ドラゴンクエストⅥの世界に転生した一般転生者もの 作:ロクモン
「では、行きましょうか」
サンマリーノの門で待ち合わせをしていたミレーユと合流をして、サンマリーノの南へと足を進める。
先導をしてくれるミレーユの背後をバーバラと並んで歩みを進めている。
「ミレーユさん、やっぱり美人さんだよね」
「そうだな•••」
俺にだけ聞こえる声量で話しかけてくるバーバラに、相槌を打つ。
バーバラとパーティを組むようになってから、俺は朧げながらもドラクエⅥの記憶を思い出してきている。ミレーユは確かガンディーノの出身で、テリーという名の、物語の途中で加入する剣士の姉だったはずだ。
オープニングの時点で登場しており、彼女がオカリナを吹くとドラゴンが空から現れて、そのドラゴンに乗ってムドーの城へと向かい、ムドーの術によってバラバラにされるといったものだったと記憶している。
「ミレーユさん、館までどれくらいかかるの?」
「ミレーユでいいわよ、あと1時間くらいかかりそうね」
聖水が撒かれているのか、辺りから魔物の気配はしない。時折、リスや鹿等の動物の姿が見えるくらいのものだ。
「遠いなぁ、なんで街から離れた場所に住んでいるの?」
「街よりも森の方が、薬草とかキノコといった薬の材料が手に入りやすいのが理由の一つね」
「あとは、夢見の洞窟の管理の為ね」
「夢見の洞窟って?」
「【夢見のしずく】っていう、夢占い師としての仕事で使う水が取れる洞窟よ、誰かが勝手に持って行かないようにおばあちゃん•••グランマーズさんが監視しているの」
道中、魔物の姿がなかったからかすぐに森の出口が見えてくる。
森を抜けると、木々に囲まれた青い屋根の建物が見えてきた。これがグランマーズの館だろうか。
整地された道を歩き、館へと歩みを進める。
結界が貼ってあるのか、館の周囲には魔物の姿は全く見えない。
玄関に着くと、慣れた手つきでミレーユが扉の鍵を開けて入っていく。
扉から見える室内は、入り口は燭台で明るいが奥の部屋には燭台がないのか薄暗い、奥で輝く青い光のみが部屋の中で輝いている。
ミレーユの後に続いて室内に入ると、机の上に青く輝く水晶が置かれている。
「おや、ミレーユ。連れてきてくれたかい?」
水晶を眺めていると、隣の部屋から老婆の声が聞こえてくる。
「シリウス、バーバラ。こっちよ」
ミレーユに促されて、隣の部屋へと進む。先ほどの部屋は占い師としての仕事部屋なのだろう、すぐ隣がダイニングキッチンになっており、その奥の部屋が居住スペースなっているようだ。
奥の部屋に入ると、机で本を読んでいる老婆の姿が見えてくる。いかにも魔女といった装いで、先が尖った円錐形のつば付きの魔女の帽子を被っている。
「ひゃーひゃっひゃっ。おかえり、ミレーユ。どうやら見つけてきたようじゃね」
魔女らしい独特な声で笑いながら、本から目を離した老婆がこちらへと視線を向けてくる。
「ただいま、おばあちゃん。その通りよ、見つけてきたの。おばあちゃんの言った通りだったわ」
「シリウス、バーバラ。こちらが夢占い師のグランマーズ。貴方たちを待っていたのよ」
「そういうことじゃ、よく来たね。シリウス、バーバラ」
──────────
────────
──────
────
コトっと目の前に湯呑みが置かれる。
「ありがとう、ミレーユ」
バーバラと共に礼をすると、目の前に置かれた湯呑みを手に取り一口飲む。中身はどうやら麦茶のようだ。
「さて•••••と。お前さんらのことだがね•••」
湯呑みを机に置くと、グランマーズさんが目線をこちらへとゆっくりと持ち上げてくる。
「そっちのバーバラの姿を、人に見えるようにして欲しいんじゃろ?この世界で、上の世界の住人の姿が見えるようにするには【夢見のしずく】が必要じゃ」
「【夢見のしずく】はわしも仕事で使うんじゃが、今は切らしていてね。館から南にある夢見の洞窟の奥、夢見の祭壇でしか手に入らないんじゃよ」
「しかし、その洞窟には最近魔物がすみついてしまってのう。取りに行きたくても、わしやミレーユだけでは行かないというわけじゃよ」
「そこでここは一つ、お前さんらに取りに行ってもらおうと思ってな」
湯呑みを手に取り、グランマーズはズズズっとお茶を啜る。どうやら、夢見の洞窟へと入るまでの流れはゲームと同じなようだ。あそこの魔物は月鏡の塔に比べればまだ楽だったと思う、バーバラとミレーユもついてきてくれるのであれば問題はないだろう。
「わかりました、任せてください」
「そうかい、助かるよ。それじゃ、南の洞窟から【夢見のしずく】を取ってきて貰おうかな。そうそう、ミレーユ。お前もついていっておやり」
「わかったわ、おばあちゃん」
「さて、洞窟へ向かうのは明日でいいだろう。今日はここで泊まって行きなさい」
「そうね。流石に今日は休みたいしお世話になるわ、おばあちゃん。」
今日は【せいすい】のおかげで戦闘はなかったとはいえ、長い道中で少なからず疲れが溜まっているのもあるし、洞窟を攻略するまでにそれなりに時間もかかるだろうから仕方がないだろう。
まぁ、問題があるとすれば。男1人で、美女と美少女とともに一つ屋根の下で過ごさないといけないことだろう。
「ひゃっひゃっひゃ、美人3人に囲まれてラッキーじゃのう坊主」
ニヤニヤと笑うグランマーズに少しだけイラッとした。
評価設定ありがとうございます、星10を戴いたのは初めてですね•••。後1人?評価いただければ評価バーに色付くので気が向いたらお願いします。
夢告白のすれ違い通信•••今もやってる人っているんですかね?