遊戯王DMT―転生したら城之内だった件―   作:Laginera

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第48話「チャチャの秘密」

城之内vsマリクの戦いは、新たな切り札ギルティギア・フリードによって決まった。

マリクは戦意を失いその場に倒れ込んでしまった。

 

「勝者! 城之内克也!!」

 

「うおっしゃああああああー!!」

「城之内君!」

「やったわね城之内!」

 

(オレは生き残ったぞー! もう後の試合は流れで何だっていい! オレは〈城之内死す〉を超えたんだ!!)

 

死亡フラグを乗り切り心の中で歓喜する城之内。

 

「ふん、不本意だが勝った以上貴様が受け取らねばなるまい」

「ああ?」

 

海馬からマリクのデッキから抜き取った〈ラーの翼神竜〉を受け取る。

 

「つかの間の勝利の余韻に浸るがいい。すぐにそのカードはオレの手元に来るのだからな」

「はあ…」

 

〈ラー〉のカードを見てみるが、テキスト譚はまるで読めない。

 

(と言うか使えないんじゃマジでデッキに入れる意味ねーじゃねーか…)

 

考え事をしていると、2台のヘリがバトルシップに近づいてくる。

 

「あれは…! 王国で見たヘリと同じだ!」

「神宮寺…!」

 

神宮寺のヘリが1台デュエルフィールドに降りてくる。

 

「マリク・イシュタール! 窃盗並びに組織犯罪の余罪で貴様を逮捕する!」

「テメーの悪事もここまでだ。人の国で好き放題しやがって」

 

ヘリから警察と神宮寺和勝、彰次、そしてイシズ・イシュタールが現れる。

 

「ね、姉さん…!」

「マリク。共に罪を償いましょう」

「ふざけるな…! リシドは…リシドを売ったのか!?」

「リシドは最後まであなたの事を話しませんでした。今は拘置所にいます。マリク、姉としてあなたの蛮行をこれ以上見過ごせません。後は私に任せて、あなたは行きなさい」

「くっ…姉さん!」

「大人しくしろ!」

 

イシズはマリクから千年ロッドを預かり、マリクは手錠に掛けられ拘束され、ヘリに乗せられた。

 

「神宮寺…!これは一体何のつもりだ!」

「テメーの娯楽を邪魔するつもりはねえ。日本の経済を脅かす犯罪者の確保しに来た。それと…」

 

彼はチャチャの方を見る。

 

「チャチャの応援にな…」

「兄上…」

 

「あ、兄上!?」

「一体どういうことだ!? わかるように説明しろ」

「わかったって。カズ、これ以上瀬人に隠すことも無いだろ」

「ああ‥」

 

「イシズさん…」

「遊戯、マリクの数々の無礼、私が代わりに謝罪します」

「イシズさんは何も悪くないよ」

「ですから私がマリクに変わり、この戦いを見届けに来ました」

 

話を聞くために全員パーティーホールに向かった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――― 

―バトルシップ・パーティー会場

 

警察にマリクの護送を任せて、イシズと神宮寺達が残った。

遊戯達に神宮寺一派についての説明が入り、チャチャについての話が始まる。

 

 

「まあまあの酒だな。まず、チャチャの名前は偽名を含めて3つある」

 

ウイスキーをショットグラスで飲み、和勝は始める。

 

「普段使用するための名前、〈チャチャ・ランペルージ〉」

「ええ、聞いたことあるわ。全米チャンプの名前だし…」

「そして日本名〈神宮寺茶々丸(じんぐうじ ちゃちゃまる)〉。彼女はオレやアキと同じ神宮寺家の人間だ」

「何だと…! だが貴様には弟しか兄弟がいないはずだ!」

「順を追って説明するから待ってろ。そしてアメリカでの名前〈チャチャ・テスタロッサ〉。 だがチャチャは迂闊に本名で社会に生活できない。だからオレは神宮寺の力をつかってチャチャに戸籍と名前を与えた。〈チャチャ・ランペルージ〉と言う名前をな」

「神宮寺さん、どうしてチャチャは本名で生活できないんだ?」

 

城之内は素朴な疑問を訪ねる。

 

「チャチャのせいじゃねえ。親が色々と面倒なんだよ」

「親?」

「兄上、私から言うので大丈夫です」

 

チャチャはそう言って呟く。

 

「私の父は兄上の祖父である『神宮寺鉄平』、そして母は元ハリウッド女優『ベルセリーナ・テスタロッサ』なんです」

「べ、ベルセリーナですって!?」

「杏子、知っているの?」

「当り前よ! 元ダンサーでそれからハリウッド女優になった人よ。若くして病死して〈悲劇の女優〉って言われてて…」

「ちょっと、杏子!」

「あ、ゴメンなさい!」

「大丈夫ですよ。母が死んだのは私が幼い頃であまり記憶も無いので…」

 

チャチャは気にしないでと杏子に言った。

 

「オレがチャチャを知ったのは鉄平が病床に伏して、寿命も近いということで周辺と遺産整理をしていた時だった。アメリカに神宮寺の血を引いたものがいると知り、急いでオレは彰次と調べ上げた。すると、クソジジイが子供を外国で作っていたことに気づいたんだ」

「神宮寺鉄平は妻を亡くしてから寂しさで女遊びをしていたとは聞いていたが…。まさか外国までとは思っていなかった。オレとカズはアメリカに渡り、当時10歳だったチャチャを保護して神宮寺の庇護の元、彼女が困らない様にしてあげたのさ」

「ふん、神宮寺鉄平は国会で幹事長も務めていたという政治家だ。隠し子がいたとなればマスコミも黙っておるまい。貴様らに恨みを持つ者にもな」

「瀬人、チャチャに手を出すことは神宮寺に弓を引くという行為に等しい。それをここで言っておくからな」

「ふん…」

 

「でも、テスタロッサ…アメリカの家族は…」

「テスタロッサ家はアメリカの不動産王だった。だがベルセリーナの父、ジョセフが死に親戚に遺産は食い荒らされ、ほんの一部が直系のチャチャに相続された。といっても250万ドル程度のモノだがな。親戚も日本との混血であるチャチャを受け入れる者はいなく、チャチャはベルセリーナの友人に預けられていた」

「そんな…」

 

「アキ、覚えているか…。チャチャと出会った日を…こいつはテスタロッサから受け継いだ僅かな遺産すら奪うために薄汚いマフィアに襲われていたのをよ」

「ああ…オレ達がチャチャを探していたら、彼女はナイフを持って怯えていた」

 

酒が回り和勝は話を進めていく。

 

「たった10才位のガキがだぜ? 受け継いだ血と金と権力なんてくだらないモノの為に人生を翻弄されちまって…! オレはよお…! 初めてあのクソジジイに憎しみがわいたぜ! テメーの勝手で作ったガキが何の罪もねえのに、苦しまなきゃならねえんだってよお!!」

「兄上…」

「チャチャは何も悪くねえ…! 悪いのは神宮寺と、ガキすら食い物にする汚ねえクズ共だ! …神宮寺の失態は神宮寺がケツを拭く…。オレはぜってえチャチャを幸せにするって決めたんだよ…!」

「オイオイ酒に弱いのに飲んじまうから…」

「弱いのかよ!」

 

彰次が肩を貸してバトルシップの空き部屋に連れて行った。

 

「…克也さん。私は兄上、いえ、多くの人のおかげで今生きています。だけど私はどうして自分が生きているのか、何のために生きているのかわからなくなる時があるんです」

「…」

「だけどデュエルをしている時はそれを忘れられるんです。神宮寺でもテスタロッサでもない。『チャチャ』としての自分でいれるって…」

「オレはあまり頭がいい方じゃねえし、うまい言葉は言えねえ。だけどチャチャ」

 

城之内はチャチャに精一杯の優しさを向ける。

 

「生きているってだけで人は価値がある。生まれたことにはきっと意味がある。もし苦しかったら逃げたって良い。だけど自分の価値がないなんて決めつけちゃいけねえ。今のオレには悪いがこれくらいしか言えねえ」

「克也さん…」

「少なくともオレはチャチャと出会ったことを後悔してないぜ?」

「えへへ…♪」

 

「…」

「杏子、舞さんが凄い怖い顔しているけど…」

「あいつ…意外と無自覚タラシなのね…」

 

 

 

 

 

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