ドラゴンクエストⅥの世界に転生した一般転生者もの 作:ロクモン
「ねぇねぇ、シリウスはこの森で何をしているの?」
「西の方に高い塔が見えるだろう?そこを目指しているのさ」
やぁやぁ皆さん、おはこんばんちわ。
俺の名前はシリウス。
今は森の中で野営をしている一般転生者旅人だ。
ついさっきこの世界がドラゴンクエストⅥの世界だということに気付いたよ。
徐々にドラクエⅥの世界について思い出してきたが、今思えばチャモロもパーティメンバーじゃなかったか?
前世の子供時代にプレイした折には、勇者•ハッサン•ミレーユ•バーバラの4人でのパーティをメインに据えていたから、他のメンバーのことをすっかり忘れていたよ。
すまない友(チャモロ)よ、
ゲームではともかく、リアルでは君以上に背中を預けられる僧侶は居ないと本心から思っているよ。
「あそこにはラーの鏡という、真実を写し出すという伝説の鏡があるという噂を聞いてね。折角だし見てこようかなと思って」
ただ、微かな原作知識から今回の旅が無駄足になるとなんとなくわかっている。
確かあの塔には鍵が掛かっていたはずだ、どこで鍵を入手するのかまでは流石に覚えちゃいないが•••
「そんな鏡があるのね•••その鏡なら、私の姿も映す事ができるのかな」
そう言ってバーバラは顔を俯かせた。
「ねぇ、私も一緒に着いて行ってもいいかな?私もそのラーの鏡?を見てみたいんだ」
遠慮がちに旅の同行を願い出るバーバラだが、どうしたものかな。
この世界がドラクエⅥの世界と気付く前なら歓迎していたが、この子は勇者パーティに加入するメンバーだ。
俺と一緒に旅をしていて勇者と出会えないなんて事になれば、少なからず物語に影響が出てしまう事だろう。
この世界に生きる1人の人間として、万が一大魔王が倒せないなんて事になるのは流石に困る。
月鏡の塔を攻略する分には多分問題はないはずだ。あそこはあくまでラーの鏡回収の為の塔で、鏡さえ勇者が手に入れれば問題はない。
「ねぇ、ダメ•••かな?」
ん、いや待てよ?鏡を持っていれば作中に出てきた夢占い師の婆さんが、俺たちのことを勇者に伝えてくれるんじゃなかろうか?
旅の行先に困った時はあのお婆さんに聞けば大抵の事はわかっていたはずだ。
「あれ?聞こえてる?」
「もしかして見えなくなっちゃったとか•••」
よし。あれ?なんか泣いてないかい?!
「ご、ごめん!考え事してた!」
「いいよ、寧ろ同行してくれ。俺も一人旅は寂しくてさ」
「もう!びっくりしちゃったじゃん!」
涙目になったバーバラに怒られてしまった。
「本当にごめん」
「いいよ、許してあげる。改めてよろしくね、シリウス」
「よろしく、バーバラ」
差し出された右手を掴んで改めて挨拶を交わした。
side バーバラ
スッと目が覚めると掛けていた毛布を剥がして伸びをする。
久しぶりにしっかりと眠れた気がする。
記憶を失ってから彼---シリウス君と出会うまで、寂しくて怖くて眠れない日々が続いていた気がする。
右斜め前の木にもたれかかって眠る男の子がシリウス君。
黒髪黒目、穏やかでおとなしそうな印象を受ける。
近寄ってよく見てみると、見かけによらずしっかりと筋肉が付いていて剣を振るっているせいか手のひらが少し硬い。
昨日は毛布をどっちが使うかで少し揉めちゃったけど、押し切られる形で毛布を使わせて貰っちゃった。
パチっと彼の目が開き目が合う。
「•••」
ジッと私の顔を見ているけど、どうかしたのかな?
「なぁ、なんで俺の手を握ってんの?」
ん?と手元を見ると、彼の右手を両手で掴む私の手が見えた。
「ご、ごめんなさい!」
side シリウス
今朝のアレはなんだったんだろうか。
目が覚めたら美少女が隣にいて、俺の手を握って遊んでいた件について。
今世でTop5に入るほどに幸せな出来事だったのは確かだな、あそこで指摘しなければもう少し堪能できたかもしれないと思うと、非常に惜しい事をしてしまったかもしれないな。
まあ、流石に寝起きでアレはキャパオーバーでそんな事を考える余裕すらなかったんだが。
ちなみにバーバラは近くの川で水浴びをしに行っていて、俺は先に水浴びを終えてバギの応用で風を操って髪を乾かしている。
旅人の中には、そんなに頻繁に水浴びはしないって人も多いが、俺には元日本人としての感性があるが故に、水場がある場合はなるべく水浴びをするようにしているのだ。
これから行く先は予定通り月鏡の塔だ。
え?鍵はどうするのかだって?
いやぁ、よくよく考えてみたらゲームだと確か主人公達が鍵開けて入る前からバーバラがいたのおかしくね?って思いまして。
要は鍵を使わずに入る手段もあるんじゃないの?って事でとりあえず行ってみる事にしました。
「シリウスー、戻ったよー」
「おー朝食出来てるから食べてくれ」
今日の朝食は、街から持ってきたパンと昨日の残りのスープだ。
「ねぇねぇ」
「んー?」
2人並んで朝食を取っているとバーバラが話しかけてきた。
「シリウスってさ、なんで旅をしているの?」
「世界中のありとあらゆる街を巡り、ダンジョンを制覇して、強い魔物を倒して自伝を作ること」
「それが俺の旅の目標かな」
「ほへー、なんでそんなことしようと思ったの?」
「誰もが認めるような偉業を成し遂げて後世に名でも残してやろうと思ってね」
この夢はこの世界に生まれた時に出来た夢だ。
生前は特に夢もなく
ただ周囲に流されるままに生きて
そして気付いたら死んでいた。
だからかな
今世では何か大きなことを成し遂げてみたいと思った。
出来るかどうかなんてわからない
それでも、もしそれを為すことが出来たなら。
どんなにいいだろうと憧れた。
俺は勇者ではない。
選ばれしものの特別な才能なんてない
そもそも俺の一族に勇者の血族なんていない。
けれど、何かを成し遂げるのに勇者である必要はないだろう。
簡単な登場人物紹介
◯シリウス
黒髪黒目の元日本人の転生者。
ドラクエは天空シリーズのみ幼少期にプレイしている。
何故かバーバラの事を認識出来る。
故郷を魔物の襲撃で失っており、隠れていた箪笥の隙間から母親が斬り殺されるところを目にしている。
旅の目標は、
世界中を旅して色々な事を知ること。
後世に名の残るような偉業を残す事。
そして、母の仇を討つ事。
◯バーバラ
記憶喪失の魔法使い少女。
記憶のない上に長い間人に認識されない状態が続いた事で1人でいることに恐怖心を抱く。
◯チャモロ
ゲント族の僧侶。
主人公に窮地を救われる。
原作より加入時に使える呪文や特技が多くなっている。
最後にプレイしたのは学生の頃でして、主人公同様だいぶ記憶が薄れている状態で書いているので、
設定と違うところ等あれば教えてください。
あらすじにも書いてますがこれからDS版をプレイするので後々修正入れるかもです。