ミ~ムミムミム! ミムは全身ネットミーム人間ミムよぉ!!   作:ヤチヨ 幸せ なれる 質問

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KASSEN描写描くのが楽しすぎる、良くない

感想お気に入り評価、全部滅茶苦茶嬉しいです! ありがとうございます!


第十一話 戦闘!! Black onyX!!【後編】

 不敵に笑い、勝利を宣言した雷。ほぼ何も出来ずにコールド負けという結果に終わったのが1ラウンド目だというのに、一体何が見えたというのか。

 

「――それで、どうやって勝つつもりなんだ?」

 

 帝の問いかけに、雷はすぐには答えなかった。

 

 芭蕉扇を肩に担ぎながら、先程までの戦闘を思い返すように目を細める。

 

「まず、さっきの1本で分かったことがある」

「分かったこと?」

「ああ。あの人……ミム太郎は強い。俺達が思っていた以上にな」

 

 それは、ここにいる誰も否定出来なかった。

 

 無強化の状態からボトムレーンの牛鬼を瞬殺し、雷との戦闘では武器の特性を理解した上での有利を押し付け不利を潰す立ち回り。

 

 そして援護に入った帝の存在を利用して戦場から離脱し、最後にはヤチヨを砲弾として撃ち出すという頭のおかしい方法でトップレーンまでひっくり返した。

 

 普通に考えればいくら開発者側かつ管理者側であったとしても、あんな戦い方は成立しない。

 

「だがあの人にも弱点はある。俺の芭蕉扇の錫杖モードと1:1以外での戦闘だ」

「あー……なるほどな? 確かにさっきのラウンドじゃミム太郎はタイマン以外の勝負はしなかった」

「自分側が多人数の盤面でも避けてたよね」

 

 確かに思い返してみればそうだと、乃依と帝が頷く。

 

 そしてそれ以外にも、もう1つ。

 

 まだ確信は無いが、雷はミム太郎の弱点らしきものに気付いていた。

 

 ただし、それが本当だった場合は余りにも酷い。おまけに、自分以外ではどうしようもない。

 

 だから今は口にしない。使うとしても、最後の最後の隠し玉だ。

 

「それで、2ラウンド目はどうするんだ?」

「俺と乃依は最(・)初(・)だ(・)け(・)トップの櫓を取りに行く。アキラはミドルレーンを天守閣まで突き進め」

「ミム太郎がこっちに来る可能性は~?」

「無い。人数差もそうだが、それ以上に俺と乃依の組み合わせは、あの人にとって一番相手したくない対面のはずだ」

「ふ~ん……じゃあ帝ちゃん1人でミム太郎の相手ってこと~?」

「そうなるな、だが問題は無い。それに――」

 

 雷の視線が帝へと向く。

 

「――あの人相手ならアキラを1人にした方が好都合だ」

「俺を1人に……理由は?」

「至極単純だ。この中で一番、あの人相手の時間稼ぎに適している」

「時間稼ぎって、俺じゃ倒せない前提かよ……!?」

「倒せる可能性もある」

 

 雷はそう言って、不敵に笑った。

 

「だからその方法を教える。上手く行けば勝てるし、失敗しても時間は稼げる」

「なんだその雑な作戦……」

「アキラにしか出来ない作戦だ。頑張れリーダー」

「頑張れ~♡」

 

 

 


 

 

 

「くらえーい! さっきのヤッチョの仇だー!」

「このAI差別主義者ー! このぉ~!」

「ぐぇっ!? ごべっ!! ぐふぉっ!?」

 

 VRだから痛みなんて無いはずなのに、見ているだけで痛くなってくるレベルでボコられているミム太郎。

 

 いつの間にやら甲冑の上にはクソデカたんこぶが10mくらい積み上がっていた。

 

 甲冑にたんこぶ……?

 

「は、話が……違うミムよ……説教は……終わった後だって……」

「へぇ、RDの真似できるくらいは余裕残ってるんだ……もうちょっと念入りに潰さなきゃ、だね~」

「本体のお説教が終わったらなだけで、こっちは別に今だってお仕置き出来るの……です!!」

「ミムぅっ!? ……げ、げに怖ろしき、都合の良さ……ガクッ」

 

 超☆熱血ミム太郎! 砲弾にした味方による報復で再起不能(リタイア)――

 

「――じゃなぁい! 俺はそう簡単には死なんぞ、スネーク……!」

「そりゃ(試合始まってないしFFないから)そうでしょ」

「だとしてもヤッチョ達には立ち向かわなければならない理由があったのです。AIだって生きてるんだぞ~!」

「そこら辺の話はややこしいから辞めるミムよぉ~」

 

 ぶーぶー言いながら抗議するヤチヨ。ちょっと話題がセンシティブ。

 

 AIが生きていると言えるかどうかなんて、もうちょっと真面目な場所か、逆にもうちょっとふざけた場所で話すべき内容だ。

 

 そもそもミム太郎にこの手の議論をするだけ無駄でもある。

 

 彼からすれば、人間以外はAIだろうがエイリアンだろうが何の権利もないクソッタレの異種族(ゼノ)なのだから。

 

 ヤチヨ? ヤチヨはほら、人間だから。

 

「それで~次のラウンドはどうするのかにゃ~?」

「当然、もう投げるのは無しね!」

「言われなくたってやらない。あれは初見殺しの一発限りだ」

 

 2回目以降は十中八九躱される。

 

 故に、正真正銘の初見殺し。

 

 そんな遠距離攻撃(ヤチヨ砲)で目論見通り1本は取れた。

 

 では2本目はどうする……オオノキ?

 

「強いて言うならヤチヨを2人セットで動かして、俺は多対一を避けてのゲリラ戦法かなぁ……」

「あ~やっぱりそうなるよね~」

「ミム太郎は数で押されるのに弱い。はっきりわかんだね」

「やめるミムヤチヨ! ツクヨミで淫夢ネタは恥ずかしい事なんだミムよ!」

 

 電子の歌姫を自称しているとは思えないヤチヨの言動であるが、割と公式からしてこんなもんなので問題は無し。ネット黎明期からクソコテ(yachi8000)をしていた女だ、面構えが違う。

 

 


 

 

 

『第2ラウンドは打って変わって互いに堅実な立ち回り! トップレーンとミッドレーンでのぶつかり合いだ~!』

『お助けヤチヨ2人組はキツそうです!』

『最低レベルだからね~しかも1人はハンマー! 2on2なら流石にキツいのです~』

 

「はぁーあ、ちゃんと俺が嫌がる事して来るな……」

「うちの雷は優秀でな?」

 

 準備時間も終わり、始まった第2ラウンド。トップレーンでの接敵と同時に、ミッドレーンでもミム太郎と帝も見合っていた。

 

「あー、やっぱりあの子か……雷ってサインとか特製グッズって喜ぶタイプ?」

「喜ぶと思うぞ。かなり重度のアンタのファンだしな」

「知ってる、てか参加型来てくれてたし覚えてる。とはいえまさかコブラ語録使って来るとは思わなんだ……あ、あとDM晒しちゃってごめんね帝」

「本当だよ! おかげでファンからも2人からも散々イジられたわ!」

「はははっすまんな」

 

 ”Black onyXの俺様系リーダー帝アキラ、実は真面目!?”などという見出しでバズったせいで本当に散々イジられた。

 

 もっとも、それでイメージが向上し、男性ファンが増えたからあまり文句は言えないのもそうだが。それはそれとして感情的には文句も言いたくはなる。

 

「それで、今度こそタイマンだな?」

「そうだな、今度こそタイマンだ……ところで副管理人さん、俺の武器がどういう武器か、知ってるだろ?」

「当然。作ったの半分くらい俺だし。あとミム太郎で良いぞ」

「そうか? 助かるぜ、長くて呼び辛かったんだ」

 

 帝アキラの使用する武器は、一見ただの金棒。しかし、金棒部分が鞘になっており、抜けば刀になる。そして抜いた鞘は銃にもなる。

 

 言うなれば、三段変形の万能武器である。

 

 ちなみに「万能武器ってカッコいいよね!」というヤチヨとミム太郎の暴走によって、ツクヨミ内の武器はだいたいアホみたいな変形か多機能を備えている。

 

 その癖、ミム太郎やヤチヨの使ってる武器はシンプル。カッコいいのと使うかどうかは別問題なのだ。

 

「俺は今からのアンタとの戦いで、刀も銃も使わない。この金棒状態オンリーだ」

「……へぇ」

「チームリーダー同士、近接1本でやり合おうぜ?」

 

 これ見よがしに金棒を見せ、帝が笑う。

 

『ここで帝! ミム太郎に近接でのタイマン勝負を挑んだ~!!』

『ミム太郎さんは……乗りますよね、これ』

『どう考えても乗るだろうね、確実に』

 

 近接戦闘の誘い。第2ラウンド開始直前に授けられた、雷からの入れ知恵である。

 

 ミム太郎はどんな手を使っても勝つ合理的な戦闘者であるが。それはそれとして挑まれた勝負には正面から挑むというゲーマー気質も持ち合わせている。故にこうも真正面から誘われたのなら――

 

「こうして乗ってしまうのは、ミムの悪い癖(杉下右京)」

 

 そう言って、ミム太郎は右手にチェーンソードを握る。

 

 ――当然、勝負は受ける。それも真正面から。

 

「乗ってくれてサンキュー……そんじゃ、行くぜッ!」

 

 初手は帝。金棒をミム太郎の頭めがけて振り抜く。雷に言われた通り、防がれることを前提にした一撃目。

 

 ギャリンッと逆手に持たれたチェーンソードによって金棒が上へと弾かれる。その力に逆らわない、そのまま後ろへとバックステップ――

 

「逃がさんッ!」

 

 来た。雷の言っていた通りだ。後ろへと引いた帝を追っての素早く鋭い一撃。

 

 しかし、いくら速くて鋭かろうと来ることが分かっていれば防ぐことは十分可能――

 

「おっも……ッ!?」

 

 完璧に防いでなお、ずっしり重く両腕にかかる負荷。ギャリギャリとチェーンソーが火花を散らし、帝へと迫る。

 

 連撃に次ぐ連撃。軽く繰り出されるそれらが全て、ハンマーでもぶつけられているのかとすら思う程に重い。油断すれば弾き飛ばされることは想像に難くない。

 

「ぐっ……どうしたらそんなに速く重くなるんだよッ!」

「リアルで同じことが出来る程に鍛えただけだ!!」

「バケモンかよ!?」

 

 バケモンだよ。

 

 とはいえ、ミム太郎の攻めは恐ろしいほど速く、理解出来ぬほど重いだけ。一般ゲーマーならこれで粉砕されているだろうが、帝アキラならば防ぐことも避ける事も十分やれる。

 

 雷の言っていた通りだと、帝は笑う。確かにこれなら最も時間稼ぎに適しているのは自分だ。

 

 対してミム太郎は、甲冑の奥で舌打ちしていた。近接での勝負に乗ったが、チェーンソード1本で引っ繰り返せる程の実力差は無い。

 

 前世で使っていた、本来の装備さえあれば――この程度、いくらでも引っ繰り返せる。

 

 だがここはツクヨミ。いくらミム太郎本人が強くとも、アーマーも武器もゲーム内の性能。結局のところ常識の範囲内に収まる。

 

「自分の弱さを自覚しなきゃなぁ……」

「どの口が言ってるんだよ! 嫌味かッお前!?」

「京都人じゃねぇんだからッ! そんな嫌味は言わないね!」

 

 とはいえ、苦しいのは両者同じだ。

 

 帝は、ほんの小さなミス1つで一撃死しかねない。

 

 対してミム太郎は、このまま帝が崩れなければ千日手。そうなれば、トップレーンを突破されて終わる。

 

 時間は、ミム太郎の敵だった。

 

 1ラウンド目とは打って変わって、ミム太郎側がかなり苦しい展開。故にミム太郎の意識が、1ラウンド目よりも戦闘へと寄る――

 

『――今だ』

「りょーかい」

 

 その意識の動きを突いた一筋の矢が、帝へと連撃で迫るミム太郎へ直行する。

 

 指示を出したのは雷。トップレーンでヤチヨ2人を牛鬼ごとウルトで葬った後、すぐに乃依へ指示を飛ばしていた。

 

 そして矢を放ったのは、その乃依。作戦通り最(・)初(・)だ(・)け(・)トップで戦い、途中で離脱。隠密状態で、この瞬間を狙っていた。

 

「でも当たった所でこの距離じゃあの鎧に弾かれちゃうよ~?」

 

 矢が風を切る音に反応し、ミム太郎が矢を視界に捉える。

 

『それに関しては心配しなくて良い。ミム太郎は――』

 

 より戦闘に寄った意識が、脊髄反射でボルトピストルへと手を伸ばす。それが、判断を狂わせた。

 

『――すこぶる運が無い』

「あら矢だ」

「えっ」

 

 トスンっと、甲冑の覗き穴にキレイに矢が突き刺さる。

 

 最初は脊髄反射に従い、ボルトピストルで矢を撃ち落とそうと考えた。しかし、中途半端に戻った意識が今は近接1本って約束だったなと思い出す。

 

 それにどうせこの距離なら鎧で防げるだろうと。そう思ったが故に選択したのはノーガード。

 

 そこで幸運ファンブルを引いた結果、覗き穴にピンポイントで矢が突き刺さった。これがタルコフだったらバチギレ間違いなし。

 

『まさかのピンポイント狙撃! 乃依ちゃんナイスショット~!』

 

 目の前で起こったあんまりにもあんまりな不運に、帝も思わず唖然。

 

「うおっ、開いた!?」

 

 そんな帝の目の前で、ミム太郎の頭のテッペンがパカッと開いた。そこからヤシの木が生えたかと思えば、ギャグチックな豚がその木を登る。

 

『あまりの不運に、ブーたれる。ブー!』

 

 そう豚が喋った瞬間、爆発的轟音! 巨大な爆発が、ミム太郎の亡骸もろとも、帝を吹き飛ばした。KASSENにおける産廃ウルトの1つ――自爆である。

 

「あはははっ……帝ちゃんダッサ~」

 

『ここで雷がお助けヤチヨ2人を躱して天守閣に大将落としをシューッ! 超! エキサイティング!!』

『第2ラウンドを制したのはBlack onyX! ……ミム太郎さんはなんで爆発したんですか?』

『なんやかんやミニオン轢き殺してたし、1キルしてたから自爆のウルトが溜まってたんだろうね』

 

 

 


 

 

 

「俺の役目は時間稼ぎ……じゃなかったのか?」

「予想以上にミム太郎が手一杯だったからな。文字通り一矢報いることが出来るチャンスを逃す手は無いだろう?」

「敵を騙すにはまず味方からって言うしね~……にしても、まさか自爆するとは思わなかったけど」

 

 やれやれといった具合の乃依。死んでから自爆までのラグも長いし、範囲も狭いクソウルトを、まさか開発者が使って来るとはだれも思わない。

 

「……そうだな」

 

 ただし、1人だけ。

 

 ミム太郎の熱烈なファンボーイを除いて。

 

「おい待て目を逸らすな雷。心当たりあったな? ミム太郎が自爆するって思ってたな??」

「黙秘権を行使する。そろそろ3ラウンド目だ、準備は良いのかリーダー?」

「話を逸らすな!」




月見万夜(ミムミム)(超☆熱血ミム太郎):かなり運が無い。どちらかというと攻めより守りの方が得意なので、攻めに関してはフィジカルゴリ押しが多め。作戦を立てるのが苦手。「どうせウルト使わねぇし死なないし自爆で良いだろ」って適当に自爆をセットしてたら爆散した。

月見ヤチヨ:お助けヤチヨが2人ともナレ死した。メインヒロイン()のはずなのに出番が少ないよぉ~~?

帝アキラ:酷い目に合った。互いに近接武器1本で、ミム太郎が攻める側の場合は互角以上に戦える。なおミスると死ぬ。筋トレすることを決意した。

乃依:まさかんな酷い中り方すると思わなかった。命中から自爆まで含めて滅茶苦茶笑った。

雷:滅茶苦茶良い空気を吸ってるし、試合後にも良い空気を吸えることが確定したファンボ。対ミム太郎用の簡易無量空処に勘付いている。

忠犬オタ公:比較的平和に終わったので元気を取り戻してきた。ミム太郎さんってネタに振り切りすぎじゃないですか?

ウルト『自爆』:死亡時にウルトが溜まっていれば自動で発動する。通常はすぐに消滅する死体が10秒間残り、その後爆発するウルト。別におだて豚が出てくるのはデフォじゃない。

お気に入り2500件記念ということにしておく番外編のアンケート

  • 話の間の補間短編集
  • ヤチヨを甘やかす万夜の話
  • ミム太郎の配信短編集
  • ヤチヨが万夜にアピールする話
  • 万夜の過去をヤチヨが聞く話
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