名探偵プリキュア×仮面ライダーマイス 〜2つの仮面を持つ少年〜 作:アキ1113
それでは、どうぞご覧ください。
「「えぇぇええええええええ!!?」」
澪が不可思議を討伐した後、学校から帰ってきたあんなとみくるは、澪がキュアット探偵事務所の正式な探偵になったことを聞き、驚きの声を上げていた。
「澪さんが探偵に!?」
「しかもスカウトなんて凄いです!」
「あ、ありがとう……まぁ、いつの間にか試験されてたみたいだけど」
「それに、神隠し事件を解決しちゃうなんて……!」
澪は少し押されながらも、あんなとみくるの言葉を素直に受け止った。
「けど、神隠し事件が不可思議の仕業だったなんて……」
「澪さんが居てくれなかったら、今頃攫われた人たちは……」
すると……
「すいません、こちらがキュアット探偵事務所で合ってますか?」
「はい!合ってますよ!」
「今日はどうされましたか?」
探偵事務所にスーツ姿の女性の依頼人が訪ねてきたのだ。その依頼内容というのが……
「私はあるタレントのマネージャーをしているのですが……そのタレントの護衛をして欲しいのです」
「「護衛……?」」
「ポチ……?」
「?今、ぽちって――――」
「「な、何でもありません!!」」
「……?」
「そ、それで護衛って、一体何から……」
気を取り直したみくるがマネージャーの女性――――安藤みわにそう訊くと……
「その……化け物から、なんです」
『!』
「……」
そんな答えが返ってきたのだ。
「ここ最近、人が急に消えたりと物騒なことが多いじゃないですか……それが化け物の仕業かもしれないって噂されていて……そこで事務所から万が一がないように、そのタレントに護衛をつけたいということで……」
「な、なるほど……」
どうやら不可思議の存在が謎の化け物として広まり始めており、今回の依頼も不可思議が襲ってきた場合にそのタレントを守ってほしいということだ。
「できればそちらの方にお願いしたいのですが……」
そう言いながら、みわは立って話を聞いていた澪の方を向いた。それに対し……
「分かりました。この依頼、僕が引き受けます」
「あ、ありがとうございます!」
この依頼が不可思議絡みの可能性を考えたのか、澪は率先して引き受けることにするのだった。
◇
澪が護衛依頼を引き受けてから数日後……
「シルクのような口どけ……あーんっ。私はこれ、シルキーアイス♪」
「あはははっ!似てる〜!」
「ポチポチ〜!」
「「っ!?」」
「ぽち……?」
「ポチポチアイス……よね!」
「ぽち……そんなアイスあったっけ?」
「「あ、あはははは……」」
学校であんなとみくるはクラスメイトの依田ゆみと、ある有名人の出ているCMについての話をしていた。
「家入しるくすっごく可愛いよね?私、大好き!」
「私も私も!昨日みくると一緒に、しるくさんの出てるドラマ見たんだ!1999年にも素敵な俳優さんいるんだね……すっかりファンになっちゃった!」
家入しるくというのは、1999年に活躍している役者のことであり、現役高校生ながらにして今をときめく超人気俳優となっているのだ。そこに……
「み、みんな大変!事件だよ!!」
クラスメイトである浅間りえが、何やら慌てた様子でやってきていたのだ。
「「じ、事件!?」」
「い、い、い、いり、いえりりりり――――」
「りえ、落ち着いて」
「深呼吸して」
ゆみとあんながりえの背中をさすって落ち着かせようとするも……
「と、とにかく外に来て!」
りえはそう言い、3人に外へと来るように言った。その言葉に従い、4人で外に出ると……
「事件って、あれは――――」
学校の玄関前には……
「家入しるく、市立まことみらい学園に――――入りまーす!」
『きゃあああああああああああああ!!』
何と先ほどの話で話題に上がっていた、家入しるく本人がいたのだ。
「こ、これは……」
「まさしく……」
「「大事件だぁあああああああああ!!?」」
◇
「家入しるく……現役高校生にして、ドラマやCMに引っ張りだこ……今をときめく、超人気俳優さん……!」
「家入しるくです。よろしくお願いします!」
4人と1匹の目線の先には、この学校の理事長に挨拶をしているしるくの姿があった。
「本物のしるくさん素敵……!」
「可愛い……!」
「ポチ……!」
「でも、どうしてうちの学校に……?」
みくるがここにしるくの姿があることに首を傾げていると……
「番組の撮影だって!『学校でTRY!』の!」
ゆみがそう教えてくれたのだ。
「知ってる!芸能人が学校へ行って、生徒と一緒に色んなことをやるんだよね!」
「新入生の歓迎会で、演劇部が劇をするんだけど……役者のしるくさんが協力して、劇を盛り上げるんだって!」
「じゃあ、直接しるくさんと話せるのは演劇部の人たちだけか……」
「りえ羨まし――――」
あんなは演劇部のりえのことを羨ましがっていたが……
「あ、あれ?」
「あ、あぁ……あぁ……!」
「りえ?どうしたの……?」
りえは逆に、とてつもなく緊張していたのだ。
「ほ、ほほ、本物のしるくさんだよ!?ちゃんと話せるかな……」
「しるくさん、りえの憧れだもんね」
そんなことを話していると……
「ねぇねぇ、あの人……」
「綺麗な人だね!」
「女の人?それとも男の人かな?」
「どっちだとしても惚れ惚れしちゃう……!」
そんな会話があんなたちの耳に入ってきた。その話をしている生徒たちが向いている方に目を向けるとしるくの後ろには、マネージャーらしき女性に番組のディレクターにカメラマンと……
「「ん……?」」
白い髪をポニーテールで纏め、蒼色の瞳を持つ中性的な顔をしたあんなとみくるにとって、見知った人物が立っていたのだ……。
「「み、澪さん!?」」
そう……澪が護衛をする相手というのは家入しるくのことで、それを今知ったあんなとみくるの2人は驚きを隠せずにいた。
「あれ?もしかしてあの白髪の人って……2人の知り合い?」
そんな2人の反応を見て、ゆみがそう訊いてきた。
「え!?あ、うん、そうなんだけど……」
「こ、ここにいるとは思わなくて……ね?」
(それにしるくさんのマネージャーの人、事務所に護衛の依頼をしに来たみわさんだ……!)
「いいなー!2人ともあんなに綺麗な人と知り合いなんて……!」
ゆみは目を輝かせながら、澪のことを見てそう口にしていた。
『これより、テレビ番組の撮影が始まります。演劇部の皆さんは、部室に集まってください』
「いよいよですね!楽しみです!」
しるくがそう口にした一方で……
「りえ、頑張って!」
あんなは緊張しているりえのことを励まそうとしていたが……
「……」
「ほ、ホントに大丈夫……?」
りえは始まる前から、既に放心状態になってしまっていた……。
◇
「改めまして……今日はよろしくお願いします、家入しるくです。1人ずつお名前教えてください」
「部長の大森です!家入さんとお会いできて、とても嬉しいです!」
「しるくでいいよ!あなたは?」
番組の撮影が始まり、演劇部の部長である大森ゆうかや道具などを担当している小藤ももが続けて自己紹介をしていく中……
「あなたは?」
「ひゃ、ひゃい!わ、わ、私は――――」
りえはあれから緊張しっぱなしでいるのか、最初から噛んでしまっていた。すると、りえのそんな様子を見たしるくは……
「みんなも立って」
『?』
「腕を伸ばして――――反対も伸ばーす――――そして優雅にターン、最後にスマイル!」
『スマイル!』
何かの体操を一緒にやり始めたのだ。すると、今まで緊張していたりえの表情が先ほどよりも明るくなっていた。
「今のはしるく体操、緊張した時によくやっているの」
「しるくさんでも緊張するんですか!?」
「もちろん!本番前はいつも脚がガクガクするし、カメラの前に立つと頭が真っ白になっちゃう」
「へぇ……」
「そういう時は――――」
「!?」
「身体を動かすと緊張が解れるよ――――ちなみに今のがしるく体操第一で、第二、第三もある!」
しるくがそう言うと演劇部の部員たちは思わず笑い出し、すっかりりえの緊張はほぐれて笑顔を浮かべていた。
「緊張するのは当たり前。1人じゃなくてみんながいるから、一緒に頑張ろう?」
『はい!』
「あんなに緊張していたりえが笑ってる……!」
「しるくさん、凄いね……!」
そうして冒頭部分の撮影も終わり……
「カメラ、準備OKです!」
「じゃ、撮影始めまーす!」
「撮影中は静かにね?」
「「はい!」」
「本番!3、2――――」
新入生の歓迎会でやる演目などを紹介する部分の撮影が進められていった。そして……
「ねぇあんな、しるくさんにサイン貰いに行かない?」
「でも、休憩時間に迷惑じゃないかな……?」
「!あっ、そっか……」
撮影も一旦休憩に入り、あんなとみくるは控え室にいるしるくにサインを貰いに行こうとしていた。そこに……
「それなら大丈夫だと思うよ」
「「澪さん!」」
辺りの様子を見に行っていた澪が、しるくの控え室の前に戻ってきていたのだ。
「僕からもお願いしてみようか?」
「「お、お願いします!」」
それから澪は扉をノックしてから、控え室の中へと入っていった。そして、澪がしるくに2人のことを話したのか……
「私に用って……どうかしたの?」
中からしるくが顔を出したのだ。
「休憩中にすみません!」
「あの……サイン、貰えませんか……?」
「もちろん、喜んで!」
「こ、これにお願いします!」
みくるの急な頼みに、しるくは快く承諾してくれた。それに対してみくるは、ジェットの作った探偵道具の1つである『プリキットブック』にサインをお願いしていた。
「わぁ……!凄く可愛い手帳だね?」
「プリキットブックって言うんです」
「探偵をする時に使ってて――――」
「探偵……?」
しるくがその言葉に首を傾げると、2人は探偵としての名刺をしるくの前に差し出した。
「キュアット探偵事務所って、澪君と同じ……!」
「はい、困った人を助けたくて!」
「みんなに笑顔になって貰えたら嬉しいから……」
「素敵……!」
しるくは立ち上がりながらそう言うも……
「でも、依頼が中々来なくて……」
「澪さんはこうして依頼を任せて貰えてるけど……やっぱり、私たちがまだ中学生だからかな……」
「!そんなことは――――」
ジェットから自身が来る前の2人の活躍を聞いていた澪は、すかさず2人のことをフォローしようとするも……
「決めつけちゃ、ダメ!」
『!』
しるくが先にそう口にしたのだ。
「私ね、今高校に通いながら芸能活動をしてるんだけど、最初は事務所の社長や両親に物凄く心配されてね……仕事をやりながら高校に行くのは難しいって……」
『……』
「でも、私両方やりたかったの!大好きな仕事もしたいし、高校で友達と過ごす時間も大好きだから!もちろん大変だけど、頑張ってやってるよ――――だからあなたたちも探偵、頑張ってほしいな?ダメかもって、決めつけないで!」
しるくのその言葉に……
「『決めつけちゃ、ダメ』、か……」
「諦めたら、事件も解決しないもんね!」
「その意気だよ!」
◇
休憩時間も終わり、いよいよ劇の本番が近づいてきたが……
「ポーチーー!!」
「「ポチタン!?」」
「だ、誰かーーー!!?」
「「?」」
「誰かドレス知りませんかーーー!!?」
そこにももが、慌てた様子でやってきた。その理由というのが……
「間違いなくここに掛けておいたのに……」
「ドレスが消えたってこと?」
「部室中探したけど……」
「どこにもないよ……」
何と劇で使うドレスが消えてしまったというのだ。
「わ、私が目を離したから……」
「小藤さんのせいじゃないよ!」
「きっとどこかにあるはず!」
「演劇部の皆さんは準備があるでしょう?ドレス探しは私たちに任せて!」
「でも――――」
「どんな事件もはなまる解決!」
「キュアット探偵事務所にお任せ!」
「皆さんは準備に集中してください」
すると……
「私にも手伝わせて!」
「しるくさん?」
しるくがドレス探しへの協力を願い出てきた。
「!しるくさんにご迷惑を掛けるわけには……」
ゆうかがしるくに手伝わせるのは畏れ多いと思ったのか、そう口にしていたが……
「迷惑じゃないよ。それに……演劇部の仲間でしょ?」
「しるくさん……!」
「みんなの思いがこもったドレス、絶対に見つけたいの」
「分かりました!」
「一緒に探しましょう!」
それから澪、あんな、みくる、しるくの4人は演劇部員などに聞き込みをし、その結果ドレスを盗んだ犯人の候補としてある3人が浮上した。それはしるくのマネージャーの安藤みわ、番組ディレクターの榊原ともき、そしてカメラマンの大和田あきらだ。4人はその3人にも、ドレスが無くなった時に何をしていたのかを訊いたが……
「撮った映像のチェックをしてたけど」
「撮影の段取りの確認してたよ」
「仕事の電話をしていました」
3人とも仕事をしており、ドレスが無くなったことに気が付かなかったというのだ。
「本番まであと10分!」
4人がドレスの行方を推理していると、開演までの時間がすぐそこにまで迫ってきていた。すると……
「私に任せて!」
「「えっ?」」
「!なるほど……2人ともごめん、ドレスのことは任せたよ」
「もちろんです!」
「澪さんも気を付けて!」
「分かってるよ」
しるくはどうやらドレスの時間稼ぎをするつもりのようで、護衛を務めている澪も体育館にしるくと共に向かっていた……が、
「!……しるくさんは先に行っててください」
「澪君……?」
「今はドレスが見つかるまでの時間稼ぎを」
「う、うん、分かったわ!」
澪はしるくを先に体育館に行かせると、少し離れたところに落ちていたあるものを拾った。それは……
「羽……ということは、翼が近くにいるのか……?」
1つの黒い羽だったのだ。それは間違いなく翼不可思議の羽だったが……
「でも、何で羽が黒なんだ……?」
何故か羽が黒色に染まっていた……その時――――
『GyAAAAAAAAAA!!』
「っ!?」
突然、翼不可思議が奇襲を仕掛けてきたのだ。澪はすぐさまそれを転がることで回避し、空中を飛ぶ翼不可思議の方を向いた。
「こんなところに……!」
(いやそれもそうだけど、黒い翼の不可思議……?)
その翼不可思議は普通の翼不可思議とは違い、翼や身体が黒く染まっており、胸の辺りには時計盤の『Ⅲ』という数字が刻まれていた。澪は今までに見たことのない不可思議にほんの少し動揺したものの……
「お前は……ここで仕留める」
すぐさまドライバーを腰に装着し、ライドエグズ0をその中心にセットすると……
「
「山猫!」
「仮面ライダー!」
「ビャクレン!」
仮面ライダービャクレンへと変身したのだ。
『GyAAAAAAAAAA!!』
黒い翼不可思議は、空中からビャクレンに無数の羽を飛ばして攻撃してくるも……
「しっ!」
『GyA!?』
ビャクレンはビャクレンブレイカーで、その羽を全て斬ることで落とし、すぐさま飛び上がって攻撃を仕掛けるも……
『GyA!』
「っ!」
黒い翼不可思議は高度を上げることでそれを回避し、逆に羽を飛ばして反撃してきたのだ。それをビャクレンは空中で身体を捻ることで避け、そのまま地面へと着地した。
「やっぱり空中じゃ、あっちの方が有利か……」
すると……
「なら……目には目を、翼には翼だよ」
ビャクレンはこの時代に来る前に倒した翼不可思議から手に入れたシードエグズをドライバーにセットし……
「ハヤブサ!」
バックルを操作してシードエグズを割った。すると、ビャクレンの背中にハヤブサの翼を模したオレンジ色の翼が装備されたのだ。
「ふっ!」
『GyA!?』
ビャクレンが翼で飛び上がると、黒い翼不可思議はそれに驚いたのかすぐさま逃げようとスピードを上げて飛んでいく……が、
「しっ!ふっ!!」
『GyAAAAAAAAAA!?』
ビャクレンは黒い翼不可思議を遥かに超えるスピードで飛びながら、すれ違いざまにブレイカーを振るうことで黒い翼不可思議の羽を両方斬り落とし、地面へと落下させた。そして、ビャクレンは飛んだままバックルを操作し……
「ハヤブサ!」
「消えろ」
「セ・ン・メ・ツ!」
「はぁっ!!」
『GyAAAAAAAAAA!!?』
猛スピードで急降下したキックを食らわせ、黒い翼不可思議を撃破したのだ。
「さて……早く戻ろう。しるくさんのことやドレスのことも気になるし――――」
変身を解除した澪は、すぐに護衛の依頼へと戻っていくのだった……。
読んでくださり、ありがとうございます!
あんなとみくるの変身シーンを中々出すことができていませんが、次回あたりには出せるかと思いますので、お待ちいただければと思います……。
それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いします。