遊戯王DMT―転生したら城之内だった件― 作:Laginera
実際あの世界のカードの価格ってどんな感じだろうと思って書きました。
決闘王国に行くまでの期間。
いまある紙束デッキを強化するにはカードを買うしかなかった。
箱買いが出来る童実野町のカードゲーム屋になけなしの貯金を下ろして向かった。
(とにかく安くて強いシングルカードを買うんだ。カードパックは箱で買うとして…!)
前世にカードの紹介動画見た事を何となく思い出していた。
【真紅眼】が10万円もする様な世界でモンスターを単品購入するのは無謀過ぎる。ならばモンスターを強化する魔法や妨害カード、ノーマルでも強力なカードを集めるしかなかった。
幸いにも装備カードは安く手に入った。
戦士族専用の装備魔法〈伝説の剣〉。1枚30円くらいだったので3枚購入した。後は〈落とし穴〉や〈援軍〉、手札増強カードの〈強欲な壺〉、そしてモンスターカード〈レオグン〉を手に入れた。
(できるだけ強力なカードは3枚投入しよう…! ピン刺しグッドスタッフだともし破壊されたり捨てられたらすぐに立て直すことが出来ないしな)
原作同様、戦士・騎士・重戦士族で構築しモンスターのステータス強化魔法カード、相手の攻撃を待ち伏せしながら勝利の機会を待つのが理想的だろう。
「毎度あり~」
1パック250円で30パック入りの最新ボックスを購入した。
(これ一つで7500円…。とりあえず開けて戦力になりそうなカードをデッキに入れるか)
初期のパックと言う事もあってレアカード封入率は低い物の、〈アックス・レイダー〉や〈炎の剣士〉、〈モノマネ幻想師〉、〈幻想師タオ〉、〈海原の女戦士〉、〈ブルーポーション〉と戦力になる強力なカードが手に入った。
そして最後のパックを開ける。
(こいつは…)
最後のパックに入っていたのは〈メテオ・ドラゴン〉、〈痛み分け〉、〈城壁〉、〈バーバリアン2号〉、そして〈火炎地獄〉のカード
「これ行けるんじゃねーか…!?」
最後に強力なカードが手に入り城之内のデッキは大幅に強化された。というか原作では城之内はデュエリスト達のバランサー的な役割があるので状況によって強化デバフが入ったりナーフされたりするキャラだ。それ故に強さが安定しないのである。
(だがここまで来たら原作知識をいかしてとことんやってやる。結局参加しなきゃいけねえわけだし)
デッキの調整をして店を去ろうとしたところ。
「子供相手に駄目じゃないですか!」
店の外から女性の声がしたので出てみると、子供2人を庇いながら女性がガラの悪そうな男3人に立ち向かっている。
「うるせーな。そんなガキどもよりオレ達の方がレアカードを活かせるんだから貰ってやろうってんだろうが」
「つーかあんた結構きれいじゃん。よかったら俺達と遊ばない?」
下卑た男が手を伸ばそうとしたところ、女性は逆に張り手で男を追い払った。
パアンッ!
「ぐああえっ!?」
「二度は言いません。子供達にカードを返してあげてください」
彼女は翡翠色の瞳で男達を強く睨む。
「てめえ、こっちが大人しくしていりゃいい気になりやがって…!」
男の1人がナイフを取り出して構える。
「その綺麗な顔に傷を付けたくなけりゃ早くカードを渡せ…!」
「…」
両者一歩も引かぬまま争いはおさまらなくなっていく。
「仕方ねえなあ…」
面倒ながらも城之内は男達に声をかける。
「おい、女相手に3人がかりとか恥ずかしくねーのか?」
「ああ!? 何だてめえは」
「そんなに欲しけりゃレアカードくれてやるよ」
「何!?」
城之内はカードを渡す。
「レアカードレアカード!」
〈偽物の罠〉ペラッ
「テメエ! ただのクズカードじゃねえか!」
「ああそうだ!てめえらにはそのスカのカードがお似合いだよ!」
「ぐはっ!」
隙をついた城之内は男を独り殴り飛ばし気絶させる。
「貴様!」
「オラア!!」
リアルファイト適正120パーセントの城之内がチンピラ相手に負けるわけもなく瞬殺した。
「くそ! 覚えていろ!!」
「知らねーよ! オレは物覚えが悪いからな!」
気絶した男を担いでチンピラたちは消えた。
「だ、大丈夫ですか!」
「あんたこそ」
「いえ、私はただああいう輩が許せないだけで」
「オレも理由は同じだ。この町は意外とああいう奴らが多いから気を付けろよ」
「あ、待ってください!」
子供達を帰して、女性に城之内は喧嘩で出来た傷を治してもらった。
「こんくれー唾つけりゃ治るよ」
「駄目ですよ。痕が残ります」
彼女は見た目はふんわりした感じだが芯の強い女性だった。
「あの、私はチャチャって言います。この町に来たのは久しぶりで」
「チャチャ?」
「あっはい。いつもそういう反応されるんです。この見た目と名前が合ってませんよね?」
チャチャの見た目は金髪に長身で、遊戯王女性キャラ特有の胸のでかさをしていた。
「いや、悪くないと思うぜ」
「ありがとうございます。母が、日本が好きだからって日本人っぽい名前を私につけてくれたんです」
「大分古風だと思うけどな」
「そうですよね。だけど今はこの名前が気に入っています。母からもらった大事な名前ですので」
そう微笑む彼女の笑顔は純粋で、癒された。
「そうか…。大切にしろよ」
「ところであなたは?」
「オレは城之内だ」
「デュエルモンスターズが好きなんですか?」
「いや、まあちょっと大会にでるからデッキの強化カードを探しに」
「その、お礼と言っては何ですが、このカードを良ければ」
と言ってチャチャが出したのは〈女剣士カナン〉のカードだった。
「私もデュエルモンスターズが好きでこういう女性系や可愛いカードを使うのが好きなんです」
「いいのか?」
「はい。何枚か持っているので良ければ」
「ありがてえ! 恩に着るぜチャチャ!」
「ひゃい!?」
名前を呼ばれてチャチャは頬を赤らめてびくっとする。
「じゃあな!」
(よっしゃー! 〈女剣士カナン〉は戦士系のカードだからデッキを強化できるぜ!)
城之内は意気揚々に駆けていった。
「城之内さん…♡」
彼女が頬けていると。
「…お嬢様、お向かいに上がりました」
「菊池さん」
「アメリカ留学の準備が出来ました、お兄様がたもお待ちしております」
「はい。といっても一か月ほどですよね」
「まあ、【神宮寺】の人間としてお兄様方も貴女の事を考えているのです。最高の環境で学んで欲しいとのことです。それにアメリカはあなたの第2の故郷ですので…」
「ありがとうございます」
リムジンに乗り、チャチャは店の前から去った。
オリキャラを今回出しました。