目が覚めたらアブソルだった件…いや、なんで!? 作:W297
開会式を終えたユウリ達は、ターフタウンへとつながる道を歩いていた。
そんな中、ホップからユウリに向けて声がかかる。
「ユウリ、マサル、いいことを思いついたぞ!
ここで特訓していこうぜ!」
…そうだ、あったわホップとのバトル。
「…うーん、俺は昨日やったしな…。
俺は遠慮しとくよ」
マサルはそうホップに返す。おそらくここまでの間にホップとバトルしたのだろう。
「そうなのか?
じゃあユウリはどうする?」
ホップがそう聞くと、ユウリは「そうだなー…」と返す。
「折角だしね、やろっかホップ!」
「ノリがご機嫌だな!
他のライバルたちに負けないよう、俺たちも盛り上がるぞ!」
「オーケー!」
そう言ってユウリは俺の入ったボールを手に取る。
「行ってこい、ウール―!」
「出番だよ、アブソル!」
「…アブソッ!」
ボールから出てきて、俺はそう吼える。
「ぐめっ…」
ウール―は俺の声を受けて、1歩後ずさる。
「…ウール―、ビビるな!
このアブソルに勝つことが出来れば、お前は強くなれるぞ」
「ぐめめっ…!」
ウール―はそう体を立て直す。
…うん、球体が動いてるようにしか見えねえ。
「ウール―、たいあたりだ!」
「ぐめっ!」
そう言って、ウールーは俺に向けて転がってくる。
…いや、ほぼころがるじゃねえか、それ!?
「アブソル!躱してでんこうせっか!」
「ソルッ!」
俺は勢いよく転がってくるウール―を俺はギリギリで避け、ウール―の体に突撃する。
…もふっ。
俺の顔は一瞬ウールーの毛に包まれる。…すごく気持ちよかった。
そして、俺に攻撃されたウール―はボールが弾むように吹っ飛んでいく。
「ウールー!まだ行けるか!」
「ぐめっ!」
4本足で立ったウール―は顔を左右に振った後にそう鳴く。
「ウール―、まねっこを使ってでんこうせっかだ!」
そしてウール―は俺のように勢いよく体に攻撃して来る。
「…っ!」
俺は勢いを吸収するために後ろに飛ぶ。
いくら、ウール―程度とはいえ、多少は痛い。
…これがポケモンバトルである。
「…アブソル、大丈夫だよね!」
『ああ、平気だ!』
俺はユウリにそう返す。
「どうだ、ユウリ!
でんこうせっかを扱えるのはお前のアブソルだけじゃないぞ!」
「うん、そう来てもらわなくっちゃ!
…でも、この技はマネできないんじゃない?」
ユウリはそう言って、俺にある技の指示を出してくる。
「アブソル!はたきおとす!」
俺は静かにうなずいて、ウール―の上へと飛び上がる。
『お…、ら…、よっ、と!』
俺の右前足がウール―の体へと振り下ろされる。
ウール―の体毛によって多少はダメージが軽減されたが、それでもウール―本体へ攻撃を伝達させるには十分だった。
「ぐめっ…!」
ウール―はそのまま四肢を投げ出して地面に突っ伏した。
◇ ◇ ◇
…その後、俺は交代してボールの中からバトルを見守った。
ココガラは蒼真が対応し、空中を飛ぶ相手に苦戦はしたものの、相性の良さとユウリの「落ち着いてやれば大丈夫!」という言葉を蒼真が聞いて落ち着いて対処できたみたいだ。
その次がサルノリ。
ユウリはそのまま蒼真で行こうとしたが、サルノリが不満そうな顔を見せられたそう。
ホップからは「コイツが、相手はヒバニーがいいって言ってる」と伝えられて穂乃花が出場。
ただ、進化前のサルノリと1回進化した後のラビフットだと差は明白。
ニトロチャージでスピードを上げながら攻撃していく戦法で圧倒したみたい
「…よし、勝てた!」
「トレーニングになったのか?俺まずいぞ…」
ユウリとホップがそう言葉を交わしていく。。
「やっぱり、初手のアブソルに振り回されて、そこから自分のペースに戻せてなかったね。
そこからホップの対応は後手後手になってたな…」
「確かにな…、全部相手の攻撃に対して…、って形になってた気がするぞ…。
でも、さすがは俺のライバルだなユウリ!
こんな強いやつがライバルにいるのは燃えてくるぞ!」
「そう言ってもらえると嬉しいよ。私もホップやマサルがいるからこそ負けられないって思うからさ」
「エンジンスタジアムから始まるジムチャレンジ。
最初のジムリーダーは遠く離れた町にいるけど、絶対に最後まで勝ち進んでチャンピオンに挑むぞ!」
そしてホップから「ハロンタウンのホップが、次のチャンピオンだぞー!」という声と走っていく音が聞こえてきた。
「あ、ホップ…、行っちゃったか…」
「まあ、今日はこの辺で解散としようか。
…ユウリ、俺もまたどっかで勝負してもらってもいいかな?」
「うん、ポケモンたちの状況にもよるけど、出来る限り応えるつもりだよ」
マサルからは「それじゃ、俺も行くよ」という言葉が聞こえてきた。
「ユウリ、道中1人になると思うけど気を付けてね」
「マサルこそ。気をつけてね」
そしてその場から去っていく足音がする。
そして、ユウリは俺のボールを持つ…、違う、俺たちのボールを持つ。
「…多分、ホップはこれぐらいで終わる奴じゃないし、マサルも強くなってる。
私も油断できないな…。3人とも、これからも頑張ろうね」
俺はボールの中でそんなユウリの言葉に静かに頷いた。