神様によって世界が作られたばかりの時代。生まれたばかりの大地はただそこにあるだけの、草木も生えず、風も吹かない寂しい場所でした。当然、鳥のさえずりや、人々の声などありもしません。
神様は自分の世界である星空の中央から、7つの星を手に取ると、星の光のエキスを絞って大地に振りかけました。
最初の滴が大地に落ちると、そこから水が湧きだし、やがて海になりました。けれど、生まれたばかりの海は、灰色に濁っていて冷たく、生き物の住める場所ではありませんでした。
2滴目の滴が落ちると、大地が盛り上がりやがてそれが火山になりました。火山から噴き出した溶岩は、冷え切った海を温めます。しかし、生まれたばかりの火山は激しく、海もまた煮え立って荒れ狂ってしまいました。
けれど、煮え立ち荒れ狂った海から立ち上る湯気が、風となりました。空を廻る風が海の水を持ち上げると、それが雨となって大地を冷やしていきます。
3滴目の滴が落ちると、それは生命の元となりました。生命の元は、未だ荒れ狂う海の活力を糧に成長していきます。生命がその形を確かなものにした時、火山の熱で荒れ狂っていた世界は、ずっと穏やかになっていました。
まれました。 しかし、植物は考えることも動く事も出来ません。
5滴目の滴が落ちると、生命に知恵が生まれました。動物の誕生です。動物たちは自らの意思で、海を泳ぎ、大地を駆け、大空を羽ばたきます。しかし、変化を知らない世界は廻らず、やがて全てが淀んでいってしまいます。
6滴目の滴が落ちると、変化が生まれました。昼と夜とが生まれ、世界に季節が巡ります。生き物達は老いて、やがて死んでいきます。しかし、その代わりに彼らは児を生し、やがて世界に生命が溢れていきました。
そして最後にひと際大きな滴が大地に落ちます。その滴は世界に染み渡り、やがて全ての生命の頂点である竜が世界を構成する物の精髄から生まれました。
1匹目の竜は、澄んだ水の様な青い竜です。その竜が羽ばたくと澄んだ雨が大地を清めていきます。
2匹目の竜は炎をの様な輝く赤い竜です。その竜が吠えると暖かな風が大地を巡ります。
3匹目の竜は新緑の若葉の様な緑の竜です。その竜の歩んだ場所に生命が芽吹いてゆきます。
4匹目の竜は光の様に煌めく白い竜です。その竜が空を舞うと光が大地を照らします。
5匹目の竜は琥珀の様な橙の竜です。その竜が身を揺らすと動物たちはかの者に集まってきます。
6匹目の竜は骨の様な灰色の竜です。その竜が目をつぶると静寂と共に夜がやってきます。
7匹目の竜はこの世界の元である星空の様な黒い竜です。その竜は世界をの調和そのものとして世界に存在しています。
竜達は神様の住む空の中心、そのすぐ近くを回る7つの星のように世界を見守っています。
かつての何もない寂しかった世界は、今は水が流れ、風が吹き、木々が芽吹いて、人々の声や鳥のさえずりが響いていました。