遊戯王DMT―転生したら城之内だった件―   作:Laginera

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王国編では、「時の魔術師」、「墓荒らし」、「モノマネ幻想師」を原作効果として使用します。


第8話「炸裂!火炎地獄!!」

第8話「炸裂!火炎地獄!!」

 

決闘王国の第1戦。

城之内の相手は全日本チャンピオンのインセクター羽蛾だった。

 

持っているカードの強さも経験も桁違いの相手。

だが城之内にステータスを上げるインセクトコンボの盲点を突かれ反撃を喰らう。

 

ライフを大きく削られた羽蛾は動揺を隠せずにいた。

 

「オ、オレはこれでターンエンドだ」

 

インセクター羽蛾 LP:600

手札:3

デッキ:33

墓地:3

除外:0

融合デッキ:1

 

モンスターゾーン:

〈ゴキボール〉攻撃力1400

 

魔法・罠なし

 

 

「やったぜ! 城之内の奴奇跡を起こしやがった!!」

「全日本チャンピオン相手に先制ダメージよ!」

「いや、今のターンは奇跡なんて言葉じゃ片付けられないよ」

「獏良?」

「獏良君の言う通りだよ。〈あまのじゃくの呪い〉はフリーチェーンかつフィールド全体に影響を及ぼすカード。迂闊に使えば城之内のモンスターのステータスダウンにもつながるんだ」

「つまり、どういうことだ?」

「城之内君がモンスターを強化するカードを使っていれば逆に自分の首を絞める事になっていたんだ。だけど城之内君はあえてステータスを上げずに羽蛾君がコンボで攻撃力を上げるのを待っていたんだよ。結果的に羽蛾君は装備魔法を無駄に消費し、城之内君はモンスターを温存しながら相手に最大のダメージを与えたんだ」

 

(城之内君…! 流れは君に傾いている。一気に勝負をつけるんだ!)

 

「オレのターン、ドロー! 〈レオグン〉を攻撃表示で召喚!!」

 

〈レオグン〉☆5 攻撃力1750 守備力1550 

 

「こいつは獣族モンスターだから〈森〉のフィールド効果を受けるぜ!!」

 

〈レオグン〉

攻撃力1750+200=1950 

守備力1550+200=1750

 

「ちっ…そんなステータスが中途半端なモンスターを入れてるなんて!」

「〈カナン〉を守備表示にしてバトルだ! 〈ゴキボール〉を踏みつぶせ!!」

 

〈レオグン〉の巨体に〈ゴキボール〉が踏みつぶされ、破壊される。

 

「ちっ…!」

 

インセクター羽蛾 LP:600-(1950-1400)=50

 

「よっしゃー! 城之内! そのまま押し通せ!!」

「イけるわよ! 頑張って城之内!」

 

先ほどまで城之内にブーイングをしていた2人が優勢になった城之内に声援を送る。

 

「それにしても城之内君、良く〈レオグン〉なんて中途半端で使えないカード入れてるね」

 

(うるせーよ! 1枚100円で安かったから買ったんだよ!)

 

獏良の言葉に内心毒づく城之内だが、あまりに静かなインセクター羽蛾に緊張感を高める。

 

「少し遊び過ぎたよ城之内。オレのインセクトコンボが破られたのは悔しいが、オレの実力はこんなもんじゃない…!」

 

(腐っても全日本チャンプか‥‥! まだまだ油断できねえ!!)

 

「オレはこれでターンエンドだ」

 

城之内克也 LP:2000

手札:4

デッキ:31

墓地:1

除外:0

融合デッキ:0

 

モンスターゾーン:

〈格闘戦士アルティメーター〉☆3 守備力1000

〈女剣士カナン〉☆4 守備力 1400

〈レオグン〉☆5 攻撃力1950

 

魔法・罠カード:なし

 

「オレのターン、ドロー! 手札から〈ヘラクレス・ビートル〉を守備表示で召喚!!」

 

〈ヘラクレス・ビートル〉☆5 攻撃力1500→1700 守備力2000→2200

 

「更にカードを1枚セットしてターンエンドだ」

 

インセクター羽蛾 LP:50

手札:3

デッキ:31

墓地:4

除外:0

融合デッキ:1

 

モンスターゾーン:

〈ヘラクレス・ビートル〉 守備力2200

 

魔法・罠カード

伏せカード1枚

 

 

「城之内! 相手は完全に守備で逃げてるんだ! 一気に叩き潰せー!!」

「いや本田君。インセクター羽蛾君はまだ勝負を捨てていないよ」

「うん、遊戯君の言う通り追い詰められて本気になったって感じだよ」

 

「オレのターン、ドロー! カードを1枚伏せて〈タイガー・アックス〉を守備表示で召喚!!」

 

〈タイガー・アックス〉☆4 攻撃力1300→1500 守備力1100→1300

 

「ターンエンドだ」

 

城之内克也 LP:2000

手札:3

デッキ:30

墓地:1

除外:0

融合デッキ:0

 

モンスターゾーン:

〈格闘戦士アルティメーター〉☆3 守備力1000

〈女剣士カナン〉☆4 守備力 1400

〈レオグン〉☆5 攻撃力1950

〈タイガー・アックス〉守備力1300

 

魔法・罠カード:

セットカード1枚

 

「城之内は壁モンスターを出しただけか」

「〈ヘラクレス・ビートル〉の守備力が高いから迂闊に手が出せないんだ」

 

「オレのターン、ドロー! ひょひょひょ! オレは手札から〈クワガタ・アルファ〉を召喚!」

 

〈クワガタ・アルファ〉☆4 攻撃力1250→1450 守備力1000→1200

 

「オレは伏せていた魔法カード〈融合〉を発動! その効果で〈ヘラクレス・ビートル〉と〈クワガタ・アルファ〉を融合する!」

「〈融合〉だと!?」

「いでよ! 昆虫達の王者、〈クワガー・ヘラクレス〉!!」

 

〈クワガー・ヘラクレス〉☆6 攻撃力1900→2100 守備力1700→1900

 

「クワガタとカブトムシの融合モンスターだと!?」

「更にオレは2枚目の〈火機付昆虫装甲〉を装備させ〈クワガー・ヘラクレス〉の攻撃力を700アップ!」

 

〈クワガー・ヘラクレス〉攻撃力2100+700=2800

 

「攻撃力2800だと…!」

 

(伏せカードの〈援軍〉じゃ対処できねえ!)

 

「バトルだ! 〈レオグン〉を攻撃、ビートル・レールガン!!」

「ぐああああっ!」

 

城之内 LP:2000-(2800-1950)=1150

 

「ついに城之内もダメージを喰らっちまった!」

「攻撃力2800…! 海馬君のブルーアイズに近い攻撃力だわ…!」

「昆虫族モンスターは単体では弱いけど多くのカードを組み合わせて力を発揮する。インセクター羽蛾君はそれを存分に生かしているよ…!」

「城之内君…!」

 

「オレはこれでターンエンドだ」

 

インセクター羽蛾 LP:50

手札:3

デッキ:29

墓地:7

除外:0

融合デッキ:0

 

モンスターゾーン:

〈クワガー・ヘラクレス〉攻撃力2800

 

魔法・罠カード

〈火機付昆虫装甲〉対象〈クワガー・ヘラクレス〉

 

 

「オレのターン、ドロー! 〈岩窟魔人オーガ・ロック〉を守備表示で召喚!」

 

〈岩窟魔人オーガ・ロック〉☆3 攻撃力800 守備力1200

 

「ターンエンドだ!」

 

(守備モンスターを出して耐えるしかねえ…!)

 

城之内克也 LP:1150

手札:4

デッキ:29

墓地:2

除外:0

融合デッキ:0

 

モンスターゾーン:

〈格闘戦士アルティメーター〉守備力1000

〈女剣士カナン〉 守備力 1400

〈タイガー・アックス〉守備力1300

〈岩窟魔人オーガ・ロック〉守備力1200

 

魔法・罠カード:

セットカード1枚

 

 

「オレのターン、〈プチモス〉を守備表示で召喚!」

 

〈プチモス〉☆1 攻撃力300 守備力200

 

「カードを1枚伏せて〈クワガー・ヘラクレス〉で〈女剣士カナン〉を攻撃! ビートル・レールガン!!」

「カナン…!」

 

(すまねえチャチャ。お前がくれたカードを…!)

 

「ヒョヒョヒョ! カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

インセクター羽蛾 LP:50

手札:3

デッキ:27

墓地:7

除外:0

融合デッキ:0

 

モンスターゾーン:

〈クワガー・ヘラクレス〉攻撃力2800

〈プチモス〉守備力200

 

魔法・罠カード

〈火機付昆虫装甲〉対象〈クワガー・ヘラクレス〉

伏せカード1枚

 

 

「オレのターン、ドロー! 〈陰陽師タオ〉を守備表示で召喚!」

 

〈陰陽師タオ〉☆3 攻撃力1200 守備力900

 

「カードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

(削れねえ…たった50ポイントのライフが削れねえ‥‥!! これがチャンピオンであるインセクター羽蛾の真の実力なのか…!!)

 

城之内克也 LP:1150

手札:4

デッキ:28

墓地:3

除外:0

融合デッキ:0

 

モンスターゾーン:

〈格闘戦士アルティメーター〉守備力1000

〈タイガー・アックス〉守備力1300

〈岩窟魔人オーガ・ロック〉守備力1200

〈陰陽師タオ〉守備力900

 

魔法・罠カード:

セットカード2枚

 

 

「くそ! 後50ポイントさえ削れりゃ城之内の勝ちだってのに!」

「デュエリストは追い詰められた時にこそ真の実力を試される。チャンピオンであるインセクター羽蛾君ならその力は相当なものだよ」

「城之内…」

 

 

「オレのターン、ドロー! そろそろ決着と行くか。魔法カード〈守備封じ〉を発動!」

「〈守備封じ〉だと!?」

「こいつは守備モンスターを攻撃表示にする魔法カード。〈格闘戦士アルティメーター〉を攻撃表示にする!!」

 

〈格闘戦士アルティメーター〉守備力1000→攻撃力700

 

「まずい!今アルティメーターが攻撃を受けたら城之内君のライフは0になる!」

「城之内!!」

 

「バトルだ! 〈クワガー・ヘラクレス〉で〈格闘戦士アルティメーター〉を攻撃! ビートル・レールガン!!」

 

アルティメーターに向かい、攻撃が放たれる。

 

「〈オーガ・ロック〉、力を貸せ! 罠カード〈挟み撃ち〉を発動!!」

「〈挟み撃ち〉だと!!」

「こいつは自分のモンスター2体と相手モンスター1体を破壊する罠カード! たとえ攻撃力で敵わなくとも結束すればどんなカードだって倒せる!!」

 

〈オーガ・ロック〉と〈アルティメーター〉が〈クワガー・ヘラクレス〉を両脇から攻撃し破壊した。2体のモンスターは力尽きたが、城之内を敗北から守ってくれた。

 

「ありがとよ。〈オーガ・ロック〉、〈アルティメーター〉…!」

「〈クワガー・ヘラクレス〉が…!」

 

「凄いよ城之内君! 〈挟み撃ち〉は自軍モンスター2体を犠牲にしなければならない使いづらいカードだけど、壁モンスターを出し続けてコストを揃えていたんだ!」

「これで奴の強力モンスターは全滅だ! 行け―城之内!!」

 

「まさか〈クワガー・ヘラクレス〉までやられるとは思わなかったぜ。だが城之内。まだオレには切り札がある。そいつを呼ぶには時間がかかるから装備カードのモンスター強化や融合と言った方法でエースクラスのモンスターの召喚をしてたんだがな」

「切り札…!」

 

(そうだ…! インセクター羽蛾にはあのカードがあるじゃねえか!! 原作でも遊戯を追い込んだ切り札が…!)

 

「まずはメイン2に入り魔法カード〈天使の生き血〉を使いライフを800回復する」

 

インセクター羽蛾 LP:50→850

 

「ライフが…!」

「そしてこのターンオレはまだモンスターを召喚していない。〈進化の繭〉を召喚!」

 

〈進化の繭〉☆3 攻撃力0 守備力2000 

 

「こいつを〈プチモス〉に装備する! 繭を装備した〈プチモス〉は6ターン後に最上級モンスター、〈究極完全体グレート・モス〉となる!!」

「〈完全究極体グレート・モス〉…!」

「逆だバカ!!」

 

「なんだよあの繭…まるで〈プチモス〉を守って成長させているみたいだぜ」

「羽蛾君は本気で呼ぶ気なんだ! 〈グレート・モス〉を!」

 

「まあいい。〈プチモス〉の攻撃力・守備力は進化の繭の数値を参照したものになる」

 

〈プチモス〉守備力2000→2200

 

「カードを1枚伏せてターンエンドだ。進化まで残り5ターン!」

 

インセクター羽蛾 LP:850

手札:1

デッキ:25

墓地:7

除外:0

融合デッキ:0

 

モンスターゾーン:

〈プチモス〉守備力200→2200

 

魔法・罠カード

〈進化の繭〉対象〈プチモス〉

伏せカード2枚

 

 

「オレのターンドロー! オレは〈ベビードラゴン〉を召喚!」

 

〈ベビードラゴン〉☆3 攻撃力1200 守備力700

 

「そして手札より〈時の魔術師〉を使う!」

「何!?」

 

「城之内君、ボクのカードを使うんだね! 〈時の魔術師〉の効果が使えれば〈進化の繭〉を破壊できるかもしれない!」

 

「〈時の魔術師〉の効果でタイムルーレットを行い、当たった場合フィールドの時を加速させる!」

 

(これで数千年の時が経てば繭が腐り〈グレート・モス〉召喚を止めれるかもしれねえ‥)

 

「ヒョヒョヒョ…。無駄ピョー!!」

 

『ギャアアアアアアアアアアアアー!!』

 

「何!?」

 

〈時の魔術師〉に稲妻が放たれ無効化されてしまった。

 

「カウンター罠〈マジック・ジャマ―〉を使わせてもらったぜ。こいつは手札を1枚捨てることで魔法効果を無効にするカード! たとえギャンブルな効果でも敗北の可能性の目は潰さないとな!!」

 

「くっ…!」

 

「そんな〈時の魔術師〉が…!」

『やはり腐っても全日本チャンプか…! 城之内君のコンボを封じられた…!!』

 

羽蛾のプレイングに遊戯も素直に実力の高さを認めるしかなかった。

 

「ターンエンドだ…!」

 

城之内克也 LP:1150

手札:4

デッキ:27

墓地:6

除外:0

融合デッキ:0

 

モンスターゾーン:

〈タイガー・アックス〉守備力1300

〈陰陽師タオ〉守備力900

〈ベビードラゴン〉攻撃力1200

 

魔法・罠カード:

セットカード1枚

 

「オレのターン、ドロー! 〈ハンター・スパイダー〉を召喚!」

 

〈ハンター・スパイダー〉☆5 攻撃力1600→1800 守備力1400→1600

 

「バトル!〈ベビードラゴン〉を攻撃!」

「くっ…」

 

城之内 LP:1150-(1800-1200)=550

 

「2人のライフが逆転しちまった…!」

「もう無理なの…遊戯!?」

「…」

「城之内君はよく戦ったよ…」

 

「カードを1枚伏せてターンエンドだ。進化の繭の効果まで後4ターン!」

 

インセクター羽蛾 LP:850

手札:3

デッキ:24

墓地:9

除外:0

融合デッキ:0

 

モンスターゾーン:

〈プチモス〉守備力200→2200

〈ハンター・スパイダー〉攻撃力1800

 

魔法・罠カード

〈進化の繭〉対象〈プチモス〉

伏せカード2枚

 

「オレのターン…! 〈牛魔人〉を守備表示で召喚しターンエンドだ」

 

〈牛魔人〉☆5 攻撃力1800 守備力1300

 

城之内克也 LP:550

手札:4

デッキ:26

墓地:7

除外:0

融合デッキ:0

 

モンスターゾーン:

〈タイガー・アックス〉守備力1300

〈陰陽師タオ〉守備力900

〈牛魔人〉守備力1300

 

魔法・罠カード:

セットカード1枚

 

 

「城之内君…!」

 

(城之内君はまだあきらめていない! きっと何か勝つ方法がデッキに残されているんだ…!!)

 

「オレのターン、ドロー!」

 

(ちっ…。攻撃してくりゃオレの伏せカード〈パラサイト・ワーム〉でモンスターを全滅し、城之内のモンスターの全攻撃力をダメージとして与えジ・エンドだったのによ。ああいう諦めの悪いバカほど厄介なモノはないぜ)

 

インセクター羽蛾の進化の繭コンボを防ぐ方法はなく、城之内は壁モンスターを出して耐え続けるしかなかった。城之内の伏せた〈援軍〉はモンスターの攻撃力を500上げる罠だが、警戒心を強めたインセクター羽蛾にはもう待ち伏せは通じなかった。

 

(1枚だけ…1枚だけオレのデッキには勝つ手段が残されている! そいつを引き当てるまで何とか耐えねーと…!!)

 

守備モンスターで生き残り、ただただデュエルを長引かせるその姿は端から見ても無様だろう。だが遊戯だけは違って見えた。勝機を伺うため、諦めずにいる。

目の輝きを失っていない城之内を信じていた。

 

 

「オレは〈メテオ・ドラゴン〉を守備表示で出し、ターンエンド!!」

 

守備力2000を誇る〈メテオ・ドラゴン〉も次のターンでもう破壊される運命にあった。

 

「オレのターン、ドロー! ヒョヒョヒョ! さあ運命の6ターン目だ! オレは〈進化の繭〉を装備した〈プチモス〉を生贄に、〈究極完全体 グレート・モス〉を特殊召喚だ!!」

 

〈究極完全体 グレート・モス〉☆10 攻撃力3500→3700 守備力3000→3200

 

繭から解き放たれ成長したグレート・モスが飛翔する。

羽ばたく姿は美しさと畏怖を纏い、インセクター羽蛾のデッキの象徴として相応しいモンスターだった。

 

「攻撃力3700…!! 森フィールド無しでも海馬君のブルーアイズを上回る攻撃力…!」

「もうだめだ…! あんなモンスター倒せるわけねえ!!」

「城之内…ううっ…!!」

 

もはや城之内に勝つ手段はないと本田と杏子は諦めていた。

 

「良い事を教えてやるぜ城之内。この〈究極完全体グレート・モス〉を倒せる攻撃力を持ったモンスターはこの世でたった2体しかない。それは〈ゲート・ガーディアン〉とブルーアイズを3体融合して出される究極のモンスター〈青眼の究極竜〉!」

「何!」

「もっとも。そいつらはあまりの召喚難易度に扱えるデュエリストは殆どいないがな」

 

(この先にそのカードを使う奴らが現れるんだよな…)

 

「バトル! 〈グレート・モス〉で〈メテオ・ドラゴン〉を攻撃! モス・パーフェクトハリケーン!!」

「ぐっ!!」

 

このバトルで城之内のモンスターは全滅した。もはや後がなくなった。

 

「これでもうオレの勝利は確定した! ターンエンド!!」

 

インセクター羽蛾のライフ850。城之内のライフ550。

 

攻撃力の高い〈究極完全体グレート・モス〉を含めた昆虫軍団がフィールドを制圧する。

更に羽蛾の場には2枚の伏せカードがあり、1枚は攻撃してきたモンスター破壊の罠。そしてもう1枚は召喚したモンスターを破壊する罠。万全な体制で城之内にターンを渡したが、羽蛾はどうにも不安が拭えなかった。

 

(アイツの目は何も諦めちゃいない。それとも開き直ったのか?)

 

「オレのターン、ドロー! 魔法カード〈強欲な壺〉を発動! こいつはデッキから更に2枚のカードをドローさせるカードだ!!」

「手札増強魔法か。まあどれだけ手札を増やそうとオレの〈グレート・モス〉を倒せるモンスターはいないだろうがな」

「カードを2枚ドロー!」

 

城之内は最後のカードを引く。

 

「インセクター羽蛾、お前に一つ言いたいことがある」

「ああ~? この後に及んで命乞いか」

 

だが城之内の言葉は羽蛾が予想していなかったものだった。

 

「お前の事『弱い』なんて言って悪かった」

「えっ…」

「船の事もあってどうしてもお前に売り言葉買い言葉になっちまったが、お前はオレが戦った中で遊戯と同じ位強い。カードの強さだけじゃねえ。モンスターと魔法のコンビネーションも、罠の使い方もとびっきり優秀だ。流石日本チャンプになっただけはある」

「な、何言ってんだよ! オレの動揺を誘ってんなら通用しないぞ!」

「悪いがオレはお世辞を言えるほど頭は良くねえ。だけどそれだけは言っておきたかった。お前は『強い』デュエリストだ」

「…!」

「オレの手には〈グレート・モス〉を倒せるカードはねえ。仮にあったとしてもテメーの伏せカードで返り討ちにされるだろうな」

「なら負けを認めろ! 今なら星1つくらいで勘弁してやっても…」

「…〈グレート・モス〉は倒せねえが…」

 

城之内は最後のカードを発動した。

 

「インセクター羽蛾、お前を倒せる」

 

発動させたカードから炎の渦が巻き起こる。

 

「何だこれは…!?」

「オレは魔法カード〈火炎地獄〉を発動した!」

「か、〈火炎地獄〉だと!?」

 

「〈火炎地獄〉だって!? 城之内君そんなレア魔法カードを持っていたのかい!?」

「獏良、知ってんのか?」

「うん。デュエルモンスターズの魔法カードはそのほとんどが場のモンスターやカードへ干渉するカードが多いんだ。だけどプレイヤーに直接関与する魔法カードも存在するんだ。それが〈火炎地獄〉なんだよ!」

「あのカードは発動したプレイヤーに500ポイントのダメージを与えるけど、敵プレイヤーに1000ポイントのダメージを与える。【バーンカード】の1枚なんだ! 城之内君はこのカードを引くのを待っていたんだ!!」

 

「うわあああああああー!」

「これでテメーに1000ポイントのダメージを与える! 尤もオレもダメージを受けるがな!!」

 

〈火炎地獄〉の炎が2人に襲い掛かりライフを削った。

 

「ぎょええええええええええええええーー!!」

「うわあああー!!」

 

インセクター羽蛾 LP:850-1000=0

城之内克也 LP:550-500=50

 

 

インセクター羽蛾のライフが0になり、城之内の逆転勝利が決まった。

 

「なあ…夢を見ているのか…城之内が…あの弱かった城之内がインセクター羽蛾に…! 全国大会優勝者に勝ちやがったーーー!!」

「夢じゃないよ本田君…城之内君が勝ったんだ!!」

「城之内…!!」

 

城之内の逆転勝利に皆喜んだ。

 

「インセクター羽蛾…」

 

城之内はデュエルを終えてインセクター羽蛾に駆け寄る。

 

「バカな…オレが…全日本チャンプのオレが…」

「インセクター羽蛾…。お前は強かった。オレの方がほんの少し運が良かっただけだ」

「城之内…! オレにそんな言葉をかけるんじゃねえ!!」

「羽蛾…」

「プライドを持ったデュエリストはな…! 負けた時貶されるより同情される方が屈辱なんだよ‥! それくらいわかりやがれ…!」

「…」

「だけどよお…お前に対して怒りがどうにもわかねえ。お前のお人好しが移っちまったかもな」

 

そう言ってインセクター羽蛾は城之内にスターチップを2つ渡した。

 

そして遊戯の元に近づく。

 

「遊戯、船では悪い事しちまった。謝って許してもらおうなんて思わないがせめて謝罪はさせてくれ」

「羽蛾君‥」

 

インセクター羽蛾が素直に謝る姿を見て遊戯は驚く。

 

「オレは怖かったんだ負ける事が、負けて全てを失うのが。だけど今あいつに負けてどこかスッキリしたぜ。次有った時は更に強化したインセクトデッキで戦うからな」

「勿論だよ! エクゾディアパーツは無事だったし、ボクも羽蛾君と戦えるのを楽しみにしているよ」

「それじゃ、敗者はとっとと去らねえとな」

 

インセクター羽蛾は荷物をまとめて背負った。

 

「城之内」

「何だよ羽蛾」

「オレの事、『強い』って言ってくれてありがとうな」

 

そう言い残してインセクター羽蛾は去って言った。

 

 

城之内克也:スターチップ2個獲得! 合計3個

 

インセクター羽蛾:脱落

 

 




何だかんだでインセクター羽蛾のデッキ構築力は高い。
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