聖者ノーランドのキセキ   作:灼熱の黄金ポテト

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気づいたら書き終わっていたッ!?
スタンド攻撃か!?

※本日2話目です。お気をつけ下さい

てことでついに解禁
ちなみにシリアスは死にました


第六話 イドラ

『仕方がないのぅ……まぁそれでも我が主だ。存分に働らいてやろうぞ』

 

 その言葉と共に、目の前に一人の少女が舞い降りる。

 鋭い眼光だが、なんかその、傲慢な態度がその笑顔に出ている。

 そして黒いドレスは、マスターであるノーランドとは対になっているかのようだ。

 

 本当に出てくると思わなかったノーランドは、驚愕半分、出て来れるんやんけ。という感情半分でせめぎ合い、呆けた顔で立ち尽くしていた。

 

「お前が……俺のエンブリオ……かッ!?」

『!?』

 

 突如、衝撃。

 急に割られて驚愕の【ブローチ】。

 これには【竜鱗】も苦笑い。

 

 当たり前だ。

 普通に【デミドラグワーム】は目の前にいるし、そんなお約束が通じる知能までは持ち合わせていないのだから。

 

 吹っ飛ばされる哀れなマスター。

 そして名を伝える前に飛ばされてしまった自身のマスターに顔が固まるエンブリオ。

 そして草葉の陰から落胆し嘆く虫たち。

 

 勢いよく木に激突するが、そんなのお構いなしにキレ散らかすノーランド。

 

「チクショウめ!今めっちゃ良いところだったんだぞ!クソッ!」

「そうだぞ!やっと妾の出番だというのに!台無しのしよったなデカ虫風情がッ!」

 

 キレる〈マスター〉と〈エンブリオ〉。

 何言ってるのか理解できないため、再度突撃してくる【デミドラ】。

 なんだコイツら。

 

「走れ!マスター!」

「言われなくてもッ!」

 

 追突、爆散。

 【デミドラ】が突っ込んだことで、木の破片が矢のように降り注ぐ。

 それを回避し、【デミドラ】の周りを駆ける。

 

「クソッ!どこかで回復しないと…」

「いいや、逆にするでない」

「ハァ? なんでさマイ〈エンブリオ〉よ」

「それはな、《厄災(ディザスター)》」

 

 彼女は言う。

 

「我が固有スキル《厄災(ディザスター)》は、死に際でこそ効果を発揮する。故に、【ブローチ】が砕け、死ぬ間際の今こそ効果が輝く。そして」

 

 彼女の目が真っ直ぐに貫く。

 

「絶対に攻撃し続けるのだ。でなければ、時を待たずして、其方が先に《厄災(ディザスター)》に殺されるぞ」

「???」

 

 ノーランドは理解できない。という表情で固まっていた。

 そりゃそうだ。

 なんせ説明が曖昧すぎるのだから。

 

「ええいこの……それ貸せぃ!ふんッ!」

「あっおまっ!俺のメイス!」

 

 彼女はノーランドのメイスをひったくり、地面に叩きつけて土埃で視界を遮り、メイスを投げて音をだし、【デミドラ】の気を違う方向へと誘導した。

 そしてノーランドの手を引き、木の裏へと身を隠させる。

 

「良いか?《厄災(ディザスター)》の効果は、攻撃と速度の超強化。それも、死に頻するほど強化倍率が増していくという癖ものだ。扱いずらいが、主が望んだ結果だ。噛み締めて使うがいい」

 

 そうしてスキルの効果を説明される。

 

「それと、これだけは気をつけねばならん。攻撃し続けろ(・・・・・・)、それも最低1分間。でなければ効果が続かずに切れ、スキルにより強制的に死ぬことになる」

 

 なんてことを言われ、ノーランドは驚愕の顔になる。

 

「…ピーキーすぎないか、それ…」

「仕方がないだろう。死に際の“現状”、圧倒的なステータス差がある“現状”、それを逆手にとるためのスキルなのだ。それに、攻撃しても強化倍率は上がっていくのだ、安心せい。分かったら、ほら、戦え。二人を追いかけねばだろ?」

 

 そうだ。

 もう見えはしないが、ステータス上ではミリアーヌは生きている。

 だとしても安心はできない。

 レイは生きているだろうか?

 不測の事態を考え、一刻も早く加勢に行った方がいいだろう。

 

「だけど……武器なくなったが?」

「阿呆(あほう)め、妾がおる。存分に使え」

 

 その言葉と共に、彼女は、純白のメイスへと変身する。

 禍々しい模様は、まるで彼女の傲慢な笑みを象徴するかのように、渦巻いている。

 

『よいか?攻撃を止めても、必ず3秒以内には再度攻撃するのだ。でなければ、効果は途切れ、どのみち“ムカデ”に殺されるぞ』

「分かった……いくぞ!《厄災(ディザスター)》!」

 

 瞬時に、足が速く……なりすぎている。

 不味い、制御がッ!

 

『それでよい……そのまま突き進め!』

「…!あぁ!」

 

 突如、火花が散る。

 純白のメイスと、【デミドラグワーム】の外骨格がぶつかる悲鳴だ。

 しかし、その一瞬の攻防の結果は、明らかだ。

 

『GIGYAAA!!!??』

 

 外骨格は砕け、崩れかけている。

 そしてその間にも、ノーランドは反対側へと走り去り…

 

「足ィ!!」

 

 間接を捉え、右側の節足を数本砕き壊す。

 圧倒的な筋力と速度からなる打撃は、あらゆるものを破壊せんとブチ壊していく。

 

『GIGIGIEEEEEEE!!!!!』

 

 無論、【デミドラグワーム】もやられてばかりではいられない。

 しかし。

 

『GIEEE!!!??』

 

 速い。

 それに巨体では、足元や背中を飛び回り、走り回るノーランドを捉え切れない。

 そしてその間にも、追撃は続いていく。

 

-300

-300

-350!

-300

 

 【デミドラグワーム】はすでに、なす術がなかった。

 攻撃をしようにも当たらず、目視をもできないため。

 そのうち【デミドラ】は、光のカケラとなり世界へと消えていったのであった。

 

 訪れる静寂。

 役1分半にもなる戦いは、ノーランドの一方的な暴力により決着がついたのだった。

 そして、効果が終了したと同時に、疲労感がノーランドを襲う。

 

「……か、勝った…!」

「よくやった。と、褒めてやろうぞ、我がマスターよ」

「傲慢なやつだな……それで? お前が俺の〈エンブリオ〉なんだろう?」

 

 メイスから人型へ戻った彼女に、語りかける。

 すると嬉しそうに歯を見せ笑い、彼女は俺の前にたち、宙で足を組んで見下ろしてきた。

 

「妾こそはイドラ。〈エンブリオ〉、TYPE:メイデンwithアームズのイドラ。貴殿の心と肉と魂から生まれたモノぞ」

 

 彼女は……イドラは口を吊り上げて笑いかける。

 

「よろしく頼むぞ? 我がマスターよ」

 

 To be continued




レイくんには、ネメシスの《カウンター・アブソープション》があったから話す余裕があったけど、イドラちゃんにはないからね、防御スキル。
そりゃ吹っ飛ばされるよね。



[オマケ]

【望蜀魔姫 イドラ】
TYPE:メイデンwithアームズ
能力特性:成就
モチーフ:クトゥルフ神話に登場する外なる神の一柱 “イドラ”
紋章:玉座に座する女神
形状:白く禍々しいメイス
ジャイアントキリング:『現状』

望蜀:一つの望みがかなうと、さらにその上を次々と望むこと。人間の欲望にきりがないことのたとえ。


↓イドラちゃんイメージ

【挿絵表示】

なんという傲慢そうな顔だ…!
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