英雄伝説閃の軌跡 白銀の羅刹   作:天神神楽

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少し短め。
少々無理矢理です。


一瞬の邂逅

少しフラフラしているアリサと共に宿屋に戻ると、リィン達は既に待っていた。

「お、来たか……アリサはどうしたのだ?」

何故かフラフラしているアリサを見て、ラウラは首を傾げる。

「ん、あぁ、気にしなくても大丈夫さ。それで、何か分かったか?」

「え、あ、うん。それで気になったことがあるんだ」

エリオットが聞き込みについて報告する。

リィン達が抱いた疑問は、領邦軍に対するものであった。調査をしていないにも拘わらず、妙に詳細を知っている点や、ルナリア自然公園の管理人の突然の変更などを挙げた。

「状況的に、領邦軍が一番怪しいと思うんだ。ユースティアはどう思う?」

「ん、それは確実にクロだ。んで、犯人は自然公園にいるってトコだな」

ユースティアはあっさりと判断を下す。そんなユースティアに、リィンは少し驚いた表情を見せる。

「そんなに、あっさりと決めつけて大丈夫なのか?」

「あぁ。リィン達の聞き込みからでも十分だけど、今、領邦軍は大市の減税の嘆願を不満を持っているだろ? そこに降った湧いてきたのが今回の一件だ。まぁ、アルバレア公の評判については詳しいから、どういう行動に出るかは分からんでもない、ってとこかな」

「凄いな……そんなことまで分かるなんて」

「ま、こういうのは場数を踏まないとな。ともあれ、ルナリア自然公園に行こうか」

方針を決め、ルナリア自然公園へと向かうリィン達。自然公園に到着したが、門は固く閉じられており、しっかりとした鍵も掛けられていた。

「しっかりと鍵が掛けられてるわね。って、あら? これは……」

鍵を確認していたアリサが、足元に何かが落ちていることに気が付く。拾ってみると、それは何かのアクセサリーであった。

「これって……」

「それは大市で売られていたアクセサリーだな。確か、帝都でも女性、とくに聖アストライア女学院の女の子に人気があるやつだな」

「……どうしてそんなに詳しいのだ」

「姫様の手紙に書いてあった。この間帝都行ったときに一緒に見に行ったしね」

そういえば、ユースティアがアルフィンと仲が良いことを思い出す一同。

「つまり、今回の事件の実行犯は間違いなくここにいる、ということだ。みんなは門を飛び越えられるか?」

「いや、無理だよ……」

そんなこと出来るのは言っている本人くらいである。

「私が鍵を破壊しよう」

ラウラが大剣を抜こうとしたが、それをリィンが止める。

「いや、俺がやるよ。あんまり大きい音を出したらバレるかもしれないからな」

そう言うとリィンは息を整え、一瞬で太刀を抜いた。

一瞬の静寂の後、カチャンと音を立てて鍵を落ちる。

「おぉ、凄いな。八葉一刀流の剣術は久しぶりに見たよ」

「はは、初伝止まりだけどな。それより急ごう」

門を開け、リィン達は自然公園の奥へと向かう。途中には魔獣も出現しており、思ったより進むのが遅くなっていた。

「全く……こんなに魔獣が出てたらこれから大変だな」

「確かにそうだな。っと、静かに」

ラウラが前方の開けたところに数人の男がいることに気が付く。それにリィン達は武器に手を掛ける。

「しっかし、こんな簡単なことで随分稼げたな」

「あぁ。しかし、待ってるだっけてのもヒマだな」

「そう言うな。それだけで金がもらえるんだ」

「こりゃ、確定だね」

男達の会話を聞いて、リィン達は目の前の男達が犯人であることを確信する。

「それじゃ、その金儲けはお終いですね」

ユースティアが先頭に立って、男達の前に出る。男達も慌てて武器を構える。しかし、そんな隙を見逃すはずもなく、目にも止まらぬ速さで銃を斬り落とす。

「んなっ!?」

「全く、少しぐらい警戒しておかないと。さて、お縄……っ!?」

男達を確保しようとしたユースティアが、突然森の方へと首を向かせる。珍しく慌てているユースティアの姿に、リィン達も声をかけた。

「ユースティア? どうしたんだ?」

「……悪い。この場はリィン達に任せた」

「えっ? ちょ、ちょっとユースティア!?」

アリサの制止を振り切り、ユースティアは森の奥へと入っていった。

ユースティアは後ろから聞こえる音を気にしつつ、聞こえた“音”の方向に向かって猛スピードで走り抜けた。

「で、貴方は何者ですか?」

ユースティアは笛を持つ男の前に降り立つと、そのまま剣を男に突きつける。

「ふふふ、まさかこの音を聞き取られるとは思いませんでした」

「生憎、アーティファクトには敏感なものでして。それで、貴方は何者でしょう」

お互いに笑みを浮かべているが、二人の間に流れる雰囲気は重々しい。

「そうですね、私のことは《G》とでも呼んで下さい」

「では《G》さん。あなたをどうこうするつもりはありませんが、この場は退いていただきましょう」

ユースティアの申し出に、《G》は意外そうな表情を浮かべる。

「おや、私を逃がしてしまっても宜しいのですか?」

「貴方だけならともかく、後ろのあの方が一緒だと面倒ですし。今日の所は大人しく退いて下さい」

しばし見つめ合う二人。しばらくして《G》が両手を挙げると、ユースティアも剣を下ろす。

「では私はこれで失礼いたします。あちらも終わったようですし。あぁ、それと早く戻った方がよろしいかと。領邦軍が随分張り切っていましたから」

「それなら心配いりませんよ。私が行かなくても、頼りになるお姉さんがいますから」

ユースティアの言葉に、《G》は苦笑を浮かべる。

「全く……あなたの伝手はバカに出来ませんね。随分と女性の扱いがお上手なようで」

「女性と過ごす時間というものは何よりも楽しいですから。随分と興味深いお話をして下さいます。例えば、“とある”地下組織のことなんかも」

「……では今回は貴方の温情をありがたくいただきましょう。それでは」

《G》は最後に礼をすると、その場から去って行った。《G》の気配が完全に消えると、ユースティアは剣を納めた。

「全く、何をやっているんだか。…………さてと、あんまりクレアさんに任せっきりなのも悪いし、急ぐか」

ユースティアはため息を吐くと、急ぎ足でリィン達の元へと向かったのであった。

 




ユースティアをグルノージャ戦にぶつけると、一瞬で勝負がつきそうなので離脱させました。
次回、クレアさんとのイチャイチャ回(爆発しろ)。
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