ミ~ムミムミム! ミムは全身ネットミーム人間ミムよぉ!!   作:ヤチヨ 幸せ なれる 質問

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深夜テンションの産物で始めたこの作品もお気に入りが遂に2500を突破しました!

素敵だ! ご友人!!

感想、お気に入り、評価、ここ好き、ありとあらゆるものが私の力になっています。
みんなありがとう!!


どうして前後編に分かれてるんだろ……?(困惑)


第十話 戦闘!! Black onyX!!【前編】

 風も無ければ匂いも無い。ただ目と耳からの情報だけで炎と木の枝が揺らぐのを感じる。

 

 殺気も感じることが出来なければ、敵意を感じることも出来ない。五感の内2つしか使えない。見れて、聞けるだけ。

 

 あまりヤチヨの前では言わないようにしているが、どう足掻いたって――少なくとも戦場としては偽物なのだ、ツクヨミは。

 

 普通のPCゲーとかならまだしも、中途半端に現実と似ているVR空間。この違和感は俺には大きく響いてしまう。

 

「それで? あれだけ煽ったミム太郎は何か作戦でもあるの?」

「簡単な作戦だ、臨機応変に柔軟な対応をしながら敵をブチのめす!」

「野蛮人だにゃ~……」

 

 2人のヤチヨが呆れた目でこっちを見て来る。なんだよ、どうせ俺1人でやるんだから要らないんだよ細かい作戦は。強いて言うならフィジカルごり押し……あ、そうだ。

 

「1つだけ、作戦ってほどじゃないがヤチヨの協力が必要だ……どっちかのヤチヨの武器をハンマーにしておいてくれ」

「ハンマー? りょー!」

「どっちが持つ?」

「ヤチヨが持つべき!」

「ヤチヨね、了解!」

「そうじゃなくてヤチヨはヤチヨでもヤッチョの方!」

 

 なんかややこしい会話を始めたな……まぁ、独自の言語で喋り出すAIロボットの実験動画みたいになってるヤチヨは一旦置いておいてと。

 

 今回、俺はかなり啖呵を切った。意図して煽ったし、出来る限りキレるような舐め方をした。そんな事をした上でだが――多分俺は負ける。いやもう、冗談抜きで向こうが気付いてたら何も出来ず負ける。

 

 そして気のせいじゃなければ、あのフードの雷ってヤツは確か俺の参加型に何度か来てくれたことがあるんだ。十中八九気付かれてるだろうなぁ、オワオワのオワ~。やってられねぇぜ!

 

 とはいえ1戦だけ、それも初回だけ絶対に1本取れる方法がある。だからまぁ、ストレート負けするなんて無様な事にはならないはずだ。

 

「だから、ハンマーはヤチヨが持つって!」

「ヤチヨでしょ!?」

「違くて! ヤチヨはヤチヨでもヤチヨが持つの!」

 

 ……ミュートにしてようかな、頭がおかしくなるわこいつらの会話聞いてたら。

 

「はいはい、お前がヤチヨ1。こっちがヤチヨ2ね。で、ヤチヨ1がハンマーを持て! それで終了! そのややこしい言い争い終わり!」

「はーい」

「ヤッチョ2は何を持てば良いですか~先生~?」

「傘でも持ってろ」

「雑!?」

 

 とりあえず、これで確実に1戦は取れる。取ってみせる。あとで絶対にヤチヨに怒られるけどまぁ勝利のための致し方が無い犠牲だ。

 

 さて、俺の方も俺の方で装備を決めるか。うーん……初っ端デップーのネタ擦ったし、ここは一旦落ち着いて二丁拳銃と二刀流の組み合わせで行こう。これなら隠密スキルも使えるジョブになれるし。

 

 ヤチヨ達のジョブはこっちじゃ指定出来ないから。これで準備は完了。向こうの準備待ちだな。

 

「ふぅ……落ち着け、俺。LoLじゃないんだから暴言は控えめで行けよ……? 行けるな? ヨシ!」

「控えめじゃなくてゼロで行けないの?」

「MOBAやってる男が暴言吐かない訳無いだろ!」

「出、出~www超偏見奴~www」

 

 ……俺も大概だけど、ヤチヨも結構アレだよな。

 

 

 


 

 

 

「それで、作戦はどうするの?」

「作戦なぁ……どうしたもんか……」

 

 帝アキラは悩んでいた。あれだけ舐められて、煽られて、啖呵を切られたのだ。まず全力で勝ちに行かなきゃ色んな意味で気分が悪い。

 

 しかし、相手はツクヨミで有数の強者。プロゲーマーとして腕前では負けてない自信はあるが、恐らく経験値と知識では遥かに負けている。

 

 何か弱点でも無いものか、とも考えるが。ミム太郎の配信を見始めてまだ日の浅い帝にはこれといった弱点は思い浮かばない。強いて言えばヤチヨによく説教されているが、今回は向こうにお助けとして派遣されている。

 

「……なにか良い作戦は無いか、雷」

 

 ここで帝、あまりしたくは無かったが、ミム太郎のファンボーイである雷に頼る事にする。ことミム太郎に関する知識であれば、ここにいる誰よりも段違いの知識のはずだ。

 

 しばらくの沈黙、なにやら考えるそぶりをしていた雷が指を1つ立てる。

 

「作戦は、ある。たった1つだが」

「どんな作戦なんだ?」

「そうだな、とりあえず――最初の1本は様子見の為にトライデントでやろう。この作戦が効力を発揮するか分かるのはそれに対する反応次第だ」

「は~い」

 

 3人が準備完了のボタンを押す。それにより両チーム4人の準備が完了し、ゲーム開始のカウントダウンが始まる。

 

『おぉっと! ここで双方準備完了! 試合開始のカウントダウンが始まりました!』

『どっちのファンダムだろうが関係ない! 神々の皆、たっくさん応援してあげてね!』

 

 空中のディスプレイに大きくカウントダウンが表示される。会場が大いに沸く。

 

「あ、そうだ。ヤチヨ1は俺と一緒に移動な。ヤチヨ2は……まぁ適当にトップの櫓で足止め。取れそうなら取って良い」

「「りょー!」」

「クッソ脳がバグりそうだ同じ顔が2つあるの……!」

 

 自分で選んだ味方なのに、同じ見た目が2人居るせいでかなり脳がバグりかけてるミム太郎。

 

 カウントダウンが進む。会場の盛り上がりは最高潮を維持している。

 

「よっこらせと」

「あ、やっぱり私抱えられるんだ」

「俺が乗れる乗り物無いからな」

「良いなぁ私……」

「良いでしょ~私!」

 

 自分同士だろうが。あとなんなら本体はあそこで浮いてるだろうが。そんな事を思いつつもミム太郎はヤチヨ1を背負い、思考を戦闘へと切り替える。

 

「じゃあ乃依がトップ、俺はミドル、雷はボトムで行こう……それで良いんだな?」

「はいは~い」

「ああ……それとリーダーに乃依、1つ謝ることがある」

 

 カウントダウンが進む。最高のスタートダッシュを決めようと準備を決めていたBlack onyX側で、唯一1戦目の予想が出来た雷が少し申し訳なさそうに顔を伏せる。

 

「1本目は俺達の負けだ」

「へ?」

「は?」

 

 カウントダウンが0になり、試合開始の通知音が鳴り響く。

 

『試合開始!!』

 

 実況のヤチヨの声に合わせて、全員が――2名ほど一瞬遅れたが――スタート地点を飛び出した。

 

『さて両チーム飛び出した! Black onyXはトライデントで……ミム太郎の方はお助けヤチヨ1人と残りの2人で別れたね!』

『あの、ミム太郎さんが何にも乗ってないのに凄い速さで走ってる気がするんですけど……』

『ミム太郎は体重が重すぎて乗れる乗り物が無いからね~その代わりかなりの速度で走れるから問題は無し!』

 

 虎バイクに乗るBlack onyXに負けず劣らずの速度で進軍するミム太郎。なおヤチヨ2はサカバンバスピス神輿で移動である。マジでどういう乗り物なんだあれ。

 

「トライデント……ヤチヨ1、ここらでミニオン倒して自己強化してからボトムの櫓に来てくれ」

「りょーかーい。ミム太郎の方は?」

「ウルトを使うヤツは雄じゃないから必要ない!」

「各方面に怖い発言はやめてね――ってぇええぇぇえっっ!? 捨てられたぁぁぁぁぁああ!?」

 

 ヤチヨ1(デッドウェイト)を地面に捨て置く。これによってさらに速度上げたミム太郎は、ボトムの櫓へと最短ルートを突っ切る。そうすればあっという間に――

 

「っと、到着ミムよ~~!」

 

 途中、進路上に居るミニオンを轢き殺しこそしたが、ほぼほぼ無強化。しかし足を止めなかったが故に相手側のボトム担当――雷が櫓に到達するまでまだ時間に余裕がある状態での到着。

 

 櫓のボスである牛鬼が怯えたように目の前に立つミム太郎を見る。そりゃそうだ、開発段階から何度殺されたと思っている。殺され方は全て記録されている。

 

 対して無強化でボスと相対しているというのにミム太郎は笑っている。そりゃそうだ、開発段階から何度殺したと思っている。動きは全て知っている。

 

「相手さんの到着までは30秒、こいつを殺すのにかかるのは――5秒で行こう」

 

 背中にマウントしていた2つの大太刀を握る。トリガーを引けば、刀身に仕込まれたチェーンソー部分が駆動を始める。

 

「その名はチェーンソード二刀流……今名付けた!」

 

 1秒目、踏み込み。開幕からトップスピードでの突撃。

 

 2秒目、迎撃にと叩きつけられた牛鬼の爪に飛び乗り、チェーンソーでズタズタに引き裂きながら背中へと駆け上がる。

 

 3秒目、牛鬼の背中をチェーンソードで切り裂き、無理矢理甲殻を引き剥がす。

 

 4秒目、体重全てをかけたストンピングで牛鬼の脳髄(桜の花弁に規制済み)を踏み潰し、その勢いのまま地面へと叩き付ける。

 

「5秒目、カッコ良く決めポーズ……ってとこか?」

 

 巨大な桜の花弁に転じた牛鬼の中心で、ミム太郎が笑った。そこら辺に居たミニオンをぶん投げて、櫓の鐘を鳴らして占領完了。

 

『決まったぁ~~!! 最短最速櫓占拠!! 牛鬼に何もさせない超スピード!』

『速すぎてなぁんにも解りませんでした。解説として不甲斐ない……』

『開発者なのにわかってないヤッチョも居るから大丈夫だよ。ナニあれ』

 

 確かに多少は現実世界の肉体に追いつくようにと強くなるようにしたけど、いつの間にかそれとは関係なく予想外の強さになっていたミム太郎にヤチヨは言葉を失う。

 

 UIを操作しなければログアウト出来ない件と言い、ミム太郎には不思議が多い。ヤチヨは考えるのを一旦やめた。

 

「よっこらっと……さて、どうするか」

 

 VRであるためチェーンソードには当然血も内臓も着いていないが、癖を通り越して一種のルーティーンとなっているため振り払う動作を行う。そして背中に再びマウント。

 

 マップを開けば雷はもう目と鼻の先。ヤチヨ2と乃依もそろそろ接敵するだろう。ミドルレーンの帝は、ボトム方向へと進路を変えている。どうやら合流してミム太郎を潰す選択肢を取るようだ。

 

『ヤチヨ1、合流できるか?』

『了解! すぐ向かうね~!』

「……これで人数不利は背負わない、かね」

 

 ちょうど、エンジン音がミム太郎の前を通り過ぎた。視線を向ければ、誰も乗っていない虎バイクがどこかへと遠ざかっていくのを見送れた。

 

 そして虎バイクの残した轍を逆向きに辿ると、目に映るのは芭蕉扇を手にした鬼のアバター、雷の姿。

 

「――ノックするべきだったかな?」

「エ!! ……いいさ、俺と貴様の仲だ……で、良いミムかね?」

 

 ここでまさかの雷から飛び出すコブラ語録。それに対してウキウキニッコニコで返すミム太郎。オタクくん自分が好きなネタ振ってくれたからってすぐ喜ぶのやめた方が良いよ。

 

『ここでボトムレーンで雷とミム太郎が接敵! 同時にトップレーンでもお助けヤチヨと乃依ちゃんが接敵だー!』

『帝ともう1人のお助けヤチヨはボトムレーンへの合流を目指しているようです!』

 

 ネットミームカルタを楽しんだ2人であるが、互いに相手の一挙一動を見逃さぬように決して視線はそらさない。

 

「と、ミムとしてはこのままネットミームカルタしてても良いミムけど……」

「そうはならないように、あれだけ煽った……違うか?」

「おぉ、解ってるじゃないか! ――さて、闘ろうか」

 

 腰のホルスターに下げられていた2丁の大型拳銃――ボルトピストルを手に取り――発砲。躊躇いも容赦も予備動作も無い、流れるような早打ち。

 

 正確無比に心臓と脳天に向かって放たれた2発の.75口径炸裂ロケット弾が、盾のように構えられた芭蕉扇にぶつかり炸裂する。

 

「これを防ぐとは! なるほど、やるじゃないか」

「貴方の戦い方は熟知しているつもりだ」

「だったら1人で相手するべきじゃなかった――なっ!」

 

 雷の武器である芭蕉扇にはいくつかのモードがある。1つ目は通常時の”芭蕉扇モード”、大剣の様に扱える。2つ目は今使われている”大楯モード”、名前通り大楯としての運用をメインとする。

 

 そしてミム太郎にとって唯一の負け筋なのが”錫杖モード”、簡単に言えば実体攻撃を行う近接仕様ファンネル。二丁拳銃に二刀流というどこまで行っても点か、出来ても線の攻撃の構成では不利を背負わざるを得ない。

 

「だけどまぁ、これじゃ錫杖モードは無理だよなぁ」

「ぐっ……!」

 

 扱い辛い代わりに高威力なボルトピストルによる一切途切れない正確無比な銃撃。それに晒されている以上、雷が大楯モード以外のモードを使用するのは不可能に近い。

 

 故に雷は一撃一撃が大楯を吹き飛ばしかねない銃撃をその場で耐え忍ぶ事しか出来ず。ミム太郎は速攻で距離を詰めることが出来た。

 

「ふっ!!」

「残念、読めてる」

 

 雷の放ったシールドバッシュを踏み台に、大楯の裏側に宙返りしながら飛び込んだ。後部上方から頭へとピッタリと合ったエイム。銃の照星越しに雷とミム太郎の視線がぶつかる。

 

「しまっ――!?」

「ま、こればかりは相性が悪かっ――」

 

 キンッと金属と金属が衝突した音がした。ミム太郎の視界の端に一瞬だけ映る赤。銃撃によって僅かに逸れたボルトピストルの銃弾が雷の足元で炸裂し、地面を抉り取った。

 

「そう簡単にやらせるかよ!」

「ははっ、カッコいい登場じゃねぇの」

 

 銃口から硝煙を吹き出すハンドガンを片手に、帝アキラが櫓へと辿り着いた。姿勢を整え着地したミム太郎は、笑顔で出迎え口を開く。

 

「だがまぁ、やらせるかよって言うなら、ちゃぁんと2発撃っておくべきだったな」

「なにを――マジか!?」

 

 ヒラヒラと2丁目のボルトピストルを見せびらかすミム太郎。その後ろで、首から上が消し飛んだ雷のアバターが桜の花弁になって霧散する。

 

『ここで雷が撃破~っ!』

『油断せずにミム太郎さんがちゃんと2発撃ったことが功を奏した……でしょうか?』

『そゆこと~』

 

「で、こうなったらタイマンだけども自信は如何かな、帝アキラ?」

「タイマンだって? そりゃ冗談キツイぜ副管理人サン――!」

 

 上空からのヤチヨ1によるハンマー振り下ろしを防いで、帝が笑う。

 

「ひゃ~!? そりゃバレてるよね~!!」

「ハンマー職に隠密スキルはないからな、当然見えてたぜヤチヨちゃん!」

 

 いくら重いハンマーの、それも振り下ろし攻撃とはいえ、悲しきかな、最弱のお助けヤチヨ1は空中へと弾き返される。

 

 無防備になったヤチヨへと向けられる銃口。最弱状態のヤチヨ相手ならば銃だけでも簡単に削り切れる。

 

「これで本当にタイマン――」

「そりゃ悪手だろ、鬼野郎」

 

 ――ヤチヨ1が撃たれる直前、大きく跳躍し空中でヤチヨ1をキャッチしたミム太郎。着地後の勢いそのままで、Black onyX側の天守閣方面の森へ櫓を抜けて駆けてゆく。

 

「逃げるんだよォ! ルナーミー!」

「わあ~ッ!! なんだこの男――いや、いつも通りだねこれは」

「逃がさねぇよ!」

 

 逃げるミム太郎、追う帝。しかし悲しきかな、いくらヤチヨ1を背負っているとしても速度では負けないのだ。最短ルートを突き進める事もあり、ミム太郎はあっという間にBlack onyX側の天守閣――の目の前を通り過ぎてトップレーン側の高所へと向かう。

 

『うぇぇ!? Black onyX側の大将落とし前を通り過ぎた!?』

『これにはヤッチョも実況放棄で~す。何を考えてるんだかわかんなーい』

 

 実況と解説の困惑を聞きながら、ミム太郎は身軽に高所へと登り切った。天守閣で待ち構えていた雷も、追っていた帝も距離は遠い。

 

 邪魔は、入らない。

 

「ここら辺、かね」

「ちょっとちょっと何考えてるのかな~!? せっかくの大将落としのチャンスだったのに!」

「ありゃ落とすの無理だよ、雷を落としてから時間をかけ過ぎた」

 

 絶対、確実に、100%あの周辺はリスポーンした雷のトラップによってこっちの不利なフィールドと化しているだろう。その中で戦うことになれば錫杖モードを使う隙が生まれ、そのままヤチヨ1共々リス地まで戻される……というのがミム太郎の懸念。

 

「そんなリスク取るくらいなら、残機1つで安全に勝った方が良いって訳だ。正真正銘の隠し玉、行っちゃうミムよ~ん!」

「えちょ、なにし――」

「武器から手を放すんじゃないミムよ!!」

 

 高所から坂を下り落ちることによる初速確保。ハンマーという質量武器を持ったヤチヨ。そして恵まれた身体能力から繰り出される異様な投擲能力。

 

「食らってハジケるミムよぉ! ヤチヨ砲!!」

「あ~~れぇぇぇぇえ!?」

 

 背中に背負っていたヤチヨ1を全力投擲するという荒業。これを隠し玉としていた理由は単純、見た目のインパクトで一瞬だけ相手の動きを止めなければ早々命中しないからである。

 

 とはいえ、重さと速さのバカ破壊力計算式において最強の攻撃とも言えるこの一撃。どこぞのロケランハンマーだってここまでの速度は出せない。

 

「うっそ――!?」

「グエェェ――!!??」

 

 故に、ヤチヨ1はヤチヨ2にトドメを刺さんとしていた乃依へとキレイに着弾。構造物も地形も巻き込んで、そのまま牛鬼にも衝突。

 

 莫大な破壊エネルギーによって3つまとめてハジケて消し飛んだ。

 

『こっ、ここで櫓2つがミム太郎さんチームによって占拠! コールドによってラウンド終了です!』

『ミム太郎は終わったらお話ね』

 

 残虐ファイトとか言うレベルじゃない野蛮行為。当然バチギレ状態になるヤチヨと、そんなヤチヨから放たれる異様な圧にビビリながらも仕事を全うするオタ公。

 

「ふぅ、作戦通りだミム」

「え、AI殺し……」

 

 やり遂げたぜと満足そうなミム太郎をドン引きした目で見るヤチヨ2。もしもハンマーを握っていたのが自分だったら……分身ながら、あまり考えたくは無い話である。

 

「まさかヤチヨちゃんが飛んでくるとは思わなかったなぁ~」

「俺も予想外だった。まさかわざわざ庇った味方を投げるなんてな……最初から砲弾にするつもりだったのか?」

 

 対して吹き飛ばされた側の乃依と、1R目の見せ場無しで終わってしまった帝。2人揃ってあのイカれたヤチヨ砲とかいう奇行に呆れている。

 

「2人共」

 

 そんな中で、雷だけが不敵に笑っていた。

 

「この試合、俺達の勝ちだ」




月見万夜(ミムミム)(超☆熱血ミム太郎):マジで身体能力だけでありとあらゆる不利をねじ伏せて生きてる。プレイヤーぶん投げ攻撃に関しては実は割と誰でも出来る、やる意味がないだけで。

月見ヤチヨ:なんかとてつもなく酷い目に合ってる。いくらゲームで分身とはいえぶん投げて人体砲弾にされるのは話が違うんじゃないかと思っている。

帝アキラ:今回は良い所があんまりなかった。ミム太郎が活躍させないように立ち回ったせい。ヤチヨ砲にドン引きしている。

乃依:ヤチヨ2に足止めされてたら背後からヤチヨ1が飛んできて吹き飛んだ。意味が解らない。ヤチヨ砲にドン引きしている。

雷:推しとネットミームカルタ出来たし、タイマンで戦えて滅茶苦茶良い空気吸ってる。ヤチヨ砲レベルのトンチキはよく見るので特に何も思ってない。

忠犬オタ公:何をどう解説すれば良いのか解らないし、となりのヤチヨは怖い。頑張れオタ公! わんわんお!

お気に入り2500件記念ということにしておく番外編のアンケート

  • 話の間の補間短編集
  • ヤチヨを甘やかす万夜の話
  • ミム太郎の配信短編集
  • ヤチヨが万夜にアピールする話
  • 万夜の過去をヤチヨが聞く話
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