「おお、ゆうしゃよ!しんでしまうとはなさけな、、くない!?」~俺にしか使えない伝説の禁術【死者蘇生】と俺しか使わない非道の禁術【自爆】を使って禁忌の刻印を持ちし勇者が無双する。 作:石尾ニシン
「我が名は魔王軍直下十六魔天が一人ヴァリウス。第三次人魔大戦において東の勇者エイデン一行の撃退と西の英傑ジャンヌの殺害。その他一万を超える人類を殺した。その功績を称え魔王様から我は十六、、、」
ある大魔族の城の一部屋での出来事。
俺の目の前にいるのは、巨躯な闘牛のような下半身に大柄な筋肉質の男のような上半身、それに聖書に出てくる悪魔のような羽を持ったケンタウロス型の化け物だ。化け物じみているのはその体つきだけではない。
「光の導きを素に汝に魔導の行く末を示し給え」
俺の魔力探知によって検知した魔力反応も竜巻のように暴力的に渦巻いている。
「強いな飽きるほどに、、、」
あながち彼?の言っていることも嘘ではないのだろう。だが、、、
「長い!」
こちらとしてはこんな戯言聞き飽きていた。強者の傲慢的自慢。自分の強さを憂うのも、その強さに対して悦に浸るのも自由だが、聞く方の身にもなれ、これだから強い魔族というのはつまらん。皆同じようなことを言う。何が厄介ってこいつらは半端なく強いわけではなく中途半端に強いから自制が効かない。
どれだけそいつが強かろうともどれだけそいつが聡かろうとも何度も聞けば飽きてくる。強い者いじめをする方の身にもなってくれ、、、
「十文字でまとめろ」
俺はゆったりと言った。
「勇者ラルフお前を殺す。」
俺の名前を叫びながら十文字でまとめた彼?はその大きな右の手に持った斧を私に向かって振りかざす。その斧は俺の体を引き裂いた。何度も何度も、、、八つ裂きという奴だ。その階層に俺の血が広がっていく。
彼の宣言通り彼は俺を殺した。
「ふっははは、こんなものか勇者ラルフ。勇者のくせに死んでしまうとは情けない。弱い、貧弱、惰弱。何が伝説だ。何が禁忌の勇者だ知ったことか?この程度の雑魚が私に命令するなど片腹痛いわ」
そんなことを目の前の雑魚が言っていると、俺の体の断片に緑色の光が集まり始める。そして数秒後俺の体が逆再生でもされるみたいに八つ裂きにされる前の状態に戻っていく。ヴァリウスは目の前の光景に目を見開いている。
「片腹痛いか、、、その言葉をそのままお前に返したい気分だ。まあ俺を殺した程度で俺に勝ったと思っているようではお前は一生本当の意味で強くは成れないよ。強さとはなぜ自分が弱いのかを自覚した瞬間に見える影の中に潜む一筋の光だ。強者とはその光の先にそこにたどり着いた者の事だ。俺の命令通り十文字でまとめたお前に教えてやろう。本当の強さをな、、、あ!お前が無様すぎて俺の言葉も長くなってしまったではないか、、、まあいい俺の言いたいことを三文字でまとめよう。」
俺は戯言でも吐き捨てるようにヴァリウスに向かって唾を吐きながら言った。
「雑魚が」
「なんだ今確かに私は八つ裂きにしたはずだ、、、お前を殺したはずだ、、、」
「ああ確かにお前は俺を殺した。けどそれは殺しただけだ。殺された人間が生き返ってはならないなんて法を誰が唱えたのだ。魔王ユリウスか?法王スラーか?あの人か?そんな法は俺の辞書にはない。」
「貴様まさか使ったのか禁術ザーリクを、、、否しかしあれは賢者ガリレイが妄想し夢想した具現の産物ではないのか?それに禁術のはずだ、、、いや待てなぜ発動できたのだ?お前には禁忌回復魔術の詠唱などしている素振りはなかった。まさか貴様の体のその文様は?自身の体に禁術を刻印したのか、、、」
幽霊でも見たかのようにヴァリウスは後ろへと後ずさる。
「イカレテイル」
「禁術の刻印か、知ったことではないな、使えるものは何でも使う。それが俺の中の勇者だ。10文字でまとめた礼としていいものを見せてやろう。ふむお前はそこそこ強そうだな、指一本分といったところか?」
そういった俺は腰に携えた剣を取り出し自身の小指を切り取る。切り取った場所から血があふれる。
「何をしているんだ?」
ヴァリウスは化け物でも見るような眼でこちらを見る。
「別に答える必要はないが教えてやる。自爆だ」
そして俺は呪文を唱える。
「番いの片割れは、魔の片鱗となし、ここに散り行くは我が片割れなり、、、自爆魔法ギガンテ部分対象小指」
そういった俺はゆったりと自身の切り取った小指をヴァリウスに投げつける。
「な!?」
その小指が光り輝く、そしてその空間のすべてを吹き飛ばす。ゆったりと光が明けていく。光が明けた先には何もなかった。ヴァリウスも当然いない。俺もいない。目の前には何の生物もいない。ただの更地だった。まっさらな平野だった。
そして先ほどと同じように緑色の光が俺を包み逆再生でもされるみたいに俺の体は元に戻る。
「十六魔天こんなものか、、、勇者というのもつまらんな、、、」
あくびをしながら自身に刻まれし黒色のタトウーのような禁術の刻印を見て俺は独り言ちた。