未来予知と原作知識でハードな世界をハッピーなifルートに変える話 作:龍館まこと
その後また
途中からは追い風に恵まれたので思ったより快調に進んだ。
「この辺か」
やがてたどり着いたのはそれなりの標高、カンキ山の鉱脈からは山ふたつほど挟んだ場所だ。そこは流れ落ちる巨大な滝壺と切り立った崖に囲まれた岩だらけの土地で、滝からの水は岩と砂利の合間を縫ってさらさらと細く流れている。
この、周囲から隔絶された場所で、滝の前の水辺にひとりの男がたたずんでいる。
「……あたしが【
ライラックが油断なく言う。
肉の分厚い長身だが、猫背気味のシルエットだった。真っ黒なインバネスを着込んでポケットに手を差し込み、こちらに背を向けている。
ちゃぷ、と俺たちが踏み出して水面に波紋をつくると、そこでようやく振り返った。
こざっぱりとした短髪で、卑屈そうにまなじりと眉尻の垂れた面相。
四白眼がじろんとこちらをにらみつけ、ぎゅっと閉じた口許には顎先から縦に伸びる長い刃物傷の痕がある。
その口をゆっくりと開き、皮肉ったような笑みで男は低い声を吐き出す。
「おーやおや、本当に来なさった。あの遺物を盗んでくりゃ追いかけてくる奴が居るたぁ聞いちゃいたが、まさかこんななにもねぇところまで追ってこれるたぁね……ようこそ。ここにゃこのおっさん以外になにもないが、歓迎しよう」
……うわーうわー。ギイだぁぁぁぁぁ‼
言動のテンションからおわかりの通り完全な昼行燈キャラ、その実、作中屈指の実力者!
洗脳シエラ戦においても「クソっ、まだ若ぇ奴じゃねぇか……! ガキをいたぶるシュミなんざねぇんだっての!」って躊躇が入りながらも殿《しんがり》を務めてルイスを逃がしたという物語序~中盤を繋ぐ立役者だよぉ! 俺はひとりで内心テンション上がる。
そう。彼こそが盗賊王と呼ばれた男、ギイ。
エグドロ原作ではルイスパーティのムードメーカーで、近接戦をルイスが学んだ相手という『本編での師匠』ポジション。
いずれ会おうとは思っていたが、こんな形での遭遇になるとはな……!
と、ギイは俺たち四人を順番にながめ、ライラックを見たとき以外は都度、目を少しだけ見開く。
はぁー、とあからさまなため息をつくと、彼は大きな掌でがしがしと頭を掻いた。
「あああ、しっかし小僧ふたりに小娘ひとり……子どもばっかじゃぁねえか……人相書きは渡されてたからそうじゃないかと思っちゃぁいたが、勘弁してもらいたいもんだね。じつに」
懐から取り出した四枚の紙を、ギイはふわりと放り投げる。
見れば俺たちの顔がそれぞれの紙に描いてあり、たぶん彼に盗みを依頼した者が製作したのだろうと思われた。
「うーんコールの方が上手いね」
「ルイス。もう触れないでくれ俺の絵に」
水に沈んでいく紙片に目をやったルイスの言葉に俺は過敏に反応した。でもまあ誰が描いたか知らんけど俺の方が上手い。その自負はある。
ともあれ、どうやら依頼主はギイに俺たちが追って来ることまでを予想し、伝えていたようだ。俺は一歩進み出て彼に問う。
「……ところで手ぶらみたいだけど。盗んだものはどこだ?」
「さぁてね。ここじゃねぇどこか、とだけ言っておこうか」
本当だろうか。俺は眼を閉じ未来視を発動する。
──ライラックに「この場で【
──過去を視ることでギイが【聖剣】をここに持参していたとライラックが言う
──隠した場所はいまギイが立っている水辺の岩の下深くだとのこと
なるほどよくわかった。しかしその場の過去を視る能力、めちゃくちゃ便利だな。その場で起きたことぜーんぶ筒抜けになるから密室殺人事件とかあったら無双しそうだ。今度館とか行こうか? 山奥の。
眼を開けた俺は、ギイに未来視&過去視によるカンニング結果を伝える。
「盗んだものはその足元か」
「……!」
ギイの顔色が変わる。警戒が一段階、上がったと見受けられた。
「悪いけどその遺物が俺たちには必要なんだ。渡してもらえないか? 盗んだことについてはどこかに告げ口もしないし、別に追及する気はない。俺たちに争うつもりはないんだ」
その上で真っ向から交渉する。ルイスのスタイルで一度はいってみようと、そう思った。
するとギイは、またもため息をつきながら目を細くした。
「こっちこそ、悪ぃね。そいつぁノれねぇ相談だ、遺物は返せねえ」
「それは、仕事だからか? それとも……道具屋の子どもを人質に取られてるからか?」
「なんだぁ? なんで俺が道具屋勤めって知ってやがんだ小僧」
気味悪そうにギイは眉をひそめた。
すいませんね俺あなたの事情いろいろ知ってるんですよ。道具屋の女主人がかつてやさぐれてた自分を雇ってくれたひとで、恩義を感じているがために子だくさん(旦那さんは魔族にやられて死んでいる)なその道具屋を支えていこうと密かに決めてるってことも。
……本心ではその女主人と一緒になれたら、と思ってたのに結局は元罪人の自分とじゃ釣り合わないと考えて答えを出すことから逃げてたのも。
ルイスのシエラからの敗走を最期に手助けしたときに「往け、勇者。逃げるのはここで最後にしろ。逃げつづけてきたおっさんが、お前を生かして──お前のこの先の『逃げ』は全部預かっていく」って言ってシエラの猛攻を捌いて戦死することも……!
「……小僧、なんで泣いてんだ?」
「あ、気にせんでいーですよ。この子ときどきちょっと情緒不安定になるだけなんで」
ライラックが俺の評価を下げつつギイに説明していた。もうちょっと言い方ない? そう思ったので俺は涙をぬぐいつつギイに向き合った。
「ギイさん。俺、ちょっとだけ未来が視える能力があるんだ。それであんたのこの先を知ってて、だから少しばかり感極まっただけだよ」
「未来が……? ハッ、俺の未来も視えてるたぁ、ずいぶん大きく出たな。それで? お前の言うことを聞けばバラ色の未来が視えてるってぇのか? ……そういう馬鹿な理屈を通さず俺の依頼主みたく素直に脅してきた方がいい、詐欺師にゃ向いてねぇよ小僧」
呆れたような笑い方で、ギイはこぼした。
「依頼主に、脅されてるのか」
「おっと。お生憎様、俺は依頼にゃ真摯に務めると決めてるんでね。これ以上喋るこたぁなんにもねぇし……お前らにゃ、悪ぃがここで再起不能になってもらう」
言って、懐から得物を取り出す。
それは武骨な
ギイは手甲を両手につけるとだらんと両腕を下げた。ノーガード戦法。
というより、なにか武術を習ったわけではない彼は
「あーあ……おっさんは子どもの相手、キライなんだよ。なにが悲しゅうて自分より若ぇのを手にかけなきゃぁいけないんだよ、なぁ」
「待て待て、ギイさん。戦う必要はない。
俺はそう説明した。
ライラックにはジョーグを出るときちょっと話したが、ガードの硬い場所から平然と盗み出せるのはギイくらいだと考えた時点ですでに道具屋の方には雇った傭兵を送り込んである。まさか【四天王】クラスやら魔王軍の強力な部隊をつけてあるわけではないだろうし、まず間違いなく奪還出来ているはずだ。
しかしギイは首を横に振る。
「信用出来ると思うか? いま会ったばかりのお前の言葉を。お前らの誰かが俺の心を読めるとか、あるいは俺の行った先やこれから行く先がわかるってぇ
後者はその通りなのでなにも言えない。ライラックが「うわすご。なんでわかるんこのひと」と小声でぼやいている。このカンの良さも強みのひとつなんだよねギイ。
時間に追われてさえいなければ俺たち自身で道具屋に行って奪還出来たのだが、ギイを追うのと二手に分かれるわけにもいかなかったのでこればかりはしょうがなかった。
電信とか電話がすでに発達してれば「無事だよ~」って子どもたちのメッセージを繋いで信用させることも出来たんだろうけど……傭兵からの返信を受け取りに行く暇はなかった。文明の未発達を憎むよ。
「話は終わりだ。お前らを倒さにゃ、俺はガキどもを救えねえ。……子どもを手にかけるてぇのはクソッタレに嫌な気分だが、親しいガキどもと知らん子どもなら俺は前者を取る。悪く思うなよ、小僧ども」
やっぱりこうなるか。予想はしていたけど、村の子どもを守るためならなんでもする男が口先だけの約束に踊らされるはずはなかった。解釈一致で、そこはうれしい。
こうなってしまった以上はまあ、戦うしかないだろう。
「みんな、散開しろ」
俺は声をかけ、またも未来視を発動した。
──ギイが「
──視認しづらくなったと思えるほど気配が薄くなり初動が見えなくなる
──一瞬で近づかれ手甲越しに俺の剣先を掴まれる
──腹に逆の手で一撃もらって胃袋が割れる
──力任せに振り回されルイスの方へ投げつけられる
──ライラックが進み出て斬りかかるも頭上で交差させた手甲に防がれて懐に滑り込まれる
──そのままあばらに肘を打ち込まれてライラックが膝をつく
まずいな。こっちが止まってるとギイの「初動の気配が薄い」せいで出だしを読みづらく、最初の一撃をもらいやすい。
後手に回るとダメだ。こっちから攻める必要がある。
だったら物量でうちのパーティ最強の、シエラならどうだ?
──俺がシエラに召喚の合図を出す
──シエラが召喚した
──同時に召喚した大量の
──ギイはその場から跳躍し飛んでくる
──驚きに目を見開いたシエラに「嬢ちゃん、悪いな」と軽く手刀を一閃して気絶させる
……ヤバイヤバイヤバイ。高速で降り注いでくる
シエラは待機だ。上から俯瞰していてもらい、ライラック・俺で接近戦に持ち込む。ルイスは
──左右から俺とライラックで斬りかかる
──両手の手甲で易々と防がれるが俺が手甲に触れて「
──俺の剣とぶつかる右の手甲にひびが入ったのを見て振り払うギイ
──ライラックが俺からパスした剣を受け取り二刀流で手数を増やす
──手甲を片方砕かれ防戦に追い込まれるギイ
──ギリギリまで追い込ませてからライラックが離脱
──上空からルイスが雷の
──即座に脱いだもうひとつの手甲を上空に投げて避雷針と成したギイ
──雷のスパークで見づらくなった俺たちの前から「気配を消した」ギイが消え去る
あ、ダメだゲームオーバーだ。一度見失ったらもう俺たちに勝ち目はない。ギイを前にして奴の姿を見失うのは、月もない真夜中の森で
一瞬でも見失ったり視界の外に移動されたりすると、そこからは気配遮断したギイを一切補足出来なくなる。エグドロ原作の洗脳シエラ戦では、彼女が
ともかくもいまのシエラには出来ない、ということだ。俯瞰能力はあくまでも行動予測とかなので視界の共有ではないし。
うーむ、雷の
考えろ、組み立てて刺しに行け。
対応しろ、そして後手から脱し適応の域に往け。
捻じ伏せろ、確実に勝てる局面に辿り着くまで手を緩めるな。
リトライ、リトライ、リトライリトライリトライリトライリトライリトライリトライ‼
やがてたどり着く、ギイを視界から逃さずかつその怪力を封じる手立て。
「……
眼を開けた俺は、まずハンドサインでシエラに召喚・および上空待機を命じた。
全員に短く指示を出してライラックと斬りかかるが、今度は左右じゃなく上下に分かれる。
「そぉらッ‼」
「喰らえッ‼」
ライラックがギイの左側頭部に斬りつける。俺はほぼ同時にスライディング気味に飛び込んで、ギイの右足へ横薙ぎを打ち込んだ。
上下段同時の剣に、ギイはしかし笑った。
「挟撃お見事、だが甘ぇってぇの」
跳躍して俺の斬撃をかわし、ライラックの剣を左の手甲で受けることにより空中でぐるんと側転、威力を受け流した。
そのまま天地逆転、両手を地面についてカポエイラのように足技を繰り出そうとして──
「残念そこは仕込み済みだ」
「なァッ⁈」
──手をついた位置の岩畳がめきめきと崩れ、着地がブレる。
スライディングしたときに触れた岩畳に『
「おっとと、容赦ねぇなお前ら!」
「容赦出来るよーな腕してんならあたしの剣を足でなんて弾けやしないっての!」
ぐらつきながらもギイは逆立ち状態のまま後退し、足技で俺たちの剣を器用に弾いた。ライラックもこの半年で騎士団時代に近いレベルまで腕を研ぎ直しているのだが、それでもなお相手出来るとはやっぱりギイの戦闘センスは本物である。
剣戟が途切れたわずかな隙で瞬時に身を翻して立ち上がり、不敵な笑みを浮かべて自分の背後に手甲の拳を繰り出す。
「そこに居るだろ」
「うそっ⁈」
背後から風の
「もうひとりの小僧の姿が見えねぇと思っちゃぁいたんだよ。速度を上げるのはいいが、耳障りな風音が接近を気づかせるぜ、ソレ!」
逆の手でまっすぐに拳を突き出され、ルイスは剣で防いだが吹っ飛ばされる。その背後から今度は俺とライラックが迫っていたが、斬られる前に間合いからバック宙で逃れていくギイ。
普通なら着地点を予想して振り返ればいいが、一度でも目を離したら終わりなので俺とライラックはぐいーっと首をねじって真上まで目で追いつづける。
その姿が。
太陽を背にしたことで見づらくなる。
目を細める俺たち。視界のなかで、ギイを見失いかける。
「はっははぁ! 俺の狙いはこれ──」
「だと思いました」
シエラの声が聞こえた。
瞬間、上空を舞うギイの背後に影が差して俺とライラックは目を見開くことが出来た。
急に自分の背後に差した影をギイは見やる。
正体は
舌打ちしながら着地するギイを最後まで見つづけることが出来た俺とライラックは再び襲い掛かる。今度は左右から、袈裟斬りで斜めに剣筋を走らせた。
「焦ったってぇとこか? 剣振るにゃぁ間合いがまだ遠いぞ!」
両の手甲を俺たちの斬道に掲げて防ぎつつ前に進み出るギイ。怪力ゆえに、片腕でもこっちの両手持ちの一撃を防げるからこその荒業だ。
さっきの未来視シミュレートのなかではこの防ぎながらの前進で、ライラックが
今回の俺たちの狙いなら、その技を逆に利用出来る。
「【
間合いが遠いのは当然。二人同時の【
「ぐぉぉぉお⁈」
来ると思っていなかったのだろうタイミングでの衝撃にギイの前進速度が緩む。だがそれでも、懐に飛び込んで一撃さえ加えられれば彼の怪力なら決着出来る。力任せに無理やり進もうとした。
が、それも俺たちは読んでいる。
瞬時に【
手甲に魔力の刃が当たっていた俺とライラックの剣は、引っ掛かりとなっているそれが消えたことで止まっていた斬道を再び描き出す。
俺とライラックの剣の軌道が途中で打ち合って停止。
×の字を描いて止まった二本の剣の谷間に向かって、前進しているギイの首が進んでいく。
「ぅおおおおおおおおお⁉」
セルフ断頭になりかけたのをのけぞってかわし、バック転の要領で下から俺たちの剣を蹴り上げてギイは後方へ逃げていく。
その後方には。
「さっきはよくも殴ってくれたね」
風の
「小僧──だぁからそれは風音で気づくっつったろ‼」
これだけ大きく隙を作ったのにタイミングをばっちり合わせて、ギイは手甲でガードした。
もう片方の腕を振りかぶり、またもルイスを殴ろうとしている。
しかしルイスはもう反撃の準備を済ませていた。
「──そう、気づいてるからこそ
「は?」
ヴ、と空気が震えてルイスの手元に紫電が走る。
「お前っまさか、」
ギイがルイスの左手の内に雷の
激しいスパークが、ふたりの影を俺たちの網膜に焼き付けた。ルイスの左手から奴の剣を通り手甲を伝ってギイの身体をも電流が貫いたのだ。
あまり使わせたくなかったが、接触してる相手には効き目抜群──名付けて【
「が、はっ……」
「げほ……はじめての、自爆、だね」
勝利フラグが薄れるからやめようねそのセリフ。
そして直後にシエラが【
即死とか腕が飛ぶとかでなければ回復が間に合う、というのは……ギイを必要以上に痛めつける心配はないってのと同時に、俺たちも多少のダメージはなんとかなるってことだ。
「ごめんなルイス、自爆技なんて使わせて」
「うわー、しびしびするぅ……まあ、気にしないでよコール。これが一番こっちにダメージの少ない勝ち方の未来だったんでしょ」
「それはそうなんだけどな」
「なら、構わないよ。……あーでもしびしびして足に力、入らないかも?」
「肩貸そうか」
「ふふ。お願い」
女の子座りしていたルイスをよっこらと抱え起こす。……おいしなだれかかるな、サラシ巻いてるとはいえおっぱい当たる。
「にしても坊っちゃん、マジで【
「頑張って覚えた。ライラックと並んで使えたらいいな、とは思ってたから」
「あっそ。……ふーん」
うれしいような悔しいような、みたいな顔してるライラックを見て俺はちょっと笑った。
「遠くからで援護しか出来ず、申し訳ございません。ルイス、無事ですか?」
「僕は大丈夫。シエラに怪我がなければなんでもいいよ」
未来視一回目では即シエラがやられたの考えるとそのルイスの言葉はマジで重いな。ギイはたぶんシエラが後衛で、戦況をコントロールする役割だと見抜いたからこそ「足場が出来てたどり着けるなら」真っ先に潰しに行ったんだろうし。
「シエラの援護がなければ最初から詰んでるし、ルイスのことも回復出来なかっただろ。卑屈になることないよ、シエラ」
俺も素直に褒めるとえへへと笑ってシエラは手をもじもじさせた。可愛い。と思ってたらなんか肩を貸してるルイスににらまれた。なんだよ。
「ともあれ、なんとか倒せたな……あとはギイから依頼主が誰だったのか、聞き出せば終わりだ」
「それと、【聖剣】掘り出しとかん? ルの字今日は【
「それもそうだな」
ライラックの言葉に同意する。ひとまずギイに
そう考えて俺はルイスに肩を貸したままギイに近づいていく。
ロープとかはないが頑丈なワイヤーがある。これで指と関節を締める拘束技がエグドロ原作のなかで多用されているのだ。なおほっとくと三日で縛った箇所が腐り始めるので、どっちかというとその用途で使われてるというのがじつに嫌なポイントなのだが。
俺は屈みこみ、ギイに手を伸ばして────
「油断するな」
ガバっと身を起こしたギイに、頭を掴まれた。