果たしてそこは、何処にあるのか。
仄暗い闇が支配する、どこか神殿めいた建物の中。
微かな月明かりに似た光が、そこに陰影を描いている。
「……計画は順調か?」
一本の柱の陰からぬるりと人影がひとつ現れ、言葉を放つ。
「地球の魔女。思ったよりもやるようだな?」
それは誰かへの問いかけ。
その問いかけに応えるように、別の柱の陰から人影が現れた。
「ヒョッヒョッヒョッ。そのようであるな。よもやよもや、我が輩のアッメ~~~イジングな試験体が、ああもあっさり2体とも、倒されるとは思わなんだ」
映し出される影は、長い指をワキワキと動かしながら、楽しげに笑う。
「これは次の実験が、ひっじょ~~~うに楽しみであるっ!」
「……ふんっ」
くねくねと身を揺らす影に、最初の陰は呆れたように背を向けた。
「オレが行く! オレにやらせろっ!!」
天井側から、大きな影が飛び降りた。
ズシンッ!
着地とともに大地を揺らし、建物を軋ませて。
「逸るな」
「逸るさっ! オレの魂がそう叫んでいる!」
最初の影に窘められても、大きな影は引かなかった。
「おやおや。皆様もうお揃いで、これはワタクシ、遅刻してしまいましたか」
最後に現れた影は、縦に長いピエロのようなシルエットをしていた。
「遅いぞ“死神”」
「申し訳ございません“騎士”殿。少々個人的な用事がありまして」
「なんと、個人的な用事を優先してよかったのであるか? だったら我が輩、こんな会議になど参加せず、実験をしていたかったであるぞ!?」
「“博士”はいつもそればっかりだな? 実験なんかより体動かそうぜ!」
「黙らっしゃい“将軍”! 我が輩の崇高な知恵の前には、キサマの筋肉なぞ最高の素材でしかないのである!」
やいのやいのと騒ぎ出す影たち。
最初の影はそれを静かに見守っていたが、埒が明かないと思ったところで、腰に佩いた剣を抜き放ち。
「静かにしろ」
その場から動かず、振り下ろす。
カッ!!!
「「「!?!?!?」」」
迸る閃光が、すべての影を照らした。
上裸の巨体に獰猛な笑みを浮かべる、武人が如き“将軍”。
モノトーンの道化衣装を身に纏う、仮面の“死神”。
白衣の猫背からいくつもの機械腕を伸ばす、丸眼鏡の“博士”。
そして――。
「……それでいい」
――白銀の鎧を身に纏う、褐色の“騎士”。
「我らが“王”からの命を伝える」
騎士の言葉に、他の3人が一斉に目の色を変える。
「おいおい! 命があるなら話が違うぞ!」
「ヒョッヒョッヒョッ! どうやら状況が動くようであるな?」
「これはこれは、また楽しいことになりそうですね?」
王命。
これはこの場の全員が待ち望んでいたものだった。
「……“博士”。地球へ直接出向いての実験が承認された」
「ヒョッ!!!」
「他の者もそれに同行し、実験の成功に寄与せよとの命だ」
「おおっ! オレたちも出ていいのか! さすがは王だっ!」
伝えられた王命に、誰もが高揚を隠せない。
「いよいよ始まるか……我々の新たなる“侵略”が」
冷静を装う騎士もまた、震える己のこぶしを強く握っていた。
「ああ、でしたらひとつ、耳にお入れしたいことが」
「なんだ、“死神”」
縦に長い体を折り曲げて、死神が言う。
「どうやらあちら、ワタクシたちのことを魂喰らい“ソウルイーター”と呼んでいるとか」
「ヒョヒョッ。これはまた的確に我が輩たちを理解した名付けであるな?」
「ええ、ええ、ワタクシもそう思います。ですので、もしも原住民と出会うことがあれば、それをそのまま名乗ればいかがかと思うワケです」
「ほぅ、そりゃまた面白そうだなっ!」
「……好きにすればいい」
「……はぁい。好きにしますね♪」
全員の言質を取って、体を起こした死神が宣言した。
「ワタクシたちはこれより“ソウルイーター”を名乗り、地球侵略へと参りましょう!」
宣言と同時。
彼らから漏れ出る
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