目が覚めたらアブソルだった件…いや、なんで!?   作:W297

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気分が乗るまま書いてみました…。

早く他のも更新しないといけないってのに…。

ちなみにですが、基本は主人公視点ですが、ところどころで視点が変わることがあります。

あとポケモンたちが『』で喋っている時は鳴き声で話していると思ってください。


1話 気づいたらまどろみの森

 …気づいたら、そこは薄暗く霧が立ち込める森だった。

 

(…んん、どこだここ…)

 

 目を擦ろうとした俺だったが、一瞬白い視界で覆われた。

 

(え…)

 

 目線を下に向けると、そこにあったのは白いふわふわの毛に覆われた体と、手足から生えていた鋭い爪。

 

(は…、どういうことだこれ…!?)

 

 そう思った俺は、移動しようと立ちあがろうとする。

 

 …だが。

 

(おわっと!?)

 

 いつものように立とうとすると、俺は後ろに倒れてしまった。

 

(いった…、なんで立てねえんだよ…)

 

 体勢を立て直した俺は、手を地面についたまま体を上げる。

 

(…これが正解か)

 

 4本の足で体を支える。これがこの体の正解のようだ。

 

 とはいえスムーズには歩けず、ギクシャクしながら俺は水場へと歩いて行く。

 

(あ、あった…)

 

 俺は水面に映る俺の顔を見る。

 

 

 

 

 

「…ソルッ(はあっ)!?」

 

 

 

 

 

静かな森に、そんな鳴き声が響き渡り、鳥たちが驚いて飛び立って行く。

 

 …水辺にあったのは紺色の顔と赤い瞳、顔の右から生えた大きな角。

 

 俺はあたりを見渡すが、俺の周りには何もいないし、小さい生き物たちの鳴き声が聞こえてくる程度。

 

 そして、この姿に俺は見覚えがあった。

 

(これ、アブソルだよな…)

 

 俺の姿は、わざわいポケモン、アブソルへと変わっていた。

 

(っていうかなんでアブソルになってんだ俺…)

 

 俺は記憶を遡る。

 

 いつも通りの生活を送り、いつものようにベッドで寝た。

 

 …それで、次に目を覚ましたらここに生まれた…、しかもアブソルとして。

 

(いや、転生させるにしてもトレーナー側じゃねえの?)

 

 俺がそう思っていたところ、付近の草が動く音がする。

 

 身構えたが、そこから出てきたのは頬を大きく膨らませたリス…、おそらくはホシガリスか。

 

『…あれ、みない顔だ』

 

 そう言った後、ホシガリスは水を飲んでその場を後にする。

 

 どうやらここはポケモンたちの水飲み場のようだ。

 

 …ずっとここを占領してるのも悪いかもしれないと思った俺は、改めて立ち上がり周辺を探索してみることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …アブソルとして生まれてから数日、周辺を探索してみて、分かったことがある。

 

 どうやらここは、まどろみの森だ。

 

 ガラル地方の最初の街、ハロンタウンの傍にある森で、ストーリー上だと最初に訪れる場所。

 

 奥には強そうなムシャーナやガラルマタドガスとかいたし、俺がどんな強さかはまだわからない。

 

 下手にやろうとして、負けたら命の危険があるかもしれない、手は出さないほうがいいだろう。

 

 それと、俺が覚えている技だが、にらみつけるでんこうせっかかげぶんしんの3つ。おそらくレベルは6くらいか。

 

 …それで、だ。これからどうするか。

 

 この世界でアブソルとして生きて行く上で、どうすべきか。

 

 アブソルは災いを伝えるために人里に降りるポケモン。

 

 もしかしたら、何かあれば頭に入ってくるのかもしれない。

 

 そう思っていると、俺の頭にある光景が入ってきた。

 

(なんだこれ、子供…?)

 

 俺の頭に浮かんできたのは、3人の子供が霧の中で倒れている風景。

 

 場所については、結構強いポケモンたちが蔓延る直前の小さな広場のようになっている場所。

 

(不味いな、奥にいるポケモンたちに襲われたら普通に死ぬかもしれねえぞ?)

 

 …そう思った俺の足は、自然とハロンタウンへと足を進めていた。

 

 確かこの森は入ってはいけない場所と決められている。なんで入ったのかは知らないが…。

 

 そう草を掻き分けながら歩いていると、大きな姿が見えた。

 

 青色の髪の毛と、剣と盾が描いてあるTシャツ、そして数々の企業と思われるロゴが書かれているマント。

 

 そしてその傍にいたのはオレンジ色のドラゴンのような、尻尾の先が燃えている生き物…。

 

 俺はこの顔と姿に見覚えがあった。

 

 ガラル地方のチャンピオン、ダンデとリザードンだ。

 

「ん?子供のアブソルか…?

 

 確かガラル本土に野生はいないはずだが、なんでこんなところに…?」

 

 ダンデがそう呟くと、横からリザードンが声をかける。

 

『ダンデ!今はそいつに気を取られてる場合じゃねえだろ!

 

 さっさと行くぞ!』

 

 そうリザードンはダンデの手を引いていこうとしていた。

 

「あ、ああそうだなリザードン。

 

 アブソル、またどこかで会おうな!」

 

 そう言ってダンデは俺の頭を撫で、走って行こうとする。

 

 …ってまさかこいつ、子供達を探しにきたのか?

 

 …それなら!

 

 

 

『ちょ、ちょっと待って!』

 

 

 

 俺はダンデとリザードンに向けてそう叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アブッ、アブソッ!」

 

 まどろみの森の中へと行った3人を探すため、リザードンとともにまどろみの森の中へと入った俺。

 

 そんな中で俺は小さな子供のアブソルを見つけた。

 

 カンムリ雪原にしかいないはずのアブソルが何故ここにいるのか少し気にはなったが、リザードンが急かすように今はそれどころじゃない。弟たちの危機だ。

 

 軽く頭を撫でた後、別れようとしたが、アブソルは俺たちに向けて叫んできた。

 

「ど、どうしたんだアブソル?

 

 俺たちは急いでるんだが…」

 

 改めてアブソルを見ると何かを伝えようとしていた。

 

「ばぎゅあッ!?」

 

「ソルッ!」

 

 そうリザードンとアブソルが言葉を交わした後、アブソルはどこかへと連れて行こうとする。

 

「ばぎゃッ!」

 

 リザードンもそれについて行こうとしている。

 

 …聞いたことがある。アブソルは災いを伝えるため人里に降りてくるポケモンだと。

 

 そんなポケモンが今の俺に伝えたいこと…。ということは、だ。

 

「…お前、まさかポップたちがいる場所を知ってるのか!?」

 

「ソルッ!」

 

 俺がそう聞くと、アブソルは肯定するように首を縦に振った。

 

「…分かった、案内してくれ!」

 

 俺がアブソルにそう伝えると、アブソルは頷いて駆け出して行った。

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