ドラゴンクエストⅥの世界に転生した一般転生者もの   作:ロクモン

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月鏡の塔-終

「貴様ら!どうやって塔に侵入したのだ!!」

 

塔の入り口をバーバラの後ろから出てくると、そんな声を横からかけられる。声の方へ顔を向けると紫色の体色の三体の《くさったしたい》?がコチラを威嚇していた。

 

「うわっ、なんなのこいつら。ゾンビ?」

 

「《くさったしたい》•••ではないな。なんだコイツら」

 

この世界で16年も生きてきたが、こんなゾンビ種は見たことがない。シルエットは《くさったしたい》にそっくりだが•••。

 

「我らはムドー様の配下《ポイズンゾンビ》!」

 

「ラーの鏡を貴様らニンゲンに渡さぬ為に、ムドー様に命じられてこの塔を守備してあったのよ」

 

「一階の階段を隠し、ニンゲンの侵入を阻んでいたというのに•••」

 

「貴様ら、どうやって侵入したのだ!」

 

《ポイズンゾンビ》か、名前からして毒を吐く系の魔物だろうな。あの腐肉に触れるのも念の為、避けたほうがいいだろう。

 

「バーバラ、相手は毒使いだ。身体に不調があったならすぐに【どくけしそう】を使うんだぞ」

 

「わかった!」

 

「ええい!無視をするんじゃない!」

 

《ポイズンゾンビ》のうちの一体が地団駄を踏む。

 

「こうなったら仕方がない!」

 

「ここから先へは」

 

「いかせんぞ!」

 

《ポイズンゾンビA》が腕を振り下ろしてくる、腰に差してた【はがねのつるぎ】を抜剣して片手で受け止めると、ジュクジュクと刀身が腐る音が聞こえてくる。

 

「チィ!」

 

空いた左手でバギマを放つと、《ポイズンゾンビA》は吹き飛ばされ地面に打ちつけられた。

 

「メラ!」

 

「ガァ!?」

 

バーバラが放つ火球が《ポイズンゾンビB》へと命中する。

 

「しんくうぎり!」

 

「ヌゥ!」

 

風を纏わせた斬撃を《ポイズンゾンビB》に叩きつけると、壁外へ飛ばされていった。

 

「シリウス、後ろ!」

 

バーバラの声に反応して振り返ると《ポイズンゾンビC》が毒の霧を口から吐いていた。素早く手で霧を振り払おうとするも、少しばかり吸ってしまったらしく剣を持つ手が震えてしまう。

 

「メラ!」

 

バーバラが再び火球を放つと、《ポイズンゾンビC》は後ろへと下がり回避する。しかし、これで【どくけしそう】を口にすることが出来る。ふくろに入っていた【どくけしそう】をすり潰したものを口に含むと、しばらくすると頭痛と手の震えが落ち着いてきた。

 

「すまない、助かった」

 

 

side バーバラ

まずいなぁ•••

 

シリウスの手で、壁の外に落下した《ポイズンゾンビ》がどうなったのかわからない。

けど、もしまた戻ってきちゃったら再び数的不利に陥ってしまう。

状況が悪化する前に、急いで決着をつけちゃうしかないんだけど、戦況を好転させるような火力を持つ特技や呪文なんて、あたしもシリウスも持ってない。

 

「ぶっつけ本番か•••」

 

目の前で剣を構えるシリウスが、なにかを呟くとゆっくりと剣を高く掲げた。

 

「かえんぎり」

 

剣がゴウッと音を立てて火を纏わせる。

 

「しんくうぎり!」

 

シリウスがそう叫ぶと、剣に纏っていた火がさっきとは比べ物にならないほど大きく燃え上がった。

 

「綺麗•••」

 

大きくそして煌々と光輝く焔に、あたしは目を奪われた。

 

「真空火炎斬り!!」

 

シリウスが剣を振り下ろすと、紅蓮の業火が二体の《ポイズンゾンビ》を包み込む。

 

ムドー サマ、もうしわけ•••ございません

 

焼け爛れて顔の一部の骨が剥き出しになった《ポイズンゾンビ》はそう呟くと、サラサラと灰になって消滅した。

 

「ふぅ•••」

 

息を吐きながらキンッと刀を鞘に納めると、シリウスが振り向くとニヤリと笑う。その姿が、少しだけ、ほんの少しだけカッコいいと思った。

 

 

 

side シリウス

 

「あったわ!これがラーの鏡よね!」

 

《ポイズンゾンビ》を撃破し空から落ちてきた部屋に入ると、部屋の中央の台座に鏡が置かれていた。円形の鏡面で、周囲に古風で豪華な装飾を施されている。

 

「すごーい!思った以上に綺麗だわ。」

 

満足したのかラーの鏡からバーバラが離れると、近寄ってラーの鏡を手に取る。遠目で見ても綺麗ではあったが、近くで見ても美しい鏡だ。

 

「シリウス、それ持って帰るの?」

 

「そうだな、もしかしたら今後使うこともあるかもしれないし、持っていこうか」

 

そう言って鏡を台座から取り外し、ふくろに入れる。ふくろに入れる直前、鏡に映った自分と目が合う。鏡の先の俺の目は、何故か瞳が青いような気がした。

 

「さて、一旦レイドックまで戻ろうか」

 

「うん、帰りは【キメラのつばさ】で帰るんだよね?」

 

一階へと続く階段に足をかけ振り返る。

 

「いや、帰りも歩いて帰ろう」

 

「えぇ!?」

 

バーバラが驚いたように口を開く

 

「レイドック城の北の湖に小舟が止まっているのが見えた。帰りはそれに乗って帰ろう」

 

「えー!疲れたよー。せめておぶってー」

 

不満げなバーバラの声を背に月鏡の塔を出ると、無理やり背中に乗ってきたバーバラを背負ってレイドック城へと足を進めた。

 

 

 




登場人物紹介
◯シリウス
昔少しだけ遊んだことがあるドラゴンクエストモンスターバトルロードで、キーファの真空火炎斬りを見たことがあり、再現できないかと試行錯誤していた。ぶっつけ本番がうまくいって内心安堵している。

◯バーバラ
最近知り合った男の旅に同行する少女。シリウスの背中で涎を垂らし寝てしまう。

◯ポイズンゾンビB
塔の外で起き上がるも、城壁で吹き上がる大きな火柱を見て逃走した。

ロクモン(スロカス)
サンマリーノの街に籠り、スロットを回し続ける。
前回投稿から10分後に、100コインスロットでスイカを5つ揃え、30万コインが当たり脳汁が止まらない。
小説を書きながらも、スロットを回し続ける。
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