学校生活が始まり、1ヶ月ほどがたった、学校の授業は結構余裕でついて来られている、まあ元研究員だから当たり前だが…
そして昼休み、食堂で飯を食べる、俺はうどんを食べていた。
「だがしかし…ポイント制と言われているが…全然ポイントが発表される気配もないな…」
「ねー…ホントはポイントなんてやる気づけるための嘘なんじゃない?」
リンにそう言われるが、いや、それはないはずだ、イゾルデ大佐や鬼火隊長は知っている口だった。
ちなみにリンはステーキ定食となかなかに多いものを食べている、以外と食べるんだな…
オルペウスはすっかり馴染み、クラスでは友達もできている、俺は…まあいない。
「あ!そう言えば次実習だよね、何するのかな?人命救助の練習とか?」
そう、次は実習、この学校に入って始めてだ、正直、嫌な予感しかしない…
───────────────────────
「総員!全員集合いたしました!」
そう一人の生徒が言う、すると担当の教師が口を開き。
「今回は実技の最初の授業だからな…レクリエーションと題して好きなように取っ組み合いをするといい、以上…」
は?説明が終わりすぎてるだろ、なんだよ好きなように取っ組み合いって…怪我人が出たらとか考えないのか?
そう考えているうちに皆バラバラになり、始めている。
「あの!ダスター殿、一緒にしたいのでありますが…」
「ん?ああ、やろうかオルペウス」
するとオルペウスとの取っ組み合いが始まるが…
「うげっ!」
速攻投げられた、うげっ!とか言っちゃったよ…
そうしてオルペウスと一緒にしていると、誰かが倒れたような音がした、すると皆が野次馬のように群がっていく。
「なんだ?」
俺が野次馬の中を通り過ぎ見えたのはピンクの髪の女性が男に殴られているではないか…!しかもあの男…昨日オルペウスが行っていた「イレイザー」だ…
俺が女性を助けに行こうと進むと、手を握られ引き寄せられる。
「ダメであります、今のあなたの体ではイレイザーを倒すことなんてできないのでありますよ?」
確かに正論だろう、でも世の中正論が通用するほど楽ではない、俺の怒りはマックスだった。
「悪いなオルペウス…」
俺はオルペウスの手を剥がし、イレイザー近くに行く。
「あ゙?誰だテメェ?」
オルペウスが言っていた通りの素行の悪さ、だが滲み出る覇気もまた大きい。
「その女性を殴るのは辞めろ、取っ組み合いと言ったはずだ、殴るのは違うじゃないか?」
「うるせえな、テメェも殴ってやろうか?」
「来いよ」
俺とイレイザーの戦いが幕を上げた。
先手を取ったのはイレイザーだった、隙の少ない動きで殴ってくる。そこに俺はカウンターでアッパーを浴びせる。
「やるじゃねえか!」
なんだか嬉しそうだな…頭がおかしいのか?
そう考えていると腹部に強烈な痛みが走る、俺は腹を蹴られて吹き飛んでいた。
「おい!立てよ!まだ終わってねぇぞ!」
俺は受け身をとって構えの体勢をとる。
上から飛びながらの蹴りがくる、俺は思い切り、頭にダメージを食らってしまった。
───────────────────────
「まずいのであります!このままではダスター殿が…!」
「ああ…このままだとボコボコだろうな」
「あなたは…セルシオ殿?」
「よく知ってるじゃないか…もしかして僕のファン?」
「いえ全然」
───────────────────────
ぐっ…早い…完全に舐めてたな…学生でこれかよ…
「どうしたよ!さっきの威勢は!」
イレイザーが殴ってくる…どうすればいい…考えろ…
「終わりだ!」
そうだ…!エーテルが外で生成できないのなら体の中で作ればいい!
俺はエーテルを体の中に溜め、無理矢理身体能力を上げる。さっきまで見えなかったパンチが遅く見える。俺はとっさに避け、イレイザーの顔面を殴る。
「ぐっ…!」
イレイザーはよろめくが気合いで立ち、また殴ろうとする。
「いいぜ…付き合ってやる!」
そこからはイレイザーと真正面からの殴り合いだった。両方とも顔は血まみれになっており、お互い前も見えない状況になっていた。
────────────────────────
目を覚ますと医務室のような場所にいた、俺はベットに寝ており、横を見ると、ピンクの髪で整った顔、それに何より綺麗な瞳…
「レミ…エール?」
「え?」
───────────────────────
俺は目を大きく見開いた、見の前に立っているのはレミエール・ダンその人だ。
「レミ…エール?すみません、人違いですか?」
「え…!あ、ああ…ごめん、昔の友人にそっくりで」
「いえいえ、それにさっきは助けてくれてありがとう」
「あ、どうも…」
そっか…この人はさっきイレイザーが殴ってた女の人だったか…
「あの…怪我とかは見当たらないけど大丈夫か?イレイザーに殴られてたし…」
「大丈夫だよ!私こう見えて頑丈だから!」
やっぱり振る舞い方も全てレミエールだ、でもレミエールはもうこの世にいない。
「名前を聞いていいか?」
そうして口を開く。
「私?私はね…「ラミル」!よろしくね!ダスター!」
俺はなぜかラミルに心惹かれていた。
───────────────────────
「どうだオルペウス、最近の様子は?」
イゾルデと鬼火がパソコンのモニターに映る、イゾルデはラフな格好で休憩中のようだ。
「はい!特に問題ないのであります、ただしダスターとイレイザーが殴り合いの喧嘩をしてしまって」
「何をやっているんだあの馬鹿は!」
「まあまあ…落ち着け鬼火、何か理由があるのだろう?」
「はい、対人戦の授業の時にイレイザーが女性を殴ってて…それにダスター殿が怒って喧嘩が始まりました」
「まったく…彼らしいな…」
「ふん…!感情的になるなど兵士としてありえないな!」
「それも彼のよさではないか、あの純粋さこそダスターという人間そのものだ」
オルペウスが少し困ったような顔をして。
「それに最近のダスター殿はおかしいのです…」
「おかしい?」
「はい、どこか上の空というか…あの喧嘩が起きてからずっとぼーっとしているのであります」
「聞いてみたのか?」
「聞いてはみたのですが、「いや、別に」とかずっと言っております」
「なんだ!あいつ「恋」したのではないか!100歳以上ともなれば人肌も恋しくなるだろう!」
鬼火が冗談を言うようにして笑いながら話す。
「はい…最近のダスター殿は多分…恋をしているのであります…」
「「は?」」
モニター越しに声が響いた。
───────────────────────
朝、目覚めてから、学校内の食堂へ行く、いつも食べているのは「ワカメうどん」。ワカメ入りのうどんと漬物が朝の弱い胃によく合う、そうして食べていると、横の椅子が引かれる。
「やっほーダスター、今日もうどん?」
「えっ…!あ、ああ…おはよう、ラミル…」
「ふふっ…おはよう、ダスター」
あの日からずっとこの調子だ、ラミルが朝話しかけてきて、俺はいつもドキドキしている、100歳が高校生なんかにこういう感情を抱くのはよくないとは思っているが、少し大人びた雰囲気にレミエールそっくりな見た目、惹かれない要素がない。
ラミルは「朝食セット」を食べていた、トースト二枚とレタスにトマト、コーンスープがついている。
「ねえ、ダスター?今日も放課後部屋に行っていい?」
「あ、うん…いいけど…」
「やった、今日も「ターン制バトル」しようね?」
「その言い方やめろ」
からかうようにして俺の顔を見てくる、やっぱり似てるな。
「ほんと…鈍感なんだから…」
ラミルが小声で話す。
「何か言ったか?ラミル?」
「いや、鈍感な所は直したほうが私は好きかなって、そう言ったの!」
なぜラミルがムカついているのかよく分からないが別に嫌われてないみたいでよかった。