目が覚めたらアブソルだった件…いや、なんで!?   作:W297

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24話 潮風が運ぶ、新たな出会い

 ホップとのバトルを終え、俺たちはバウタウンへと到着した。

 

 …うん、海が近い街らしく潮の香りが漂ってくる。

 

「今日のうちにジムチャレンジできたらいいなー…」

 

 ユウリはそう言ってこの町のスタジアム、バウスタジアムへと向かっていく。

 

『…ここって水タイプのジムだったよね、白斗?』

 

 穂乃花が俺の背中の上からにそう話してくる。

 

 この位置はもう外を歩いている時の穂乃花の定位置である。

 

『ああ、お前が出るのははちょっと厳しいかもな』

 

『むー、ホップとの試合で選ばれなかった分、出たかったのに…』

 

 穂乃花はそう頬を膨らませる。

 

 ユウリとホップとの試合で選ばれなかった分、俺と同じで若干不満は持っているみたいである。

 

『まあ、エンジンシティだったら選ばれるんじゃねえか?

 

 あそこは玲が不利になるところだし』

 

『…そうなの?それなら、ここは頑張らないとね。

 

 草タイプって水タイプには相性いいんでしょ?』

 

『そうだな。俺もついにジム戦でれるかもだし、わくわくしてるよ』

 

 蒼真もそう話してくる。まあ蒼真も電気タイプだ、相性は良いポケモンである。

 

『いいなー、私選ばれないだろうけど、いつかは選ばれるようになりたいよ』

 

 祐希はそう話す。確かにイーブイのままだと限界は来るだろうし。

 

『まあ、そう心配すんなよ祐希。

 

 その内お前も必要とされるときが来るはずだからよ』

 

『うん!』

 

 そう俺たちが話して、トレーナー・ポケモン共にジム戦に対する準備は万全…だったんだが。

 

「…すみません!今日のジムチャレンジの枠は全て埋まっておりまして…」

 

「…え?」

 

 スタジアムの受付でユウリはそう声を上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「明日かー…」

 

 ユウリは若干落ち込んだ表情で歩いていく。

 

 …まあゲームならすんなり行けるだろうけど、ジムチャレンジはガラルで一番の興行だ。

 

 ルリナのジムはまだ序盤、多少はヤローのジムで落とされるだろうけどそれで集まる人多いだろう。

 

「…うーん、どうしよっかな…」

 

 そんな中、ユウリは「そうだ!」とあることを思いついたようである。

 

「これならジム戦前の特訓もできるし…!」

 

 そう言ってユウリがバッグから取り出したのは釣り竿。

 

「釣った水タイプのポケモンと戦えば、いい練習になるよね!」

 

 確かに、ここは海に面する街。海にすむポケモン達は多いだろう。

 

「それじゃ、行くよみんな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 釣った水ポケモンと戦う…、ユウリのその考えは良かったのだが。

 

「…釣れない」

 

 釣り糸を垂らしてから1時間、ポケモンがかかる気配が全くない。

 

『…もう、諦めた方が良いんじゃね?』

 

 蒼真はユウリの傍に座ってそう呟く。

 

『うん、確かにそうだね…』

 

 穂乃花も蒼真の言葉に同意する。

 

「そろそろ帰ろうか…」

 

 ユウリもそう諦めそうになった時、…釣り竿が動いた。

 

「…来た!」

 

 ユウリがそう釣り竿を引っ張ると、釣り糸は大きく下に下げる。

 

「えっ…、水の中のポケモンってこんなに重いの…!?」

 

 ユウリが話す通り、釣り竿は大きくしなっていた。

 

 …いや、そんな訳はない。

 

 ここで釣れるのは、サシカマス、ヨワシ、カムカメ、バスラオ、チョンチーのはず。

 

 他に考えるとすれば、カジリガメやランターンといったそれぞれの進化系。

 

 そんなポケモンならそれなりには強いはず…。俺と穂乃花、それから蒼真は戦闘準備に入っていた。

 

 …ただ、その予想は外れることになる。

 

「よいしょ…っと!」

 

 ユウリが全力の力を持って釣り上げたポケモンは、白く細長かった。

 

 そして、その下半身には七色の鱗が水しぶきと共に輝いていた。

 

 そのポケモンは陸に着地して、こちらを見てくる。

 

「ミロロ(なんなの、もう)…」

 

 世界一美しいと言われているポケモン、ミロカロス。

 

 

 

《ミロカロス、いつくしみポケモン。

 

 最も美しいポケモンとも呼ばれ、多くの芸術家にインスピレーションを与えてきた。》

 

 

 

 図鑑の言葉通り、やっぱり綺麗である。

 

「…これが、ミロカロス…」

 

『綺麗…』

 

『わあ…』

 

 ユウリはミロカロスの美しさにそう言葉を失い、玲と祐希もそう言葉を発することしかできなくなっていた。

 

 …ただ、原作をやったことがある俺たち3人は違った。

 

『ミロカロスって、ここで釣れないよね…!?』

 

『ああ、釣れる情報なんて聞いたことねえよ…』

 

『そもそもこの辺りで出るとして、次のジムのことを考えたらバランスブレイカーだろ…!』

 

 そう俺たちが話していく中、ミロカロスが海の中を見ながら言葉を話してくる。

 

『あー、もう少し海の中でいても良かったんだけどな…』

 

 その言葉を聞いて、俺たちポケモン達の動きが止まる。

 

『え…!?』

 

 俺はそんな声を上げてしまう。

 

『…まあ、陸の景色も見たかったし、ちょうどいいか!』

 

 ミロカロスは続けて話してくる。

 

 …間違いない。

 

 

 

 

 このミロカロスはもともと()()だ。

 

 

 

 

 

 そうじゃなければ、「水の中でいてもよかった」なんて、普通のポケモンが言うはずがない。

 

『あ、あのさ…』

 

『…ん、何かな?』

 

 俺は意を決してミロカロスに聞く。

 

『…お前、もしかしてもともと人間だったんじゃねえか…?』

 

『うん…、転生してその体になった…、とかじゃないの?』

 

 穂乃花も俺の言葉に付け足すようにしてそう聞いてくる。

 

 ミロカロスは俺たちの言葉にピクンと体を動かす。

 

『え…?

 

 こっちも、もしかして…なんだけどさ』

 

 ミロカロスが俺たちに近づき、そのまま続ける。

 

『君たちって、白斗と穂乃花じゃない?』

 

 一瞬、俺たちの時間が止まったような気がする。

 

『…なんで』

 

 穂乃花が震える声で呟く。

 

『なんで、私たちの名前を知って…』

 

 ミロカロスは俺たち5匹を見回して笑う。

 

『…やっぱり、そうだ!

 

 会えてうれしいよ、みんな』

 

 ミロカロスは俺たちに向けてそう話してくる。

 

『…お前、誰なんだ…?』

 

 俺はミロカロスにそう問いかける。

 

 ミロカロスは少し黙った後、改めて口を開く。

 

 

 

 

『…私のこと、覚えてる?』

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