへ足を踏み入れた。

 

 「ここがダンジョン…」

 

 バベルの塔に広がる未知の世界。どこまで続いているのかは【古代】より誰も知らない。

 

 かの【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】の最高到達記録は71階層。それより先は完全な未開拓の地。どんな地獄が待っているのか誰にも想像がつかない。

 

 「さぁ、進むぞ。」

 

 だがギャラハッドがいるのはまだ第1階層。出現する怪物(モンスター)はゴブリンとコボルトといった雑魚。

 

 2層から4層にかけてダンジョン・リザード、フロッグシューターが出現する。

 

 白い竜と戦ったギャラハッドからすると、4層までの怪物《モンスター》は敵ではなかった。

 

 「前にコボルト三体いるぞ。」

 

 ライラの視力が暗闇に潜む怪物《モンスター》を捉えた。

 

 「突っ込みます。」

 

 「気をつけるんだぞ。」

 

 ネーゼの言葉を聞いた瞬間。ギャラハッドの足元が爆ぜた。

 

 急接近してきたギャラハッドに気づかず三体のコボルトは盾に押しつぶされ灰と化す。

 

 「一撃かよ。」

 

 「あの盾ぱねぇ。」

 

 姉貴分の二人は初めてのダンジョンで瞬殺を見せた弟分に少し引く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結局、4層までの怪物(モンスター)ではギャラハッドの相手にならなかったため、更に下へ降りる。

 

 「6層からは新米殺し(ウォーシャドウ)が出現する。気を抜くなよ。」

 

 「はい!」

 

 「いってるそばから来たぞ。構えろ。」

 

 出現したウォーシャドウは二体。ネーゼとライラは何もせず。ギャラハッドを見守る。

 

 「はっ!!」

 

 先に攻撃を仕掛けたのはギャラハッド。盾を構えて突き進むチャージタックルだ。

 

 その突進にウォーシャドウは回避を選ぶ。陰に溶け込むようにスラリとギャラハッドをかわした。

 

 もちろん、ギャラハッドはわかっている。冷静に周囲を観察し。背後から来る殺気に盾を瞬時に構えた。

 

 ガギンッ

 

 暗いダンジョンに火花が散った。

 

 攻撃を弾かれたウォーシャドウは体勢を崩している。すぐに円卓の盾が突き刺さる。

 

 拳を突き出すような形で盾の下部がウォーシャドウに突き刺さった。あっけなく灰へ変わる。

 

 そして残っていたもう一体がギャラハッドの盾を持っていない側の側面から切りかかる。

 

 盾で防ぐのは間に合わないと理解しているギャラハッド。すかさず回避する。天井すれすれまで跳躍し攻撃を回避。そのまま落下する勢いを利用し、ウォーシャドウを押しつぶした。

 

 「ヒュー、やるじゃねぇか。」

 

 「盾って攻撃できるのね。」

 

 駆け出しとは思えない冷静な戦闘にライラが関心した。

 

 ネーゼもまた、盾=手に持つ鎧という認識を持っているため、ギャラハッドの戦い方に目を見張る。

 

 更にダンジョンを進み次は五体のウォーシャドウがギャラハッドを囲む。

 

 「おい、あれはやばくないか。」

 

 「…いつでも飛び出せる準備しとけ。」

 

 ネーゼの胸中に不安が募る。いくら一撃で倒せるからと言って厄介なウォーシャドウ五体を同時に相手取ることは駆け出しには死に等しい。

 

 ライラもまた、己の獲物に手をかけて、飛び出せる準備をしている。

 

 「すぅ…」

 

 ギャラハッドは焦らず呼吸を整える。

 

 静寂がダンジョンを支配する…

 「GYAAAAAA」

 

 先に動き出したのはウォーシャドウ。ギャラハッドの正面と背後にいた二匹が同時に飛び出し串刺しにかかる。

 

 「ッ。」

 

 とっさに身をひるがえし。側面に体を向ける。そのまま盾を構えると…

 

 ウォーシャドウの爪は盾に流され、お互いの体に突き刺さる。

 

 とどめといわんばかりに、ギャラハッドの足蹴りが炸裂。

 

 同胞を二体も失ったウォーシャドウは一斉に攻撃を仕掛けた。

 

 最低限の動きで攻撃をいなす。少し腕に爪を掠らせたが問題ない。

 

 一体、また一体と仕留めて最後の一体だ。

 

 盾を持って突っ走り切り付けるように振るう。金属の塊がウォーシャドウの体を両断してしまった。

 

 「うっそだろ。盾って怪物(モンスター)切れんのかよ。」

 

 「円卓の血筋やべぇな。」

 

 上級冒険者である自分たちからすると拙い戦闘ではある。しかし、どこか目を惹かれ命の輝きを見せるギャラハッドを見て胸が高鳴った。

 

 





 読んでいただきありがとうございました。

 盾での戦闘は我がカルデアの後輩を参考にしていますが、改めて文字に書き起こしてみると、シールダーやべぇ…
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