遊戯王DMT―転生したら城之内だった件― 作:Laginera
遊戯と杏子のデュエルは、杏子のデッキが0によりドローが出来なくなったので敗北。
〈オシリスの天空竜〉は消滅した。
『くっ…女、貴様がボクに逆らうからこんな事に…』
「マリク、このデュエルに勝者はいない。だけど敗者が1人いる」
『何!?』
「それは君だ、マリク!」
『くっ…』
「君は杏子を使いもう1人のボクにゆさぶりをかけて自分が優位のデュエルを進めようとした。だけど正々堂々のデュエルなら君はもう1人のボクの足元にも及ばない! 例え神のカードを所持していたとしてもだ!!」
『…器如きが生意気な…! 遊戯、名も無きファラオだけじゃない! 君もボクの手で必ず復讐を遂げてやる!!』
杏子からマリクの意識がなくなり、杏子は倒れた。
「杏子!」
遊戯と杏子のデュエルにグールズのメンバーも気を取られており、その隙を城之内は見逃さなかった。
「モクバ、目を閉じろ! 喰らえ!」
懐に忍ばせていた缶コーラの蓋を開けてグールズの眼に向けて発射する。
「ぐわあああー! 目が-!!」
「散々きたねえことしやがってこのヤロー!!」
「でかしたわ城之内!」
「覚悟しろブタ共! モクバを連れ去った罪、貴様らの血で償わせてくれるわ!!」
グールズのメンバーは全員倒され、その後遊戯と杏子の足かせを、鍵が入っている箱を壊して開けて解いた。
「遊戯、こいつはお前のカードだぜ!」
モクバは遊戯に〈オシリス〉を渡した。
「〈オシリスの天空竜〉…!」
「ふうん、神は常にふさわしい持ち主の手に渡るものだ。もう1人の遊戯に伝えておけ、このオレが神を持つ貴様を必ず倒してやるとな」
「海馬君…もう1人のボクも、ボク自身も負けないよ!」
「遊戯…、舞さん、城之内…私…」
「杏子、お前は何も悪くねえ」
「そうよ、全部グールズのマリクって奴が…」
「舞さん…城之内…、デニスが…遊戯と一緒に探していた時に襲われて…」
「なんだデニスって…?」
城之内が聞こうとした所。
「感動の茶番はここまでだ」
「この方がお前を倒すぞ城之内」
そこに現れたのはグールズの装束を身に着けた、かつて王国で戦ったバンデット・キースと、元海馬コーポレーションの社員で、野心の為にインダストリアル・イリュージョン社に寝返った、猿渡だった。
「猿渡! バンデット・キース!」
「城之内、貴様にプレゼントだ」
そう言って猿渡は連れの部下によって拘束された本田を地面に転がした。
「ぐううっ…!」
「本田! てめえ、何しやがる!」
「少し暴れたんで大人しくさせたんだ」
「お、お兄ちゃん」
「静香!!」
更に、目に包帯を巻かれた静香がグールズによって連れてこられ、猿渡の元に渡される。
「す、すまねえ城之内。お前を喜ばせたくて静香ちゃんをこっそり連れて来たんだ…! だけどこっちに来たらグールズの奴らに…! オレは最後まで抵抗したが…静香ちゃんを盾にされて‥‥!」
「本田…」
「おっと勝手な事をするなよ。そうしたら折角治った目が今度は永遠に見えなくなるかもしれないぜ?」
「猿渡…! 静香を離せ! 静香は何も関係ないだろ!」
「そうはいかない。この女はオレ達の生命線だ。なあキースさん」
「んなことはどうでもいい。城之内、オレとデュエルしろ! お前の持っているパズルカードとオレのパズルカードを全て賭けてな」
「ああ? だったら正々堂々いどみゃいいだろ! 元とは言え全米チャンプだったお前がなんでグールズの連中みたいな汚い真似をする!?」
「オレがそのグールズなんだよ、そこの猿渡と同様、お前に復讐するためにな!」
「何だと!?」
「城之内…お前のおかげでオレは地獄の底に落とされたんだ…!」
猿渡はペガサスと城之内の戦いの後、神宮寺により海馬コーポレーションを裏切り情報を売り渡した罪により日本への強制送還、全てのキャリアを失い、猿渡は神宮寺傘下の企業の末端にある工場に労働者とされてしまった。
いずれ華やかな生活を思い、ペガサスの元にいた時とは雲泥の差。
インダストリアル・イリュージョン社に戻ろうとかつてのコネを使っても、
『城之内と戦った後、ペガサス様がああなったのはお前が無能だったせいだ!』
とペガサス襲撃の責任を問われ、完全に縁が絶たれた。
その恨みが集い、ペガサスを倒した城之内を逆恨みするようになった。
(そもそもあのガキがきたせいでオレは‥‥!)
その憎悪はやがてグールズを呼び寄せ、彼はグールズのメンバーとしてマリクの手下になった。そして同じく城之内に恨みを持つバンデット・キースと手を組んだのだ。
キースは王国からペガサスによって追放された後、アメリカに戻れず日本に浮浪者として生きていた。そして自分の復讐したい相手であるペガサスが城之内によって倒されていたことを知り、再び憎悪によって起ちあがる。そしてペガサスに変わり、城之内を倒してデュエリストとしてのプライドを取りもどすためにグールズのメンバーとなったのだ。
「城之内…! テメーはオレがぶっ潰すはずのペガサスを倒しやがった! ペガサスはテメーとのデュエルの後、意識不明の重体でいつ回復するかもわからねえらしい。オレが奴に復讐するチャンスは永遠に失われたんだ! だからテメーを潰す! テメーを倒してバンデット・キースのデュエリストとしてのプライドを取り戻すんだよ! パズルカードは全賭けだ…! バトルシティか何だか知らないがレベルの低い参加者共だったぜ」
バンデット・キースは3枚のパズルカードを城之内に見せる。
「バンデット・キース…。落ちる所まで落ちやがったな。だけどオレにデュエルを挑みたいなら正々堂々とデュエルをしてくりゃいいじゃねーか!! 何も関係ねえ静香と本田を人質にして、御伽の野郎を巻き込んでまでする事なのか!?」
城之内は御伽と別れる前に誰がペガサスを倒したことを話していたのか聞いていた。御伽は『バンデット・キース』であることを話していた。
「笑わせんじゃねー! そんな事で取り戻せるプライドなんてありゃしねーんだよ! テメーはとっくにデュエリストのプライドすら失っちまった見てーだな!!」
「ほざいてな! デュエルをしないのならオメーの妹と友人がサメのエサになるだけだ!」
「言っておくがこいつは実弾入りだ」
猿渡が上に銃弾を放つ。そして銃の先端を静香の口に押し付ける。
「やめろー!!」
「どーだ、目が見えなくても恐怖だろう? 匂いと熱は伝わるから余計に怖いだろ!?」
「お、お兄ちゃん…!」
拳銃の熱と硝煙の匂いに静香は恐怖で震え、包帯を涙で滲ませる。
「キースめ…! 城之内君…!!」
「アンタ! 子共を人質にとって恥ずかしくないの!?」
「うるせえ! どんな手を使おうとオレは勝つんだ!」
「ハイエナめ…!」
「キース…! テメーはオレが倒す…!!」
「ほざけ城之内! オレがお前を地獄に叩き落としてやる!」
こうして城之内とキースのデュエルが始まった。
「デュエル!!」
「オレのターン、ドロー! モンスターとカードを1枚ずつセットしてターンエンドだ!」
城之内克也 LP:4000
手札:4
デッキ:34
墓地:0
除外:0
融合デッキ:1
モンスターゾーン:
セットモンスター1体
魔法・罠ゾーン:
セットカード1枚
「城之内君は冷静だ…。キースの手を見るために守勢から始めている」
「おそらくキースはグールズから強力なレアカードを得て強化されているはずだ」
「そんな逃げ腰で妹を救えるのかあ!? オレのターン、ドロー! 〈メカ・ハンター〉を召喚!!」
〈メカ・ハンター〉 ☆4 攻撃力1850 守備力800
「こいつでテメーのモンスターを…!」
「おっと、オメーのモンスターの召喚に罠カード〈落とし穴〉を発動! 攻撃力1000以上のモンスターが召喚された時発動! そのモンスターを破壊する!」
〈メカ・ハンター〉の真下に穴が開き、そこに落とされて破壊された。
「くそ…! カードを1枚伏せてターンエンドだ!」
キース・ハワード LP:4000
手札:4
デッキ:34
墓地:1
除外:0
融合デッキ:0
モンスターゾーン:無し
魔法・罠ゾーン:
セットカード1枚
(この伏せカードは攻撃モンスターを全て破壊する〈聖なるバリアーミラーフォースー〉!! 奴がモンスターを展開し、攻撃してきたら全滅させてやるぜ!)
「オレのターン、ドロー! 魔法カード〈天使の施し〉! デッキからカードを3枚引き2枚の手札を捨てる。セットモンスター、〈格闘戦士アルティメーター〉を生け贄にし、〈人造人間―サイコ・ショッカー〉を召喚!」
〈人造人間―サイコ・ショッカー〉☆6 攻撃力2400 守備力1500
「〈サイコ・ショッカー〉だと!?」
「こいつがいる限り、罠カードの効果は無効になり、罠カードは発動できない!」
(このガキ! こんなレアカードをもってやがったのか…!)
「更に装備魔法〈早すぎた埋葬〉を発動! ライフを800払い、墓地のモンスターを特殊召喚し、このカードを装備する! いでよ〈真紅眼の黒竜〉!!」
城之内克也 LP:4000-800=3200
〈真紅眼の黒竜〉☆7 攻撃力2400 守備力2000
「〈真紅眼〉! 〈天使の施し〉で墓地に送ったのね! 〈早すぎた埋葬〉で蘇生させるために!」
「しかもキースの場にモンスターはいない。あの伏せカードは恐らく攻撃から身を守る罠カードのはず! これで城之内君のワンショットキルが達成だ!!」
「バトルフェイズ! 〈サイコ・ショッカー〉でダイレクトアタック! サイバー・エナジー・ショック!!」
「うわああああああああー!!」
バンデット・キースLP:4000-2400=1600
「あっけねえ幕切れだったな! 〈真紅眼〉でダイレクトアタック!」
「くっ…!」
「黒炎…」
〈真紅眼〉の攻撃の直前に銃声が鳴り響く。
「城之内! こっちには人質がいる! そのことを忘れてはいねーか!! 今キースを攻撃したらお前の妹を撃つ!!」
「何!?」
「攻撃をやめろ! じゃなきゃこのガキの頭をぶち抜くぞ!!」
「猿渡…テメエ…!!」
「脅しじゃねーぞ! オレはこれでも元海馬コーポレーションにいたんだ。そこの社長の方針で銃で人を撃つ技術も心ももち撃合わせてるんだぜ!! こんなガキ1人バラす位屁でもねー!!」
「ひっ…!」
「やめろー! 頼む…やめてくれ…!! 静香はやっと光を取り戻したんだ…! オ、オレはカードを1枚伏せてターンエンドだ…!」
城之内克也 LP:3200
手札:3
デッキ:30
墓地:4
除外:0
融合デッキ:1
モンスターゾーン:
〈真紅眼の黒竜〉攻撃力2400
〈人造人間―サイコ・ショッカー〉攻撃力2400
魔法・罠カード
〈早すぎた埋葬〉 対象:〈真紅眼の黒竜〉
セットカード1枚
「〈真紅眼〉の一撃が決まれば城之内の勝ちだったのに…!」
「猿渡…ブタ以下の畜生に成り下がったか…!!」
「城之内君…!」
静香と言う人質で猿渡が城之内に枷を作り、勝利と言う希望を奪う。
キースは不敵な笑みを浮かべ反撃を開始する。