ドラゴンクエストⅥの世界に転生した一般転生者もの 作:ロクモン
俺の名前はシリウス。
レイドックから西の月鏡の塔を目指す平凡な旅人だ。
レイドックは周囲を湖で囲まれているので、月鏡の塔に行く為にはぐるっと湖を回らないといけないから不便だ、漁師の人が乗る小型の船に乗せてもらおうかなとも思ったのだけれど、別に急ぐ理由もない。
推定幽霊の少女とすれ違うかもしれないし、陸路をゆったりと歩いている。
チャモロと出会ってパーティを組んでの戦闘の楽しさを覚えてしまってからは、酒場で仲間集めてパーティを組んで依頼を受けていたから、一人旅をするのも久しぶりなことだ。
森に入って2日目に突入したがいまだに森の中でを歩いている、
月鏡の塔と思われる大きな塔が見えてきたし、もう少しだと思うのだが•••。
日中は修行のために魔物と戦っているが、夜は流石にトヘロスを唱えるようにしている。
この魔法は故郷で母に教わったのだが、かなり使い勝手の良い魔法で自分よりも弱い魔物はしばらくの間近寄ってこなくなるという旅をする上で圧倒的に利便性の高い魔法だ。ゲームではあんまり使用した記憶がない魔法なのだが、現実では一番使用頻度が高い。
コレさえあれば、20Gもする聖水を買わずに節約する事ができるし、聖水の空き瓶で荷物を圧迫する必要もないから本当に楽だ。
枯れ葉や枝を集めて火を起こすして、川で得た魚を串に刺して焼く。
こういう時メラが使えたらなと思う。きりもみ式の火おこしなんて出来ればやりたくない、どこかで魔法の習得が出来ればいいんだが、旅を初めて今日までダーマ神殿の噂を全く聞かないのだ。それとなくレイドックの兵士さんやゲント族に聞いてみたりしたのだが誰も知らないという。
じゃあ誰かに教わろうかと思っても、今のところメラが使える魔法使いに出会えていない。はぁ•••
そんなわけで、一々火おこしをして食事なんて出来やしないので、街から保存のきく食料は持ってきている。道中に集落があればそこで買うこともできるのだろうが、こんな森の中じゃ集落なんぞあるわけがない。
食える時に食っとけって師匠も言ってたし、今回は魚を多めに取ってきているので次々と焼いていく。
「あの•••すみません」
「ん?」
せっせと魚を串に通していると、背後から女の子と思われる声が聞こえてきた。
振り向くと青い衣装に大きなマントを纏った、赤い髪の美少女が立っていた。え?可愛い。
「どうかしましたか?」
「え!?」
あれ?なんか仰天してるんだけど。
「お兄さん、私の姿が見えるの!?」
何を言っているんだこの子は。まるで下界を彷徨う幽霊みたいな反応をするな•••
あれ、幽霊?
「よく見たら、なんかお姉さん透けてんね•••え?幽霊?」
そう言うと、女の子はパァ!っと効果音が聞こえてきそうなほどに、目に涙を浮かべなら嬉しそうにしている。
たまげたなぁ、噂の幽霊は実在したらしい。
「はひはほうほひぃはん(ありがとうおにいさん)」
「すまん、口の中のもの飲み込んでから喋ってくれ」
お腹を空かせていたらしい幽霊少女に魚をわけてあげながら取り敢えず事情を聞く事ができた。
どうやらこの子は記憶喪失らしい。
覚えているのは自分の名前だけで、どうして透明人間になってしまったかはわからないとのことだ。
「あー美味しかった!」
「そりゃよかった」
10匹もあった魚をペロリと平らげた少女は幸せそうに地べたに倒れ込んでいる。
「そうだ、お兄さん名前は?私はバーバラ!」
「バーバラか、俺の名前はシリウス。よろしく」
そう言って寝転がった少女と握手をしながらも俺の頭の中はコンランしていた。少女の様子を見る限りは問題なさそうだが、ポーカーフェイスを維持できているか不安である。
俺はこの少女を知っている。
この少女が出てくる作品もよく知っている。
この子はドラクエⅥにおける勇者パーティの魔法使いだ。
ドラクエ世界に転生したら(個人的に)欲しい魔法ランキング
一位 メラ系呪文
二位 ルーラ
三位 トヘロス
異論は認めまくる。