「オボルス」
目が覚める、清々しいほど眠れた気がする、気持ちよく眠れすぎて逆に頭が痛いくらいだ。
ここは病院か、俺は無事助かったみたいだ…あの時05が助けてくれなかったら俺は間違いなく死んでいただろう。
「ふわあ…」
ここであくびをひとつまみ、眠たくもないのにあくびをしてしまうのは人間の性というものだろうか。
ん?いつもより声が高い気がする、それに視点が低い様な。
そう思い、病室にある鏡を見る、そこには小さくて可愛い少年の姿が…
「って…!えええ!?」
一体どういうことだ!俺が、俺が…
「小さくなってる!?」
その時、バン、と扉が開けられる、目の前には星見雅。
「ダ、スター…」
「み、雅!信じてくれ、この姿は…」
その時、体から柔らかい感触がする、抱きつかれているのか、体温を感じる。
「馬鹿者…この大馬鹿ものが…」
「雅…」
泣いていた、あの星見雅が、俺は慰めるように背中を叩く。
「おい、感動のところ悪いが邪魔するぞ」
すると病室に入ってきたのは赤髪の女の子だった、黒い軍服を着ているようで尻尾のようなものから声が聞こえる。
「あ、あのすみません、うちの「鬼火」隊長が…」
「あ、いや、全然」
どういう状況だ、なぜか小さくなった俺を抱きつき泣いている雅と謎の尻尾が喋っている光景、意味が分からない。
「まあいい、本題に入ろう、貴様が倒したと見られる人語を話し、人間社会に紛れているであろうエーテリアス、それが貴様の寝ている間に3体ほど発見されてな、私達「オボルス」が2体、雲嶽山が一体討伐した、その結果、元の人間のベースのようなものが発見された、そのベースの人間が全て士官学校における優秀な生徒とだと分かった、生徒3名は1年前に行方不明となっていたが新種のエーテリアスのベースになっていたと判明したわけだ」
なるほど、05が言っていたように人間のベースがあるのか、あいつの言うことは嘘偽りないようだ。
「で、こんな怪我人に何のようでこんな話を?」
「何を言っている、お前は今日から防衛軍の「オボルス」所属だ、歓迎するぞ、「ダスター」」
「は?」
「感謝しろよ、オルペウスがおまえを助けてくれたんだ」
「そこはありがとう」
「い、いえ、当たり前のことをしただけであります!」
なぜ俺が防衛軍に着いたのか理由を聞くと、まず俺の体が小さくなっているのが原因だという、体が小さいのでエーテリアスとの戦闘は厳しいとのことで防衛軍の潜入担当へと移転したらしい。
雅はずっと拒否していたらしいが、軍の命令なので受け入れるしかなかった。
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「じゃあ皆さん、またあったときに」
「まったく、君がこんなに小さくなるなんて思わなかったよ」
悠真が俺を上から撫でてくる、ウザい。
「防衛軍に行っても頑張ってくださいね」
「うん!ダスターのこと応援してるよ!」
柳さんと蒼角は応援してくれている。
「ありがとう、みんな、さて俺もそろそろ…」
と言ったが、腕には雅が巻き付いており、離してくれない。
「あの?話してください?」
「無理…」
いや離せよ…
そう思って引き剥がそうとするがなかなかに手強い、さすが虚狩りといったところか、とてつもない握力で二の腕にしがみつく、コアラかなこの人。
「帰ってくるのか?」
そう問いかけられる、目元には涙の後があり、なんだが寂しそうだ。
「当たり前だ、必ず帰ってくるさ」
そう言うと素直に引く、なんだが素直だな、今日は…
「約束だからな」
「おう!」
そういい対ホロウ六課とは別れを告げた。
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そう言えばリンとアキラは見舞いには来なかったけど何をしているのだろう、少し気になるが、今は他人に構っている暇はないな、とにかく、「オボルス」に行って、目標を達成しないと。
H.A.N.Dから出ると、すぐに「鬼火」とオルペウスが待っていた。
「別れは告げたか?」
「ああ、さて、さっさと行こうぜ」
そして1本踏み出す、見事にコケた。
「だ、大丈夫でありますか!?ダスター殿!?」
体が小さくなったから上手く身動きが取れない、どうしてこんな身体に…
「ふん!本当に「オボルス」で使えるのか見物だな!」
防衛軍が用意してある車に乗る、中は広く、武器などが積まれてある、今思えば昔とそこまで変わらないのかもしれない、ただやはり技術の進歩を感じるのはスマートフォンだ、昔の電波技術を応用してwi-fiなるものを作り出すとは…人間の知恵に限界はないと考えさせられる。
俺は暇だったので目をつぶって寝ることにした、スマートフォンを見て時間を潰すのはとてもいいのだが車酔いをするので俺はできなかった。
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「どうだ、よく眠れたか「ダスター」。」
無音、真っ暗、ここは…
「なっ…!なんでお前が!」
虚狩る戎具の力を借りた時にいたあの声が聞こえる。
「ふふっ…随分可愛らしい姿になったじゃないか」
「まさか…お前が原因か!こんな姿にしたのは!」
「私は言ったはずだ、それ相応の代価は払ってもらうと、だからまず、今お前に必要な「力」を奪った、命がある分よかったと思え」
声は嘲笑うように俺に語りかける。
「まあいい、お前の最後がどんなものか見物だな」
「どういうことだ!」
「まんまその通りの意味だ、予想してやろう、お前はいつか死ぬ」
「何だと!」
「このままエーテリアスの力を使い続けたらまず間違いなくお前は死ぬさ、分かっているだろう自分でも、侵食が進んでいることは」
「……」
「ふん…すぐに野垂れ死にたくなかったらあまりその力を使わない方がいいぞ、私からの優しい助言だ」
「そんなこと、分かっているさ!」
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「おーい、おーい、起きるのであります!」
夢か、いや違う、間違いなく奴だった、奴が語りかけてきた。
「おい!なにぼーっとしているんだ、さっさと降りろ!」
「鬼火」にそう言われ、急いで車から降りる、そうして降りた先には巨大なロボットが…
「うわぁ!なんだこれ!」
「あははっ!ビックリしたー?」
そうしてロボットから出てきたのはのは水色の髪の女少女だった、ロボットは目の前から消え、俺に近づいてくる。
「すんすん…ふ~ん君、私と同じ「匂いがするねー」」
「お、同じ匂い?」
「うん、とっても似てる」
なんだこいつは…
「やめないかシード、困っているだろう」
そうして現れたのは緑色の髪の毛をした大人びた女性だった。
「た、大佐、お疲れ様なのであります!」
「ああ…おつかれ、オルペウスそれと鬼火もな」
「た、大佐…!?」
「ああ…言うのが遅れたなオボルス小隊大佐、イゾルデだ、よろしく」
するとイゾルデは手を差し伸べてきた、手を握ると強く握りしめる。
「聞いた話よりなかなか可愛らしい見た目をしているじゃないか」
そうイゾルデが笑いながら話す。
「まあ、事情があって…」
「…そうか、まあいい、今日から君は「戦友」なのだからな、みんなと仲良くしてやってくれ」
そうして「オボルス」のみんなと生活が始まった。
「ねえダスター、僕のビック・シードに乗ってみてよー」
「え、いいのか?」
そういいコックピットに乗ると上からシードも入ってきた。
「ちょっ…シード、狭い…!」
「えへへ、やっぱり同じ匂いだー」
「だからなんだよ、同じ匂いって」
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「ダスター?時間があれば11号と共にラーメンなんてどうでしょうか?」
「本当か?もちろん行くよ」
そういい、ルミナスクエアのラーメンに行ったはいいものを、目の前には禍々しいオーラを纏った烈火の如き赤いラーメンが一つ。
「新たな戦友とは激辛ラーメンを食べるしきたりがあるのよ」
「なんだよそのしきたり…」
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「オルペちゃん?何食べてるのかなー?」
「ひゃっ!?シードにトリガー、なんのようでありますか!?」
「そのあなたが持っているスナック菓子を皆でシェアしたいと思って」
「い、嫌であります!これは私の大事な…」
「いいのですか?ダスターさんとお近づきになれますよ…」
トリガーがダスターに聞こえないようにヒソヒソと話す。
「なっ!それは…」
そこに丁度ダスターが来て
「シードからオルペウスのお菓子くれるって言われてきたんだけど、いいのか?」
「もちろん!いいのでありますよ!」
シードとトリガーはグーの手を静かに当てた。
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小さい体には慣れなくて、みんなの毎朝の訓練にはあまりついていけていないが、それでも「オボルス」の皆たちは俺に仲良くしている、時には「鬼火」に見つからないようにオルペウスのスナック菓子を皆でシェアしたり、休暇のときは全員でラーメンなどを食べにいった、11号がおすすめするラーメンは少し、うん、好きな人は好きなだと思う、そしてこんな生活が続きある日のこと。
「ダスター、オルペウス、話がある」
そうイゾルデに言われ、俺らはイゾルデがいる基地に集合させられた。
「さて、さっそくだが君たち二人には潜入調査をしてもらう、ダスター、オルペウス共に聞いているだろうが士官学校の潜入だ、二人には学生のフリをしてもらい情報を集める仕事をしてもらう」
俺が?学生に???オルペウスも?????
「ちょっ…ちょっ…とまて!俺が学生に???」
「ああ、それが?」
いやいやいやいや、「それが?」じゃないよ?見てよ横のオルペウスを、ちょっとモジモジしてるぞ、いや、いつもしてるか。
「えっと…なぜ私が選ばれたのでありますか?「シード」とかのほうがよいと思いますが…」
「さあな、上の連中の判断だ私に聞かれても困る」
「なっ!?」
「まあいいだろうオルペウス、だが今回の作戦は私はお前につけない、スナック菓子などを食べるなよ!」
「さて、ここで会議は終わりだ、戻っていいぞ」
そういいオルペウスと「鬼火」は戻っていった。
「あの、イゾルデ大佐」
「なんだ、質問があるなら言ってみろ」
「イゾルデ大佐はなぜ防衛軍に入ったのですか?」
「そんなもの、人を守りたいからに決まっているだろう?」
そうか、なら…
「本当に守りたいものが金や権力で失ったとき、あなたは軍を辞めますか?」
イゾルデは少し驚いた様な顔をして。
「辞める、か、それで辞めれたらいいな」
そう言ってイゾルデは基地を出ていった。
そうだ、それで辞めれたなら、どれだけいいことか…
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そして当日
「よし、では2人とも武運を祈る」
「オルペウス!勇敢な兵士たるもの、ヘマをするなよ!」
俺とオルペウスは制服に着替えて学校へと赴いた。
「まさか2回目の学校生活を送るとは思わなかったよ」
「私なんか始めてであります…」
そう言って表向きの学校生活が始まった。