遊戯王DMT―転生したら城之内だった件― 作:Laginera
「ねえ城之内君。暇ならボクとゲームしない?」
特徴的な髪型で身長が低く小学生と間違えられやすい見た目をした少年・武藤遊戯。
後に【名も無きファラオ】の魂を宿し数々の戦いを乗り越える定めを持っている。
「しねーよ。オレはゲーム得意じゃねーし」
「大丈夫だよ! ルールはボクが教えるし、初心者でもできる簡単ゲームを持っているしさ」
遊戯はそう言ってカバンから大量のゲームを取り出す。
「お前学校にゲームしに来ているのかよ…」
「だって1人だと出来ないゲームもあるんだ! 城之内君も一緒にやったら楽しいよ」
「悪いな。急用を思い出した」
城之内はそう言って教室を後にした。【城之内死す】を回避する手段として遊戯と関わらないようにするという方法を取ろうと距離を置いたが、なぜか遊戯から近づいてくるという事態になった。
「本田君に聞いたんだ。城之内君が隣玉校の人たちとケンカして、それで全員倒したって! そのせいで皆から怖がられて距離を置かれているんだって」
それを可哀そうに思い遊戯は城之内をゲームに誘おうとしたらしい。
(距離を置いたのが裏目に出るとは…)
どうやら遊戯とは友情と言う繋がりで避けられないらしい。城之内は仕方なく遊戯の誘いに乗り、軽くゲームをするくらいの中になった。
(しかももう千年パズルを完成させてるじゃねえか…)
遊戯は基本的に優しく、ゲームのうまい下手に関係なく誘ってくるので仕方のない事かと思った。だがそうすると別の問題が出てくる。
「城之内! あんた遊戯をイジめてるんじゃないでしょうね!」
初代遊戯王のヒロインにして遊戯の保護者的存在である真崎杏子が厳しく声をかける。
「別に、誘われたから一緒に遊んでやってるだけだっつの」
「杏子、城之内君は悪い人じゃないよ」
「何言ってんのよ! 城之内は昔少年院に補導されかけたほどのワルだったって聞いてるのよ! 遊戯もゲームしてくれるからって簡単に信用すんじゃないわよ!」
原作でも杏子の城之内に対する当たりの強さは異常だったが、あまり関わらない様にしていたので更に厳しく当たられるようになっている。
「それよりもさ! じーちゃんから新しいゲームを貰ってきたからみんなでやろうぜ」
と遊戯は鞄からカードの紙束を取り出す。
「これがデュエルモンスターズって奴か」
「へー。綺麗なカードもあるわね」
(デュエルモンスターズ…。この紙切れに多くの人間が運命を狂わされることになるなんて誰もわからないんだろうな)
早くも触れるようになったデュエルモンスターズに城之内は焦りを感じたが、とりあえず今は平穏な時間を楽しむことにした。
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―しばらくして
「オレは手札から〈マウンテン・ウォリアー〉を召喚!」
「ボクは〈デビル・ドラゴン〉を召喚!」
いつの間にか遊戯を中心にデュエルモンスターズをするようになっていた。
城之内は一応遊戯とデュエルするために適当にカードを買ってデッキを組んだ。
(こんなのに大金をかける奴の気が知れないぜ)
遊戯の実家のおもちゃ屋でデュエルモンスターズのパックを買ったものの、初期カードのパック故にステータスの低いカードしかない。しかもレアカードの封入率も低い。
そして1つ200円と高い。
『遊戯! これ強そうじゃない!?』
『杏子凄いよ! これ滅多に出ないカードなんだぜ』
「オレの負けだな」
「やったー! これで城之内君に10連勝だね!」
「城之内弱すぎー!」
「城之内は喧嘩の腕はたつがゲームはからっきしだからな」
「うるせえな」
遊戯を持ち上げる杏子と本田にイラっとしたが、たかがカードゲームの勝ち負けにこだわるほど子供にもなれなかった。
(こんな勝負よりオレは【城之内死す】を回避する方が大事なんだよ! デュエルモンスターズに関わった以上もう運命に逆らえねえのか…!?)
「遊戯、今度はオレとデュエルしてくれよ」
「いいよ本田君!」
「じゃあ城之内は私とね! 新しいカードの性能を試したいし」
「わかったよ」
カードゲームは好きじゃないが、こういった他愛のない平和な時間は好きかもしれないと思った城之内だった。
「フン…」
(なんてレベルの低いデュエルだ。まだ全国大会にでる小学生の方が強いな)
だが牙を剥くものが現れるのは遠くない未来である。