俺ら2人は士官学校に入り、教室に案内された、教室へ向かう途中、肩をトントンと叩かれ、後ろを向くと。
「あなた、襟が立っているわ、みっともないから治すべきよ」
そう語るのは白い髪に黄色い瞳、少しゴーグルを外した11号に似ているような気がした、というかそっくり。
「ああ、すまない…ありがとうな、名前は?」
一応感謝の言葉を伝えるべきだろう、襟が立つなんてほんとみっともないしな。
「私の名前はアンビー、アンビー・デマラ」
淡々と自分の名前を行っていく…今の学生ってこんな大人びてるんだな、そう思い彼女に手を振り後にする。
そうして自分のクラスへ入っていくと、明るい声や始めて話す人に少し気まずそうに話している人、学生の元気良さが凝縮されているような感じだった、というか、士官学校だよな?もっと厳しいと思っていたが、まあ俺の知識は100年前に止まっているからな、ジェネレーションギャップという奴か…
横を見るとオルペウスがもう話しかけられている。
「ねぇ!名前は?」
「私ですか!?私はオルペウス・マグヌッソンと言うであります!」
「オルペウスちゃん可愛いね!絶対中学の時モテモテだったでしょ!」
「い、い、いえ!そんなことはありませんよ!?」
おどおどしているがまあ、なんとかうまくいきそうだな。
自分の席は…よし、当たりだな
俺の席は一番後ろの左から2番目だった、普通に当たりだ。
そうして自分の席に付き、本を開く、題名は「ボンブ人間」最近買った本だ。こうやって少ない金で本を買い、教室の休憩中に見る、懐かしいったらありゃしない。
しばらく本を読んでいると、元気な声が左から聞こえてくる、どうやら俺を呼んでいるようだ、一体何のようだ?
そして振り向くと俺は目を見開いた。
少し紺が混ざった青色の髪の毛に端正なが顔立ち、丸みを帯びた顔、リンだ!?
「ねぇ…聞いてる?」
「は、はい!なんでしょうか!?」
「あはは!そんなにかしこまらなくてもいいって、君の名前は?」
ん?そうか!リンは俺が小さくなってるから分からないんだ、だがどうする?ここでバレたら潜入調査の意味がない…一か八か賭けるしかないか。
「俺の名前はダスターだよ」
そういうとリンは目を見開いて悲しそうな顔で俺を見る。
「ダスター…ダスター…へぇ…そうなんだ…」
なぜ二回呼んだ、それにバレてないよね!?
「えっと…どうかしましたか?」
俺はバレないように何も知りませんよアピールをする。
「いや!ごめんね!私の好きな人と名前が一緒だったから、それに見た目もちょっと似てるし…今はもう、眠っちゃってるけど…ごめん、関係ないよね!」
……………………。
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なる、ほど…好きな人か…いや、さすがに自信過剰すぎるよな、友達としてだよな?いやでもまてよ…普段あんなに近づいてきて、好きじゃないなんてことあるか?いやない、待てよ、ほんとに友達関係だったら…
「そうなんだ、なんかごめんね」
一旦これでいい、好きか嫌いかはまた今度だ…そしてなぜリンがここへいるんだ?
予測① 依頼で来た
正直これが一番可能性が高い、ただこれをするなら別に他の奴でいい気がする…うーん…
予測② 防衛軍、治安局、H.A.N.Dに入りたい
絶対にありえない、まずあの兄弟はそもそも運動があまりできないはすだ、特にリン。
予測③ 学生気分を味わいたいから入った
一番なし、さすがにありえない。
つまり今のところの予測は①ということになる、この予測通りだったらなぜリンがこの学校に入るのか疑問だが、それは後で調べればいいか。
そう考えていると、教師がやってきて入学式が執り行われるため俺らを補導して体育館に移動させる。
体育館に着き、周りを見渡すと強そうな奴らがわんさかいる、まあ予想はしていたが…
すると入学式が始まる、最初に校長が長ったらしい話をする。学生の時はウザいと思っていたが今となれば逆に新鮮で面白い、その後教師紹介が行われる、なかなか強そうな教師ばかりだ。
一人の教師、名前はサイ、サイが前に出て、プレゼンを始める、プレゼンの題名は、「士官学校の仕組みについて」だそうだ、そうして、教師が口を開ける。
「さて、まずは入学おめでとう、この学校に入るまでに沢山の勉学や運動に精をだし、過酷な試験を終え、よくここまできた。」
俺はそのどちらもしてないんですけどね。
「そして、残念だがこの学校では「脱落者」が出る」
「脱落者」だと…?
「この学校には「ポイント」というものがある、このポイントの数が高いほど、これから先の進路、防衛軍、治安局それにH.A.N.Dまで…ポイントの量により入れる所は変わる、最初に受け取れるポイントは100からだが合計ポイントが1000から治安局、5000で防衛軍、そして10000でH.A.N.Dへの入隊権が受け取れる、現虚狩り、星見雅、治安局の朱鳶は1年足らずで10000ポイントを集めた」
え…あいつヤバすぎだろ…
「だが!このポイントが0になるとそいつは「脱落」つまり退学だ」
その瞬間、体育館が震える、沢山の人がざわめき始め、中にはパニックになる生徒まで
「黙れ!」
とてつもない気迫だった、全員が黙り、サイの方向を見る。
「だが、脱落から逃れる方法もある、それはポイントを稼ぐことだが、稼ぎ方を教えてやろう、まずは定期テスト、普段の授業態度だ、この2つが軸となる、だが稀に、この2つがてんでだめでも最優秀と見なされる場合がある、それは毎年行なわれる、この学校の学生だけの実力を見せる場、「士官強化対戦」これにエントリーし、トーナメントでもし勝つと、相手が持っているポイントを全て奪取、つまり奪える、どうだ、夢があるだろう?そして優勝すれば+10000pt、まあ優勝すれば確実に進路は保証されると行っていい、だが、負けた場合、ポイントは0、敗者復活戦にも負けた場合は退学だ、もちろん任意ではあるが、野心があるものは参加するといい」
俺達の今回の目標は最優秀生徒になることではないが、なっておいた方があとあと良さそうだ…
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そうして入学式が終わり放課後、教室から出ようとすると、オルペウスに話しかけられた。
「ダスターさん、まずいことになりましたね」
「ああ、まさか退学の危険性があるとは…なんでイゾルデ大佐や鬼火は教えてくれなかったのか不思議でならん」
「本当にそうであります!帰ったら問い詰めないと」
そう雑談を交えて校舎を出る、新エリー都士官学校はとてつもなくデカい寮がついており、中もなかなかに豪華らしい。
2人で寮の入り口まで行き、今日の所は解散という形になった。
「さて…どうするか…」
寮の中でベットに横たわり考え事をしていると、ピンポーン、とチャイムがなる、扉を開けるとリンがいた。
「え!?隣人さんってダスターなの!?」
「どうしたんだ一体」
正直リンにはあまり会いたくない、バレたらめんどくさいし…
「一応挨拶周り行ってきてるんだー!今」
「そうなのか、リンは偉いな、俺なんて挨拶周りとか無理だから」
陰キャではないが少し初対面と話すのは苦手なので俺は行っていない。
「えへへ…なんだかダスターに褒められると嬉しいな」
「ありがとう」
「ちょっと部屋に入っていい?」
そう言って勝手に入っていった、礼儀を知らないみたいだ。
「…何もないね」
「まあね」
「自信満々に言うことじゃないよ」
リンはベットに横になり、枕を匂う、何やってんだ?
「うん…匂いも…ダスターそっくり…」
もうこれ気づいてないか?
「おいおい、初対面で人のベットに入るなんて、随分フレンドリーだな」
「あ、ダメだった…?」
「いえ全然」
うーん、気づいて無いっぽいな。
「ねぇ…なんで士官学校に入ったの?」
ヤバい、理由とか考えてなかったな…
「えっ…昔、防衛軍に助けてもらったからそれで憧れて…」
よし、よくできた嘘だ…、俺からも少し質問してみるか。
「逆にリンはなんで入ったの?」
そう聞くとリンは目を泳がせ
「チアンカンニアコガレテタカラ」
嘘下手すぎだろ。
「へー、そうなのか…あ、そろそろ夜になるから戻った方がいいんじゃないか?」
時刻はもう7時になろうとしていた、コオロギが鳴いており満月が輝いている。
「あ、それもそうだね、じゃあ明日からもよろしくね!ダスター!」
リンは愛想よくニコニコしながら帰っていった。
そこからスマホを見たり、テレビを見たりして、暇を潰しているとスマホから通知が来た、イゾルデ大佐からだ、この学校は他の外の人と通信が取れないようになっているはずだが…これが大佐権限というやつであろうか。
電話に入ると、落ち着いた雰囲気の声が聞こえる。
「やあ、ダスター、初日はどうだったかな?」
「どうだったかな?じゃないですよ、なんですかポイント制って、そんなの聞いてません」
「ああ、悪かった、少し驚かせようとしただけさ」
この大佐はすぐ冗談を言う。
「さて、本題だ、まず半年後に行なわれる士官強化対戦これに優勝しろ、士官学校の上の連中の奴らにアピールしろ、俺は強いぞと…」
「は?」
いやいや、無理だろう、この身体では、ホロウ内でないと力も使えないし。
「それならオルペウスが適任では?」
「オルペウスは今回お前のサポートに回る、だからお前が勝て」
ウッソだろ…
「ちょっと待ってくださいよ!今の俺は弱いんですよ!?そんなのでH.A.N.Dや防衛軍を目指している奴に勝てるわけ…」
「お前は今まで何と戦ってきた、ミアズマで形成されたドッペルゲンガーにニネヴェ、正体不明のエーテリアス、お前はこの短期間で様々な強敵と戦い、成長してきたと私は感じている、とにかく、お前は私は信用している、分かったな「戦友」、では…」
電話が切れる、確かに俺は今まで格上と戦ってきた自覚はある、あるが、ニネヴェと05に関してはあの刀の力を借りたおかげだ、俺は特に何もしていない。
「はぁ…やるしかないか…」
まあだが、「信用」されているらしい、それ相応の期待はされているなら、応えなければ。
「何をやるのでありますか?」
「うわぁ!?」
後ろから声が聞こえ振り返ると寝間着姿で右手にスナック菓子を持っているオルペウスがいた。
「お前なぁ…入るときはノックくらいしろよ、ん?てかなんで俺の部屋に、鍵なんて…」
「ここに行く前大佐から合鍵をもらったのであります。」
なるほど、そういうことか…
「で?何のようだ?」
オルペウスはスナック菓子の袋を開け、床に広げる。
「作戦会議なのであります」
「なるほど、このスナック菓子を食べながらか」
「はい、鬼火姉さんがいない今、毎日ジュースにお菓子食べ放題なのであります!」
めっちゃ楽しんでるなー…羨ましいよ…
俺はスナック菓子をつまみながら、オルペウスに語りかける。
「で、作戦会議てなにすんだよ?」
「そうでありますね、まずはポイントからであります」
まあ、そりゃそうなるわな
「今日イゾルデ大佐から連絡はもらったよ、とにかく士官強化対戦ってやつに優勝しないと行けないんだろ?」
「はい、今後の目標はそうなるのであります、で、明らかに今のダスター殿では勝ち目がないので」
うん、知ってた
「いろいろリサーチしてきたのであります!」
「リサーチ?」
「はい、うちの学年で注目されている生徒をリストアップしてきました」
スマホを取り出し俺に見せる、画面には人の顔写真と情報が書かれていた。
「まずはこの人、イレイザーであります」
イレイザー、大柄な体でなかなかに短気、だが実力は折り紙付きらしく、注目されているみたいだ。
「次はセルシオ、昔から続く貴族の一人息子であります」
セルシオ、TOPSの官僚の一人息子らしく、まさしく貴族と呼ぶにふさわしい奴だろう。
「そして次に最後、
「おいおい、元犯罪者まで入れるのか?この学校は」
「ですが岱鋼は士官学校の実技試験で圧倒的1位を見せつけています、犯罪組織にいるときはエーテリアスですら倒していたらしいのであります」
高校生の年齢でエーテリアスを…すごいな…
「マークしておくのはこの三人ですかね、他はまだ分かりませんが実力を他の人より持っているのは確実であります」
「ふむ…よく分かった、もう10時だろ、そろそろ寝るぞ」
「はい…では、また明日」
「おう」