遊戯王DMT―転生したら城之内だった件― 作:Laginera
一方、時は城之内のデュエルが始まる前に遡る。
「あのー、良ければボクとデュエルしてくれない? ボクは〈デニス〉っていうんだけど…」
「君も参加者なのか?」
「はい! バトルシティが楽しみで2日前からここでパフォーマンスをしてたんだよ!」
グールズに入団した〈マック〉は本名のデニスを遊戯に名乗りデュエルしていた。
「ボクのターン、ドロー! 〈ドリーム・ピエロ〉を召喚!」
「オレのターン! 〈ブラック・マジシャン〉で攻撃!! 〈マーダーサーカス〉を撃破!」
遊戯はデニスとのデュエルで特に苦戦する事は無かった。
(なんだコイツ? あまりにも歯ごたえのないデュエリストだ…。本気でデュエルしているのか?)
違和感を覚えつつも遊戯はデュエルを優位に進めた。
「〈エルフの剣士〉で〈ジャグラー〉を攻撃! これでとどめだ!」
「うわあー負けた! でも楽しかったよー! サンキュー!」
「あ、ああ…」
デニスは遊戯にパズルカードとレアカードである〈パーフェクト機械王〉を渡した。
「やったわね遊戯! これで一歩前進よ!」
「杏子。ありがとう」
側で見ていた杏子は特に気にせず遊戯の勝利を称えた。
(もう1人のボク…。なんかこのデュエルおかしくないかな? デニスっていう人、まるで本気でデュエルしてない感じだったけど)
(ああ…だが単に格下と言うだけかもしれない。デッキに入っていた〈ドリーム・ピエロ〉や〈ジャグラー〉、それに〈マーダーサーカス〉。どれもどこにでもあるノーマルカードだ。ただレアカードの〈パーフェクト機械王〉は余りにミスマッチだがな…)
(そうだといいけど…)
「ボクはしばらく他のデュエルを観戦してから別の町にパフォーマンスに行くよ」
「へー。私もダンスをやるから趣味が合いそうね」
「ファンタスティック! いつかユーとセッションしたいね!」
「ふふ♪ そういうノリ、嫌いじゃないわ!」
杏子はデニスと気があっていた。
「そうそう! 遊戯君は〈ブラック・マジシャン〉使いだそうだけど、このバトルシティには他にも〈ブラック・マジシャン〉使いがいるって噂だよ! 何でもこの先のサーカス小屋にでるとか!」
「デュエリストがサーカス小屋に?」
「でもかなり強いからおすすめはしないよ! ボクでも勝てないかもしれないし!」
「大丈夫よ! 遊戯は決闘王国でペガサスを倒したことがあるんだから!」
「へー…でもそれって城之内ってデュエリストじゃ…」
「アイツ1人じゃ無理無理! 遊戯の力があって倒せたんだから」
(〈ブラック・マジシャン〉使い…)
城之内のデュエルを見届けた後、遊戯はその話が気になりサーカス小屋を調べに行くことにした。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
デニスは遊戯達と別れた後、電話ボックスを探してグールズに連絡した。
「〈マック〉です。予定通り遊戯に負けて発信機付き〈パーフェクト機械王〉を渡しました。これで奴の動きはグールズに筒抜けです」
『手際が良いな』
「それで、次のご指示は?」
『しばらく待て、【奇術師パンドラ】の結果次第だ。奴が勝てばそれでよし、負けた場合は〈プランツ〉のプランを使わせてもらう』
「了解しました」
デニスは電話を切り、ニヤリと笑みを浮かべた。
「思った以上に楽しめそうだ…。まあ、〈バトルシティ〉なんてどうでもいいけど♪」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
時は戻り、城之内は偶々居合わせたチャチャと合流しになり昼食をとっていた。
「牛丼初めて食べますけど美味しいですね」
「女が入る様な店じゃねーと思うけどな」
「克也さん、考え方が古いですよ!」
チャチャは牛丼を美味しそうに食べていた。
料金を払い牛丼チェーン店から出ると、青年が城之内に声をかける。
「城之内克也さんですね」
「誰だお前は?」
「ある方からメッセージを貰いましてね」
と言って城之内に手紙を渡した。
「その手紙を読まないと、あなたの大切な人がえらい目に合うかもしれませんよ」
「どういう意味だ?わかるように言え!」
「私が頼まれたのはここまでなので、それじゃあ」
青年はそう言って去っていった。
「何でしょうか一体?」
「開けて見てみるか」
城之内は手紙を開けて中身を読む。
『孔雀舞は預かった。
彼女を助けたければ1人で、地図に指定された場所に来い!』
「舞だと!」
同封された地図には丁寧に居場所が書かれていた。
「どうします? 明らかに罠ですよ」
「行くしかねえだろ。舞は決闘王国で戦った仲間だ」
「私も行きます! 克也さん1人しゃ心配です!」
「…だが手紙の送り主はオレ1人でと…」
「克也さんに勝手について来たのであれば約束を破った事にはなりません」
「とんだ屁理屈だね」
「こんな罠の匂いしかないところに1人じゃ生かせませんよ!」
こうしてチャチャと一緒に城之内は手紙の指定された場所に向かう。
その場所の隣には『Leoデュエルスクール』と掲げた看板の店と、その下に『DDM』と書かれた、ぼろくなった看板が置かれていた。
隣のビルはデュエルフィールドが置かれているビルだが、バトルシティが行われているにも関わらずデュエリストどころか誰もいなかった。
「不気味ですね」
「入るぞ…」
城之内は扉を開けて中に入る。
その瞬間暗闇から何かが放たれて城之内の額に当たる。
「いてっ‥」
床に転がるそれは一般販売されているサイコロだった。
「こんな場所にノコノコ来るなんて、マヌケな奴だな」
「城之内―!」
照明が光るとそこにはイスに繋がれて捕らわれている舞と、城之内に憎しみの目を向ける、サイコロのピアスをした青年が立っていた。
「お前は…」
「御伽龍児…君のせいで夢を奪われた男だ…!!」
御伽は更に2個のサイコロを城之内に投げる。
「痛っ!」
「痛いだろう。だがボクが受けた痛みと屈辱はこんなものじゃない!」
「なんだよ、どう言う事だ! わかるように説明しろ!!」
「五月蠅い! お前にはボクが味わった絶望と同じ苦しみを味合わせてやる!」
御伽龍児。
カードゲーム路線に原作が流れる中で【DDD】(アニメではDDM)、と言うサイコロゲーを使ったゲームのエキスパートとして登場したが、あまり人気を得られず『綺麗な背景』として説明役になった天才ゲーマーである。
原作は兎も角、アニメではしょうもない理由で遊戯に復讐しようとした哀しきキャラであり、なぜか城之内を巻き添えにした。
「城之内っ! こいつデュエルの腕もかなり立つわよ! 私じゃ太刀打ちできなかった…!」
「何…! 舞が負けたっていうのか!?」
舞が言うにはパズルカードを順調に集めて4枚ほど手に入れた所で彼が挑んできたが、成すすべなく負けたというのだ。
「あのペガサスが開催した大会に出たっていうから期待したんだけど、案外あっさり勝てて拍子抜けしたよ」
「オレらの事を良く調べているんだな」
「当然だろ? お前はボクから夢を奪った憎むべき敵だ」
「オレを憎むならオレに直接戦いを挑めばいいだろう! 舞は何も関係ねえ!」
「言っただろう、お前にはボクが味わった苦しみをそのまま味わってもらうと! 彼女は君のとって大切な存在なのだろう!」
「ふざけやがって…!」
「そんなの筋が通りません!」
そこにチャチャが割り込んでくる。
「1人で来いと言ったはずだが」
「克也さんは1人で来ました。私は勝手について来ただけです!」
「屁理屈を…」
「屁理屈でも理屈です!あなたが言っている事を同じですよ!」
「何だと!?」
「どうして克也さんを憎むのか知りませんが、関係の無い人を巻き込むのは筋が通らないです!」
「まあいい…城之内! ボクとデュエルしろ!」
御伽はデュエルディスクを取り出す。
「君が勝てばパズルカードはあげるよ。だけど負けたら二度とデュエルモンスターズをしない事を誓ってもらう!」
「何よそれ! そんなアンティ滅茶苦茶じゃない!」
「わかった。だがパズルカードはいらねえ。舞を解放しろ」
「ふん‥。まあいいだろう」
「城之内…!」
「克也さん…」
城之内もディスクにデッキを入れてデュエルの準備をする。
「デュエル!!」
「オレのターン、ドロー! 魔法カード〈天使の施し〉を施しを発動し、デッキからカードを3枚ドローし、その後2枚のカードを捨てる」
「いきなり手札交換とはずいぶん手が悪いんだね」
「オレはモンスターをセットし、カードを1枚伏せてターンエンドだ!」
城之内克也 LP:4000
手札:4
デッキ:31
墓地:2
除外:0
融合デッキ:1
モンスターゾーン:
セットモンスター1体
魔法・罠カード:
セットカード1枚
「手札交換をしておいてモンスター1体だして終わりか…。これがペガサスを倒したデュエリストのプレイングとは信じられないよ」
「随分とペガサスを崇拝しているんだな」
「彼はボクが出会った中でとても優れた人物だった! ボクのターン、ドロー! ボクも〈天使の施し〉を発動し、デッキから3枚ドローし、その後2枚のカードを捨てる」
「何かと思えば城之内のマネじゃない!」
散々城之内を侮辱した割には同じカードを使ったので舞は文句を言う。
「そいつと一緒にするな! カードも優れたものが使えばそんなみみっちい動きはしない! 魔法カード〈サモン・ダイス〉を発動! ライフ1000を払いサイコロを振る。出た目によってその効果を変える!」
御伽龍児 LP:4000-1000=3000
〈サモン・ダイス〉:3
「出目は3! よって墓地のモンスターを特殊召喚する! 出でよ〈パーフェクト機械王〉!!」
〈パーフェクト機械王〉☆8 攻撃力2700 守備力1500
「墓地から上級モンスターを…!」
「更に手札から〈超時空戦闘機ビッグ・バイパー〉を召喚!」
〈超時空戦闘機ビッグ・バイパー〉☆4 攻撃力1200 守備力800
「機械族の数が増えた事で〈パーフェクト機械王〉の攻撃力が上昇する!」
パーフェクト機械王〉 攻撃力2700→3200
「あのカードは自身以外の機械族1体につき攻撃力を500アップさせるモンスター…! 城之内の壁モンスター1体では防ぎきれない…!」
「いや、このターンで終わるかもな。ボクは手札から装備魔法〈サイクロン・レーザー〉を〈ビッグ・バイパー〉に装備! 攻撃力が300上がり、〈ビッグ・バイパー〉に攻撃力が守備力を超えた分戦闘ダメージを与える、貫通能力を与える!」
〈超時空戦闘機ビッグ・バイパー〉攻撃力1200→1500
「バトルだ!〈ビッグ・バイパー〉でセットモンスターを攻撃、更にダメージ計算時に速攻魔法〈リミッター解除〉を発動! 場の全ての機械族の攻撃力を2倍にする!」
「攻撃力2倍だと!?」
〈パーフェクト機械王〉攻撃力3200→6400
〈超時空戦闘機ビッグ・バイパー〉攻撃力1500→3000
「このターンで終わりだ! 城之内!!」
〈ビッグ・バイパー〉のレーザー攻撃が城之内に襲い掛かる。
パーフェクト機械王が二度出てるけど、御伽とデニスに特に関係はありません。