ランタン頭と墓石頭のドタバタ事件簿 作:リゼロ・#コンパス好き
思ったより書くの時間かかって・・・
あの後もイグニスとリステの話し合いは少し続いた。
2人は話し合いの結果団体での大量入手や破壊という観点から自分たち以外の集団に渡したくないという考えだろうというところまではほぼ確定と判断した。
しかし、転売やその他商業関係か、他の何かが理由かというのは2人とも予想しきれなかった。
商業目的だとすると、3歩譲って壊したのは流通しているものを減らす事で需要をあげ、値段を釣り上げても買ってくれる人を増やすためだとしても客が少なそうなものをわざわざ選んでいる理由がわからず、
他の何かが理由だとしても何故このゲームが、という点を納得させる理由が思いつかなかった。
そこで引き続きリステが事情聴取を続ける事になった。
イグニスは激情による炎で容疑者に本来認められていない危害を加える可能性があるので余裕があるうちはリステが担当して、相手にナメられて何も情報を取れなくなったらイグニスに出張ってもらうという立ち回りだ。
「目的は商業?転売とかそこらへんで金を稼ぐ気?」
「・・・」
「それともあのゲーム機じゃないといけない理由があるのかな、残っていると困るデータとかが入ってたり?」
「・・・」
「実はうちってこの都市最大の治安維持組織ってだけじゃなくトップが機械めちゃくちゃ強いんだよね。表に出て来ないから有名じゃないけどあれの解析と復元くらい余裕だと思うんだよ」
「・・っ」
正直な話、リステは解析はまだしも復元はできると思っていなかった。
トップが電子に強いというのは組織の内部では有名な話だがどちらかというとコンピューターウイルス等の電子上の異常に対して特化して強いらしく、物理的な破壊には対応できてない例がいくつかあったと聞いていたからだ。
あのゲーム機は真ん中でひび割れるどころかガッツリ凹むほど割れていた。
放送で聞いているからか機械音声で「デンシジョウデ、ワタシニデキナイコトハアリマセン」と豪語するトップの実力がもし本当に自己申告通りだったとしてもできて解析までだろうと思っていた。
しかし犯人は組織の今までの例など知らない。だからそのリステの発言に少し反応を漏らしてしまった。リステはポンコツな上に気を張っていなかったためそのわずかに存在した反応を何か反応した気がするくらいしか認識できなかったが、もしかしたらそれが犯人に解析と復元を実行するという圧力をより与えたのかもしれない。
「だからさ〜見られちゃいけないデータとかあるんだったらここで言ってくれないと。言ってくれたらあるとわかっている秘密を勝手に見るのはプライバシーの侵害だからしないけど〜」
口ではこう言っているが捜査で必要な事なのでバリバリ見る。
ただ秘密があるとわかったら忙しいトップにより早く確認してもらえるかもしれないし、イグニスと共に捜査を始めることもできるので自白があるなら是非してもらいたいところだった。
「言ってくれなかったら復元して、内容見ちゃってもしそこに秘密があっても、仕方ないよね〜」
リステはこれで予想が当たってた場合自白するだろうと思って、あえて間延びさせる事によって犯人に焦りを生じさせようとした。
事実もし自白しなかったとしてもトップに提出するので証拠があるなら今言うべきである。
「・・・」
犯人は沈黙したままだった。しかし、先程までの完全にしゃべる気がない様子ではなく、伝えるかどうか迷ってそうだった。
今追撃したら言ってくれるんだろうなと思いつつ、リステには適切な言葉が浮かばない。それにここでがっついたら余裕を持たれる可能性もあるし、そもそも提出する結果は変わらないのでこちらが焦る必要はない。
そう考えてそのまま黙っていると、
「リステ、聴取中にすまないんだが急ぎの要件だ。しかも今回の件にも関係あるかもしれない。」
「どしたんすか先輩、ゲーム機爆発しました?」
「容疑者の前でそのような発言は控えろ。それで今起きた事件の内容なんだが・・・」
そしてイグニスが報告に対し疑念がありそうな様子で伝えた。
「ドット絵で杖を持った緑色のイカみたいなやつ、白い幽霊みたいなやつ、黒いコウモリみたいなやつが一箇所に現れたらしい。」
「・・・ッ!」
「「!」」
その反応はイグニス、リステ共に気づいた。
イグニスがすかさず犯人に対して追及する。
「やはりこの件と関係があったか。ゲーム内にはスライムとハチしか出て来ないけどドット絵だから裏設定とかで実は関係してるんじゃないかと思ったんだよ。で、お前らの目的はなんだ?ゲームのキャラを現実で作って武力にでもしたいのか?」
先程までとは勢いも圧力も違う言葉が犯人に投げかけられる。
しかし犯人はそれ以上に焦燥した様子で
「まずい、間に合わなかったか・・・?だが上の話じゃまだなはずじゃ・・・」
等と小さな声で呟き続けている。距離的にリステは聞き取れていたのでそのまま黙り続けて取れる分の情報を取ろうとしていた。
「いや、幽霊とかは少なくともいなかったはずだから別件か・・・?だとしても現れるのが事実だとしたらやっぱり・・・」
そこまで行ってしばらくの間黙り、決心したように犯人は背筋を正して自白を始めた。
本来伝えてはならないはずの情報を。
「刑事さん、この情報は極秘情報なので最低限しか伝えません。あなた達に伝えた情報はあなた達の上にも伝わるでしょうから。」
「いや?俺らは不真面目だから上に伝えて欲しくないなら伝えないぞ?約束する。な、リステ。」
「もちもちのもっちーすよ先輩。ゆびきりげんまんしてもいい。」
嘘である。
「御託は結構。犯罪者の立場ですが真面目な話なので真面目に聞いていただけますか。」
バレていた。
2人も背筋を正して——
「——まだ先の事ですが、とあるゲームの世界のキャラクターが現実に顕現して世界が滅びるそうです。私たちは、それを止めようとしています。」
と、常識的に考えてあり得ないことを告げた。