目が覚めたらアブソルだった件…いや、なんで!?   作:W297

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28話 挑戦、VSルリナ!②

???SIDE

 

 ユウリは白斗をボールに戻し、自分の「アブソルならどんな状況でも勝ってくれる」という甘い考えを悔やむ。

 

(あのアブソルが、通用しなかった…)

 

 今まで、アブソルならどんな状況でもなんとかしてくれた。

 

 自分の期待には必ず応えてくれる。強くてかっこいい、自分の自慢のポケモン。

 

 今回も勝てると信じて、1番目のポケモンに選んだ。

 

 水のフィールドでも問題なく戦える、そう信じていた。

 

 …そんなアブソルが、初めてほぼ何もできない状況に立たされた。

 

 試合が続く以上、何があろうとアブソルは戦おうとはしてくれるだろう。

 

 …ただ、勝負が長引いてもアブソルが勝てる可能性は低い。

 

 このまま続いても、アブソルは体力を消耗していくだけ。

 

 …アブソルを下げる、ユウリはそう判断せざるを得なかった。

 

(…ごめん、アブソル。私の判断ミスだ。

 

 こんな戦いにくいフィールドで、よくあそこまでやろうとしてたよ)

 

 ユウリはボールの中にいるアブソルに対してそう思う。

 

「…いい判断だと思うよ、君のアブソルの強さは分かってたから全力で攪乱させてもらったんだ。

 

 さあ、次はどんなポケモンかな?」

 

 ルリナからそう声が飛んでくる。

 

 …アブソルが強いポケモンということは自分も分かっている。

 

 だが、向こうも接近戦を仕掛けてくるアブソルのことは対策済み。

 

 だからルリナは勝つためにまともにアブソルを攻撃させない…、そういう手段を取った。

 

 …改めて、ユウリは思う。

 

(これが…、ジムリーダー…!)

 

 ただバトルをするだけでなく、チャレンジャーの超えるべき壁となる。

 

 そんなジムリーダーの強さをユウリは改めて感じた。

 

「チャレンジャー、次のポケモンを出してください!」

 

 審判からそう声がかかる。ユウリも頭の中で思案した上であるボールを手に取っていた。

 

「…ごめん、今回は使うつもりはなかったんだけど、この状況を変えるには、あなたに賭けるしかないんだ。

 

 アブソルの分まで、頼んだよ」」

 

 …ユウリはアブソルと水タイプに対して相性がいいロゼリア、ルクシオの3匹を出すつもりだった。

 

 …ただ、今ここで2人を出しても状況は変わらない…、ユウリはそう判断した。

 

 そうボールの中にいるポケモンに向けてユウリは話していく。

 

「…出番だよ、ミロカロス!」

 

「ミロッ!」

 

 ユウリは昨日捕まえたばかりのポケモン、ミロカロスにこの勝負を託した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へえ、ミロカロスか。

 

 そんなポケモンも持っているんだね」

 

「ええ、昨日捕まえたばかりですけど、流れを変えるにはこの子しかないかなって。

 

 ミロカロス、行くよ!」

 

「ミロッ(うん)!」

 

 …未来も、白斗が何もできないまま下げられたことは分かっていた。

 

 自分が間違った時、正しい方向へ導いてくれる。それが白斗だった。

 

 バトルにおいても頼りになる…、そんな存在が何もできずに下がった。

 

(…分かってるよ、白斗。

 

 白斗は何もできない、ユウリの期待に応えられない自分が嫌なんだよね。

 

 今回の勝負だって、白斗は確実に自分のせいだと思い込むはずなんだ)

 

 今まで自分を支えてくれた白斗の思い…、それは未来も重々分かっていた。

 

 白斗は他人のミスにはあまり怒らない。昨日、未来を怒ったのもあくまでなんで自分たちを頼らなかったんだ…という怒りだった。

 

(なら、今まで白斗が私を支えてくれた分、私が白斗を支えるしかないんだ。

 

 バトルは初めてだけど、やるしかないよね…!)

 

『…待ってて、白斗。

 

 絶対、勝ってみせるから…!』

 

 未来はそう声を出す。

 

 …それは白斗をこれ以上苦しませない、そんな未来の宣言だった。

 

「それじゃ行くよ!

 

 トサキント、みずのはどう!」

 

「ミロカロス、水の中で躱して!」

 

「ミロッ!」

 

 未来はそう言ってプールの中へと飛び込む。

 

「へえ、私相手に水中戦?

 

 面白いことしてくれるじゃん!」

 

 ルリナはそうユウリにそう言ってくる。

 

 ユウリが選んだ戦法、…それは水中戦。

 

 相手がみずタイプのエキスパートであることは分かっている、それでも水中戦を仕掛ける…。

 

 それがこの状況を変えるためのユウリの選択。

 

 …そして、その選択は正しかった、

 

(水の中なら…、負ける気はしない!)

 

 トサキントの攻撃は未来に全く当たらない。

 

「ミロカロス、ドラゴンテールで水上に打ち上げて!」

 

『はーい!』

 

 未来は自分の尾鰭を使ってトサキントにぶつけ、トサキントを水中から空中へと打ち上げる。

 

「みずのはどう!」

 

 未来によって打ち上げられ、無防備になったトサキントは水の衝撃波をまともに受ける。

 

 トサキントは、そのまま落下して、水面に全く動かなくなった状態で浮き上がる。

 

「トサキント戦闘不能!

 

 ミロカロスの勝ち!」

 

 審判からその言葉が伝えられると、ユウリは「ふうっ」と息を吐く。

 

「まずは、1体目…!」

 

 ユウリはそう気合を入れなおす。

 

「ありがとうトサキント、ゆっくり休んでね。

 

 …私に水中勝負を挑むなんて、流石はダンデが推薦したチャレンジャーね。

 

 でも、これで1対1といったところかしら?」

 

 実際、ルリナの言う通り白斗はまだ瀕死状態にはなっていないもののこのフィールドでは戦えない。

 

 もちろん、白斗も3枠の中に入っている。ユウリが使えるのは後1枠だ。

 

 …ユウリとしても、今回の勝負は最初の白斗無しでどこまで行けるか…、ある意味挑戦のバトルだ。

 

「でも、次のポケモンはトサキント以上に速いわよ!

 

 行きなさい、サシカマス!」

 

「カマッ!」

 

 ユウリはその水面から顔を出す魚ポケモンに向けて、「サシカマス…か」と目線を向ける。

 

 進化前とはいえ、水中なら水タイプの中でも屈指のスピードを誇るポケモン。

 

「チャレンジャー、ポケモンの交代はどうされますか?」

 

「…ミロカロス、まだ行けるよね?」

 

「ミロロッ(もちろんっ)!」

 

 …ミロカロスの第2ラウンドが始まった。

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