遊戯王DMT―転生したら城之内だった件―   作:Laginera

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第58話「閑話:理不尽な世界の底で…」

ダイナソー竜崎はどん底におちぶれていた。

関西のカードショップは、デュエルギャング【千石ジャガーズ】の縄張りとなっており誰もデュエルをしてくれなかった。かれらは千石の命令で弱いデュエリストを店からつまみ出し、自分達の縄張りで勝手にデュエルすることを許さなかった。

 

「もうお前がデュエル出来る場所なんかないんや!」

「諦めて善良な学生生活をしたらどうや!?」

 

デュエルをしても千石のデュエル指導を受けた【千石ジャガーズ】は下っ端も強くダイナソー竜崎では太刀打ちできなかった。

 

「何でこうなったんや…! 〈真紅眼〉を失ってからワイは全部が上手くいかん…! 全部城之内のせいや! アイツに負けてからワシは何やっても上手くいかん! アイツがワイから全部奪ってたんや…! 〈真紅眼〉…! 〈真紅眼〉さえあればワシはもう一度…!」

 

と城之内への恨み節へを嘆いていた所

 

「お前ワシらのシマで何やってるんや!」

 

3人の【千石ジャガーズ】のメンバーが現れた。

 

「こいつ竜崎やで! まだ懲りてなかったんかいな!」

「雑魚がウチのシマに入るなと何度言えばわかるんや!」

「うっさいわ! 〈真紅眼〉さえ取り戻せばワシはもう一度やり直せるんや!」

「じゃかしいわい! お前がレアカード持っても雑魚は雑魚のままや! もうデュエルするのも面倒やから力づくで追い出したるわい!」

 

竜崎が殴られるその瞬間、

 

「やめなよ君達」

 

彼らを止める小柄な男が現れた。

 

「なんやお前、竜崎の仲間かいな?」

「そういうわけじゃないけど。だけど多人数で1人をいたぶるなんて卑怯じゃないかな?」

「じゃかしいわ! これは制裁や! 弱いくせにオレらの縄張りに入る奴がわるいんじゃ!」

「…話しても無駄のようだね。チンピラみたいだけど、君はデュエリストかな? ボクが勝ったら彼を見逃してあげてよ」

「ほお…チビの癖にええ度胸しとるやないか! ならお前が負けたらオレらの犬になってもらうで! オレらは千石さんの指導を受け取るんや! そこらの雑魚と一緒にすんなや!」

「へー…それは楽しみだね」

 

(なんやこいつ…。笑っとるけど不気味やわ…。まるで怒りと悲しみの上にお面付けてるみたいやこのメガネ…)

 

千石ジャガーズのメンバーの男と、チビと呼ばれた少年のデュエルは始まってすぐに決着がついた。

 

「なんや! あのチビが使うカードどれも見たことないで!?」

「しかもなんやねん! あんな召喚見たことないで…!」

「こんなアホな…!」

 

「ボクのターンで全モンスターで攻撃!」

「ぎゃあああああーーー!!」

 

少年は返しのターンにワンショットキルを決めて、メンバーの男を倒した。

 

「バカな…! オレが負けたやと」

「じゃあもう君達は消えちゃってよ。ボクは君達みたいないじめっ子は大嫌いなんだ」

「な、なにすんねん!」

「大丈夫、君らの命は【デュエル・アカデミア】の崇高なる理想の礎になるんだ」

「うわあああああー!!」

 

少年がデュエルディスクを掲げ、ボタンを押すと3人はカードになってしまった。

 

「お。お前は一体…!?」

「ボクは通りすがりのデュエリストだよ」

「…お前強いなあ…。それになんやねんあのカードは…! ワイあんなカード見たことないで…」

「まあ、この次元は低レベルだからまだ発展してないんだね」

「次元やと…」

「こっちの話だよ。でもどうして彼らにいじめられてたんだい?」

「…城之内や…全部城之内のせいや! アイツがワイから〈真紅眼〉を奪ったせいでワイはこんな目におってるんや! アイツらはワイが弱い言うてカードショップにすら入らせてくれんのや!! ワイも力が欲しい! そして城之内を負け犬としてワイの前に跪づかせるんや!」

「君は…弱いせいでこんな事に…」

 

少年は泣きそうな顔でダイナソー竜崎を見る。

 

「絆だとか、リスペクトだとか、そんなのは結局綺麗事なんだよね。デュエルモンスターズは結局強者だけが評価される。弱者はどんな目にあっても文句を言えない。ボクもそうだった。兄より弱いと言うだけで虐められ、辱めを受けた。だからボクは誓ったんだ。ボクが、ボク達アカデミアが最強となって誰もが笑顔に暮らせる世界を作るって」

「誰もが…笑顔やと」

「デュエルモンスターズが発展すれば必ず格差が生まれて、誰かがその不満をぶつけられることになる。上に昇るより、下を潰す方が楽だからね」

 

彼はダイナソー竜崎に手を伸ばす。

 

「ボク達アカデミアは戦力を欲している。君の世の中への憎しみ、城之内への憎しみを力に変えるんだ。ボクが手伝ってあげるよ」

「ワイを強くしてくれるんか…!」

「うん、ボクも強くなれたんだ。君だって強くなれるよ」

「わかった…! ワシはお前についていく!」

 

ダイナソー竜崎は彼の手を握った。

 

「ところで、お前…名前は?」

 

メガネの少年は名前を告げる。

 

「ボクは【丸藤翔】っス」

 

 

その日からダイナソー竜崎は行方不明となった。

彼は城之内が見た未来にて再び現れる事になる。

復讐と言う闇を力に変えて。

 

 

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