遊戯王DMT―転生したら城之内だった件― 作:Laginera
決勝戦を勝ち進んだ遊戯と城之内。互いに救いたい家族がいる者同士が戦わざるを得ない瞬間がやって来た。
「遊戯はおじいさんを、城之内は静香ちゃんを助けないといけないのに戦う事になるなんて…」
「杏子。逆に言えばどちらかが生き残り進めば助けることが出来る。今の城之内君はオレにとっても強敵だ。勝てるかどうかわからない」
「遊戯。どっちが勝っても恨みっこ無しだぜ」
「ああ、全力で戦おうぜ城之内君!」
デュエルフィールドに絆と言う運命で結ばれた二人が相対した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
デュエルディスクを手に、海馬は先のデュエルを振り返る。絶対的力を手にした自分を遊戯は超えた。なぜ遊戯に勝てないのか考えていた。
「決勝戦始まるわよ」
「ふん…城之内如きが遊戯に勝てるわけがあるまい。見る価値も無いな」
「そう…。ならそうやっていつまでもイジけてればいいわ。私は決勝戦を見てくるわよ」
「見る前から結果のわかるデュエルなど面白くもあるまい」
「そうやって自分の思い道理にいかなくて駄々を捏ねているアンタを見ているよりはマシよ」
そう言って孔雀舞はデュエルを見に向かった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「これより城之内克也と武藤遊戯による決闘王国決勝戦を始めます」
一方は名も無きファラオを宿すゲームマスター、一方はド素人ながらももてる力でこの戦いを生き残った転生者。どちらか一方がペガサスと戦う権利と莫大な賞金を手に入れるチャンスを手にする。
「城之内君! デュエルだ!」
「来い遊戯!!」
「「デュエル!!」」
「オレのターン、ドロー! オレは〈エルフの剣士〉を守備表示で召喚!」
〈エルフの剣士〉☆4 攻撃力1400 守備力1200
「カードを1枚伏せてターンエンド!」
武藤遊戯 LP:2000
手札:4
デッキ:34
墓地:0
除外:0
融合デッキ:2
モンスターゾーン:
〈エルフの剣士〉守備力1200
魔法・罠カード:
伏せカード1枚
「オレのターン、ドロー! 〈岩窟魔人オーガ・ロック〉を守備表示で召喚! 」
〈岩窟魔人オーガ・ロック〉☆3 攻撃力800 守備力1200
「カードを1枚伏せてターンエンド!」
城之内克也 LP:2000
手札:4
デッキ:34
墓地:0
除外:0
融合デッキ:0
モンスターゾーン:
〈岩窟魔人オーガ・ロック〉守備力1200
魔法・罠カード
伏せカード1枚
「城之内も遊戯も互いにモンスターを出しただけで終わったわ…」
「互いに手の内がわかっている以上簡単に攻撃できないわ。このデュエル、先に主導権を握るために相手を動かした方が勝利するのよ」
「相手を動かす?」
「ライフが100でも少なくなれば不利になるわ。だから遊戯も城之内も均衡状態を保ち根競べと言う所かしらね」
「オレのターン、ドロー! 〈カース・オブ・ドラゴン〉を召喚!」
〈カース・オブ・ドラゴン〉☆5 攻撃力2000 守備力1700
「オレはこれでターンエンド」
武藤遊戯 LP:2000
手札:4
デッキ:33
墓地:0
除外:0
融合デッキ:2
モンスターゾーン:
〈エルフの剣士〉守備力1200
〈カース・オブ・ドラゴン〉攻撃力2000
魔法・罠カード:
伏せカード1枚
「オレのターン、ドロー! 〈ガルーザス〉を召喚!」
〈ガルーザス〉☆5 攻撃力1800 守備力1500
「バトルフェイズ、〈ガルーザス〉で〈エルフの剣士〉を攻撃!」
「罠カード〈六芒星の呪縛〉を発動! 〈ガルーザス〉の動きを封じ、攻撃力を700ダウンさせる!」
「くっ…!」
〈ガルーザス〉攻撃力1800-700=1100
「カードを1枚伏せてターンエンドだ」
城之内克也 LP:2000
手札:3
デッキ:33
墓地:0
除外:0
融合デッキ:0
モンスターゾーン:
〈岩窟魔人オーガ・ロック〉守備力1200
〈ガルーザス〉攻撃力1100
魔法・罠カード
伏せカード2枚
「先に動いたのは城之内、次のターン無防備な〈ガルーザス〉を攻撃すれば遊戯が主導権を握れるわ!」
「…どうかしらね」
孔雀舞は何か城之内の動きに狙いがあるのではないかと予想していた。
「オレのターン、ドロー! 出でよ〈デーモンの召喚〉!!」
〈デーモンの召喚〉☆6 攻撃力2500 守備力1200
「バトルだ! 〈デーモンの召喚〉で〈ガルーザス〉を攻撃! 魔降雷!!」
〈デーモンの召喚〉の攻撃が〈ガルーザス〉に降り注ぐ。
「トラップカード〈あまのじゃくの呪い〉を発動!」
「何!?」
「〈六芒星の呪縛〉の効果を利用させてもらうぜ遊戯! 700ポイントダウンは〈あまのじゃくの呪い〉で反転し、攻撃力アップへと変わる!!」
〈ガルーザス〉攻撃力1800→2500
「更に〈デーモンの召喚〉にもう1枚の伏せカード〈援軍〉を発動! このカードは本来攻撃力500上昇効果だが、〈あまのじゃくの呪い〉で逆転し、〈デーモンの召喚〉の攻撃力を500ダウンさせる!」
〈デーモンの召喚〉攻撃力2500-500=2000
「〈ガルーザス〉の反撃! ガルーザスアックスクラッシュ!!」
「くっ…!?」
遊戯 LP:2000-(2500-2000)=1500
「〈デーモンの召喚〉撃破!」
「まさか〈六芒星の呪縛〉の攻撃力ダウンを逆手にとるとは…。やるな城之内君!」
「へへっ! これでもオレなりに努力してるんだぜ!」
「ああ。このダメージはその成果のようだ。だがバトルはまだ終わっていない。〈カース・オブ・ドラゴン〉で〈オーガ・ロック〉を粉砕! ヘル・フレイム!!」
「くっ…」
「オレはこれでターンエンドだ」
武藤遊戯 LP:1500
手札:4
デッキ:32
墓地:1
除外:0
融合デッキ:2
モンスターゾーン:
〈エルフの剣士〉守備力1200
〈カース・オブ・ドラゴン〉攻撃力2000
魔法・罠カード:
〈六芒星の呪縛〉:対象〈ガルーザス〉
(バカな…! 城之内が遊戯を出し抜いたというのか…!?)
デュエルの様子を隠れて見ていた海馬は遊戯の圧勝だろうと予測していたが、実際は城之内が場の流れを先に掴んだことに驚愕していた。
(…まあいい。どちらが勝とうがオレには関係の無いことだ)
「オレのターン、ドロー! 手札より〈レオグン〉を召喚!」
〈レオグン〉☆5 攻撃力1750 守備力1550
「〈レオグン〉で〈エルフの剣士〉を攻撃!!」
「くっ…。だが守備表示で存在していたからダメージを受けない!」
「ああ。だがこれで遊戯の場にはモンスターが1体だ。メイン2に入り、オレは魔法カード〈痛み分け〉を発動する!」
「〈痛み分け〉だと!」
「こいつは互いに場のモンスターを1体生贄にする魔法カード。オレは〈ガルーザス〉を選ぶ」
「オレの場には〈カース・オブ・ドラゴン〉のみ…! つまり自動的に〈カース・オブ・ドラゴン〉を選ぶしかない…!」
〈ガルーザス〉と〈カース・オブ・ドラゴン〉が一騎打ちをし、両方が墓地へと送られた。
『もう1人のボク! 城之内君はボク達が思う以上に成長しているみたいだよ』
『ああ…。今の城之内君はオレ達にとって最大の脅威だ。全力をもって挑まなければペガサスと戦う前にやられてしまう!』
『…少しお願いがあるんだ。城之内君と話をさせてくれない?』
『わかったぜ』
遊戯の千年パズルが光、名も無きファラオの魂と器の遊戯の人格が入れ替わる。
「遊戯?」
「城之内君、まず謝らせてほしい。ボク達は君の成長を軽んじていた。その油断が今、モンスター全滅と言う結果を招いた」
「仕方ねえよ。オレは遊戯に比べて持っているカードも、プレイングの経験も浅い。力の差があり過ぎるからな」
「…いや、君はこの王国で多くの強豪と戦ってきたんだ。その為にデッキも強化し、もうボクの上げたカードに頼らずとも君は立派に戦っている。今の君にだから尋ねたい」
遊戯は城之内に向かって問いかける。
「デュエルモンスターズは楽しい?」
「楽しい…? どういう意味だ」
「デュエルモンスターズを学校でしていた時、君はどこか無理しているような感じがしたんだ。ボクは1人でいた君と仲良くなりたくて色んなゲームをしていて…デュエルモンスターズもその1つだった。王国編で厳しい戦いの連続だったけど、君は楽しんでいるように見えたんだ」
「…遊戯。これが答えになるかわかんねーけどよ」
城之内は今、デュエルモンスターズに対する思いを吐く。
「最初は何が楽しいかわからなかった。だけどゲームをしている時のお前が楽しそうでその空気を壊したくなかった」
「城之内君…」
「だけどデュエルを通じてオレは色んな奴と出会った。ケンカしか取り柄のねえオレが初めて熱くなれるゲームに出会えた。この王国で、色んなモノを背負っているが、それでもオレは限られた手で勝ちに行くしかなかった。それをどこか楽しんでいたと思う」
「そうか…城之内もデュエルモンスターズの面白さが理解できてきたんだね!」
「ああ…オレはデュエルモンスターズを楽しんでいたんだな」
「それが聞けて良かったよ」
遊戯は目を閉じて、もう1人の遊戯と交代した。
「ここからが本番だぜ、城之内君!」
「ああ、全力で楽しもうぜ。遊戯!!」
遊戯の反撃が始まる。