目が覚めたらアブソルだった件…いや、なんで!?   作:W297

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3話 転生仲間発見した。

「…おいおい、お前がいつでもアブソルをモフれるようにしたいだけなんじゃねえのか?」

 

 ユウリの言葉を受けて、マサルはそう苦笑いしながら話すと、ユウリは「そ、それもあるけど…」と続ける。

 

 …っておい、それもあんのかよ。

 

「そる…」

 

 その言葉を聞いた俺はリザードンの後ろに隠れる。

 

「ユウリ、アブソルがビビってるぞ!?」

 

「あー!ごめんってば!

 

 これからはなるべく控えめにするからー!」

 

 そう俺に話してきたユウリは「コホンっ」と雰囲気を立て直そうとする。

 

「…この子、まどろみの森でいるにしろ、他のアブソルがいるところへ返すにしろ、どっちにしろ1匹になるんでしょ?

 

 なら、私と一緒に行けば絶対1匹にはならない。

 

 『1匹にしたくない』ってマサルの不安も解決じゃない?」

 

「確かにそうだけどよ…」

 

 

 マサルがそう呟き、ユウリはしゃがんで俺の目線と合わせながら「それとね」と続けてくる。

 

「なんかこの子は初めて見たときから、仲間にしたいなって思ったんだ。

 

 なんでかは分からないけど、私の直感がそう言ってる気がする」

 

「なるほどな、確かに重要だぜ、その感性は」

 

 そうダンデがユウリに告げた後、ダンデは俺に話してくる。

 

「…アブソル、決めるのは君自身だ。

 

 まどろみの森に戻るか、他のアブソルたちがいるところへ行くか、ユウリのポケモンになるか。

 

 君が後悔しない選択をしてくれたらいい。

 

 俺たちはその選択を尊重するよ」

 

 …後悔しない選択、か。

 

 まどろみの森で数日過ごしたけど、奥にいる強いポケモンたちのところさえいかなければ、俺は安定した生活を送れるだろう。

 

 他のアブソルがどういう生活を送っているかも気にならない…、という訳ではない。

 

 …ただ、あんまり生活には変化がないと思うし、おもしろくはないかもしれない。

 

 この世界はポケモン剣盾、見た限りはストーリーの超序盤。

 

 ユウリ達はこれからブラッシータウンに行って図鑑をもらうことになるのだろう。

 

 

 

 

 

「…ソル(決めた)」

 

 

 

 

 

 俺はそう短く鳴いて、ユウリの前へと歩いていく。

 

「…私に着いて来てくれるの、アブソル?」

 

 ユウリの言葉に、俺は静かに首を縦に振る。

 

 …折角のポケモン世界だ。旅をしたくないっていえば嘘になる。

 

 ガラル地方のいろんなところを回って、強くなっていきたい。

 

 …それに、ユウリのこの顔を見て、みすみす逃すわけには行かねえ。

 

 実際、ユウリは愛奈とは何も関係ないと思う。愛奈がこの世界に来ているわけがない。

 

 …ただ、俺はコイツを守りたいと思った。理由なんてそれだけで十分である。

 

 俺の目を見たユウリはしゃがんで右手を出してくる。

 

「それじゃ、アブソル。これからよろしくね!」

 

「ソル!」

 

 それに対応するように、俺はユウリの右手に手を置いた。

 

「…それじゃ、ボールボール…。あっ」

 

 ユウリがバッグから俺を捕まえる用のボールを探していると、あることに気付いたみたいである。

 

 

 

 

 

「…モンスターボール、まだ持ってなかった…」

 

 

 

 

 

 …やっぱり着いて行く人間、間違えたかもしれねえ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、ダンデからモンスターボールを貰い、俺をゲットしたユウリ。

 

 いったんはそれぞれの家に帰ることになり、俺はユウリの家へとやってきた。

 

 ユウリのお母さんへの顔見せも終わり、ユウリは自分の部屋へと入っていく。

 

 …それでだ。

 

(…女子の部屋って、入っていいんだろうか…)

 

 一応、もともとは人間の男だった俺。中学生くらいの少女の部屋に入っていいものか…。

 

「…アブソル―?早く入ってきなよー?」

 

 部屋の中からユウリのそんな声が聞こえてくる。

 

「…ソ、ソルルッ(し、失礼しまーす)…」

 

 ユウリに促され、俺は部屋の中へと入っていく。

 

 部屋の中には使い込まれたクッションなどが数個あり、おそらく何回も抱き締めているのだろう。

 

「…それじゃ、私のもう一匹のポケモンも紹介しとこっか。

 

 出ておいで、ヒバニー!」

 

「ヒバッ!」

 

 ポンッ!というボールが開く音と共に、ヒバニーが出てくる。

 

 ヒバニーは出てくると、俺の姿を見てぐるぐると眺めてくる。

 

「ヒバニー、新しく仲間になったアブソルだよ。

 

 アブソルも、私の初めてのポケモンのヒバニー。

 

 これから仲良くしてね?」」

 

「ヒバッ(よろしくね)!」

 

「…ソル(ああ)」

 

 俺たちも、お互いに言葉をそう交わしていく。

 

「あ、ちょっとママのところ行ってくるよ。

 

 ヒバニーとアブソル、ちょっと待っててね」

 

 そう言ってユウリは部屋を後にしていった。

 

『…ねえねえ、ちょっと聞いてもいい?』

 

『ん、なんだ?』

 

 俺の顔の前にやってきたヒバニーに俺がそう返すと、ヒバニーは『あのさ…』と告げる。

 

『君はさ、なんであの森にいたの?』

 

『いや、なんでって言われても気づいたらあの森にいて…』

 

 そう答えると、ヒバニーは『そういうことじゃないよ』と続ける。

 

『なんで、ガラル本土にはいないはずのアブソルが、まどろみの森の中にいたの?』

 

 …え、なんで…?

 

『…なんで知ってるんだよ。確かまどろみの森からの帰り道、ボールの中のお前は話聞いてなかったんじゃねえのか?』

 

 確か、ダンデのリザードンと俺以外のポケモンは全員モンスターボールの中にいたはずだ。

 

 話を聞いてたとは思えないが…。

 

『…だって、剣盾のストーリーはDLC含めて一通りやってたから。

 

 あそこにアブソルが出現することってないじゃん』

 

 …え、なんでそれを知ってるんだ…?

 

 

 

 

 

『…アブソル、もしかして「()()」、『転生者』じゃないの?

 

 

 

 

 

君もって…、もしかしてお前…』

 

 俺がそう答えると、ヒバニーは『うん』と返してくる。

 

 

 

 

「…私も、君と同じ転生者だよ」

 

 

 

 

 

 …同じ境遇のやつ、いたのかよ。

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