目を覚ますと、なぜだか気持ち悪い感覚に襲われる、見渡すと、地面が裂け、宙には地面が浮いている、間違いない、ホロウの中だ。
俺の名前はダスター、エリー都で働いていた普通の研究員だった…目を覚ますとこの有様、まずは生き残ることを考えなければならない。
30分ほどたっただろうか、俺は順調に
「行くわけねぇだろ!!」
クソ!クソ!クソ!どこもかしこもエーテリアスだらけだ!
後ろから何体もエーテリアスが追ってくる、しかもかなり強力だ、エーテル濃度が高いのだろう。
近くに隠れそうな洞穴があったのでそこに隠れ、今の状況を確かめる。起きたらホロウの中、エーテル濃度が高くエーテリアスも強力。
「これ、詰んだくね?」
嫌だ、死にたくない、しかもホロウの中で、でもキャロットもないし…クソ、調査員さえ居れば…
このままここで休んでも埒が明かないし、エーテリアスになるだけだ。
だがホロウには裂け目がある、無闇に走ってもどこかに飛ばされるだけだ。
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何時間たっただろう…もう覚えていない、侵食こそ進んでいないが、空腹や寝不足で体力はどんどん減っていく。
いっそ死にたくなってきたな…
そう考えていると、足音がする、間違いない、人間の足音だ。
俺は恐る恐る洞穴から音がする方向に体を預ける、するとスーツに袴を着た狐のシリオンと横にはスカーフに「01」と書かれたボンプがいた。
これは奇跡だ、俺は走って彼女たちがいる方向に行く。
「おい!お前ら調査員か!?」
そう声をかけると、狐のシリオンが怪しい物を見る目つきでこちらを睨む。
なぜだ、なぜそんな目で俺を睨む、なんかしたのか?俺。
そう考えていると、狐のシリオンが口を開く
「私は対ホロウ六課の課長、星見雅だ、なぜ一般人がこのホロウに?」
対ホロウ6課?聞いたことのない組織だ、俺はホロウの研究をしていて、そういうホロウ対策の部署には詳しい方だが対ホロウ六課などは聞いたことがない。
まあいい、とりあえずホロウに成通する人物なのは理解した。
「俺はダスター、ヘーリオス研究所で働いている、研究員だ」
そう言うと横のスカーフボンプが目を見開き。
「ヘーリオス、研究所…!?」
え、ボンプが喋った、しかもけっこ声かわいいし、どういうことだ、しかもヘーリオス研究所って言葉に反応したぞ、なんだ、強火のファンか?マニアックなシュミ持ってるやつもいるんだな。
「ねぇ!詳しく聞かせて!ヘーリオス研究所のこと!」
「まてまて、まずはホロウから出ないと、話すことも話せないよ、俺は普通の人間だ、エーテルに耐性なんかない」
そう言うと、狐とスカーフボンプが目を合わせ、頷く、無事帰れそうだ。
すると何やら音がする、獣のような…これは…!
「気をつけろ、エーテリアスだ!」
するとスカーフボンプと俺のところに犬型のエーテリアス、「ハティ」が襲いかかってくる。
あ、やば、死…
「え?」
何も起きない、体も痛くない、目を開けると一刀両断されたハティが目の前に転げ落ちていた。
「大丈夫か?」
星見雅が声をかけてくる、近い。
「あ、ああ…ありがとう、強いんだな…」
「当たり前だよ!なにせ雅さんは
「虚狩り…」
俺がそう呟いた瞬間、
動悸が止まらない、俺のせいであいつは、レミエールも…俺の…せいで!!
「落ち着いて!!」
ボンプの声でハッと目が覚める、まだ呼吸は荒い。
「すまない…悪い…嫌な事を思いだした、なあ…雅といったな、星見家3代目当主を知っているか?」
すると雅はキョトンとした顔で
「聞いたことはある、だがもう100年近く前の話だ、伝説の初代虚狩り、とだけな…」
100年前?まて、どういうことだ、それにそうだ、この街並み、俺が知っているエリー都そのもの、どういうことだ、まさか眠っている間に100年もたったのか、そんなことはありえない、ありえない、が…なぜ、俺がホロウの中で目覚めた…?ヤメだ、ここで考えても仕方ない、検証は帰ってからだ。
そこからはスラスラとホロウを抜けていった、このスカーフボンプはとてもナビゲーションが上手く、まるでジョイアスのようだった。
「よし、そろそろ出口だよ!」
そうボンプが言った瞬間、体に力が抜ける。
「やっと帰れる…」
出口に近づき、見たことない服装の調査員も増えてきた、道路も整備されている、やはりホロウの調査が俺の知っている何倍も進んでいる、やはり何かがおかしい。
そう思いながら歩いていると、雅が急に止まり、刀の柄に指を近づける。
「来るぞ、エーテリアスだ」
次の瞬間、空気が裂ける。
「デットエンドブッチャー!?なぜこんなところに!?」
デットエンドブッチャーの腕が襲いかかる、雅はとっさに刀を引き抜き俺たちを庇うように防御する。
「プロキシと貴様は逃げろ」
「ああ…分かっ…」
脳の中で声が響く。
「ヴァイク、レミエール、本当に大丈夫なのか?今回の実験は明らかに危ない、考えた俺だから分かるが失敗するかも知れないんだぞ」
「ダスターは心配しすぎだよ、私達虚狩りだよ、大丈夫大丈夫!」
2人は死んだ、俺は見ることしかできなかった、泣くことしかできなかった、もう嫌だ、目の前の人を救えないで、ホロウの研究員なんて名乗りたくない!
「雅!俺も戦うよ!」
「何を言っている、早く逃げろ!」
「雅さんの言う通りだよ!私達じゃあいつには勝てない!帰って雅さんの邪魔だよ!」
嫌だ嫌だ嫌だ、死なせたくない、もうあんな、あんな真似は!
「助けて!」
声が横から聞こえる、崖から落ちそうな研究員だ、見た瞬間、走っていた。
「貴様!馬鹿なのか!」
デットエンドブッチャーがダスターに集中し、腕がダスターに襲いかかる、その時だった。
飛んでいた、調査員を腕に抱え。
「は?」
後ろを見ると、自分の体から翼が生えているではないか。
エーテル結晶で作られた、黒色と鮮やかな緑が混ざった色。
その瞬間、雅がデットエンドブッチャーの一瞬の隙を逃さず、斬り伏せる。
俺は調査員を地面に下ろす。
「大丈夫ですか?」
そう声をかけた瞬間、俺は調査員達に囲まれ、銃を向けられていた。
「は?」