名探偵プリキュア×仮面ライダーマイス 〜2つの仮面を持つ少年〜 作:アキ1113
それでは、どうぞご覧ください。
「ファントム宅配便でーす!」
「っ!」
「マコトジュエルを回収しに――――」
「しっ!」
「うおっ!?」
萌絵の家に訪ねてきたゴウエモンと澪は初対面であったが、澪はその風貌から不審人物だと判断したのかすぐさま蹴りを繰り出していた。ゴウエモンは驚きながらもそれを後ろに飛び退きながら避け、澪から少し離れた位置に着地した。
「き、急に何だ!?」
「もしかして……お前が怪盗?」
「そういうお前こそ、ただの依頼人じゃねぇのか?」
ゴウエモンは今の澪の動きから、今まで自身が思っていた通りの依頼人の1人ではないことに気付くが……
「今だよ!」
「うん!」
澪がゴウエモンを玄関から遠ざけた隙に、あんなとみくるが中から絵を持って出てきて逃げていったのだ。
「!まぁいい、今はマコトジュエルをいただくぜ!」
それを見て、ゴウエモンも澪のことを躱して2人の後を追っていく。絵を持って逃げ出した2人は、澪のおかげで萌絵の住んでいるマンションの近くにある公園の噴水広場まで逃げてきたが……
「待てい!」
『!』
「ここまでだな!」
遂にはゴウエモンに追いつかれてしまっていた。
「!だったら――――オープン!プリキットミラールーペ!」
あんなは何か策を思いついたのか、ミラールーペを取り出すと……
「はなまるコピー!」
なんとその機能で絵をコピーし、4枚に増やしてしまったのだ。
「なっ、なんだと!?」
「これならどうだ!」
2人は絵をそれぞれ2枚ずつ持って、違う方向に逃げていった。
「ど、どれが本物だ……!?」
すると……
「早くマコトジュエルを回収したら?」
戸惑うゴウエモンに、怪盗団ファントムの一員の森亜るるかのお供妖精であるマシュタンがそう言ってきたのだ。
「お、お前ら、そうは言ってもだな――――」
「簡単ね。本物なら絶対に守る」
「!なるほど……!」
るるかの助言を聞いたゴウエモンは、桜吹雪で近くの噴水の水を巻き上げると、それをあんなとみくるに向かって放った。
「きゃあ!?」
「!みくる――――うわっ!?」
みくるとあんなは咄嗟に偽物の絵でそれを防御し、2人は何とか水に濡れずに済んだものの……
「これが本物か……!」
それによって本物の絵がゴウエモンにばれ、そのまま持ち去られてしまったのだ。
「ハハハ、チョロいもんだ!」
悠々と歩くゴウエモンだったが……
「!お前は……!」
「……」
その前に先回りしていた澪が立ちはだかったのだ。さらに……
「澪さんナイスです!」
「その絵を返して!」
ゴウエモンの後ろから、あんなとみくるの2人が追いついてきた。すると……
「そうはいかないんだな――――ウソよ、覆え!来やがれ、ハンニンダー!」
「ハン、ニン、ダー!」
ゴウエモンは桜吹雪を放つと、絵をハンニンダーへと変えてしまったのだ。それを見て……
「行くよ!」
「うん!」
「「オープン!ジュエルキュアウォッチ!」」
あんなとみくるはジュエルキュアウォッチを取り出し……
「「プリキュア!メイクアップタイム!3!」」
「見つける!」
そう言ってウォッチの針を『3』の部分に合わせると、あんなとみくるの髪型と色が変化し……
「「6!」」
「向き合う!」
続けてウォッチの針を『6』に合わせると、それぞれの衣装へと身を包んでいく。
「「9!奇跡の2人!」」
さらにウォッチの針を『9』に合わせると、2人の脚には靴とソックス、手には穴開きのグローブが装着され……
「くるっと回して!」
「キュートに決めるよ!」
最後にウォッチの針を一周させると、髪と耳にアクセサリーがつき、さらにはそれぞれ髪色と同じ探偵のようなケープをその身に纏った。そして……
「どんな謎でもはなまる解決!名探偵、キュアアンサー!」
「重ねた推理で笑顔にジャンプ!名探偵、キュアミスティック!」
「「名探偵プリキュア!」」
「私の答え、見せてあげます」
名探偵プリキュアへと変身を遂げたのだ。初めて2人のプリキュアとしての姿を見た澪は……
「あれが名探偵プリキュア……僕とは全く違うものを使うけど、本当に変身するんだ……!」
それに驚きながらも、自身も加勢するためにドライバーを腰へと装着した。
「な、何だそれは……?」
「ハンニンダー……?」
ドライバーを見て疑問符を浮べるゴウエモンとハンニンダーを余所に、澪はライドエグズ0をドライバーへとセットし……
「
「山猫!」
「仮面ライダー!」
「ビャクレン!」
仮面ライダービャクレンへと変身を遂げた。
「ハンニンダー!?」
「な、何者だお前は!?」
「……仮面ライダービャクレン」
「仮面ライダー、だと……!?」
ゴウエモンやハンニンダーは初めて見る仮面ライダーという存在に、驚愕していた。それはこの場にいるゴウエモンやハンニンダーだけではなく……
「あ、あれは……!?」
「前にもいた白髪イケメンじゃん!?」
怪盗団ファントムのアジトである劇場にいるニジー、アゲセーヌ、そして――――
『ミラージュの書にも示されていない存在……仮面ライダー、ビャクレン……』
親玉であるウソノワールも程度は違えど同じだった。
「仮面ライダーだと?それが何だ!行け、ハンニンダー!」
「ハンニンダー!」
ハンニンダーはゴウエモンの指示を聞いて飛び上がり、キャンパスで押しつぶすように攻撃を仕掛けるも……
「ふっ!」
「!?」
ビャクレンは最小限の動きで回避すると、そのまま後ろへと蹴り飛ばしてしまったのだ。
「ハンニンダー!」
さらにハンニンダーは頭からビームを連続で出し、ビャクレンに攻撃を加えようとしたが……
「っ!」
ビャクレンはそのスピードでビームを避けながら、ハンニンダーへと向かっていく。一方でビャクレンが避けたビームはベンチや木々に当たり……
「えぇ!?」
「絵になった!?」
何とビームに当たった物は、その物の絵へと変えられてしまったのだ。それを見たゴウエモンは……
「仮面ライダーはともかくとして、2枚のプリキュアの絵か……マコトジュエルと一緒に持ち帰れば、ウソノワール様もきっと喜んで下さるぜ!」
そんなことを考えているようで……
「ハンニンダー!先にプリキュアをやれ!」
「ハンニン、ダー!」
『!?』
ハンニンダーに指示を出し、標的をビャクレンからプリキュアへと変えさせたのだ。2人は周りにある木々や車などを障害物として、ビームを防御していくものの……
「キリがない――――って、うわっ!?」
障害物がどんどんと無くなっていき、次々と放たれるビームを何とかできないでいた。すると……
「!なら、これで―――――」
この状況を見たビャクレンは亀の甲羅のようなものが描かれた緑のエグズを取り出すと、それをドライバーにセットし……
「玄武!」
バックルを操作してエグズを割った。すると、ビャクレンの肩や腕に玄武の甲羅を模した緑の装甲が装着され、胸部には玄武の顔を模した装甲に、その中心にエグズに描かれているのと同じような模様の紋章が浮かび上がった。そして、頭部は山猫型を維持しつも、額に玄武の甲羅を思わせる六角形の装甲が加わり、複眼が濃いアイスブルーへと変化していき……
「仮面ライダー!」
「ビャクレン!玄武アームズ!」
四神のうちの1体である玄武の力を纏った『仮面ライダービャクレン・玄武アームズ』へとフォームチェンジを果たしたのだ。一方で……
「あっ!?」
「もう障害物がないよ!」
アンサーとミスティックはビームを避け続けたものの、いよいよ追い詰められてしまっていた。
「これで終いだ!ハンニンダー!!」
「ハンニン――――ダーー!!」
そして、ハンニンダーのビームが2人に迫り――――
「させないよ」
「「えっ?」」
「ハンニンダーー!?」
くるかと思われたが、そのビームは何故かハンニンダーが食らっていたのだ……何が起きたのか分からない2人の前には、六角形をいくつも合わせた緑の障壁が出てきていた。
「こ、これって……」
「もしかして……」
「2人とも無事?」
「「澪さん!」」
「この姿の時はビャクレンって呼んでくれると嬉しいんだけど……まぁいいや」
そう、この障壁を作り出したのはビャクレン・玄武アームズの能力によるもので、この障壁でビームを跳ね返すことで2人を守ったのだ。
「というか澪さん……姿が変わってる!?」
「はなまるカッコいい!」
「僕があいつの攻撃を全て防ぐ。2人はとどめをお願い」
「はい!」
「分かりました!」
2人の返事を聞いたビャクレンは、すぐさまハンニンダーに向かって駆け出していく。
「あれは亀、か……ならどうってことはねぇ!仕留めろ、ハンニンダー!」
ゴウエモンはビャクレンの姿を見て、スピードが落ちているのかと思ったのか、ハンニンダーに指示を出して再びビャクレンにビームを放って仕留めようとしていた……が、ビャクレンはいくつもの障壁を生み出すことで全ての攻撃を防ぎつつ、通常形態の時のビャクレンと変わらない素早さでハンニンダーの懐に潜り込み……
「ふっ!はぁっ!!」
「ハンッ!?」
手足に障壁を纏わせると、強力な蹴りや掌底を叩き込んで吹き飛ばしたのだ。それを見たゴウエモンは……
「な、何故だ!?なぜ亀なのに速い!?」
その変わらない素早さに驚いた様子で、ビャクレンにそう訊いていた。
「何故って……これのベースは山猫だからだよ。あと、亀じゃなくて玄武ね」
ビャクレンはゴウエモンに対してそう答えると……
「さて……2人とも!」
「「はい!」」
ビャクレンの後ろから2人が飛び出し……
「萌絵さんのお母さんは、あの絵に最高の瞬間を残したかった!」
「ハンッ!?」
「2人で過ごした時間が何よりも幸せだったと伝えたくて、自画像を描いた!」
「ニンダー!?」
ビャクレンが障壁で作り出した足場に飛び移りながら、ハンニンダーに攻撃を加えていく。
「それは大切な絵なんだ!」
「絶対に渡さない!」
「だからこそ、奪い甲斐があるってもんよ!ハンニンダー!」
「ハン、ニン、ダーッ!!」
ハンニンダーは負けじとビームを放ってくるも……
「ミスティックリフレクション!」
「ふっ!」
ミスティックとビャクレンがビームを防いでいる隙に……
「私たちが……守るんだ!」
「っ!」
「はぁぁあああああああ!!」
「!?」
アンサーがハンニンダーの懐へと飛び込み、攻撃を加えて吹き飛ばすことに成功したのだ。そして……
「「オープン!プリキットミラールーペ!」」
「「ポチタン!」」
「ポチ!」
ポチタンが2つのマコトジュエルを生み出し、それを受け取った2人はルーペへとセットした。
「見て!」
「感じて!」
「「謎を解く!」」
「「これが、私たちの、アンサーだ!!」」
「!?」
「「プリキュア!フライングスペクトル!!」」
それから1羽の鳥のような光がルーペから放たれ、ハンニンダーへと向かっていき……
「「キュアっと解決!」」
そのままハンニンダーを貫いてから浄化し、萌絵の大切な絵を取り戻したのだ。
「!やるじゃねぇか、名探偵プリキュア……それに仮面ライダービャクレン――――次はお前も倒す!」
「っ!待て!」
ビャクレンはゴウエモンを追おうとしたが、追いつく前に姿を消されてしまったのだ……。
◇
「萌絵さん、これを」
「!……ありがとうございます!」
ゴウエモンには逃げられたものの、無事に大切な絵を取り戻した澪たちは、依頼人の萌絵にそれを返しに行っていた。萌絵は嬉し涙を浮べながら、大切そうに絵を抱きしめるようにして持っていた。すると……
「お母さーん!」
『!』
萌絵の娘が、母である萌絵へと手を振っていた。
「……」
すると……
「あんな」
「?」
「お母さんの得意料理って、何?」
「え?ハンバーグ、だけど……?」
あんなは疑問符を浮べながらそう返すと……
「きっと、すぐに食べられるよ」
「!みくる……」
「絶対に、あんなを元の時代に戻してみせるから」
「ポチポチ!」
みくるは改めて、あんなを元の時代に返す依頼を達成することを決意した。さらに……
「もちろん、澪さんも!」
「僕も?」
「当然ですよ!」
みくるは澪のことも当たり前のことのように、元の時代に返してあげたいと思っているようで……
「あっ、そうだ!澪さんの好きな食べ物って――――」
澪に対しても、好きな食べ物を訊いたりしながら仲良く事務所へと帰っていくのだった……。
◇
「愛想よく、か……よし――――」
一方で、ジェットはあんなたちに言われていた『愛想よく』というのを実践しようとしていた。すると、扉のガラスの後ろに客らしき人影が見えたため……
「いらっしゃいませ!」
ジェットは愛想のよい笑顔で挨拶をしたのだ……が、そこに入ってきたのは……
『?』
依頼を達成して帰ってきた澪たちだったのだ。
「!?ち、違っ……こ、これは――――」
「ジェット先輩、それだよそれ!」
「もう1回やってみせて!」
「こ、断る!」
ジェットは見られたのが恥ずかしかったのか、思わずそう口にしていた。それに対し……
「そんなこと言わずに〜!」
「お願い〜!」
「ポチポチ!」
澪以外の2人と1匹が、ジェットにそう頼んだものの……
「も……もう二度とやるもんかーー!!」
ジェットはそう声を上げるのだった……。
◇
澪たちが萌絵の依頼を解決した数日後の夜……
「……」
とあるビルの上に、月明かりに照らされたるるかとマシュタンがいた。そして、るるかはビルの上から見える美術館を見下ろすと……
「さぁ、始めましょうか」
意味ありげにそう呟くのだった……。
読んでくださり、ありがとうございます!
今回はビャクレンの並列フォームである『玄武アームズ』を登場させてみました。玄武アームズは、防御や反撃に特化しているのはもちろん、障壁を手足に纏わせることによる近接戦闘も得意としている形態です。戦闘のイメージは、角醒ハンターオメガホーンに登場する鉄壁のレイジが、壁角を角醒憑依させた時の戦い方となっています。
そして、次回からはいよいよあのキャラが本格的に動き出します。
それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いいたします。