遊戯王DMT―転生したら城之内だった件― 作:Laginera
懐かしい夢を見た。
子供の頃、カードをしていたころの夢。
あのころは今より楽しんでいた気がする。だけど周囲は私を否定した。
『お前とデュエルすると面白くないんだよ!』
『バトルもしねえ卑怯な手を使いやがって!』
そう言っていつの間にか一人になり、やがて大人になり誰にも愛されることも、誰からも嫌われることない平凡な人生を歩んでいた。事故で死ぬまでは…。
『いい加減にしろ!』
『うるせえクソ息子!』
なんだこれは…何なんだこの記憶は…。
思い出そうとしたとき、夢の外から声がする。深い夢から目覚める声が…
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「城之内君! 大丈夫!?」
「城之内!」
目の前には今にも泣きそうな遊戯と舞がいた。
「…ああ? 今何時だ…」
「とっくに朝の10時よ! アンタがいつまでも起きないからずっと待っていたのよ」
「仕方ないよ。城之内君は格上相手に4戦もしたんだし…疲労がたまっても仕方ない」
「それに最後はあの海馬のヤローだったからな。だけど引き分けだったのは凄かったぜ!」
「オレは‥確か疲れて。そのまま寝ちまったのか…?」
「うん。城之内君、どれだけ声をかけても起きなかったから心配で…!」
「すまねえ。心配かけたな」
「心配かけた分、ちゃんと責任取りなさいよね!」
「舞? お前も居てくれたのか?」
(だしか原作だとここで舞と別れていたはずだが)
「か、勘違いしないでよ! アンタのことが心配だったわけじゃ」
「ありがとうな舞」
「え、別に感謝されるようなことしてないわよ…!」
「?」
城之内の言葉に一喜一憂する舞。
「城之内君、しばらく休んだ方が良いよ。昨日の連戦がやっぱり体に響いてると思う」
「だけど、2日目で参加者もかなり減っているはずだろ? 早くしねえと先を越されちまう」
「…なら、私が城之内を看てるからさ。遊戯達はスターチップを入手しに行けばいいんじゃない? 心配しなくても私なら直ぐに後れを取り戻せるわ」
「ええ、それは悪いよ。ボクと舞さんが交代で」
「遊戯! ここは舞さんに甘えましょう!」
女の感で何かを悟った杏子が遊戯と本田、獏良を連れて離れる。
「杏子!? 城之内君が…」
「舞さんに任せれば大丈夫でしょ! ていうか察しなさい!」
「ええ?」
(城之内…ああいうタイプに好かれやすいのかしら…)
――――――――――――――――――――――――――――――――
休憩地点(仮)で舞は城之内と二人きりになっていた。
「ねえ…。あんたは何で大会に参加しようと思ったわけ?」
黙っているだけの空間にいたたまれなく舞は話しかける。
「…まあ色々とな」
「その色々を話なさいよ」
「舞はどうしてなんだ?」
「まあ、賞金が欲しいからよ」
「金は大事だからな」
「私は話したんだから、アンタの理由を話なさいよ」
「オレは…」
城之内が話始めようとしたとき、
「へへへ…大会中にイチャついているとは隙だらけだぜ」
「! 何なのアンタ達は」
「…デュエリストか…!」
「ついて来い! 俺達のステージで相手をしてやる!」
「このっ…!」
城之内は抵抗しようとしたが、本調子でないか簡単に捕まる。
「くくく…!」
「城之内!」
「離せ!」
「オレ達のフィールドに連れて行くゾ~」
城之内と舞は3人組の男に連れていかれた。
――――――――――――――――――――――――――――――
―決闘王国・墓場ステージ
3人に拉致され、連れてこられたのは墓場ステージ。
この島はかつて戦地であり、この洞窟には戦死した兵士達が埋葬されたと言われている。
「くくく…この墓場ステージで、このゴースト骨塚とデュエルしてもらうゾ~」
「テメーの優位な戦場に連れて来たってことかよ」
「待ちな! ここは私が相手をするよ」
孔雀舞がデッキを取り出す。
「女? お前が相手になるのか?」
黒幕らしき星条旗のバンダナを巻いた男が現れる。
「舞!」
「城之内。アンタはまだ完全に疲れが取れていない。そんな状態でまともなデュエルなんて出来ないでしょ。任せときな」
「すまねえ」
「お前が相手か~? オレはゴースト骨塚だゾ~」
「孔雀舞よ。それにしても顔色が悪いけど…体調悪いの?」
「これは元からだぞ~。オレのゴーストデッキの恐ろしさを思い知らせてやるゾ~」
舞と骨塚はスターチップを4つずつ賭けてデュエルを始める。
「「デュエル」」
ゴースト骨塚:荒野フィールド
(墓場フィールドは無いので荒野フィールドで代理にします)
「オレのターン、早速このフィールドを生かすゾ~」
ゴースト骨塚はアンデット族モンスターを召喚しようとしたが。
「待ちな、ここで召喚するのはそのカードだ」
「えっ…」
ゴースト骨塚は困惑している。
(あいつ…一体何話してんの?)
舞が訝しげそうな表情を浮かべてると
「オレは…〈鎧武者斬鬼〉を召喚だゾ~」
〈鎧武者斬鬼〉☆5 攻撃力1500 守備力1700
「戦士族モンスター?」
(どういう事? あのカードは特に効果も無いモンスター…。それに荒野フィールドの影響も受けない。そんなモンスターを攻撃表示…?)
「ターンエンドだぞ~」
ゴースト骨塚 LP:2000
手札:5
デッキ:34
墓地:0
除外:0
融合デッキ:1
モンスターゾーン:
〈鎧武者斬鬼〉攻撃力1500
魔法・罠カード
なし
「私のターン、ドロー! 〈ヴァルキリー〉を召喚!!」
〈ヴァルキリー〉☆5 攻撃力1800 守備力1700
ハーピィ以外のモンスターを舞は初めて召喚する。
(あのカードの攻撃力なら〈斬鬼〉を倒せるが…。ゴースト骨塚…いやキースの狙いは…)
「舞! このデュエル長引かせるとヤバい! 早く決着付けるんだ!!」
「黙ってろ!」
城之内は仲間の2人の男に取り押さえられる。
「言われなくてもそのつもりよ! 〈ヴァルキリー〉! 〈鎧武者斬鬼〉を攻撃しな!」
「くっ…」
ゴースト骨塚 LP:2000-(1800-1500)=1700
「ターンエンドよ」
孔雀舞 LP:2000
手札:5
デッキ:34
墓地:0
除外:0
デッキ:0
モンスターゾーン:
〈ヴァルキリー〉攻撃力1800
魔法・罠カード
なし
「オレのターン、ドロー! 今度こそ…」
「待て、次は左から2番目のカードだ!」
「えっだけどこれはアンデット系じゃ…」
「良いからそのカードを攻撃表示で出すんだ。誰のおかげでここまで勝ち残ったと思ってやがる?」
「わ、わかったゾー…。〈地を這うドラゴン〉を召喚!」
〈地を這うドラゴン〉☆5 攻撃力1600 守備力1400
(今度はドラゴン族モンスター…!? しかも攻撃力の勝る〈ヴァルキリー〉がいるのに攻撃表示?)
「ターンエンドだゾ」
ゴースト骨塚 LP:1700
手札:5
デッキ:33
墓地:0
除外:0
融合デッキ:1
モンスターゾーン:
〈地を這うドラゴン〉攻撃力1600
魔法・罠カード
なし
「私のターン、ドロー! 〈ハーピィ・レディ〉を召喚! 更に装備魔法〈サイバー・ボンテージ〉を装備して攻撃力を500アップ!」
〈ハーピィ・レディ〉攻撃力1300→1800 守備力1400
「〈ハーピィ・レディ〉で〈地を這うドラゴン〉を攻撃! スクラッチ・クラッシュ!」
「くっ…」
ゴースト骨塚 LP:1700-(1800-1600)=1500
「ターンエンドよ」
孔雀舞 LP:2000
手札:4
デッキ:33
墓地:0
除外:0
デッキ:0
モンスターゾーン:
〈ヴァルキリー〉攻撃力1800
〈ハーピィ・レディ〉攻撃力1800
魔法・罠カード
〈サイバー・ボンテージ〉:対象〈ハーピィ・レディ〉
「オレのターン、ドロー!」
「骨塚、次は端っこのカードを出せ」
「…〈マーダーサーカス〉を召喚」
〈マーダーサーカス〉☆4 攻撃力1350 守備力1400
「…さっきからアンタなんなの? デュエルは1対1の真剣勝負なのよ! 横槍を入れないでくれない!?」
「ククク…オレの名はキース・ハワード。昔はちょっとした賞金稼ぎでよお…」
「キース・ハワード…。まさかバンデット・キース!? 元全米チャンピオンの!?」
「うれしいなあ。お前みたいないい女に名を知られてるとはよお」
「…ペガサスに負けてからデュエルの家庭教師にでも転職したわけ?」
「そんなんじゃねえ。だがこいつらはオレの忠実なしもべだ。オレの与えたカードでデッキを強化し、オレが指示を出して勝ち続けている」
そう言ってキースはジャケットの裏にある大量のデッキ束を見せる。
「オレはデュエルモンスターズの全種族のデッキを持っている。どんな相手とも戦えるようにな」
「決闘王国には40枚以上のデッキは持ち込めれないなずよ!」
「ククク…。オレは正規の参加者じゃないからな‥」
「アニキのおかげで俺達のデッキも強化されたんだ!」
「元全米チャンプのアニキがいれば怖い物無しだぜ!」
「舞…! お前はこんな奴らに負けやしねえ! 気負けすんな!」
「城之内…! ええ、こんな誇りの無いデュエリスト…いえ、ガキ共に負けるつもりはないわ」
「ターンエンドだゾ…」
ゴースト骨塚 LP:1700
手札:5
デッキ:32
墓地:0
除外:0
融合デッキ:1
モンスターゾーン:
〈マーダーサーカス〉攻撃力1350
魔法・罠カード
なし
「私のターン、ドロー! 〈万華鏡―華麗なる分身〉を手札から発動! デッキから〈ハーピィ・レディ三姉妹〉を特殊召喚するわ!」
〈ハーピィ・レディ三姉妹〉☆6 攻撃力1950 守備力2100
「バトル!〈ハーピィ・レディ三姉妹〉で〈マーダーサーカス〉を攻撃!」
「ぐうう…!」
ゴースト骨塚 LP:1500-(1950-1350)=900
「元全米チャンプのアドバイスを貰ってるようだけど、ライフも場も私が上回ってるわ! カードを1枚セットしてターンエンド!」
孔雀舞 LP:2000
手札:3
デッキ:31
墓地:0
除外:0
デッキ:0
モンスターゾーン:
〈ヴァルキリー〉攻撃力1800
〈ハーピィ・レディ〉攻撃力1800
〈ハーピィ・レディ三姉妹〉攻撃力1950
魔法・罠カード
〈サイバー・ボンテージ〉:対象〈ハーピィ・レディ〉
伏せカード1枚
「オレのターン、ドロー! …そうかアニキはこのカードの為に!」
「くくく…、その通りだ。そのカードはアンデットモンスターに対して発動できねえからなあ」
「どういうことなの?」
「オレは〈リビングデッドの呼び声〉を発動するぞ!」
骨塚の発動したカードの効果により、墓地から〈鎧武者斬鬼〉・〈地を這うドラゴン〉・〈マーダーサーカス〉の3体がゾンビ化して復活する。
〈鎧武者ゾンビ〉☆3 攻撃力1500→1700 守備力0→200
〈ドラゴンゾンビ〉☆3 攻撃力1600→1800 守備力0→200
〈マーダーサーカスゾンビ〉攻撃力1350→1550 守備力0→200
「アンデット族になり〈荒野〉のフィールド効果を得たか…」
「それだけじゃないゾー。ゾンビ共はバトルで破壊されるたびに攻撃力を10パーセント上昇して復活するんだゾ~。お前のハーピィ共がどれだけ装備強化されようと、ゾンビ共はさらに力を上げて復活するんだゾ~」
「不死の軍団ってわけね」
「そうだ。まずは〈ドラゴンゾンビ〉で〈ヴァルキリー〉を攻撃! 本来なら同士討ちになるが。〈ドラゴンゾンビ〉は復活する! 復活し力を上げてお前のモンスターを全滅させるゾ~!」
〈ドラゴンゾンビ〉の腐敗のブレスが〈ヴァルキリー〉に襲い掛かる。
「全米チャンプっていうのも大したことないのねバンデット・キース。ペガサスに負けたのも納得だわ」
「なんだとこのアマ!」
「そしてゴースト骨塚、アンタはまさにこのゾンビと一緒で何も考えていないようね。デュエルってのは相手の裏をかいて読み合いに勝ってこそ意味があるのよ。そんな思考停止で、他人任せの戦術に敗れるほどアタシは安くないわ!」
舞は伏せカードを発動した。
「永続罠〈銀幕の鏡壁〉発動! 攻撃してきたモンスターの攻撃力を半減させる!」
「えっ…!?」
「〈ドラゴンゾンビ〉の攻撃力は1800の半分、900にダウンするわ!」
〈ドラゴンゾンビ〉攻撃力1800/2=900
「ゾンビは不死身でも、アンタにはライフっていう限界があるわ。〈ヴァルキリー〉で反撃よ! プライド無きモンスターにとどめを刺しなさい!!」
「うわああああー!!」
ゴースト骨塚 LP:900-(1800-900)=0
「次は強いカードを入れるだけじゃない。その身にデュエリストのプライドを身につける事ね」
(流石舞だぜ。原作城之内は不死のパワーに圧倒されたが、復活させる間もなく速攻で倒すことで防いだ…!)
「う、嘘だろ」
「アニキにデッキを強化された骨塚が負けるなんて‥‥!」
「おら、どきやがれ!」
城之内は2人をどついて拘束から解放される。
「ちっ! 早く逃げるぞお前ら!」
キースは骨塚達を連れて逃亡した。
「ありがとうな舞。おかげで体力も回復したぜ」
「礼なんていらないわ。おかげで10集まって予選通過できるしね!」
舞はゴースト骨塚から得たスターチップを城之内に誇らしげに見せた。
孔雀舞 スターチップ4個会得 合計10
予選突破!