遊戯王DMT―転生したら城之内だった件― 作:Laginera
〈墓荒らし〉コンボで〈サウザンドアイズ・サクリファイス〉を攻略し、〈マジシャン・オブ・ブラックカオス〉の手によってついにペガサスを倒した。
「城之内君!」
「「城之内!!」」
「城之内―!」
「やったね城之内君!」
遊戯、杏子、本田、舞、獏良が城之内の元に近づいて城之内の勝利を祝福した。
「遊戯、こいつは返すぜ」
「うん城之内君!」
千年パズルを遊戯はかける。もう1人の遊戯と人格を入れ替える。
「城之内君、君がいなければペガサスは倒せなかった。改めてありがとう」
「ああ、こっちこそ遊戯のおかげで勝つことが出来たぜ」
2人は握手をして互いの健闘を称えた。
「ペ、ペガサス様」
「…優勝したのは城之内ボーイデース。すぐに賞金の用意を」
「はっ!」
部下に命令してペガサスは賞金の準備をさせた。
「ペガサス、じーさんとモクバの魂は解放させて貰うぜ」
「ええ、約束は守りマース」
〈魂の牢獄〉から2人の絵が消えて、魂が元の肉体に帰っていった。
「ペガサス…地獄行く覚悟はできたか?」
遊戯は怒りの表情をペガサスに向ける。祖父の魂を人質に取られてかなり頭にきているようだった。
「ま、待てよ遊戯。なあペガサス。どうしてアンタは遊戯や海馬を巻き込んで決闘王国を開いたんだ? デュエルをして何となくだけど、アンタほどのデュエリストが私利私欲で動く様な悪人には思えねえ」
「…いいでしょう」
そこからはペガサスに起こった悲劇の話から始まった。
彼の最愛の恋人シンディア。若くしてこの世を去り、そのショックは絵を描くことが好きだったペガサスの手を止めさせ、心に大きな傷が出来るほどだった。
心の癒えないペガサスはエジプトへ旅行に行き、クル・エルナ村と呼ばれる場所へたどり着いた。
そこで彼は見てしまったのだ。千年アイテムに相応しい者を決めるための試練の儀式を。
1人の盗賊が千年アイテムを身に着けたが、資格が無いモノは罰を受け、その命を奪われた。
その瞬間を目撃したペガサスは、千年アイテムの所持者として認められた場合生きて返すと言われ、〈千年眼〉の試練を受けた。
そして彼はその試練を成功し、一度だけシンディアに会えることが出来た。
ほんの一瞬だけだったが、それでもペガサスの中に生きる希望が残った。
その後エジプト各地を回り、石板を見つけてデュエルモンスターズとして現世に復活させたのだった。
「あんたは…もう一度会いたかったのか? ソリッドビジョンと言えど最愛の人間に…」
「彼女は私の希望でした…。いえ、今でも希望です」
ペガサスの懐から出されたシンディアの描かれたカード。ペガサスがどれほどの思いなのか伝わって来た。
「ですが、私はそのために過ちを起こしてしまいました…。罰を受けても仕方ない…」
「ペガサス。人間生きてりゃ、失敗なんていくらでもする。だけどアンタは良いことだってしたはずだ」
「ホワッツ?」
「デュエルモンスターズを作ったっていう誰にもできない良い事をよ」
城之内はデッキを取り出して笑う。
「デュエルモンスターズのおかげでオレは色んなモノを得た。オレだけじゃねえ。遊戯や舞、いや世界中のデュエリストが生まれたのはアンタがデュエルモンスターズを産んでくれたからなんだぜ」
「私が…」
「だから、今のうちにこれだけは言っとくぜ」
城之内はペガサスを見て、伝えたかったことを口にした。
「デュエルモンスターズを作ってくれてありがとう、ペガサス。アンタの力はこれから先も必要になるはずだ」
「城之内ボーイ…」
「城之内君…」
今や当たり前に存在するデュエルモンスターズのカード。
だがそれは1人の人間がこの世に創造したからこそ存在する。ペガサスがいなければデュエルモンスターズが生まれる事も無く、城之内と遊戯のつながりも今以上に育まれることも無かっただろう。
城之内は最大の敵であったペガサスに最大の感謝の言葉を送った。
「フフフ…そんな言葉…生まれて初めて言われました…。サンキュー城之内ボーイ…」
ペガサスは涙を隠すように顔を覆った。
遊戯は千年アイテムの力でペガサスに罰ゲームを与えることなく、その場を去った。
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―ペガサス城
莫大な賞金の小切手を貰い、ペガサス城を後にした一行。
「城之内、お前よくあれだけ苦しめられた相手に感謝の言葉なんて送れるよな」
「まあ、ペガサスだって色々苦しんでたんだ。その気持ちはわからなくはねえよ」
「アンタってどこまでもお人好しなんだね」
談笑している本田と城之内と舞。
「‥‥」
遊戯は言葉を発することなく黙っていた。
「遊戯…。どうしたのかしら」
「彼も千年アイテムに選ばれた人間だよ。一歩間違えれば自分もペガサスと同じ道を歩んでいたって考えているんじゃないかな~」
遅れて合流した獏良が遊戯の気持ちを察していた。
「ふうん…。あのペガサスが城之内ごときに負けるとはな…」
「海馬君!?」
「オレもいるぜ!」
「モクバ君! 元に戻ったんだね!」
しばらく歩くと海馬兄弟が現れる。
「ようやく凡骨デュエリストと言う所か」
「良く言うぜ、テメーはトーナメントで敗退したじゃねえか」
本田のごもっともな指摘に
「黙れ雑魚が! あれは遊戯に不覚を取ったに過ぎん。次は最大の力を持って貴様らを打ちのめしてくれるわ!」
「このヤロー! モクバが助かったのは城之内がペガサスに勝ったおかげだってのによ!」
「やめとけ本田。こんなあーいばこーいう奴に言っても時間の無駄だぜ」
「ふうん。城之内、貴様の強運がいつまでも続くと思わないことだ。貴様の様な凡骨は真の室力者の前では打ちのめされるのみ! それをいづれ証明してくれるわ!」
「海馬! 城之内君はもう立派なデュエリストだ!これ以上の侮辱はオレが許さないぜ!!」
「フハハハハハ! 笑わせるな遊戯! あの様な卑怯な手を使った雑魚がデュエリストだと!?」
遊戯と海馬がもめている時、2台の輸送ヘリが頭上に現れる。
「あれって…海馬コーポレーションのヘリ?」
「兄サマ! あれって…!」
「!? まさか神宮寺…!?」
ヘリの機体には「ZINGUUZI」と書かれており、遊戯達の目の前に降りてくる。
着陸すると、中からダークグレーのスーツを着た男・神宮寺和勝が出てくる。
「瀬人、バカンスの時間は終わりだ。貴様には今すぐ海馬コーポレーションに戻ってもらうぜ」
「くっ…」
(あの男、海馬を呼び捨てにしてやがる。海馬より地位がある奴なのか?)
「そこの方々。もしよければ私達が日本まで送ろうか? 瀬人が迷惑をかけただろう」
「五月蠅いぞ神宮寺!」
「黙れ瀬人」
「!!」
神宮寺和勝の睨みに海馬は黙り、モクバは震える。
「あの…海馬君の知り合いですか?」
「まあ、そういうものだ」
杏子の質問に神宮寺は優しく答える。
「私の調べたところによると、決闘王国の船は出航まで時間がかかるらしい。このヘリなら30分ほどで日本につくぞ」
「マジかよ!?」
「あの、アタシも乗ってっていいかしら!?」
「構わない。瀬人を迎えに来たついでだ」
「よかったーな遊戯。あの船に乗って帰りも何日もかかると思ってたしな」
「そうだね城之内君! 帰ったらボクとデュエルしようよ!」
「少し休ませてくれよー」
「もう1人のボクと城之内とのデュエル見てたらうずうずして来たんだ!」
遊戯と城之内はこれまでと変わりなく友達としてふるまっていた。
(城之内…。誰が何と言おうとアンタは私が認めたデュエリストだよ。次はアンタを倒す!)
舞は心の中で城之内へのリベンジを誓って言った。
『瀬人を確保した。すぐに海馬コーポレーションへ向かう』
『OK』
無線で和勝は彰次に連絡を取り、ヘリで日本へと向かった。
デュエリスト達の思いが交差した王国のデュエルは幕を閉じた。
(じゃあな、決闘王国…!)
―遊戯王☆DMT―転生したら城之内だった件― 『決闘王国編』完
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―数時間前・ペガサス城
「千年眼ゲットー!」
血にまみれたペガサスの前で千年眼をもった獏良に宿る闇人格が勝ち誇っていた。
「ククク…城之内が勝ちあがるとは予想外だったが…。これで千年アイテムを1つ獲得だぜ…! ハハハハハハハー!」
獏良に宿る闇人格が暗躍し、ペガサスから千年アイテムを奪っていた。
「‥‥」
物言わぬペガサスの前にレプリカの千年眼を置き、獏良はその後何食わぬ顔で主人格と入れ替わり遊戯と合流した。
彼との因縁が繋がるのも、そう遠く無い…。
その後ペガササスは、部下が発見したおかげで一命をとりとめた。
次回からバトルシティ編やろうかと検討しています。
間に色々挟もうかと思います。