「さぁーて。弟くんを傷つけた悪い子には、とっとと退場してもらおう!」
「はい! お義兄ちゃんをいじめるなんて許せません!」
戦闘継続中の
「そこの
「っ!」
「これより支援行動に入ります!」
そう大声で告げた
「
「同じく、DDDたまな市支部所属の嘱託魔女、エルリーゼ・キラキラ・ジュエルネーヴァ!」
続けて
「みんなの平和な日常を守るため!」
「おいたが過ぎる悪い子は、全身全霊でやっつけます!」
二人の覚悟に呼応して、夕闇にメダルが煌めく。
「行くよ、
「はい!」
それぞれが異形へと向かい、果敢に飛び込んでいった。
※ ※ ※
「ドレッ?!」
「はぁぁぁぁ!」
背中のリボンをヒュルルと揺らし、
こぶしの一撃。真正面から異形の胴をぶん殴り、
「今度はわたしだよ! ハジけて!
空飛ぶホウキの高機動で背後に回った
チュドドドドーンッ!!
「ドレァァァッ!!??」
爆撃を受けた異形が炎上し、炎の中で巨体を揺らした。
「ドレレレレレ!!」
反撃の触手が伸びる。
鞭のようにしならせた数多の害意が二人を襲う! ……が!
「効っかないよーだ!」
「ロイヤルジュエル! ガードダイヤモンド!」
ガキンッ!
「「魔法戦士さん!」」
「まかせて」
二人の役目は時間稼ぎ、その隙に
「……ナーサリーライム、起動!」
正面に立てた大鎌の刃に、ゆっくりと光が満ちていく。
「我が前に真の姿を示せ……大鎌“ブラックスワン”!」
光は黒い輝きを放ち、
真の力を発揮した彼女の武器が、眼前の敵を倒すべく振り上げられた。
「ドレッ!?」
「常闇へ還れ! シャドウ・クロス!」
シュ、ズバァァァ!!
「ドレアァァァァァァ!!!」
裂帛の気合とともに振り下ろされた刃が、燃え盛る異形の巨体を切り裂く!
「はぁぁぁぁっ!」
続けて放つ真一文字の黒の一閃が加われば、異形の体に十字の斬撃傷が浮かび上がる!
「……――ッッ!」
闇が、溢れる!
切り倒される大木のように、巨体がゆっくりと倒れ、崩壊しながら沈み、水飛沫を上げた。
(す、すごい……!)
その輝きは、その力強さは。
遠巻きに戦場を見守っていた
絶望を打ち払う少女たちの煌めく姿に、彼は我知らず見惚れていた。
※ ※ ※
「「いぇーい、勝利ー!」」
「………」
大池のそばに降り立ち、ハイタッチする
大技で乱れた呼吸を整える
張り詰めていた空気は解け、爆ぜた飛沫も落ち着いていく。
誰しもが、危機は去ったと思った――その時。
シュルルルルッ! バシッ!
「「「!?」」」
水面から突如として伸びた触手が、
「「「きゃあああ!!」」」
一瞬にして宙へと釣り上げられる3人。
彼女たちの眼下、大池の中から、先ほどよりもさらに巨大化した異形が姿を現す。
「まさか、技を受ける前に自分を切り離して……?!」
「ド~~~レ~~~イ~~~~~~~~~ン!!」
「「「いやあああ!!」」」
命の力……プラーナを吸い取られる。
背筋をピンと仰け反らせ、衝撃に少女たちから悲鳴が上がった。
「
彼女たちに想定外が起こった。
それを即座に理解した
なりふり構わず、ただただ必死に助けに向かって最短距離を駆け寄って。
だが……。
「ドレッ!」
「ぐあっ!!」
現実はただ、冷徹に。
食事の邪魔だと振るわれた横薙ぎの一撃が、
「お義兄ちゃん!」
「弟くん!!」
「ぐ、ぉぉ……!」
痛みを堪え、なんとか立ち上がろうとして、失敗する。
これまでとは違った、違和感。
「が、な……にが? ……ぅぐっ?!」
今の一撃で
「ち、くしょう……まだ……俺、は……!!」
それでも、
気づけば彼の心の中は、彼女たちを助けること以外のすべてが抜け落ちていた。
(動け、動け……!)
手に力を込め、右足でバランスを取る。
ボロボロになっても諦めず、何ができるかわからなくてもひたすらに。
それでも、起き上がれなくて。
心を、燃えるような怒りが支配した。
「だ、め……逃げ、て…………」
「おとうと、く、ん……」
「お、にい……ちゃん……」
囚われの少女たちの声も届かない。
ただ彼女たちを助けたい。助けなければならないという心が彼を突き動かす。
「ド~レ~イ~~~~~~~ン!!」
「「「きゃあああ!!」」」
「やめろぉぉぉーーーー!!」
人の心を喰い尽くし、今なお大切な人たちを傷つけようとする奴らが、許せない。
あれは……倒すべき敵なんだと、魂で理解する。
「うああああーーーーーーーっっ!!」
自然に、咆哮を上げていた。
(動け! 動け! 動け動け動け! 俺が、俺がみんなを守るんだろっ?! お前はそう決めて生きてきただろう!
体が重い。
どれだけ心が叫んでも、それだけでは動けない。
(足りない、足りない! 俺には何もかもが足りない!!)
何が足りないのかさえ分からない。
目の前に立ち塞がる存在には、今日まで自分が生きてきたすべてが通じない。
(俺は、俺は絶対に認めない! こんな現実! こんな絶望!)
それでも、諦めたくはない。
目の前の理不尽を跳ね除ける……絶対的な何かが欲しい!!
(力だ! 力が……欲しい!!)
どんな攻撃も跳ね除ける、鋼の肉体が欲しい。
何度だって立ち上がる、強い足が欲しい。
襲い来る敵を打ちのめす、硬いこぶしが欲しい。
諦めない限りどんな困難だって乗り越えられる、立ち向かうための力が欲しい。
そして何よりも――。
(――目の前の絶望を打ち祓い、平和な日常を取り戻す……力が欲しい!!!)
そう、心の底から求めた瞬間。
「……!」
照也は自分が何をするべきなのか理解する。
「お、おお……おおおおお!!!」
呼び水となるのは、魂の叫び。
腹の底から力を溜めて、内側にあるすべての熱を吐き出すように……世界へ吼える!
「俺が! みんなの日常を、守るんだぁあああーーーーーーーっっ!!」
それに応えたのは、
ピワァーーーーーーーーオッ!!
「!?」
瞬間。
(この、力は……!?)
火山が噴火するように激しく、強い何かが沸き上がってくる感覚を。
それと同時、全身を紫の光が包み込み、目も開けていられないほどの閃光に貫かれた。
次回、変身!
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